第43回 全日本トライアスロン皆生大会 Triathlon GERONIMO Official Member Report(小嶋選手)

〜 第43回全日本トライアスロン皆生大会に参戦して 〜

小嶋 しのぶ

昨年に引き続き今年も参加させて頂きました。

去年は灼熱の皆生とは程遠い大雨の皆生で、完走は出来たもののやはり皆生は灼熱の中完走しなくちゃ皆生じゃない!そして1回の完走ではビギナーズラックかもしれないので今年も意を決して参加を決意しました。(本当に決意するという言葉がぴったりのバードルの高い大会です)

当日の朝は少し気温も落ち着いていたが、間違えなく暑くなるはずと覚悟を決める。

今年の海は凪、去年のような潮流はない。きっと泳ぎ易いが、バトルは避けられない。

でも一斉スタートはロングの醍醐味で結構好き。男性とのバトルは体の小さい私には結構きついがやっぱりこれです。ノーバトル宣言もあり、ゴーグル蹴られてずれても、足や腰を押されても嬉しくはないけど頭にはこない。でもやはり往路は遠く感じる・・・先が見えないから?? 潮流は無かったはずだがやはり復路の方が若干早かった。無事予定より早くスイムアップ!

T1 へのシャワーは大渋滞。焦っても仕方ないのでしっかり潮を流してバイクへ。

ここから苦手なバイク・ランと続く。

今年は去年より暑いので、とにかく時間との闘いであるのは分かっていた。ハイドレーションに貼ったエイドでの予定時間を確認して進む。今年は場所によっては風も結構感じて、坂同様に向かい風では我慢のペダリングも必要だった。バイクのエイドでの水かけや氷に助けられ、更に、山の中の坂の途中で冷たい水をかけてくれる沿道の方々には本当に頭が下がりました。暑い中そこまで水を運んだり、長い間炎天下で応援することを考えると感謝しかありません。

途中少し路面が悪い所で、ボトルやハイドレーション、工具等を飛ばしている選手がおり、危うく巻き込まれそうになりました。また途中かなりの数のボトルが落ちていて、下手をすると他の選手の事故の元になるので、そういった機材の管理については各選手がしっかりやるべきだと思いました。私は遅いので道路には沢山の物が落ちていて、これをまたボランティアさんが拾うのかを思うと申し訳なく思いながら漕いでました。(早い選手は見ない光景かもしれない・・)

どうにかバイクの最終エンドまで30分を残しバイク終了。『お帰り!』の声に思わず『有難うございます!間に合った~』と叫ぶ。猛暑の中でバイクゴール出来たのは本当に嬉しかった。

さぁ更に問題のランへ行く。でもどうにかここまでつないだ!

バイク100キロ過ぎからつり始めた足をどうにか動かすもスタート直後の海水浴場当たりはつりがひどくなかなか進めない。更に右足の痺れもありストップ&ゴーを繰り返しながら走る。街中に入ると所々建物の日陰があり、そこを狙って進む事に。最初のエイドが遠い・・・。

やっとエイドで氷をゲット。結局この氷が命綱でした。これがあったからどうにか走れたのだと思います。とにかく皆生大会のすごい所はこの氷です!!!命を守ってくれると言っても過言ではないです。もちろん途中無くなってしまっているエイドもありましたが、ちょうどトラックで持って来てくれた場所もあり、きちんと補充してくれているのだ!と感激しました。

いつもなくなったら終わりの大会が多いのですが、やっぱり皆生は違う!

ランの途中仲間やチームのボスからのパワー注入と、わざわざ東京から応援に来てくれていた友人からの声かけで、復路は絶対に歩かないと心に決めて進む。

復路は弓ヶ浜に入る手前の街道沿いから暗くなり周りが見えなくなる。弓ヶ浜は完全に闇。少しの明かりを頼りに走る。ほぼ一人旅なので、道があっているかも不安でしたが、要所には関係者の方が立っていてくれたので助かりました。(去年より明かりがあった気がします)復路エイドではボランティアの皆さんが拍手でお帰りと声をかけてくれて、絶対ゴールするしかないと気持ちを引き締めて走る。

最後の方のエイドだと氷は諦めていたのに、“氷ありますか?” “氷あるよ~” “マジ嬉しい~ホントに助かります”のやり取り。ちょっとほっこり。最後の足切りエイドをどうにかクリア。残り1時間ちょっとあると確認。でも歩く時間は絶対にない。歩いてゴールとかはあり得ないと自分を奮い立たせて走る。

ドラドラが近づいてくると、沿道のボランティアさんが、あの明かりがゴールですよ~と声をかけてくれ、やっと終われるとホッとしました。ちょうどゴール手間で一緒に走っていた方が、『自分たちやりましよね!』と声をかけてくれて、『ホントに抗いましたね!』と返す。(その方のウエアの背中に“最後まで抗え”と書いてあった)最後の最後にちょっと嬉しいやり取りでした。

スタジアムに入るとかなり前にゴールしている仲間が同伴ゴールのため待っていてくれた!引っ張ってもらいながらゴールゲートでテープを切る。

やっと長い一日が終わった・・・絶対完走を誓ってスタートしたので、途中諦めるという考えは一瞬たりともなかったが、正直かなり、だいぶ辛かった。

でもこのゴールの一瞬が忘れられず人はまたここに戻ってくるのだと芝生に寝ころびながら完走の喜びを味わっていました。

今年もお世話になりました。この素晴らしい大会がずっと続くよう、選手の我々も一緒に大会を作っていかないといけないと思いました。大会関係者の皆様、ボランティア、沿道の応援の方々に心より御礼申し上げます。有難うございました。

 

 

 

「皆生らしい暑さの中での制覇は本物。」

BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka