カテゴリー: 7 Journal – Triathlon LUMINA
STORONGMAN Miyakojima _ 2023(Lumina #89)
4年ぶりの宮古島は、暑く、熱いレースだった。
4年ぶりということは、「4歳」年齢が上がっていることになる。前回年齢をチェックした2018年からはエイジグループが一つ上がったことになる。高齢化が進む国内トライアスロンにおいてバイクのトレンドに変化はあったのだろうか。コロナ禍によるデリバリーの遅れ、もちろんモチベーションの低下もあっただろう。ディスクブレーキの付いた新型バイクに買い替えるべきなのだろうか。宮古島出場に向けては、いろいろ考えたはずだ。
さて、バイクカウントは雨の中となった。時折激しい雨となり、選手も大変だったが、バイクのカバーをかけている選手が少なくなく、カウントの精度が危ぶまれた。一部でもフレームなどが見えていれば、何とかなるのだが、完全に隠れてしまっているバイクもあった。レース当日、バイクスタートを再度押さえることになった。
推移から見えてくることは多かった。予想通りもあれば、意外と感じることもあった。たかがバイク機材だが、現在の方向性やそこから見える課題は、パフォーマンスアップ、何より快適性、安全性などに繋がることもあり、これから考えるべきことは少なくないと思った。
【P18~19 国内ロングBIKEトレンド分析】
- 全体シェア1位はスペシャ、話題のキャニオンも急伸
- トライアスロンバイク比率は57%と意外な「上昇傾向」
- ディスクブレーキ使用率、初めての「30%超え」
- 選手層の高齢化とバイクトレンドの関係
- 選ぶべきはTRIモデルかロードか
アイアンマンの聖地よ、永遠に。(Lumina #88)
3年ぶりのKONAだった。
バイクカウントは、アイアンマン史上初の2日間開催となり、2日合計で5000台に及んだ。台数が多いため、その傾向への信憑性は高くなるのだが、各メーカーの「運」というのも当初から感じていた。コロナ前にリリースできたメーカーが良かったわけでもない。空白の時間が、鮮度を落としていた。コロナ禍の中では、やはり「後回し」となり、ユーザーからの期待は薄れて行った。
一つ残念だったのは、「ディスクブレーキ一斉スタート」とならなかったことだ。サーヴェロ、スペシャライズド以外の多くメーカーが2020年以降となるため、各社の事情により、スタートに大きくバラツキが出た。本当に人気のあったモデルが何だったのか、今一つ見えなかった。単に台数の話ではない。少なくても「注目すべき」ということだ。
元気を出すべきは選手だけではない。さまざまな、ヒト、モノ、コトとなるが、モノの代表格であるバイクの動きは各社大きな決断に迫られていた。トライアスロンへの注力をどのようにして行くのか、大きく迷った。そんな中でも大きくトライアスロンへ舵を切ったメーカーは勢いを感じる。
2023年アイアンマンも完全復活し、躍動する大会に期待したい。そこには必ずバイクの動きもあるはずだ。
【P20~27 アフターコロナの世界BIKEトレンド】
Topix 1 世界の決戦バイク
Topix 2 GERONIMO BIKE COUNT
Topix 3 TOPICS
Gear Trends 2022(Lumina #84)
ルミナ84号が発売となった。
今号の表紙はトライアスロン界の「あいちゃん」こと上田藍選手だ。周知の通りだが、上田選手と言えば、ODトライアスロンを長きに渡り引っ張り、オリンピック3回出場、2016年ITU世界ランキング3位など、「日本の顔」と言える選手だ。WTCS横浜大会など、世界最高レベルの「ラン」で魅了された人も多いだろう。
そして、今シーズンから主戦場を「ロング」としていることに大いに湧いている。ロングで活躍する選手のサクセスストーリーは「OD出身」だ。ショートのスピードとパワーが基本になっていると言っても過言ではないだろう。現在、SUB8が特別ではなくなったアイアンマンは、いかにSUB7に近づけるのか、突破できるのか、そんな時代に入った。そこにはやはり「スピードとパワー」がキーワードとなる中、ODからロングへの転向は、期待しかないのだ。(Interview01 上田藍 P34~39)
次に特別企画としている「風洞実験」が興味を引くデータを出ている。 やはりDHポジションなどがメインとなると思うが、特にペダリング時の内反傾向(ガニ股)でのデータに注目した。アイアンマントップ選手のライオネル・サンダースの「ガニ股」は有名だが、この結果を見ると考えさせられてしまうのではないだろうか。そもそもフィッティング時にチェックする「膝の軌道軸」をどのように修正するかが関わってくるのだが、今回の結果はそこへの「一石を投じる」と言っても良いだろう。(特別企画 / 風洞で知る、エアロ戦術のヒント!P26~31)
さて、今号の特集は「Gear Trend 2022」で、ランシューズ、アパレル、そして、バイクについて、「今」そして「これから」について、述べられている。もちろん、Triathlon GERONIMOとしては、バイクについて書かせて頂いた。
【P20~21 トライアスロンバイク2022 最新動向】
すでにリリースされているモデルについては、コロナ禍で遅れていた納期も戻りつつあるが、新型リリースのスピードは鈍化していることは否定できない。そんな中で注目すべきポイントをまとめている。昨シーズンと比較し、今シーズンはより一層レースも戻って来る傾向だ。「今」を押さえておきたい。
■参考
トライアスロン専用モデルとして生まれ変わった。
TTモデルと同様のシルエットにしたトレックの答え。
2019年のコナでは、P5に分があったが理想はPX系。
コリンズカップ、70.3など実戦投入済みの未発表モデル。
2015年コナで発表、2016年モデルとして早7年目に入った。ブルンメンフェルトの大活躍により「GIANT」は、あらためて注目されている最後のビッグメーカーと言って良いだろう。ディスクブレーキ化は当然だが、コナでSUB7.5を可能にする最速マシンへの期待は極めて大きい。
「バイク界も大きく動き出すはず。ディスクブレーキ、チューブレスタイヤ、パワーメーター、各種スマート化など、バイクに対する知識もアップデートが必要になってくるだろう。」
ツール・ド・フランスに見るTTバイクトレンド(Lumina #83)
ルミナ83号が発売となった。
今号の表紙はブルンメンフェルトのTOKYO2020ゴールシーンだ。オリンピックも終わり2ヶ月以上経ったが、やはりショート系の頂点であるオリンピックへの注目度は高かった。ましてや自国開催となるTOKYO2020では尚更だろう。
さて、今号の特集は「脂肪を活かすチカラ。」と気になるタイトルだ。運動のエネルギーとなる「脂肪」について基本的な観点や呼気ガスを数値分析し、脂肪代謝からトレーニング強度、メニューを割り出すなど興味深い。また昨今良く聞くキーワードとして「MCTオイル」の有効活用など、この時期にマッチした内容だった。
「インターバルで無酸素から引っ張り上げるやり方ではATは伸びない。」天才宮塚氏の言葉が刺さった。
トレーニングは人それぞれというものの、ある程度はセオリーに基づき、トライ&エラーを繰り返しながら行っているだろう。理想と現実の間で、少しでも理想に近い方法を取り、合わなければまた戻す。常に新たな取り組みへの柔軟性が求められるのだろう。
【P42~47 ツール・ド・フランスに見るTTバイクトレンド】
2019年にも同様に企画があった。矛盾するようだが、ツールではまだディスクブレーキ100%でもない。また昨今は「トライアスロン用」と「TT用」は別のモデルとなっている。そんな中でもやはりツールは面白い。世界最高レベルの選手たちが使う機材はやはり本物だ。ツールで使用されるバイクはその証、サポートしているかは別だが、意識しないメーカーはない。そして、今回新型のディスクブレーキSpeedconceptが走っている。先日のIRONMAN70.3World Championshipで使用されているものとは仕様が異なるが、外観状はほぼ同一としている。まずは、その姿を先行し、お披露目しているのがツールだ。
【P48~51 シマノ新型デュラエースR9200シリーズ】
ついに出た新型デュラエース。新機構やアップーデートは数え切れない。ただ、大事なことはトライアスリートにとって、どのようなメリットがあるのか、ということだ。リアのギアが12枚、多ければそれに越したことはないが限界はある。ガーミンに例えれば935が出た時と同じ感覚だ。「今が買い」であるということだ。12速化により、変速という作業が「理想的」なフェーズに入ったということが言えるだろう。
また、昨今様々なインドアバイクトレーニングが盛んになり、ケイデンス、パワー、ハートレートなどデータの管理がシビアになって来ている。「5W」や「5rpm」の差がリアルに体感できる。外ではできない最大のメリットがある環境が整った今、そこにはよりスムースな走りができる「多段化」は極めて有効的な武器となるのだ。
「昔は、大きなイベントは普及にも繋がり、2000年のシドニーでトライアスロンの初開催を見て「短いレースもあるのですね。その距離なら出来るかもしれませんね。」と言われたことがあった。それまでは、宮古島や佐渡、そして、アイアンマンなどのロングがトライアスロンだと思っていた人も少なくなかっただろう。さすがに今は周知されていると思うが、シドニー大会では少なくとも普及につながった部分があったと思う。
今回は、どうだったのだろうか。せっかくの自国開催だったが、コロナ禍に阻まれた大会として、残念極まりない。観戦自粛がなければ、沿道で多くの人々がそのスピードとパワーの迫力を感じただろう。そして、その迫力は憧れともなり、観るスポーツからDoスポーツへ発展したケースも十分あったはずだ。」
特集 / 新しいモノ買いにいこう。(Lumina #80)
ルミナは80号。10周年を迎えた。
今号は、この10年を振り返り、バイクがどのように進化して来たのか、山村氏と振り返ってみた。まさに激動とも言えるバイクシーンは、エキサイティングな状態が続いている。また、2021年シーズンに向け、その振り返りを踏まえ「今」オススメすべき機材を紹介している。
レース、アスリート、バイク、様々なコト、ヒト、モノの変化が著しく思えた10年だった。感覚的には前半5年、後半5年という2段階あったように思う。特にバイクは前半で完成されたかのように思えたが、2016年コナ、サーヴェロのP5Xローンチが、トライアスロンバイク界に激震を起こしてしまった。P5Xの登場により各メーカーは迷った。その完成度は高く、リサーチから始まり、適材適所のパートナー起用、素材とその製法、こだわりの各ギミックとユーザビリティは本気だったからだ。
昨今の状況から、他業界同様、各メーカーも動きを押さえ付けられてしまっている。そんな中でもトライアスロンメーカーは、熱いパッションで開発を続けている。その原動力は、そこへの期待をしてくれているアスリートたちがいるからだろう。
【P12~17 トライアスロン・バイク、流行と少し先の未来と】
フューエル&ストレージ、異形、ユーザビリティ、ディスクブレーキ、そしてパワー計測、バーチャルライドを含めたスマート化など、多くのキーワードが飛び交った10年だった。トライアスロンにおいては、「エイジユーザー」がカギを握っている。今後もよりアスリートに寄り添った開発が行われるだろう。
【P18~21 GERONIMO’s choice】
ショップ目線でオススメしている。そのバイクの実績や背景、基本性能やギミック、扱い易さ、そして、コストパフォーマンス。理想だけでは買わない。より現実的かどうか、また、バイク自体のオーラも必要だ。直感で欲しいと思ったものを選ぶことは間違っていない。ただ、それまでの競技経験、身体特性、練習環境など、モノだけではなく、「コト」として十分な相談ができることが条件となるだろう。
「これからの10年、トライアスロンバイクの完成度は更に高まる!」
特別企画 / トライアスリートのBIKEまわり買い替えガイド(Lumina #79)
ルミナ79号が発売となった。今号の特別企画は「BIKEまわり買い替えガイド」。すべてを語ることはできないが「キーワード」は伝えた。2台目は必ずしもトライアスロンバイクが良いとは言えない。また、ロードバイクの多様性を活かしたマルチな対応も検討の余地がある。
トライアスロンバイクに大きく注目させたのは、1993年のキャノンデールR700だったと思う。その後は、トレックのOCLVロードとどちらが良いのか、話題になっていた。10年が経ち2003年クウォータのカリバーが「カーボントライアスロン」の火付け役となった。その後、2006年の「P3カーボン」が本格的にカーボントライアスロンバイク時代を築いた。2009年の初代スピードコンセプト、2010年の初代SHIVなど、開発ラッシュとなり、2010年代でそれらは完成度を高めていった。
ただ、まだまだ課題は多くあり、競技レベル、体格・体型、価格など、まだゴールは見えていない。万人向けは難しいが、幅の広さは十分とは言えない。トライアスロンバイクは、あくまでも理想であり、そのゴールは大いに期待したい。ただ、同時に、完成度と選択肢の多いロードバイクを見直し、「選択肢」として冷静に検討する必要があるだろう。
【P46~51 トライアスリートのためのBIKEまわり買い替えガイド】
Theme 1 今、自分には、どんなバイクが必要か?
Theme 2 買う前に整理しておきたいBIKEトレンド
Theme 3 バイクまわり装備をめぐる「今が買い」キーワード
「2021年シーズンまではまだ時間がある。慎重に選びたい。」
KONAから読み解く、世界のトレンド(Lumina #76)
今年も、と言っても昨年10月の話。4ヶ月半経っている。ただ、KONAのデータは無視できない。大きな動きがあれば、大きな話題となり、市場にも影響が出る。大きな動きがなくても静かな助走期間として、水面下でのメーカーの動きに大きな期待がかかる。いずれにしても世界最高峰の舞台からは目が離せない。
やはり、バイク本体が最も話題となる。各メーカーは、鎬を削って開発するわけだが、これは、単に新型トライアスロンモデルの話ではなく、メーカーのその時点の「集大成」を発表する場ということなのだ。昨今は、課題が多くなった。それまでのエアロダイナミクス、軽量性、快適性、剛性に加え、ここ10年のストレージ&フューエル、そして、近年の「ユーザビリティ」をクリアしなければいけなくなった。これらの難題を高次元に融合させられたものが生き残る。そんな開発レースでもある。
そして、2020年のKONAでもメジャーブランドの大きな話題が予想されるフルモデルチェンジがあるだろう。
【P16~31 Bike & Gear バイク&アイテム・トレンド分析】
Topix 1 最強アスリートたちのバイク
Topix 2 異形ブームの行方
Topix 3 動向(トップ10集中と5強、ディスクブレーキ、サーヴェロ内訳)
Topix 4 トレンドパーツ解説(DHバーとフロントシングル)
Topix 5 トレンドアイテム
「KONAはやめられない!」
本当に選ばれているバイク
Triathlon LUMINA No.72が発売となった。
今回はKONA特集。40周年ということもあり盛り上がったKONAだった。KONAは、トライアスロンの原点。自身への挑戦をする場として、最高峰とも言えるスポーツだ。もちろん、現在では、プロの世界でもあり、そのレベルは40年前とは比べものにならない。今回のKONAでは、ついにSUB8が出ている。タイムも40年で4時間短くなっていることになる。
そして、エイジ選手のタイムも「半プロ?」とも言えるタイムとなり、単なるエイジ選手、趣味なのか、と思ってしまう。2008年のSUB10選手は307名、そして、2018年は727名だった。その10年が早かったのか、どうか。いろいろな考えはあると思うが、確実に伸びているということが重要だと思う。「流行り」ではなく、「スポーツ文化」として不動のものとなりつつある。
そんな、ハイレベルが安定したKONAでの情報は、「信憑性」が高くなる。ヒト、モノ、コト全てにおいて、大きく「参考」となるのが、KONAという舞台だ。そして、今年もKONAでの “ GERONMO Bike Count ” を敢行している。
2015年から各大会でこのカウントを行っているが、レースによってその分析結果はそれぞれ特有となっている。1シーズンで一万人近くを調査したが、各大会によって、その傾向は異なる。昨シーズンであれば、下記のようなイメージを持っている。
4月全日本トライアスロン宮古島大会(1572台)は国内No.1大会として、地域性、競技レベルにおいて最も幅広く、新型モデルの投入傾向も強く、「トライアスロンバイク比率」が高く、トライアスロンならではの偏りのないトレンドを確認できる。
5月世界トライアスロンシリーズ横浜大会(108台)は、全バイクの詳細分析を行い、ショートのドラフティングレースにおいて、「トライアスロン」に使用するロードバイクの特性とは何なのか。
6月アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン(1591台)は、今後のトライアスロンシーンを占う大会と言っても良い。初ミドルからロングベテランまでの選手層とバイク機材を合わせることによって、トライアスロンの盛り上がりが見えてくる。
7月全日本トライアスロン皆生大会(952台)は、元祖鉄人レースだが、地域性の濃い結果となる。また、アップダウンがハードなバイクコースと、灼熱に耐えるランとなり、サバイバルとなる猛者の大会として、特徴的な傾向が見られる。
8月(2017年)木更津トライアスロン大会(1644台)は、今や関東を代表する大会の一つになったが、初心者の登竜門的大会のイメージが強い。そのため、今始める人に人気のあるバイクが見て取れる。また、通販で販売している3万円台ロードバイクなども確認できる。
9月佐渡国際トライアスロン大会(986台)は、国内のロングを締めくくる大会で、ロングのAタイプの他にミドルのBタイプも併催している。そのため地域性は広いが、使用されているブランドが他の大会に比べ絞り込まれている。
そして、10月のアイアンマン世界選手権を迎える。先述の通り、ハイレベルなエイジ選手からのリアルで、タイムリーなデータが収集できるのだ。
更に「本当」が知りたかった。半プロレベルのSUB10選手727名が使用するバイクは何だったのか。
独自目線の条件付きでもあるが、事実でもある。
「KONAを伝え続けていきたい。」
LUMINA No.66
ルミナNo.66発売しました。
今号の特集です。
P6~37 OWS 完全攻略 BOOK
西内洋行コーチ、細田雄一選手による、オープンウォータでのスイムテクニックを徹底紹介しています。また、プールでできる「オープンウォーター対策」の紹介も面白企画ですね。
その後のお試しは、こちらでどうぞ。(^^)/
サザンビーチAQUQTHLON http://triathlon-geronimo.com/?p=12340
P44~45 TREK Madone 9.0
今号で担当させて頂いたのがマドンです。
マドンは、一般的なDHバーが付けられるようになりました。トライアスロンバイクでもなく、単なるロードでもないエアロロードは、「第2のトライアスロンバイク」として、今後期待のバイクですね。(全2回の1回目)