P5、P3Xの国内公式発表となった。
過去にない同時発表だ。やはり「トライアスロンのサーヴェロ」を強調するかのようなパフォーマンスに見えるが、果たしてそうなのだろうか。P派?PX派?そして、P5Xも公式に継続ラインナップされ、P5X or P3X ?などその選択には迷うだろう。
サーヴェロの開発には前代未聞がつきものだが、P5Xの開発コンセプトである「エイジユーザー」対応と言っても、SUB10から制限時間をフルに使って走る選手まで幅広い。例えが極端かもしれないが、完走時間が7時間差あれば、シリーズやモデル分けなどを設定すること自体、当たり前のことだったかもしれない。
まず、PとPXだが、データ上Pシリーズ(P5disc)のエアロダイナミクスがPXシリーズに優っている。一見、PXの方がエアロダイナミクスの高いイメージを持つが、ストレージやユーザビリティを特徴とし、快適性を優先させているのがPXだ。一方、P(P5Disc)は、UCI縛りがありながらもPXより、高いエアロダイナミクスとなっている。簡単に言えば、「速さ」のPシリーズ(P5Disc)と「快適性重視」のPXシリーズと言えるのだ。大きくはここで判断してもらえれば良いだろう。
次に、PXシリーズのP5XとP3Xについてだが、サーヴェロの基本コンセプトとして、「5」が上位モデルとなる設定は変わりがない。現行では、サーヴェロ唯一のアメリカ生産であり、「Cervelo × HED × ENVE」コラボレーションで造られたこだわりモデルだ。ハンドルが分割できるユーザビリティも、P5Xオンリーとなる。一方、P3Xは生産拠点、フレームデザインなどを見直し、大幅なコストダウンに成功している。そして。話題から外せないのは、下位グレードとなるP3Xがより軽量で、より剛性アップしていることだろう。データ上、ヘッド剛性とBB剛性は、上下逆転となるスペックとなっている。また、ハンドルは分割仕様ではないが、P5Xの分割ハンドルと同形状のため、使用することが可能なのだ。これによって、「P5X同様」のメリットも得ることができる。やはり、5と3のグレード感が分かりづらいが、P5Xのほうがデータと異なる全体的な「剛性感」が高いとの情報もある。P5Xが発表されてから2年半、時間的な経過もあり、リアハンガーなどのリプレースメント化や細部のバージョンアップは施されているが、P5Xの上位は変わらない。
P5 Discで世界のバイクの頂点に立つことを狙っている。そこからのフィードバッグがトライアスロンにも活かされるからだ。その舞台に立てるバイクがP5 Discだ。そして、シリーズ化も当然の流れとなり、P3 DiscがP5 Discとともにハワイでもメインバイクとなるだろう。一方、P3Xの登場は、PXシリーズを引き続き提案するサーヴェロのプロジェクトだ。エイジユーザーの究極のコンセプトバイクは間違っていない。一つの可能性として、自費で調達となるエイジユーザーには価格の影響も大きいのではないか。性能の前に価格で選別されてしまうかもしれない。P3Xでこの提案に勝負をかけるサーヴェロなのだ。
発表会場での追加情報もあり、関係者、有識者と話をしていると様々な意見が出ている。見た目も大きく異なるが、まず、自身がどのような「走り」をするのか、基本路線を考え決定すると良いだろう。
宮古島では、両者の試乗が予定されている。試乗の有効性は周知の通り。特に今回は、意味の大きな「体感」を確認できるだろう。
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「サーヴェロ学!?」