DHバーを付ける時、変える時に考えること【メーカーNEWS】プロファイルデザイン 多彩なポジションを実現するWING20C+ / ERGO / 35SLC

プロファイルのテーマは「MAXIMUM ADJUSTMENT」だ。宮古島も控え、あらためてDHポジションを考えなければいけない。

DHバーは、いかに幅広いアジャスタブル機能を持ちつつ、汎用性の高さも必要となる。トライアスロンバイクには最初から付いているが、本当に使いやすいものだろうか。また、ロードバイクに後付けする場合は、どのようにしたら良いのか。

DHバーは「腕のサドル」でもある。つまり最初から付いているものや、調整をしていないものは合っていない可能性があるということになる。正確にはその可能性が高いと言えるだろう。トライアスリートの証でもあるDHバーを使いこなすことは必須であり、「DHポジション」を制することこそ、レースを制すると言っても過言ではない。

DHバーをセッティングする時の注意点は2点。一つは、DHバーそのものの選び方だ。そして、もう一つはフィッティングとなる。簡単ではないが、トレーニング同様にトライ&エラーを繰り返しながら完成度を高めるものだ。

≪DHバーを選ぶ≫

まず、DHバーもサドル同様に考えてほしい。サドルに違和感を感じ、一つか二つ、変えてみたという人は少なくないはず。やはり、体重がかかり、その違和感を感じ易い。DHバーも同様で、腕が座るサドルのようなものなのだ。エクステンションの形状、パッドの形状など、直接触れる部分のフィット性は良いか。次に、エクステンションの形状はメーカーやモデルによっていくつもあるが、「どこ」を握るのか、それが決まれば、あとは握る部分とパッドの「距離」が好みにセットできるDHバーであるかどうかによる。

その距離こそが極めて重要となる。良く見かけるのが、DHバー単体を購入して自身でそのまま取り付けているケースだが、多くのメーカーが「長過ぎる」状態となっている。これはカットは必須であり「大前提」となっているということなのだ。前述の距離を合わせるためには、日本人サイズで言えば、大幅にカットが必要となる。距離はエクステンションを下げれば合わせられるが、下げた分だけ後方に飛び出し、ダンシング時などに脚に当たり、危険な状態となっていまう。

つまり、この調整(カット)は、2段階が理想と言えるだろう。馴染んだらカットではなく、最初の状態は異様に長過ぎるため、まず、ショップと話し合い、第1段階のカットをする必要がある。それは人によっては10cm以上となることもあるだろう。そして、第2段階として1~2cm程度のカットとなる。また、フライトコントロール(DHバー先端の変速)なのか、否か、フライトでもDi2とワイヤー式のバーコンではまた違ってくる。そこまでシビアとなるのが、DHバー自体のセッティングなのだ。

≪バイクフィッティングと3つ目のポジション≫

前述ではもの選びであり、「DHバー内のフィッティング」と言い換えることもできるだろう。次はその DHバーとバイクを合わせなければいけない。順番で言えば本来はこちらが先だ。バイク全体のフィッティングにDHポジションをどのように合わせるのか、その具現化が可能となる「もの選び」が必要になるということなのだ。

ロードバイクにそのまま一般型(ドラフティングレースで使用する極端に短いDHバーではなく)を取り付けるとDHバーが遠過ぎてしまう。つまり、サドルの前後位置(実際のシートアングル)が関わるのだが、ロードバイクでは限界となる可能性がある。

ここで考えるべき、大前提のフォームとは、大きくは2つ、そして、昨今では、3つと言えるだろう。大きくは、DHポジションのためのシートアングルが立ち、ハンドル位置が低い「トライアスロンバイク」、もう一つはシートアングルが一般的(寝ている)ロードバイクだ。そして、3つ目となるのが、ロードバイクの「トライアスロン仕様」で、DHバーを付けたロードだ。この3つ目こそが、昨今の現実的に多く取られているポジションだ。

ロードに一般型のDHバーを付けると遠過ぎてしまうと述べたが、これはサドルとハンドルの落差に大きく関係している。トライアスロンバイクのDHポジションをロードバイクに再現するとどうなるのか。仮に170cmくらいの選手であればサドルを通常位置より5~8cm程度を前方に座り、ドロップハンドルの上面に直接腕を乗せる。やや荒っぽいが、概ね「トライアスロンバイクのDHポジション体験」ができる。お尻や腕が痛かったり、サドルが少し低い状態にはなるがイメージは湧くだろう。ロードバイクとの明かな違いが体験できる。

そして、ここでは3つ目の「中間的」とも言えるロードバイクのトライアスロン仕様の提案となる。DHバーをそのままドロップハンドルに付けると位置が高く、今までは「(競技上の)理想ではない」としていたが、選手それぞれの目標設定は様々な中で、DHバーの位置が高いことで、サドルは前方にセットしなくても、違和感の少ないDHポジションが可能となる。まずはここから始めて見ることも良いのではないだろうか。

もちろん、パワー(スピード)の出るフォームではないが、選手によっては無理ないフォームこそ、パフォーマンスの安定により、その選手内では、良い結果につながることは十分考えられる。難しく伝えてしまったかもしれないが、「トライアスロン」を考える中で、必要なことでもある。

 

以下、メーカーNewsとなる。

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エアロダイナミクスと強度、剛性を最適化したベースバー形状

WING20C+ ベースバーは強度と剛性だけでなく、エアロダイナミクスも最適化されています。 バーを裏返すと、ハンドグリップとエアロバーの高さが20mm 変化します。 この汎用性の高いカーボンベースバーとエルゴアームレストを組み合わせることで、フィッティングのための大きな調整幅が生まれます。 SLC カーボンエクステンションは、前世代と同様の人間工学的なオプションを提供しながら、重量を半分に減らしています。

WING 20C+/ERGO/35SLC

軽量さと最大の汎用性

「WING20C+/ERGO/35SLC」には、よりスマートで軽量になった新型ブラケットと48通りのセットパターンを持つ「ERGOアームレスト」をセット。

オプションの「AEROPORT ADAPTER」を使用する事によりDi2 バーエンドジャンクションとバッテリーをすっきり内蔵する事が可能です。「WING20C+/ERGO/35SLC」 は、オプションのライザーキットを使用する事によりエクステンションとアームレストを最大84mm 高く設置する事も可能です。

 

WING 20C+/ERGO/35 SLC(エアロバーセット)

ベースバー素材:カーボンベースバー幅:420mm(C-C)アームレストオフセット:-92.5mm~-10mm(7.5mm刻み)アームレスト幅:124mm~254mm(18.5mm刻み)アームレストスタック:64mm~84mmエクステンション長さ:400mmエクステンション角度:35° (SLC35エクステンション)合計重量:707g

税込定価:¥102,500-

 

 

 

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka