【17Newモデル情報】 CANNONDALE JAPAN 2017 LAUNCH

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本日は、キャノンデールの2017年モデルの展示会が開催された。

人気アメリカンブランド、アメリカの代表格、キャノンデール。常に独自技術で話題性の高いキャノンデールはもともとアルミフレームを得意とするメーカーで、その軽量性は群を抜いていた。またMTBではリアサスの量産、片持ちフォークのレフティなど、他のメーカーにはない一歩先を行くブランドとして人気となった。また、カラーリングは特にこだわりがあり、「キャノンデールのカラー」そのものが話題となる。特に難しいとされる「グリーン」を絶妙なデザインとともに人気カラーにするなどオピニオンリーダーでもある。

トライアスロンでのイメージは強く、早くから「トライアスロンの草分けとして存在感をアピールしている。(下記関連記事)

Tri BIKE クロニクル 第1回 http://triathlon-geronimo.com/?p=1449

Tri BIKE クロニクル 最終回 http://triathlon-geronimo.com/?p=7444

また、6月のアイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパンにおいてロードバイクの使用率は、第2位となっているのだ。多くのロードバイクブランドの中から、「トライアスロンで使用するロードバイク」としても人気がある。(ブランド別では4位となる。)http://triathlon-geronimo.com/?cat=37
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さて、モデルイヤー2017は、全体で13車種のニューモデルがリリースされた。特にエントリー層にむけたこだわりのラインナップが充実している。その「こだわり」が面白い。後述の通りだが、そのこだわりには、大いに期待が高まる。また、ディスクブレーキへの注力も徹底している。そのための開発とやはりこだわりが、キャノンデールの真骨頂とも言えるモデルを生み出している。
トライアスロンモデルのスライスは、変更なく、3年目のシーズンを迎える。
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【バイクに求める性能とは】
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~ A whole NEW BALANCE OF POWER ~
 

「軽量性やエアロダイナミクスは、現状の重量差による抵抗、人が乗った状態での空気抵抗を見ると大きな差は出ないのです。もちろん、それぞれ良いに越したことはありません。大事なことは「剛性」だと考えています。剛性とは、力に対する寸法変化のしずらさですが、様々な方向からかかる負荷に対し、カーボンの積層や繊維のグレードを使い分けて、剛性の方向と強さを設計します。また、ダンシング時のねじれに対し、最適なタイミングで戻すことができるフレームが必要です。キャノンデールのバイクは、この剛性をコントロールしてカーボンバイクを製作しているのです。スーパーシックスエボは、このように走りを優先に考えたバイク造りになっています。だから開発のテーマは「Balance of Power」なのです。」

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【ディスクブレーキについて】
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ディスクブレーキのメリットは何と言っても、「コントロール」です。ブレーキが良く利くと言われますが、実は、ブレーキのストッピングパワーは大きくは変わりません。ブレーキレバー引いた量、離す量、その分だけ利いてくれるフィーリングがとても良いのです。また、油圧式なので、レバーの引きがとても軽く、握力の少ない女性には、特にオススメします。そして、カーボンリムでの雨天走行においても安定して使用することができます。本当に意のままにコントロールできるディスクブレーキは下りが楽しくなります。」
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【エントリーバイクに求める性能】

「エントリーバイクというのは、軽い材料や特別な製法が使えないため硬い乗り心地になるのです。低価格帯から始める初心者は、余計にバイクが硬いのですぐ疲れてしまうということになります。また、ジオメトリーは、キャスター角の寝た、ハンドル位置の高い、安定性重視のため、下りのコーナーで膨らんでしまうことがあります。分かったことは、初心者向けバイクは曲がらないということでした。そして、この2点が問題と考え、今回のエントリーバイクの設計は、今までのCAAD8に比べて、乗り心地とハンドリングを良くすることをコンセプトにバイクを設計しています。」
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■キャノンデール・ジャパン テクニカル サービス マネージャー 秋吉氏

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NEW ! SUPERSIX EVO Hi-MOD DISC ULTEGRA ¥490,000 + tax

スーパーシックスエボハイモッドのディスクブレーキモデルとなる。今回のディスクモデルは、リムブレーキモデルと同様の剛性やハンドリング出すことに成功している。全てのカーボンレイアップを造り変え、左右非対称のブレーキパワーに対応している。
まず、しなやかなセーブステーとディスクブレーキを両立させるため、キャリパーマウント部をアルミの鍛造のワンピースで成型し、ローターのキャリパーの位置関係を維持している。QR仕様となっているのは、プロチームからのフィードバックだ。取付規格は、シマノのダイレクトマウント、フロントは、アダプターを使ってフォークにマウントされている。フォークのエンド構造は、ホイールの交換が極めて簡単に着脱出来るようになっている。次に、チェーンステー長にもこだわりがある。本来ならば、シマノ推奨地の415mmとするところなのだが、リムブレーキモデルと同じ405mmにして、下りでのハンドリングの切れ味を良くしている。そして、ヘッドチューブとBBの剛性がリムブレーキモデルと全く同じという結果が出た。その検査は、ドイツのゼドラーラボ社に依頼している。スーパーシックスエボの性能はそのままに829g(560mm)で最軽量ディスクブレーキフレームとなったのだ。
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今年のスーパーシックスエボシリーズの最大の特長は、すべてほぼ同等の剛性であり、同じ走りをすることが出来るということなのだ。
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大きなリアバックは、重量化となるが、しなやかな走りを生んでくれる。ブリッジは、横方向のねじれ剛性を確保するために残してある。

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ツール・ド・フランス直前まで用意されていたディスクブレーキモデルだった。
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NEW ! SUPERSIX EVO CARBON ULTEGRA ¥270,000 + tax

重量は、ハイモッドが777gに対して、スタンダードモッドは980gとなる。(サイズ560mm)これらは、同じバリステックカーボン製法で造られている。硬いカーボンは弱く、強いカーボンはしなるため、バリステックカーボン製法では、最高強度のミドルレンジファイバーと特別なハイインパクトレジンを組合わせたカーボンをベースにしている。スタンダードモッドは、カーボンを多く重ねるので重量差は出るが、剛性は、同じようになるように設計している。
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ちなみに完成車ラインナップは、ハイモッドディスクとスタンダードのみとなり、ハイモッドのリムブレーキ使用はラインナップされていない。ただし、カスタムラボで選択することが可能となっている。
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CAAD12 ¥190,000~260,000 + tax

キャノンデールの究極アルミフレーム「CAAD12」シリーズ。キャノンデールの得意技は、「アルミ」だ。脇役ではない、主役のアルミフレームロードなのだ。6069アルミを駆使して、軽量性と剛性、そして、快適性を実現したフレームは、キャノンデールの全てとも言えるだろう。

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NEW ! CAAD OPTIMO TIAGRA ¥130,000 + tax

オプティモは、CAAD12の下位グレードにあたるエントリーモデルだ。2002年のCAAD7に採用された素材の名前が起源となる。これは、ニューヨークに本社のあるアルミの大手メーカー、アルコア社と提携して共同開発した特別なアルミがオプティモだった。

ジオメトリーはエボとほぼ同じになっている。低価格帯のバイクは、ヘッドチューブが長かったり、キャスター角が寝ているケースが多いが、切れ味の良いロードバイクそのままのジオメトリーにしているのだ。

フレームは、この価格帯でテーパーヘッドチューブの採用となっている。オプティモは、厚めの材料を使っているため、硬くなるバイクの乗り味に対し、ステーのテクノロジーで対応し、乗り心地を柔らかくしている。そして、メカニカルフォーミングという引き抜き加工でパイプの厚さを変えている。シートチューブもしならせ、縦にしなるシートステーをサポートしている。このシートチューブは下に向かって広がったデザインとなり、ダンシング時には、パワーが横に逃げないような、両方を兼ね備えたデザインになっている。
このようにオプティモでもキャンノデールならではの工夫した製法と技術を使って、ビギナー向けのバイクでもハンドリングの切れ味が良い、乗り心地の良いバイクになっているのだ。そして、今回ジャパンスペックになっている。シマノのブレーキ、チェーン、クランクなど、初心者にこそ扱い易い仕様となっているのだ。
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CAAD12やエボ同様のトラディショナルなホリゾンタルに近いチューブシェイプになっている。そして、440mm、480mmはトップチューブをスローピングさせているので、身体の小さい人でも乗車が可能となっている。

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自転車の構造は、ヘッドチューブの上側ではなく、下側に大きな力が加わる。したがって、下側を大きなベアリングにすることで、剛性を確保し、ヘッド周りの剛性が上がり、車輪が安定する。

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薄く横に扁平したチューブというのは、縦にしなやかに動く。パワーのかかる横からの力には硬くなる。横剛性を上げながら、縦剛性をコントロールしているのだ。それらを過去最高に細く、セーブ自体を細くした。
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NEW ! CAAD OPTIMO DISC TIAGRA ¥140,000 + tax

オプティモ(リムブレーキ)との違いは、フラットマウントのディスクブレーキ仕様であること、フロントには、ラックの台座などがあること。そして、大きな違いは、BB規格が、リムブレーキはJISに対し、ディスクブレーキは、BB30になっている。これは、乗り味に違いが出てくる。キャノンデールでは、同じモデルのBB違いはしばらくぶりとのこと。BBシェルの外形は、BB30の大きな径により、溶接面がしっかり取れるので、そのあたりから踏んだ時に乗り味がかなり変わるようだ。
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SYNAPSE ¥110,000 ~ 630,000 + tax.

ロングライドモデルがこのシナプスだ。直進安定性と快適性を特長としたモデルでアルミからカーボンフレームまでラインナップしている。また、それぞれにディスクブレーキモデルがある。快適性を強調するキャノデールロードバイクの中でも特にその性能を高めたシリーズで幅広い用途に適している。

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SUPER X ¥350,000 + tax

これは、キャノンデールのシクロクロスモデルだ。何と言っても目を引くこのカラーリングこそが「キャノンデールらしさ」でもある。90年代を彷彿させるカラーリングは、キャノンデールだけに許されるカラーリングと言って良いだろう。

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CUSTOM LAB

キャノンデールのカスタムサービスが、「カスタムラボ」だ。カラーリングやコンポーネントを好みに仕上げることができる。カスタムラボの商品は、入荷時に全数梱包を解いて徹底検査、不合格であれば再作業を行っている。2月からサービス開始されているが、追加のサービスが発表となった。(8月開始)

①NEWデザイン (2デザイン追加、計4デザイン)

②NEWフレームカラー (7カラー追加、計20カラー)

③NEWデカールカラー (6カラー追加、計9カラー)

④NEWフレームサイズ (2サイズ追加、計7サイズ)

⑤フレームセット販売 (ショップ組替専用)

⑥ホイール (マビックプロカーボン追加、ホローグラム3追加※デカール10カラー選択可)

⑦ハンドルバー (エスケープハンガー追加)

今回の追加で、3627通りの組合せが可能となった。(一部組合せ不可あり。)また、新型デュラエース(R9100系)も選択可で、タイミング良ければ一般市場より早い9月初旬からデリバリーが可能となる。

※詳しくは、キャノンデール・ジャパンWEBにて http://cannondalecustomlab.com/

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ちなみに、人気のカラーTOP5は。

1位 Acid Orange 16%

2位 Gloss Green 14%

3位 Gloss White 11%

3位 Matte Black 11%

5位 Gloss Blue 9%

となっている。

コンポーネントは、アルテグラがダントツで63%だ。

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HELMET & ACCESSORIES

キャノンデールのアクセサリーは、必要なアイテムにこだわっていることだろう。例えば、ヘルメットは、必携だがバイクとのコーディネートも気になるアイテムだ。カラーリングも含めたビジュアル性も提案となる。その他、カギ、ライト、ケージ、ツール、ポンプなど全て必要なものとなる。

サイファーエアロ http://triathlon-geronimo.com/?p=10949

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SUGOI

スゴイは1987年創業のカナダブランドだ。現在、スゴイの中にキャンノデールラインがあり、ジャージ、パンツ、グローブ、ソックス、パンツなど各種アイテムがラインナップされている。そして、スゴイのこだわりはサイクリングウエアの「命」でもあるパンツのシャモアに集約されている。

他社との違いは下記の通り。

①ポロンフォームの使用

②呼吸するようなディンプルフォーム

③クレードルの設置

ポロンフォームを使ったフォーミュラFXのシャモアとグローブが一番のトピックスとなる。ポロンフォームとは、所謂発砲フォームで、野球のプロテクターやタブレットのカバー、ヨガマットなどに使用されているものだ。低反発で形状記憶できるようなフォームを使用している。それをシャモアに採用しているのが、フォーミュラFXだ。三層の積層になっているが、真中の層にポロンフォームが入っている。今までのシャモアと違う点は、中央部が肉抜きされていて、通気性が向上している。「呼吸するシャモア」ということなのだ。そして、クレードルポケットが設けられ、より立体的になった。また、溝も肌触りの良い滑らかなフォームを使いより履き心地の良いシャモアが出来た。厚みは12mmとなり、ロングライドには最適となるだろう。

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fabric
1、革新的なデザイン
2、独創的なテクノロジー
3、斬新なアイデア
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上記をスローガンとして開発している。アイテムとしては、サドル、ライト、ツール、インフレーション、ボトル、バーテープと、大きく6アイテムを製作し、特にサドルへの注力が伺われる。ファブリックは、厳しい社内基準があり、それに到達しなければ、商品化はしないとのこと。UKに本社を置くブランドだ。
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サドルの旗艦モデルとなる「スクープ」は、3つプロファイルから選択できる。ライダーの好みにより、「フラット、シャロー、ラディアス」から選ぶのだ。まず、サドルの特徴は、フォーム、ベース、レールから構成されているが、通常のサドルは、ベースをしっかり包み込むようにして、フォームをグルー接着、ホチキス止めなどをしているため、特に際が硬くなる傾向があり、そのまま座面が硬くなっていることが多い。ファブリックは、フォームとベースを真空圧着しているため、際を張り出す必要がなくすことで、グルーやホチキスなどを使わなくて済むため、しっかりと弾力性のあるソフトなフォームが出来上がる。そして、レールが撓むため、総合的に快適性を出すことができる。また、多くのアワードを受賞しているモデルでもある。

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IMPRESSION

話題となるモデルを試乗してみた。
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①SUPERSIX EVO Hi-MOD DISC
まず、そもそもの剛性感から来る走行フィーリングの「軽さ」が快適だった。その剛性感は、リムブレーキ仕様との差を感じさせない同じフィーリングに仕上がっていた。その上で最強となるディスクブレーキのコントロール性は、絶妙なフィーリングと言える。また、405mmのチェーンステーの変速も全く問題く、データ通り、剛性感と良いハンドリング、そして、総合的に高次元な乗り味の良さを実感することができた。
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②SUPERSIX EVO
必然的に重量差はあるものの、ハイモッドと同じフィーリングが確認できた。ディスク仕様の後に乗ったため、ブレーキフィーリングの差は出るが、狙った「剛性」はしっかりと出ている。
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③CAAD OPTIMO
まず、第一印象として、ポジションに違和感を感じないのだ。これは、エボとほぼ同等になっているジオメトリーから来る安定したフィーリングなのだろう。一般のエントリーロードとは明らかに違う走行感が得られた。乗り味は、アルミフレームの域ではあるが、硬さを意識させないフィーリングがあった。外観上の高級感も相まって、エントリーモデルに乗っているということを忘れてしまう。
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④CAAD OPTIMO DISC
そのリムブレーキのオプティモとオプティモディスクの違いは、もちろんディスクブレーキ、そして、BBの仕様にある。ディスクモデルは、BB30となっているため、プラスαの剛性感が、推進力を増した感じで、快適な走行フィーリングが楽しめた。

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SLICE 105 ¥300,000 + tax

2008年リリースのカーボントライアスロン、スライスもロングセラーの人気バイクだった。2011年にはHI-MODバージョンも追加、アイアンマンでもクリシーやミリンダによってウィナーズバイクともなった名車。そして、2014年でフルモデルチェンジとなった。現在の「競技志向の高過ぎる」トライアスロンバイクに一石を投じるかのような、新しいコンセプトで登場したのが、この現行スライス。「軽量性と快適性」を重視したコンセプトで、「初めてのロング」に適したバイクと言えるだろう。

スライスは、昨年のアイアンマン世界選手権では、女子4位、5位に入賞している。

2015年アイアンマン世界選手権 http://triathlon-geronimo.com/?cat=25 

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「さて、今年のハワイではどうなる?」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka