ツール・ド・フランスに見るTTバイクトレンド(Lumina #83)

ルミナ83号が発売となった。

今号の表紙はブルンメンフェルトのTOKYO2020ゴールシーンだ。オリンピックも終わり2ヶ月以上経ったが、やはりショート系の頂点であるオリンピックへの注目度は高かった。ましてや自国開催となるTOKYO2020では尚更だろう。

さて、今号の特集は「脂肪を活かすチカラ。」と気になるタイトルだ。運動のエネルギーとなる「脂肪」について基本的な観点や呼気ガスを数値分析し、脂肪代謝からトレーニング強度、メニューを割り出すなど興味深い。また昨今良く聞くキーワードとして「MCTオイル」の有効活用など、この時期にマッチした内容だった。

「インターバルで無酸素から引っ張り上げるやり方ではATは伸びない。」天才宮塚氏の言葉が刺さった。

トレーニングは人それぞれというものの、ある程度はセオリーに基づき、トライ&エラーを繰り返しながら行っているだろう。理想と現実の間で、少しでも理想に近い方法を取り、合わなければまた戻す。常に新たな取り組みへの柔軟性が求められるのだろう。

【P42~47 ツール・ド・フランスに見るTTバイクトレンド】

2019年にも同様に企画があった。矛盾するようだが、ツールではまだディスクブレーキ100%でもない。また昨今は「トライアスロン用」と「TT用」は別のモデルとなっている。そんな中でもやはりツールは面白い。世界最高レベルの選手たちが使う機材はやはり本物だ。ツールで使用されるバイクはその証、サポートしているかは別だが、意識しないメーカーはない。そして、今回新型のディスクブレーキSpeedconceptが走っている。先日のIRONMAN70.3World Championshipで使用されているものとは仕様が異なるが、外観状はほぼ同一としている。まずは、その姿を先行し、お披露目しているのがツールだ。

【P48~51 シマノ新型デュラエースR9200シリーズ】

ついに出た新型デュラエース。新機構やアップーデートは数え切れない。ただ、大事なことはトライアスリートにとって、どのようなメリットがあるのか、ということだ。リアのギアが12枚、多ければそれに越したことはないが限界はある。ガーミンに例えれば935が出た時と同じ感覚だ。「今が買い」であるということだ。12速化により、変速という作業が「理想的」なフェーズに入ったということが言えるだろう。

また、昨今様々なインドアバイクトレーニングが盛んになり、ケイデンス、パワー、ハートレートなどデータの管理がシビアになって来ている。「5W」や「5rpm」の差がリアルに体感できる。外ではできない最大のメリットがある環境が整った今、そこにはよりスムースな走りができる「多段化」は極めて有効的な武器となるのだ。

 

 

 

「昔は、大きなイベントは普及にも繋がり、2000年のシドニーでトライアスロンの初開催を見て「短いレースもあるのですね。その距離なら出来るかもしれませんね。」と言われたことがあった。それまでは、宮古島や佐渡、そして、アイアンマンなどのロングがトライアスロンだと思っていた人も少なくなかっただろう。さすがに今は周知されていると思うが、シドニー大会では少なくとも普及につながった部分があったと思う。

今回は、どうだったのだろうか。せっかくの自国開催だったが、コロナ禍に阻まれた大会として、残念極まりない。観戦自粛がなければ、沿道で多くの人々がそのスピードとパワーの迫力を感じただろう。そして、その迫力は憧れともなり、観るスポーツからDoスポーツへ発展したケースも十分あったはずだ。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka