本日は、トレックの新製品発表会が開催された。
トレックは、1976年創業のアメリカンブランド。したがって40周年を迎える老舗だ。ロードでは、TREK-SEGAFREDOが使用しツールドフランスに参戦している。トライアスロンでは、アイアンマン世界選手権において、使用率第2位となっているブランドだ。国内においても人気は高く、4月の宮古島大会では、第4位の使用率で、ロードバイクにおいては、使用率No.1となっている。6月のアイアンマン70.3セントレアでも、同様に使用率第3位で、ロードバイクは、やはりNo.1となっている。
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現在、トレックもイヤーモデルという設定はしていないため、このタイミングで新型フレームの発表はないが、カラーリングやアッセンブルなど、実質的な2017年度モデルとなる。
今回は、4月にリリースされたドマーネをもって、トレックのメインの3シリーズが完成の域となった。2014年リリースのエモンダは軽量性。2015年リリースのマドンはエアロダイナミクス。そして、今年4月リリースのドマーネは、エンデュランスだ。また、ドマーネのアルミモデルが登場、完成車のカーボンホイールモデルの設定など、幅広いラインナップとなった。カスタムオーダーのプロジェクトワンはリーズナブルに\60,000から選ぶことが可能となり、より満足度の高いサービスが始まった。ボントレガーでは超軽量ホイールのリリースとより「安全性確保」のためのアイテムも昨年に続き充実している。
今年も来日された鈴木未央氏によるプレゼンが開催された。今回は、ドマーネの開発の三人のエンジニアへのインタビューを聞くことができた。(抜粋)
【鈴木 未央氏】トレック本社の空力エンジニアであり、現行マドンの開発に関わっている。また、アイアンマン70.3にも参戦するトライアスリートでもある。(昨年のマドンのプレゼン http://triathlon-geronimo.com/?p=3286)
■フレームエンジニアリング&設計 Tim Hartung氏 「すべてのライダーがISOSPEEDを正しく実感してもらうことが目標でした。そのためにスライダーで路面やその人の好み合わせることができるようにしたのです。そのスライダーの設計には苦労しましたが。ちなみにCancellaraは、中間から少し下にセットしています。」
■フレーム構造解析 Jay Maas氏 「ISOSPEEDは凄いのです。フレームチューブは可動しますが、乗り心地剛性を維持しつつ、重量増へも影響がないように製作することが出来ています。それとカーボンの積層については、多くの研究をして来ましたが、ぺダリング剛性とコーナリングの感覚を重要視しています。」
■ハンドルバーエンジニアリング ALEX氏 「40Hzの周波数で振動減衰性のある素材が必要でした。それに適合したゴムの調達できたのです。カーボンとそのゴムの結合強度を高めることでき、振動減衰性を得ることが出来ました。実際に同社のISOZONEとこの新型ISOCOREは叩いてもその違いを感じることが出来ます。」
下記に主だったモデルを中心に紹介している。
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NEW DOMANE
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前後にISOSPEEDテクノロジーを持つNEWドマーネだ。マドンでリアに採用されたISOSPEEDをドマーネ用に進化させている。マドンでは、フレーム形状から来る剛性を緩和させることを目的としていたが、ドマーネはエンデュランスとして、荒た路面を長時間使用することを想定したより衝撃吸収性の高い設計となり、更にその程度を可変できるというシステムになっている。また、フロントのISOSPEEDはよりダイレクト感のあるシステムだ。そして、同時にハンドルも極めて高い振動吸収性を持ち、総合的に快適性を高めている。
DOMANE SLR eTAP
DOMANE SLR 9 DISC ¥1,064,815 +tax
DOMANE SLR 6 DISC ¥592,593 + tax
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DOMANE SLR 6 ¥546,296 + tax.
DOMANE SL 8 ¥517,593 + tax.
DOMANE SL 6 ¥379,630 + tax.
DOMANE S 5 ¥230,556 + tax
DOMANE S 4 ¥217,593 + tax
DOMANE ALR 5 DISC ¥212,037 + tax
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EMONDA
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エモンダは、軽量性を極めたバイクだ。完成車で5kgを余裕で切ることが可能なバイクなのだ。もちろんアッセンブルによるが、フレーム重量が700gを切っているため、軽量に組上げることが可能となる。また、ただ軽いだけではなく、剛性とのバランスの取れた走行性とハンドリング性が特徴でオールラウンドバイクでもある。そして、その軽量性から上りを得意とするバイクでもある。エモンダは、パフォーマンスラインのメインモデルで、アルミフレームもラインナップされている。リーズナブルながら、軽量性とその走りの完成度は高い。
EMONDA SLR 9 ¥1,110,185 + tax
EMONDA SLR 8 RACE SHOP LIMITED ¥796,296 + tax
EMONDA SL 5 ¥276,852 + tax
EMONDA ALR 5 ¥175,000 + tax
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MADONE
エアロロードの完成形マドンは、スピードコンセプトで培ったKVFデザインのエアロダイナミクスを持つバイクだ。ISOSPEEDにより、形状から来る剛性を和らげ、快適性も向上させている。また、各サイズ専用の設計となり、高い走行性能も実現している。そして、インテグレーションフレームとして、エアロダイナミクスと美しさを出している。テクニカルコースのトライアスロンに向いた一台と言えるだろう。現在、DHバーの製作予定はない。バイクの特性やジオメトリーからその必要性は絶対ではないが、アシストバー程度のものを期待したい。
MADONE RACE SHOP LIMITED ¥1,245,370 + tax
MADONE 9.5 ULTEGRA Di2 ¥777,778 + tax
MADONE 9.5 ¥796,296 + tax
MADONE 9.2 ¥629,630 + tax
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SPEED CONCEPT
トレックのエアロダイナミクスのテクノロジーの結集がこのスピードコンセプトだ。今や定番となったカムテールデザインの元祖でもある。エアロダイナミクスは随所にこだわっている。フロントブレーキやBB下のSPEEDFINなど更なるエアロダイナミクスを高めている。また、昨今スタンダード化とも言える「フューエル&ストレージ」も備えたモデルは現在のトライアスロンバイクの「完成形」とも言えるだろう。ケーブル類もインテグレーションシステムにより、ほぼ収まり美しい仕上がりとなっている。
SPEED CONCEPT 9.9 ¥1,250,000 + tax
SPEED CONCEPT 7.5 ¥444,444 + tax
SPEED CONCEPT 7.0 ¥369,444 + tax
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PROJECT ONE
カラーリングやコンポーネントパーツ、ホイールなどを自由にアッセンブル、コーディネートできるカスタムオーダーシステムのプロジェクトワン。昨今、各メーカーでも「カスタムオーダー」が活発化して来ている中、10年以上の歴史を持つ同社のシステムの完成度は高い。人と違った「自分だけ」のバイクができるその魅力は、浸透しているようだ。そのプロジェクトワンも様々な選択や組合わせができるが、この7月に¥60,000からできる設定が追加となった。
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BONTRAGER
ボントレガーは、トレックのグループブランドで、パーツやアクセサリー、ウエアなどをリリースしている。トレックの完成車に付いているパーツはボントレガーとなっているのはそのためだ。バイクは、フレームから組み立てる場合、規格さえあえば他社のパーツも組み付けることができる。ただそれで良いのだろうか。今後バイクは、「一つもの」として、組み合わせた時に、最高のパフォーマンスとなるよう同メーカーで「トータルアッセンブル」が理想となるだろう。そんな中、各社でもその流れが高まって来ている。
Aeolus XXX 976g
MIPS
ミプス搭載モデルが登場。衝撃分散システムが頭を守る。
SUPERfeet × Bontrager
スーパーフィートとのコラボによるインソールが登場
Safety Leadership “THE ABCs OF AWARENESS”
トレックの提唱する安全啓蒙プロジェクトで、CLEMSON大学の協力体制のもと、新たなコンセプトで商品を開発した。「ABCコンセプト」というものでライダーの安全性は33%アップするという結果が出ている。
THE ABCs OF AWARENESS “CONTRAST”
目立つカラーにすることで視認性が上がり、事故を減らすことができる。
THE ABCs OF AWARENESS ”ALWAYS ON”
フロントライトとテールライトを常時点灯させることで事故を減らすことができる。
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HISTORY
冒頭にも記したが、今年で40周年となるトレック。各時代のセンセーショナルとなったモデルが展示されていた。トレックと言えば、やはり92年にリリースされたOCLVカーボンだろう。カーボンのと共に進化して来たブランドだ。当時も何社かメジャーブランドがカーボンフレームを制作していたが、OCLV製法による軽量化は画期的だった。他社に比べ、シンプルなデザインは、「質実剛健」のレーシーさをアピールし、憬れのカーボンフレームとして一世を風靡したものだった。
Y FOIL 77
1998年にリリースされたモデルだ。当時トレックは26インチへは行かず700Cでかつロードジオメトリーのトライアスロン系バイクを製作していた。(2000年には、26インチ78シートアングルのHiloがリリースされたが)このモデルは1999年モデルで当時の価格は\580,000だった。今見ても斬新さは色褪せない。昨今トレンドとなって来ている「1本足らない」フレームが再び蘇ることはあるのだろうか。
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Welcome to the Future
会場の中央で、一際目を引くバイクが、SNSで話題となっていたこのバイクだ。単なるエアロロードでもなく、もちろん、トライアスロンでもない。10年後トレックの考える「未来予想」だ。カテゴリーは「Fast Commuter」で、ずばり通勤バイクをより高速に走ることが表現されているものなのだ。そして、恐らく10年後には、改善される自転車環境を見据えて、期待をして、未来へ向かうためのバイクを象徴しているのだ。
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「今後のトレックの開発に目が離せない!」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka