■Contents
- GERONIMO COUNT
- Race “Photo 131” Report(Hot,Hot Run ~ STRONGMAN)
- Race “Photo 335” Report(Good Morning ~ Island Bike)
- Race Recap
- MIYAKO Saturday
- MIYAKO Friday
- 【取材予定】第37回全日本トライアスロン宮古島大会







宮古島が終わった。
Triathlon GERONIMOとして、最後であり、メインのコンテンツがこのカウントとなっている。下記の通り、スペシャライズド、サーヴェロ、シーポのトップ3となった。これは2016年から変わらぬ「三つ巴戦」で、2016年から3年はサーヴェロがトップ、2019はシーポ、そして、今年はスペシャライズドが初めて1位となった。
また、今回も4位までが100台オーバーとなり、トレックまでが国内4大ブランドということが言える。そして、昨年コナで大躍進の注目株となったキャニオンは6位となり、初のトップ10入りとなった。意外なイメージとなるが、すでに海外では、トップ10常連ブランドとなっていたためだ。来年はトップ5として食い込んで来ることが予想される。
この使用台数のデータは、KONAでも出している単なる「生データ」に過ぎない。より詳細の分析が必要となるが、そこは次号のルミナでご紹介したい。
STORONGMAN Miyakojima _ 2023(Lumina #89)(6/2追記)
この先に「今」の選手像が見えてくる。
順位 | バイクブランド | 使用台数 | 使用率 |
1 | スペシャライズド | 174 | 15.66% |
2 | サーヴェロ | 172 | 15.48% |
3 | シーポ | 128 | 11.52% |
4 | トレック | 123 | 11.07% |
5 | フェルト | 55 | 4.95% |
6 | キャニオン | 45 | 4.05% |
7 | キャノンデール | 43 | 3.87% |
8 | ジャイアント | 30 | 2.70% |
9 | ピナレロ | 29 | 2.61% |
10 | BMC | 26 | 2.34% |
11 | クウォータ | 24 | 2.16% |
12 | スコット | 22 | 1.98% |
13 | BS | 20 | 1.80% |
14 | ビアンキ | 17 | 1.53% |
15 | デローザ | 14 | 1.26% |
16 | アルゴン18 | 13 | 1.17% |
17 | オルベア | 10 | 0.90% |
ボーマ | 10 | 0.90% | |
19 | コルナゴ | 9 | 0.81% |
ルック | 9 | 0.81% | |
21 | QR | 8 | 0.72% |
22 | メリダ | 7 | 0.63% |
23 | ウィリエール | 6 | 0.54% |
ストーク | 6 | 0.54% | |
ダイアモンド | 6 | 0.54% | |
BH | 5 | 0.45% | |
ケストレル | 5 | 0.45% | |
チネリ | 5 | 0.45% | |
ニールプライド | 5 | 0.45% | |
30 | タイム | 4 | 0.36% |
フォーカス | 4 | 0.36% | |
ライトスピード | 4 | 0.36% | |
リブ | 4 | 0.36% | |
34 | アタック | 3 | 0.27% |
インターマックス | 3 | 0.27% | |
ヴェンタム | 3 | 0.27% | |
キャファ | 3 | 0.27% | |
フジ | 3 | 0.27% | |
ラピエール | 3 | 0.27% | |
リドレー | 3 | 0.27% | |
41 | カレラ | 2 | 0.18% |
コーダブルーム | 2 | 0.18% | |
コラテック | 2 | 0.18% | |
ジオス | 2 | 0.18% | |
チャプター2 | 2 | 0.18% | |
ボードマン | 2 | 0.18% | |
47 | KHS | 1 | 0.09% |
アズーリ | 1 | 0.09% | |
アバンティ | 1 | 0.09% | |
アマンダ | 1 | 0.09% | |
ウィアウィス | 1 | 0.09% | |
エディメルクス | 1 | 0.09% | |
エラン | 1 | 0.09% | |
クイーンK | 1 | 0.09% | |
クラークケント | 1 | 0.09% | |
クライン | 1 | 0.09% | |
シロモト | 1 | 0.09% | |
スイフト | 1 | 0.09% | |
デダチャイ | 1 | 0.09% | |
ハープ | 1 | 0.09% | |
バイクフライデー | 1 | 0.09% | |
バッソ | 1 | 0.09% | |
パナソニック | 1 | 0.09% | |
ビクトリー | 1 | 0.09% | |
ファクター | 1 | 0.09% | |
フォンドリエスト | 1 | 0.09% | |
ボテッキア | 1 | 0.09% | |
マッキサイクルズ | 1 | 0.09% | |
ミヤタ | 1 | 0.09% | |
ラレー | 1 | 0.09% | |
レオパード | 1 | 0.09% | |
不明 | 9 | 0.81% | |
未確認 | 2 | 0.18% | |
71 | 合計(未出走56台除く) | 1111 | 100.00% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
【GERONIMO Countについて】
2015年からスタートし、9年目に入る。元々KONAで30年以上行われていた「バイクカウント」で、ブランド別の使用率は、毎年話題となり、各メーカーがトライアスロンバイクの開発ターゲットと位置付ける大会として、重要な意味があった。Triathlon GERONIMOでは、そのKONAをメインとし、国内外の主要大会のカウントからバイクトレンドを分析している。
頂点でもある前回2022年のKONAでは、約5000台のバイクを14時間(2日間)近くをかけてカウントしているが、単にブランド別使用台数などは面白くない。重要となるのは、その先であり、トライアスロンバイクとロードバイクの比率やDHバー装着率、新型使用の目安となるディスクブレーキ比率などから見えて来るものがある。以前は、「Di2使用率」であったり、ホイールの「リムハイト」など、大会の特徴に合わせ、チェック項目も変えながら、分析している。
そして、日本国内では、選手層、練習環境、レースのコース、ディスタンスなどから、必ずしもそのままのトレンドではない。国内ではそこに「年齢層」も大きく関係してくるのだ。逆に、世界と国内の違いが面白い。前提や条件を確認した上で捉える一つの指標である。
そして、暑く、熱いランとなった。
一気に「夏」となったランは、30kmという「距離以上」の過酷さとなった。
終わってみれば、「十分」な宮古島だった。
37回目の宮古島大会が終わった。
国内トライアスロン皮切りのビッグレース、宮古島大会が4年ぶりに開催された。当日は、最高の天候に恵まれ、1200名の選手がレースを楽しんだ。
今回は、総距離が約46km短い、スイム3km、バイク123km、ラン30kmという距離と定員を500名減の1200名でのコロナ禍仕様となった。距離は短くなったが、開催の難しいロングで、しかも国内の代表格でもある宮古島が帰って来て、2023年はやっと戻れたという感覚ではないだろうか。前述の通り、距離など、まだ条件付きとはなるが、来年に向けたステップとして大きく動き出した。
昨年は佐渡や皆生も復活していたので、待ち望まれていた宮古島だった。今回は恐らく開催するだろうという期待をして、トレーニングもしっかりとやって来たという選手も多かったように感じる。待ちに待った「大人の大運動会」のために新調したバイクやウエアが目立ち、この3年間のストレスの発散と、再び宮古島を走れる喜びを噛み締めていた。
宮古島大会に限らずだが、ロングの開催はハードルが高く、多い。宮古島もしかりで、地元の応援はあるが、仕事や生活との融合とその理解を絶えず求めながらの根気と努力の賜物とも言える開催なのだ。よく言われる言い方となるが、大会は、選手のみならず、地元の人々、ボランティア、スタッフ、関係者など多くの人々によって開催が可能となる。
宮古島は唯一無二。その雰囲気は何度行っても良い。
■Race
【スイム 3km】※変更なし
透明度は高く、南国宮古島ならではの最高のロケーションとなる。コースは、2018年からの一周1.5kmを一度上陸し、2周回の3kmとなる。スタートは従来は一斉スタートだが、今回は300名づつの4ウェーブとなった。スタート間隔は各2分とし、7:00スタート、最終ウェーブは7:06のスタートとなっている。
ビーチからはさほど影響のない波のように見えていたが、選手からは口々に波があり、泳ぎづらかったという声が聞こえて来た。また、ブイが見えずらかったとも聞いている。そして、ウェーブスタートではあったが、終始バトル状態だった選手も少なくないようだ。スイムの苦手な選手にとってはハードルが高かったのではないだろうか。
レースは、ウェーブスタートのため、見かけと順位がずれてしまうが、優勝の寺澤選手が、スイムでトップタイムを出している。実際のバイクスタートは、第1ウェーブのロンドンオリンピック元日本代表の細田選手が2位となる7秒遅れの好タイムで先行スタート、2分遅れの第2ウェーブの寺澤選手が追いかけるカタチとなった。その後は集団となり、前回優勝の戸原選手を含むトップ選手たちが続いてバイクに移った。一方、一般選手は、泳ぎ易そうに見えていたが、潮流、バトル、視界などから3200~3300m程度の距離になり、楽ではなかったようだ。
今回、初のスキップ制度が導入されたことは朗報だった。すでに周知のルールとして、珍しいわけではない。競技的な記録は残らないが、スイムで無理をさせない安全性を考慮したものだ。そして、バイクとランもできるということの意味が大きい。スイムで終われば、朝の9時に全てが終わってしまう。宮古島は特別な大会、それまでに色々なものかけ、犠牲も払ってきた。ここで終わるわけには行かない。バイクができれば、ランができれば、どこまで行けるのか、次に繋げるためにも走っておきたい。
今回、スイムスキップした選手は8名。その選手たちも、きっと宮古島を楽しめたはず。
【バイク 123km】※157kmから短縮
コースは宮古島一周のトレースで、ほぼ従来と変わっていないが、来間島、伊良部島がカットされたようなコースとなっている。今回は強い風が吹かなかったことが功を奏していた。特に東側の池間島から東平安名崎までは強い向かい風に苦しめられることがある。今回は「気持ち良く走れた」などの声が聞こえて来た。
東平安名崎では、参加者数が500名少ないためか、団子状態はあまりなく、結果ドラフティングは抑えられているように見えた。ただ、東側のコースでは、ドラフティング状態があったように聞いている。ドラフティングはルール違反、また集団落車に繋がる可能性も高くなるため、避けたい。
レースは、スイムからトップに立った細田選手が先頭を走っていたが、東平安名崎(70km弱地点)手前で、車との接触事故が発生した。細田選手は幸いにもレースに復帰することができ、無事完走している。その後は寺澤選手が圧倒的な強さを見せ、2位を引き離し、独走状態となった。
そのまま、寺澤選手が、キープしトップでバイクを終えている。
【ラン 30km】※42.195kmから短縮及びコース変更
ランコースは一部以前のコースを走るものの、ほぼ変更となった。1周15kmを2周する。ランが30kmということで、アイアンマンやその他のロングと比較し「ロングではない」というイメージがあったが、暑さに慣れていない4月に27℃を記録、距離以上にハードなアップダウンなど、十分な「ロング感」はあった。ちなみに以前のITUロング世界選手権の距離規定でもバイク120km以上、ランは30km以上となっていたこともあり、明らかにミドルとは違うと感じたのではないだろうか。
レースは、バイクをトップで終えた寺澤選手が11分差でスタート。この時点で、寺澤選手曰く、優勝を意識したとのこと。最後までトップをキープし、初優勝となっている。また、ゴールとなる宮古島陸上競技場の400mトラックに入ってからゴールスプリントが繰り広げられた。5位だった星選手を6位の山岸選手が第3コーナーから一気にスパートをかけ、逆転ゴールとなった。(昨年4月のオーシャンサイドで見せたサンダースばりの追い上げは見事だった。)
上位選手は続々と入ってくるが、まだまだ1周目で戦っている選手の方が多い。レース前の記者会見で太田選手が言っていたが、ランの時間帯が通常のロングよりも早い時間となり「熱中症」が懸念されると。まさに、慣れない時期に一気に夏の様相の中でのランは選手たちを苦しめた。
■Result
男子優勝は、初出場の寺澤光介選手で、2位に16分以上の大差をつけ優勝となっている。スイムとバイクラップはトップタイムでカバーし、ランで逃げ切っている。ただ、逃げ切ると言っても、ランスタート時にはすでに11分差をつけていたため、スイムとバイクで勝負を決めたと言って良いだろう。
「2019年に応援に来たことがあり、良い大会だと思っていたので、出られただけでもと思っていましたが、優勝できて嬉しいです。レース展開としては、バイクでいろいろな選手に追いつかれるかと思っていたのですが、後ろを確認したら追いつかれると思い、絶対に見ないように漕ぎました。そして、ランに入ってからは、後続選手と差が11分あったので、最後まで気持ち良く走れ、今後に繋がる良いレースができました。来年はディフェンディングチャンピオンとして頑張って行きたいです。ただ、今回の距離設定はスイムが得意な選手に有利だったので、私は良かったのですが、本来の距離でまた優勝をしたいと思います。」
男子総合 | |||||
順位 | No. | 氏名 | 年齢 | 居住地 | 記録 |
1 | 406 | 寺澤 光介 | 29 | 東京都 | 6:04:47 |
2 | 261 | 大畑 亮介 | 41 | 東京都 | 6:21:13 |
3 | 696 | 土田 洋平 | 43 | 岐阜県 | 6:22:09 |
4 | 1 | 戸原 開人 | 34 | 茨城県 | 6:23:06 |
5 | 189 | 山岸 穂高 | 25 | 千葉県 | 6:23:26 |
6 | 182 | 星 大樹 | 34 | 千葉県 | 6:23:31 |
7 | 239 | 梅田 祐輝 | 38 | 東京都 | 6:25:36 |
8 | 603 | 篠崎 友 | 39 | 神奈川県 | 6:30:58 |
9 | 954 | 井辺 弘貴 | 28 | 和歌山県 | 6:33:14 |
10 | 380 | 高橋 豪一 | 47 | 東京都 | 6:33:48 |
女子優勝は、戸原明子選手で2位に4分差をつけ、初優勝となっている。スイム、バイク、ランのバランスの良い安定した走りが優勝に繋がっている。ラン後半の気迫溢れる走りが、その存在感を大きくしていた。
「最後まで諦めずに走り切ることができたのは、島のみなさんの応援のおかげでした。宮古島の方々、選手の方々に感謝しています。目標は3位以内でしたので、トップに立つまでは、優勝は意識していませんでした。トップになり、残り7.5kmになっても太田選手に抜けれるのではないかと思いつつ、優勝を意識し頑張りました。宮古島は大好きな島なので、また来年も来れたら良いなと思っています。」
女子総合 | |||||
順位 | No. | 氏名 | 年齢 | 居住地 | 記録 |
1 | 8 | 戸原 明子 | 29 | 茨城県 | 7:08:21 |
2 | 9 | 太田 麻衣子 | 38 | 東京都 | 7:12:43 |
3 | 91 | 巖淵 知乃 | 33 | 埼玉県 | 7:15:41 |
4 | 828 | 宇治 公子 | 41 | 大阪府 | 7:31:19 |
5 | 769 | 前田 乙乃 | 25 | 愛知県 | 7:38:25 |
6 | 547 | 若月 由里佳 | 29 | 東京都 | 7:40:10 |
7 | 652 | 孫崎 虹奈 | 28 | 神奈川県 | 7:55:35 |
8 | 571 | 太田 成美 | 36 | 神奈川県 | 7:59:57 |
9 | 217 | 市川 典子 | 39 | 東京都 | 8:08:13 |
10 | 379 | 高橋 明実 | 48 | 東京都 | 8:09:02 |
■Weather
最高レベルの天候だった。
前日のバイクチェックインでは、時折、本降りとなる雨となり、2019年の土砂降りを思い出させられた。雨が降れば、バイクでの危険性は高まり、速度低下、パンクなどメカトラブル、体調不良など、悪いことしか思いつかない。そんな中ではあったが、当日は、見事に快晴となった。もちろん、暑さも気になったが、雨と比べることでもなく、気分は否応なしに盛り上がる青空が広がっていた。
気象データ | |||
時刻 | 7時 | 12時 | 17時 |
天候 | 晴れ | 晴れ | 晴れ |
気温 | 20.0℃ | 26.0℃ | 25.3℃ |
水温 | 22℃ | – | – |
風向 | 北東 | 南南東 | 南 |
風速 | 2.4m/s | 2.7m/s | 3.4m/s |
■Finisher rate
2011年以来の90%台を僅かながらだが超えることができた。
これも気になるデータとしていた。近年完走率が低迷し、2012年から90%を超えることができなかったからだ。今回は距離設定が短いため、完走率が上がることは予想していた。ただ、距離以上の過酷なレースとなっていた。完走率を左右するランは、アップダウンが多く、車ではフラットに感じるようなコースでも緩やかな上りが長く続いていたり、コースの最後には11%超える「壁」のような坂があった。それを2周回することは「30km」というイメージを超えていたのではないだろうか。
スタート | スイム棄権 | バイク棄権 | ラン棄権 | 失格 | 完走者数 | 完走率 | |
男子 | 952 | 20 | 34 | 35 | 0 | 863 | 90.7% |
女子 | 155 | 6 | 6 | 6 | 0 | 137 | 88.4% |
合計 | 1107 | 26 | 40 | 41 | 0 | 1000 | 90.3% |
いずれにせよ、完走率が高まることは「真剣度」と「安全度」の高まりと言い換えることができるのではないかと思う。高齢化の前提の中でも、より質の高いトレーニングができていること、同時に各選手の安全性も高まる。
エイジのボリュームと推移は以下の通りだった。
5年前、2018年では、40~54までの3カテゴリーがトップ3の人数となっていて、そのシェアは58.4%だった。この時も「高齢化」のリアルなデータとして、現状を受け止めていたが、やはり、そのまま上がっている結果となった。5歳上り、45~59でトップ3その合計は、1.2ポイント増え、60%目前となっていた。
エイジが上がったことが危険ということではない。逆に、慎重にケアしながら楽しんでいる人が多いと感じる。今回、50歳以降の3カテゴリーは、完走率90%を切っている。前向きに捉えれば、「無理をしない」ということの表れかもしれない。
ここで言いたいことは、トレーニング強度及び頻度などの方法、トレーニング機材、特にバイク車種とそのフィッティングなど、より安全に、快適に、効率よく、年齢に合ったコトやモノが必要になり、考えるべきではないかということだ。
2018 | 2023 | ||
40-44 | 278 | 118 | |
45-49 | 340 | 187 | 187 |
50-54 | 352 | 239 | 239 |
55-59 | 234 | ||
合計 | 970 | 544 | 660 |
比率 | 58.4% | 49.1% | 59.6% |
そして、トレーニングからレースまで、トライアスロンを楽しむ中にも常に危険性はあり、慎重さを欠くことはできない。もちろん選手側だけではない、大会の安全設定など、両者で考え続けなければいけない。
「南の島で開催する唯一のロングの大会。守っていかなければいけない。」
本日はバイクチェックイン。
13:00からバイクチェックインだったが、あいにくの雨模様。5回目にして初めて雨の中でのカウントとなった。時折激しく降り、3時間中2時間半は雨となった。
とにかく選手たちは大変だ。チェックインの会場となる東急リゾートまで宮古市街周辺に宿泊の選手は約10kmの距離をバイクで自走しなければいけない。レース中は仕方ないが、前日からの雨はアンラッキーだった。
チェックインは13:00から16:00の3時間だったが、「早め」にと考えた選手が多かったようで、いつもより早く選手たちが集まっていた。最初からカバーをかけている人も目立っていたが、実は、宮古島では自転車カバーの使用が定番となっている。雨ではない時からほぼ全選手と言って良いほど、一面カバーがかかったバイクで埋め尽くされるのだ。やはり、夜間の雨や朝露対策として、チェーンの油落ち防止など、雨の多い宮古島では必須となるのだ。宮古島特有の光景だろう。
さて、GERONIMOとしてメインメニューとなる「GERONIMO COUNT」を実施した。正確にはカウント前の撮影となるが、雨で事前にカバーをかけているバイクも少なくなく、カウント精度にどの程度影響が出るのか懸念されるが、概ね流れは掴めている。今回は例年の1700台から定員減のため1200台のカウントとなったため、KONAの5000台などと比較すれば格段に楽な取材でもあった。
カウント集計は後日となるが、KONAとの違い、トライアスロンバイク比率の推移、ディスクブレーキ比率など、「機材」から見えてくる選手の今を分析したい。
忘れてはいけない、雨の中で頑張ってくれたボランティアの方々。
そして、いよいよ明日は決戦の時となる。このゲートを目指して、朝7:00、1200名の選手たちがスタートをする。
最後まで諦めない走りを。
宮古島大会の2日前となる。
本日の公式スケジュールとして招待選手のプレスカンファレンスが行われた。意気込み、レースプランやコロナ禍の3年間をどう過ごしていたのかなど各選手からリアルなコメントが出ていた。
そして、今回距離が短くなっていることについてどのように感じているのか、興味深い質問にそれぞれの想いを語ってくれた。
親泊選手「スイムが得意なため、バイクとランが短くなったことはラッキー。」
菅沼選手「突っ込んでなんとかなるのではないか。身体に対する負荷がだいぶ違うので、ラン20km走ればあと10kmと思える。」
三澤選手「スイムだけ短くならないため、順位の影響があるだろうが、まずは大会開催だけでもありがたい。」
山本選手「フル宮古ができないことは残念、私は精神力で勝負をしていたので、もしかしたらそのパワーが効かなくなるのではないか。」
西内選手「私の場合、バイクは120kmから、ランは30kmからが得意なので、自分の強みがなくなってしまうが、スピードを上げたレースを楽しみたい。」
戸原開人選手「バイク120km、ラン30kmからがロングの選手としての真価が問われると思っているので、短くなったことは残念だが、自分のペースを守っていけば良いレースができるはず。」
戸原明子選手「短くなったとは言え長いと思っているので舐めてはかからない。また、昨年8月にアイアンマンを出ているので、少し短いという意味で安心感がある。」
太田選手「開催だけで嬉しいので、特に良い悪いはない。ただ、距離が短くなった分、強度を上げる練習をして来た。今後もトライアスロンは変わって行く部分があると思う。あと、距離が短くなったことで、ランスタートが早くなり、暑い中で走ることが心配。」
最後は、いつものように宮古島恒例の集合写真で締めくくった。
距離が短くなったことで、スピードは上がるだろう。中には「ミドル」に近い感覚で捉えている選手もいるようだ。各選手更にシビアな展開を想定していることだろう。どのような駆け引きとなるのか、その行方に注目が集まる。
選手登録会場となるJTAドーム宮古島。やや縮小とはなったが、エキスポと大きなバルーン屋根のバイクメンテナンスブースは、選手たちで賑わっていた。
明日はバイクチェックインとなる。
待ちに待った。4年ぶりに宮古島大会が開催される。
今年で37回目となる全日本トライアスロン宮古島大会。国内に4レースしかない「ロング」で最も大きな大会だ。ロングとしては国内最多の定員1200名(例年は1700名)であり、憧れの南の島というロケーションが最大の魅力となっている。また、一週前に石垣島大会もあるが、国内ではシーズンの皮切りとして、最も話題になる大会でもある。ちなみに、今回、「第37回」となっているが、実際は、36回目の開催となる。コロナ禍の3回は、延期や中止の扱いとなり、第36回は中止となっている。
今回のコースだが、それまでと比較するといくつか変更となっている。スイムは前浜ビーチで2018年からの3kmを1周ではなく、1.5kmを一度上陸し2周するコースで、スタートは、300名づつの4ウェーブとなる。制限時間は1周55分の合計1時間50分で、根本的な潮流の強さは別として、変則関門はない。尚、スイムは1周でスキップが可能となっている。バイク123kmとなり30km程度短縮されている。基本的な島のトレースは変わらないが、伊良部島や来間島には渡らない。ランは完全に変更となっている。ゴールとなる宮古島市陸上競技場の周辺市街地を15km2周回となり、観戦、応援のしやすいコースだ。距離は短くなったが、十分、宮古島を楽しめるコースになっているだろう。
今大会では、距離の短縮や定員の減員など、完全にコロナ禍前には戻ってはいないことをあらためて考えさせられる。昨年の佐渡などは、ランコース以外、ほぼコロナ禍前に戻っていたが、規模や地域の事情もあり、安全第一の判断なのだろう。それでも、国内屈指の象徴的な大会の再開は、否応なしに盛り上がる。
帰ってきた「宮古島」。やはりなくてはならない大会なのだ。
完走率にも注目している。トライアスロンの元祖「IRONMAN」から国内では「鉄人レース」などと呼ばれているほど、ハードな競技となることは周知の通りだろう。概ねのイメージだが、ミドルの完走経験を持ち、直近の9~12ヶ月は相当な練習が必要になる。ロングは長丁場のため、実力の他に運もあるが、基本的には練習量が結果に繋がっている。2012年以降の8回の完走率は90%を切っているため、今大会では、多くの選手に完走してほしい。ちなみに1988年の第4回大会では、驚異の「98.3%」となっていた。(出場数:605名)
この完走率は「安全性」とも大きく関わっているだろう。レースまでの練習は当然だが、それでもその時に合わせることは簡単ではない。体調不良に見舞われる場合もある。安全第一を考えた時に、勇気ある決断をすることも必要となる。
【GERONIMO COUNT】
Triathlon GERONIMO のメインメニューだ。2015年から各大会(1000人以上が基本)を通して年間1万台のバイクをチェックし、9年目に入る。昨年は、KONAの5000台もあり、約12000台となっていた。
宮古島は、16年からカウントを始めて、今年で5回目となる。宮古島の特徴的なトライアスロンバイク使用率は、前回2019年は51.8%、2018年は52.0%だった。2018年当時の選手は、40前半、後半、50前半の3エイジカテゴリーで58.4%を占めていた。宮古島でのトライアスロンバイク使用率は、2016年のカウント以降、国内では最も高いトライアスロンバイク使用率となっているが、2017年の53.1%を最高に僅かながらからポイントが落ちていた。
あれから5年。エイジグループはそのまま上がっているのだろうか。他のレースからも40後半から50後半までの3カテゴリーが多くなり、宮古島でも同様の状況が想定される。トライアスロンバイク使用率への変化はあるのだろうか。
そして、ディスクブレーキ使用率はどうなっているのか?昨年の国内ロングでは、皆生17.1%、佐渡A23.2%、そして、海外だが、KONAではGERONIMO COUNT過去最高の36.74%となっている。宮古島は更に時間経過、そして、最高の舞台の一つでもあるため、30%台が予想される。
このカウントでは、単にバイクの新型などのチェックではなく、そこから見えてくる「選手像」こそが、その後のバイクトレンドとなってくることに着目している。特に「高齢化」が進む国内トライアスロンにおいて、バイク機材に対する動向、傾向は興味深いものがあるのだ。
■開催日 2023/4/16(日)
■競技
スイム3km / バイク123km / ラン30km
※詳しくは、http://tri-miyako.com/
■前回(2019年)レポート http://triathlon-geronimo.com/?p=29669
「距離は短くなったが、やはり日本を代表する大会だ。選手には大いに楽しみ、積み上げたものをしっかりと出し切ってほしい。」
3年ぶり3回目のバイクカウントとなった佐渡大会。国内では久しぶりのロング(通常距離)を見てみた。
コロナ禍ではあったが、取り巻く環境は以前よりは改善傾向にあったと思う。選手も二極化しているが、以前通りの練習をする選手も多くなって来ていた。全ては「気持ち」から始まる。それがあれば練習にも力が入る。また機材投入なども違ってくるだろう。
まず、前提としてどのような大会なのか。距離は国内最長のロングとなり、スイム4km、バイク190km、ラン42.2kmとなっている。バイクコースは概ね80%前後はDHポジションで走れるコースで上級者は更に長くDHで走るコースだ。アップダウンは、この長い距離の中にあるため、初めてこのコースを走る選手にとっては、ランに脚を残すのは容易ではない。ちなみに今回のランコースはほぼフラットなコースとなる。トライアスロンのバイクはランへの繋ぎ、コースによりバイクの走りも変わってくる。
ちなみにバイク車種の適性はコースだけで決まるものでない。それぞれのポテンシャル、メリットとデメリットなど基本性能はあるが、フィッティングがベターで乗りこなせていることが前提であることは言うまでもないだろう。例えば、普段トライアスロンバイクをメインに使用している選手が、ほとんど使用していないロードバイクで出場するということはナンセンスであるということだ。極論かもしれないが、より「人車一体」であることが望ましい。
そして、選手のモチベーションについては、概ね問題なかったと思われる。選考に関しては、20年からのスライドもあったため確実であり、新規も追加募集があったくらいの状況であり、その上で参加となった選手は3年ぶりのロングを待ち望んだ状況でのスタートだった。ただ、「レース勘」は完全に戻っていない選手も少なくなかったのではないだろうか。そんな状況での大会出場が前提の一つとなっている。
3年ぶりに開催された完全なロングで使用されたバイクはどんなバイクだったのか。機材は何を語ってくれるのだろうか。
GERONIMO COUNTは2015年からスタートし8年目に入った。バイクカウントは、元々コナで30年以上行われ、その使用率が話題となっていた。同様のカウントではあるが、「その先」が知りたかった。例えば、コナという最高の舞台でも実際の「選手層」は幅広い。エイジでのハンデはあるが、やはり「SUB10」で使用されるバイク、本当に速い選手が乗るバイクは何か?サーヴェロのシェアはダントツトップだが、人気のあるモデルは何か?など、もっと突っ込んだ「本当のこと」が知りたい。また、ワンバイやハイハンズなどトレンド以前の「兆し」も発見したかった。そんなカウントだ。
Traiathlon GERONIMO「Journal – Race Report」
順位 | ブランド | 使用台数 | 使用率 |
1 | cervelo | 145 | 14.7% |
2 | SPECIALIZED | 138 | 14.0% |
3 | TREK | 126 | 12.8% |
4 | ceepo | 92 | 9.3% |
5 | GIANT/Liv | 43 | 4.4% |
6 | FELT | 42 | 4.3% |
7 | cannondale | 41 | 4.2% |
8 | CANYON | 30 | 3.0% |
9 | BMC | 26 | 2.6% |
9 | BS/ANCHOR | 26 | 2.6% |
その他合計 | 262 | 26.5% | |
不明 | 3 | 0.3% | |
未確認 | 13 | 1.3% | |
68 | 合計 | 987 | 100.0% |
Counted by Triathlon GERONIMO
今年の佐渡はサーヴェロが1位だった。国内の場合、KONAほどのダントツ感はなく、スペシャライズド、トレック、シーぽなどと三つ巴戦となることがほとんどだ。サーヴェロは2005年から今年5月のセントジョージのIRONMAN WORLD CHAMPIONSHIPまで16回連続トップシェアという脅威的な記録を更新中のスーパーブランド。
2018年と比較するとキャニオンやBMCがランクインしているが、特にキャニオンは世界的にも伸びていることはすでに周知の事実となる。トライアスロンばかりではなく、ツールドフランスなど世界最高峰のサイクルレースにも参戦し、セントジョージではフェルト、スペシャライズドと並ぶ「アイアンマン御用達」となっている。
そして、後述となるが、 TOP10への集中化とともに全体のブランド数の減少傾向が出ている。2018年の73ブランドから5ブランド減っている。「淘汰」されていると言うことなのか。
◆◆◆
今年の国内の最終戦となる佐渡大会のバイクカウントとなった。トライアスロンだけではないが、景気や昨今の事情に左右されながらの今シーズンだった。更に「高齢化」が顕著となるトライアスロンは特有の動きが見られる。
仕事ではない、遊びか。そうも言い切れないハードなトレーニングを週5日はこなしながら、仕事、家庭と言う「3つ皿」をバランス良く回し続けるトライアスリートは、理想的なライフスタイルの人々と言えるだろう。各方面の情勢が影響する生活そのものであり、バイク機材にも表れてくる。そこから見えてくる動向、傾向は大きく外れてはいないと考えている。
今年の1位は、サーヴェロだった。やはり1位を予想する人は多いが、国内ではスペシャライズド、トレックの三つ巴の中で、国内を代表する佐渡大会で1位だった意味は大きい。今回は、115台がトライアスロンバイク、30台がロードバイクとなっているが、やはり、トライアスロン色の強さが出ている。サーヴェロ内の比率が高く、絶対的な使用台数となっている。サーヴェロはグレード設定の幅が広く、リーズナブルな価格設定も人気の理由だろう。
2位のスペシャライズドは、2022年のGERONIMO COUNTにおいて、石垣島、横浜(エリート)、彩の国、そして、皆生の4大会で使用率1位を獲っている。今回は、91台がトライアスロンバイク、47台がロードバイクとなり、更にトライアスロンバイクは現行のディスクSHIVが半数以上となる51台を占める人気となっている。SHIVは、エアロダイナミクス、軽量性、フューエルシステム、ユーザビリティなど、完成度の高いバイクとして人気だ。
3位のトレックは、アメリカのみならず、グルーバルなビッグメーカーとなり、その開発力は世界トップクラスとなる。素材を含め、ゼロから全てを作り出す完成度は極めて高い。そのためロングセラーとなるモデルも多い。今回は、42台がトライアスロンバイク、84台がロードバイクとなっている。これもトレックの特徴で、トライアスロンにおいては「ロードのトレック」となっている。一方で、トライアスロンバイクのSpeedconceptは人気があり、前世代モデルも色褪せない。
年度 | 総台数 | TOP10台数 | 使用率 |
2022 | 974 | 709 | 72.8% |
2018 | 970 | 652 | 67.2% |
※未確認除く
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Top10ブランドへの集中傾向が顕著となる。2018年との比較のため、その差が大きく見えるが、72%を超えていることは、大きなトレンドとして捉えることができる。国内では概ね70%前後、KONAでは78%程度となっている。後述のトライアスロンバイクをリリースするメーカーに偏るとともに、同ブランドでロードバイクも揃えるなども聞こえてくる。また、トライアスロンバイクは「究極」のバイクであるだけにその開発力を持つメーカーが強いという裏付けともなっている。
トライアスロンバイクとロードバイクの比率は大きくはコースに左右されるイメージがある。佐渡は、平均すれば80%以上はDHポジションで走れるコースだ。特に72km地点の鷲崎から161km地点の小木までの約90kmは「DHポジション」がその走りを左右する。特に水津からの向かい風の中でのDHポジションは重要な「スキル」となるだろう。必ずしも選択理由は一つではないだろうが、複数回出場している選手は「コース攻略」からのバイク選択をしているだろう。
年度 | 使用台数 | Triathlon | 比率 | Road | 比率 |
2022 | 974 | 513 | 52.7% | 461 | 47.3% |
2018 | 970 | 447 | 46.1% | 523 | 53.9% |
※未確認除く
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いずれにしても、このデータは2018年との比較ではあるが、6%以上高くなり、過去最高で、トライアスロンバイク傾向の強い宮古島の2019年51.8%を更新したことになる。僅かではあるが、そのトレンドが出ている。とは言っても国内でのトライアスロンバイク比率は低い。最高でも半数強ということなのだ。もちろん良い悪いではないが、より難しいトライアスロンバイクに挑戦することは、トライアスロン活性化であり、盛り上がりを示す一つの数値として捉えているだけに今後も注目したい。
順位 | ブランド | 総台数 | Triathlon | 比率 |
1 | cervelo | 145 | 115 | 79.3% |
2 | SPECIALIZED | 138 | 91 | 65.9% |
3 | TREK | 126 | 42 | 33.3% |
4 | ceepo | 92 | 76 | 82.6% |
5 | GIANT/Liv | 43 | 8 | 18.6% |
6 | FELT | 42 | 31 | 73.8% |
7 | cannondale | 41 | 22 | 53.7% |
8 | CANYON | 30 | 28 | 93.3% |
9 | BMC | 26 | 22 | 84.6% |
9 | BS/ANCHOR | 26 | 2 | 7.7% |
709 | 437 | 61.6% |
※未確認除く
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TOP10ブランドだけを見ると、トライアスロンバイクは60%を超えている。トライアスロンバイクへのイメージはこのあたりが現実的かもしれない。全体の7割を占めるTOP10の内、6割がトライアスロンバイクであるということだ。
トライアスロンバイクで見れば、サーヴェロのダントツは周知のことだろう。スペシャライズド、そして、3位となるジャパンブランドのシーポの3社が大きく貢献している。その他、キャニオン、BMC、フェルトなどは、ブランド内での比率が高く「トライアスロン」のイメージが強いことを物語っている。
昨年から特に注目しているのが「新型率」だった。コロナ禍があり、その数値の比較は単純には出来ないが、推移を確認している。その手段として「ディスクブレーキ仕様」のバイクをチェックしている。
ディスクブレーキは概ね早いメーカーで2016年モデルから始まり、2018年から2020年でそのフェーズに入った。2020年以降では「遅い」と言えるのだが、昨今の事情も相まって、遅れたメーカーも少なくない。大会の中止とともに、生産の優先順位、材料、パーツ調達の困難など、向かい風が厳しくなってしまった。
そんな状況はまだ完全に打破できてはいないが、以前よりは戻りつつある。「2023年モデル」と言われるこの時期では、カウントデータの信憑性も高まってくるだろう。トライアスロンバイクでは、単なるディスク化ではなく、全体からの見直しが必要なため、ディスク化というよりは新しいコンセプトのもとに新型がリリースされているため、時間はかかったが、ほぼ出揃った感となっている。
大会 | Disc | 比率 | Rim | 比率 | ||||
Tri | Road | 計 | Tri | Road | 計 | |||
佐渡 974 | 142 | 84 | 226 | 23.2% | 371 | 377 | 748 | 76.8% |
皆生 986 | 71 | 98 | 169 | 17.1% | 311 | 506 | 817 | 82.9% |
彩国 345 | 60 | 52 | 112 | 32.5% | 87 | 146 | 233 | 67.5% |
石垣 1010 | 240 | 23.8% | 770 | 76.2% |
※未確認除く
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結果は上表の通りの結果となった。TOP10ブランドへの集中化、トライアスロンバイクへの傾向などが高かったため、30%超えを期待していたが、意外と低い数値となった。他の大会との比較は参考となるが、彩の国で30%を超えたため、今後の最低ラインはこのあたりに落ち着くかと思っていたが、皆生では軒並み低かった。
佐渡も開催は絶対ではなかった。直前まで慎重な判断が求められる状況ではあったためか、機材の新規導入には影響があったと思われる。確実に開催となれば、やはり、最大のモチベーションアップとも言える「ニューバイク」は誰でも考えたいことだ。
話を戻すが、「ディスクブレーキ」は必要なのか、数年までに議論されたことだ。全ては安全性と考えている。ブレーキだけでなく、その前に行なわれていたのが「ホイールの強化」だった。路面と接しているのはホイールであり、制動力はブレーキだけではなし得ない。その意味では、より安全性の高まったバイクが増える傾向にもあるということはとても大切なことなのだ。
新型率について述べたが、まさに「今」選ばれている人気モデルの一つの指標と言えるのが、ディスクブレーキ仕様のバイクとなる。ここでは、全体ではなく、ブランド別で、具体的にはどのメーカーが強いのか、と言うことを示している。ただ、ディスクブレーキ比率が23%程度に留まっているため、絶対的なものではないが、ブランド間の競争は大きく変わらない見込みだ。
順位 | ブランド | 使用台数 | Disc | 比率 | ||
Triathlon | Road | 合計 | ||||
1 | SPECIALIZED | 138 | 51 | 22 | 73 | 52.9% |
2 | cervelo | 145 | 44 | 12 | 56 | 38.6% |
3 | TREK | 126 | 11 | 22 | 33 | 26.2% |
4 | ceepo | 92 | 11 | 3 | 14 | 15.2% |
5 | FELT | 42 | 8 | 2 | 10 | 23.8% |
※未確認除く
Counted by Triathlon GERONIMO
結果は、スペシャライズドの1位で、特筆すべくは、全体シェアでは2位だったが、新型(ディスクブレーキ仕様)トライアスロンバイクという観点で見れば、サーヴェロを抜き、51台でトップとなっている。言い方を変えれば、「今年の佐渡で一番人気のあったトライアスロンバイク」と言うことができる。
SHIVは2018年のKONAでローンチされ、2019年モデルとしてスタート、今年で4シーズン目となるため、新型と言う言い方は似つかわしくないかも知れないが、実数とともにその存在感の大きなバイクだ。
三つ巴となったサーヴェロ、スペシャライズド、トレックだが、3社ともビッグメーカーだけに小回りは効かないが、KONAの結果は重要視していることだろう。トレックのSpeedconceptはまだ1年も経っていないが、サーヴェロP5は、スペシャライズド SHIV同様に2019年リリースとなるため、S5のようなブラッシュアップも期待される。
2016年KONAで発表された「P5X」は、リサーチから製法まで最高レベルの「ドリームマシン」として、歴史的なデビューとなったことは記憶に新しいが、世界では支持されなかった。2019年KONAで選ばれたのはP5だった。そして、現在、PX系はほぼ入手ができなかくなっている。国内では今も人気が高いが、やはりマーケットには限界があり終息方向となっているのだ。ただ間違いなくトライアスロンに適した良いバイクであり、ここでは語り尽くせない。残して欲しいバイクだ。。
一方で、PX系を無くすのであれば代わりの「ライン」の登場を期待したい。トライアスロンに注力するサーヴェロにはその期待がかかっている。サーヴェロにはトライアスロンを盛り上げる使命がある。
来月開催のIRONMAN WORLD CHAMPIONSHIPにおいて、そのトレンドや小さなサインにも注目したい。
その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=42444