【取材予定】2022彩の国トライアスロンin加須大会 SPECIALIZED RACE DAY

老舗の彩の国トライアスロンは、今年も開催される。

関東圏では、交通アクセスの良さから人気のある彩の国トライアスロン。会場は渡良瀬遊水地で、基本的にフラットなスイムコース、バイクは、ほぼDHポジションとなるフラット高速コース、ランも一部を除きフラット。そして、ミドル、ショート、スプリントの3カテゴリーを開催。幅広い選手層からの参加が見込まれている。

やはり、バイクコースがフォーカスされることが多いが、コースの明確な特性上、「トライアスロンバイク」が向いている。昨年のGERONIMO COUNTでは、44.7%がトライアスロンバイクで、宮古島でも50%強のため、比率は高い。ただ、DHポジション装着率は80%近いため「DHポジション走行」となる選手が多いと考えられる。もちろんビギナーの選手は不慣れなDHポジションは取らないほうが賢明だろう。ふらつきによる接触など大きな事故も想定しなければいけない。

昨年、コロナ禍で「練習不足」が懸念されたが、今年は十分できているのではないだろうか。22年は二極化しているように感じる。練習したから出る、していないから出ない、そんな流れを。やはり、トライアスロンは、簡単なものでもなければ、危険も伴うスポーツだ。良くも悪くもコロナ前に戻るのは23年かもしれない。そのためにもこの22年が大切になるのではないだろうか。十分な練習の先に感動も待っている。

いずれにしても持てる力を出し切って、出るからには大いに楽しんでもらいたい。

■開催日 2022/6/5(日)

■競技

種目 距離 制限時間 定員 
彩の国A S2.25km-B72km-R15km 89.25 km 5時間30分(スイム1時間20分) 230
彩の国B S1.5 km-B43km-R10 km  54.5 km 3時間40分(スイム1時間) 140
彩の国C S0.75 km-B21.6km-R5km 27.35 km 2時間(スイム40分) 60

*スイム1周約750m、バイク1周約7.2km、ラン1周約2.5㎞予定

※詳しくは、https://www.sainokunitri.com

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昨年のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=35151

その他のレポート(予定):http://triathlon-geronimo.com/?p=40294

「昨年に続き2回目の取材となる。今年は何が見えるのか!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

石垣島トライアスロン2022 GERONIMO Count

石垣島トライアスロンにおけるバイクトレンドを分析してみた。

昨年21年に続き、開催された石垣島大会。シーズンの初めであり、美しい沖縄リゾートでの開催ということもあり人気大会で、選手は全国から集まっている。選手は全ての大会に出場するわけではないので、開催否か、前後日程などから、あくまでもこの大会における結果ではあるが、傾向は確認できる。

前提として、まず選手層の広いオリンピックディスタンスであること、また、各メーカーのリリース及び、デリバリーの遅れなども考慮しておく必要がある。そして、40~59歳までの4カテゴリーの選手で695名で、63.8%を占めていることや、1都7県で572名が52.5%を占めているということも押さえておかなければいけないだろう。

【GERONIMO Countについて】

2015年からスタートし、8年目に入る。元々KONAで30年以上行われていた「バイクカウント」で、ブランド別の使用率は、毎年話題となり、各メーカーがトライアスロンバイクの開発ターゲットと位置付ける大会として、重要な意味があった。Triathlon GERONIMOでは、そのKONAをメインとし、国内外の主要大会のカウントからバイクトレンドを分析している。

頂点でもある前回2019年のKONAでは、約2400台のバイクを7時間近くをかけてカウントしているが、単にブランド別使用台数などは面白くない。重要となるのは、その先であり、トライアスロンバイクとロードバイクの比率やDHバー装着率、新型使用の目安となるディスクブレーキ比率などから見えて来るものがある。以前は、「Di2使用率」であったり、ホイールの「リムハイト」など、大会の特徴に合わせ、チェック項目も変えながら、分析している。

そして、日本国内では、選手層、練習環境、レースのコース、ディスタンスなどから、必ずしもそのままのトレンドではない。国内ではそこに「年齢層」も大きく関係してくるのだ。逆に、世界と国内の違いが面白い。前提や条件を確認した上で捉える一つの指標である。

 

Island-ISHIGAKI Bike Top10

第1位 SPECIALIZED 139台
第2位 cervelo 120台
第3位 TREK 108台
第4位 ceepo 71台
第5位 GIANT/Liv 68台
第6位 FELT 53台
第7位 cannondale 38台
第8位 PINARELLO 32台
第9位 BIANCHI 25台
同率第9位 ANCHOR/BS 25台

 

石垣島トライアスロン2022 バイク使用台数

順位 ブランド 台数 使用率
1 SPECIALIZED 139 13.6%
2 Cervelo 120 11.8%
3 TREK 108 10.6%
4 ceepo 71 7.0%
5 GIANT/Liv 68 6.7%
6 FELT 53 5.2%
7 cannondale 38 3.7%
8 PINARELLO 32 3.1%
9 Bianchi 25 2.5%
9 ANCHOR/BS 25 2.5%
その他 262 25.7%
不明 72 7.1%
未確認 7 0.7%
76 合計 1020 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

昨年に続き、スペシャライズドが1位だった。ただ、2位サーヴェロ、3位トレックも100台を超え、「トップ3」の様相だった。やはり、アメリカ系ブランドが強かった。(サーヴェロはカナダ)

スペシャライズドは、やはり「SHIV」での圧倒的な存在感を放っている。遠くから見ても一目瞭然の形状は台数以上に多く感じる。フィッティング、軽量性、フューエルなど、完成度の高いバイクだ。サーヴェロは、世界ではNo.1使用率のKINGだ。トライアスロンの代名詞とも言えるサーヴェロだが、新型リリースのタイミングなどから国内ではトップを逃しているのだろう。ただ、グレード設定など「選択肢」もあり、その人気は不動と言えるだろう。そして、トレックは、ついに新型Speedconceptが投入された。2ndゼネレーションから8年が経ち、3代目がリリースさされた。トレックはロードの人気も高く、Madoneも多く目立っていた。

ブランド 使用台数 使用率
TOP10 678 66.5%

そして、この TOP10ブランドによるシェアを定点観測しているが、石垣島の推移で見ると下がっていた。つまり、多くのブランドが使用されていたということになる。近年、「トライアスロン」に強いブランドか、否かでの選択肢となることが多いのだが、より多くのブランドがトライアスロンに注力してくれているのであれば「朗報」とも言える。一大会で語るのは性急かもしれないが。

デリバリー間もない新型トレックSpeedconceptも2台確認

昨シーズンから注目していたのが、「ディスクブレーキ比率」、それによる新型モデル比率だ。早いメーカーでは、2016年モデルから「ディスクブレーキ化」が始まっているが、概ね2020年モデルがスタートラインと考えている。したがって、コロナ禍もあり、今一つ、読みづらい動きとなったが、昨年からの推移は参考値と言えるだろう。

ディスクブレーキは、ホイールとともに始まった「安全対策」だ。ホイールの強度が上がっていることは周知の通りだろう。そして、最終的には「止まる」ということが基本の性能となる。特にトライアスロンバイクの場合、今も残るエアロダイナミクス優先で造られた効きの悪いブレーキからの脱却でもあるのだ。

使用台数 Disc 使用率 Rim 使用率
1010 240 23.8% 770 76.2%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

結果は、昨年の18.1%に対し「5%以上」の伸びを示していて、これは大きな伸びと言っても良いと考えている。2022年今シーズンに対しての「期待」と言い換えることもできるだろう。

最後に、石垣島大会におけるトライアスロンとロード比率を確認している。これによって何が見えてくるのだろうか。

大会 年度 台数 Triathlon 使用率 Road 使用率
石垣島 2022 1011 335 33.1% 676 66.9%
石垣島 2021 824 254 30.8% 570 69.2%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

トライアスロンバイクの導入は、以前はロングを目指した時から、近年ではミドルを目指す頃から使用されている。つまり、ミドルになるとトライアスロンバイクは一気に増えるということなのだ。石垣島はODであり、初心者からロング中心のベテランまで幅広い選手層となるわけだが、ここでの増加もやはりこれからのトライアスロンへの期待と言える。そして、トライアスロンバイクが増えることは、盛り上がりの証としていた。ODは3ヶ月の練習で完走できると思うが、ミドルは更に必要だろう。しっかりとした練習が必要になり、より本格的にトライアスロンへ取り組んでいるということになる。

ただ、トライアスロンバイクが増えることが、果たして良いのか、気になっている。トライアスロンバイクは、「ピンポイント」のポジション出しが必要な難しいバイクだ。もちろん、しっかりと馴染めば最高の相棒となってくれる。馴染んだ状態とは坂も「DHポジション」で走りたくなっているかどうかが一つの目安だ。

高齢化する国内でのトライアスロンにおいては、ポジション幅の広くなる「ロードバイク」の有効性も大きいと考えている。インドア練習時に1時間以上ノンストップでDHポジションが取れているか、その間、頭を上げて前を見て走ることができているか、是非セルフチェックをした上で、車種の選択をしてほしい。

いずれにしてもフィッティングを繰り返し、答えが出ると言っても良い。面倒と感じる選手は少なくないが、3種目以外にもいくつかある大切なことだ。

 

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=38850

「今年は、ニューバイクでレースに出る!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

石垣島トライアスロン2022 “ Smile ” Report

4/17(日)沖縄県石垣市で「石垣島トライアスロン大会2022 / 第8回八重山郡トライアスロン大会」(石垣島トライアスロン大会2022実行委員会主催)が開催された。

■気象(10:00時点):天候曇り/ 気温 22.9℃ / 湿度 65% / 風速 4.9m 北東 ※石垣島地方気象台による

■スタート数:963名(エイジ)57組(リレー)

昨年に続き、無事開催となった石垣島トライアスロン。国内のシーズン最初に開催されるトライアスロンは、人気が高く、1000人規模にも関わらず、募集開始1時間で定員となってしまっている。また、昨年は開催されなかったリレーも復活していることなども人気の理由となる。

当日の天候は極めて良好なコンディションとなり、走り易かっただろう。地元の人の話では、「このところ天気が変わりやすい」とのことで、前日は強風が吹いていた。そのレベルは、タイムにも関わるだけではなく、安全性も気になった。そんな前日に対し、曇り空となり、南国の青空を望めなかったことは残念だったが、その分、陽射しが遮られ、風は収まり、気温、湿度も昨年より低いという絶好のコンディションが整った。昨年は暑く、トップ選手でも体調を崩していた。シーズンインは季節の変わり目、暑さへの慣れなど安全面から見ても恵まれた大会だった。

石垣島トライアスロンの魅力は、シーズンいち早く開催し、ロケーションも南国ということが最大と言える。また、オリンピックディスタンスということで、幅広い選手層が一緒に走れるということも大きい。リレーも復活し、さらに参加しやすくなったことだろう。そして、昨今の事情から、久しぶりの「トライアスロン旅」となる選手も少なくなかったのではないだろうか。

石垣島は、伝統の老舗大会で、「石垣島ファミリートライアスロン」として始まったのは1987年。ロングの宮古島に対し、誰でも挑戦できるショートの南国トライアスロンとして誕生している。1996年にはワールドカップを招致し、石垣島トライアスロンはメジャーとなり、2013年まで連続18回開催された。歴史の長い石垣島だが、途中ではコース等見直しや、2018年の悪天候、2020年のコロナ禍により4度中止となっている。今年の開催で32回目を迎えたのだった。また、JTUエイジグループランキング対象大会でもある。

石垣島は、宮古島と並ぶ国内屈指のリゾートで、八重山列島の政治・経済の中心となる。台湾とは270kmしか離れておらず、本州よりも近く位置している南の島だ。年間の一日の平均気温は23.8℃で、最も低い1月、2月でも18℃以上となる、トライアスリート天国でもある。

【Swim】プールのような安心コース。

石垣港南側にある人工島「南ぬ浜町」の人工ビーチで行われる。反時計回りに750mを2周回するコースで、一度上陸する設定となっている。岸壁に囲われているため、見るからに安心感のあるコースで、人工ではあるが、白砂の綺麗なビーチとなっている。スタートはシード35名のみが一斉となり、その後は、10名づつ10秒間隔でのローリングスタートとなっている。昨今大会によっては、コロナ前から行われているスタート方式だが、石垣島では、コロナ対策の一環として導入している。

今回は、海のコンディションも良かった。ベタナギのプール状態で、透明度も高く、気持ちよく泳げたようだ。実は、人工の岸壁に囲われ、当然のように思われがちだが、昨年は、波も立ち、流れもあり、特に沖からビーチへ戻る一辺はイメージ以上に泳ぎづらかった。その点では、最初から幸先良いスタートだったのだ。尚トップタイムは、19分39秒で3選手が上がっているが、昨年より7秒遅いタイムだった。一般選手においては自己ベストなどの声も聞いているので、泳ぎやすかったのは確かだろう。

制限時間:60分

8:00 シード選手35名スタート
8:01 10名づつ10秒間隔でスタート

間もなくスイムアップ

サザンゲートブリッジをトップ通過したのは山本淳一選手

【Bike】フラットからアップダウンまで楽しめるコース

石垣島トライアスロンのリピーターが多い理由の一つと言えるバイクコースだ。上図のように大きく周るワンループのコースでDHのフラットからテクニカルなアップダウンまで、ロングのバイクを凝縮したようなコースで、バイク好きには最高に楽しめるだろう。まず、10km前後で最初の篩となるフラットも含みながらの上り基調だ。その後、20km地点で最大勾配、そこをクリアすれば、しばらく下り基調となる。そして、35km地点では新たな局面として、上りに入る。20km地点ほどではないが、終盤の上りとして、明暗を分ける最後の篩となる。このコースは、「DHポジション」でいかにペースをキープして走しることができるかが、重要なポイントと言えるだろう。路面も極めて良好、DHでも安心して飛ばせるコースで、トップ選手のDHポジション比率は90%程度となっている。一般選手でも70%以上と感じている選手が多かった。

バイクの明暗を分ける風はなかった。10時時点だけ観測上 5m近いが、その他は3m台で、シード選手の走行時間帯は、更に風が収まっていた。序盤のフラットでは、バイクを得意とする選手にはスピードコースとなる。大きくアドバンテージを稼げるのか、重要なポイントとなっている。中盤の上りでは、差がつかず、大きな集団も散見される。そして、下りが走りを分けている。下りで漕ぎ続ける選手と脚を止めてしまう選手がいる。経験の浅いビギナーも少なくなかったようで、まずは「安全走行」で良しとすべきだが、差は付きやすくなってしまっていた。そして、終盤ではアップダウンを含むが、フラットではDHでペースアップしていた。尚、コース距離は「42km超」の結果となる選手が多く、少し長がったようだ。

制限時間:スタート後、3時間15分

女子トップ通過は、蔵本葵選手

20kmコース最高点前

【Run】オールフラットの周回コース。

オールフラットを5km2周回するコースで、常に往路、復路で選手がすれ違うようになっている。上位選手は距離差などが明確に分かり、一般選手は、お互いの頑張る姿に刺激されながら走れるコースだ。また、仲間と参加している選手は、より一層楽しみながら走ることができる。2019年までは、市内の目抜き通りを往復するコースで市民からの応援なども盛り上がりを見せていたが、やはりコロナ対策として、人工島内でのコースを選択している。エイドステーションは2箇所設置している。

今回の天候は、ランでのメリットが大きかった。日陰も全くない単調なコースで、フラットはとても走りやすいが、灼熱の太陽が出ると大変なことになる。昨年、その暑さに苦しめられた選手が多かった。トライアスロンにおいて大敵となるのが、風と暑さだ。特に暑さは、ランでペースに大きく影響するが、今回は軒並み良いタイムとなった選手も少なくなかった。天候ばかりはどうしようもないが、ビギナーも少なくないこの大会では無事終了に大きく繋がっていることだろう。

ゴールシーンでは、様々な表情、ポーズ、笑顔で選手たちが続々ゴールしてくる。デビュー戦、3年ぶり、昨年のタイムを更新する、など目的はそれぞれだが、ゴールでの達成感は、みな同じように味わったのだろう。

制限時間:スタート後、4時間45分

 

Withコロナで2回目となった石垣島トライアスロン。

昨年も開催しているだけに、今年も「開催するでしょ」「やるよね?」と期待は大きかったと思う。昨年開催から1年経ち、その関わり方、価値観の個人差も大きくなり、簡単ではない次のフェーズに入った。運営側も選手側もより一層の気を引き締めていかなければ行けない。

ただ、元気な笑顔をたくさん見ることができた。開催しなければ見ることはできなかった。前向きに「石橋は叩きながら」進んで行きたい。続けるために。

レース当日は、ほぼ曇りとなっていた。青空を見ることはできなかったが、海は本当に綺麗だ。会場は港付近で、船も多く、人工的な施設に囲まれるが、海の色はご覧の通りだ。

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【Result】(エイジ)

総エントリー数 / スタート数 1089名 / 963名

完走者数 / 率 912名 / 94.7%

■石垣島大会総合男子
1.菊池 朋明
2.山本 真二
3.深浦 祐哉

■石垣島大会総合女子
1.蔵本 葵
2.加来 奈津子
3.安田 明日香

■八重山郡大会男子
1.梅田 裕也
2.富崎 義明
3.阿部 知史

■八重山郡大会女子
1.江村 彩
2.富崎 麻未
3.近澤 佐恵子

※全てのデータ:https://ishigaki-triathlon.jp/石垣島トライアスロン大会2022リザルト/

 

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その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=38850

「2022年初戦、無事終了!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

石垣島トライアスロン2022 Result

2022年国内トライアスロンが始まった。

南国石垣島で皮切りとなったトライアスロンは、1000名を超える選手で盛り上がりを見せた。昨年も開催されているが、昨今の状況から予定が立てづらかった。今年こそはと、12月のエントリー時から即定員になるなど、2022年への期待は大きかった。

石垣島の特長は、南国の海をいち早く泳げること、そして、何と言ってもワンループのコースをフラットからアップダウンまでスピードとテクニカルのコースが選手を飽きさせないことではないだろうか。また、デビュー戦からベテランまで幅広い選手層が「みんなで」楽しめる大会でもある。

当日の天候は恵まれたと言って良いだろう。曇りがちで、スッキリとした青空とはならなかったのだが、それが功を奏した。前日の強風も収まり、厳しい直射日光もない。この上ないコンディションとなり、「自己ベスト」などの声も上がっていた。男子優勝タイムも短縮となっていた。

また、選手の笑顔をたくさん見ることができた。バイクコースの中間地点の上りでは、各選手それぞれの頑張りを見せていた。もちろん、きついポイントだが、笑顔や手を振ってくれる選手も多かった。理屈抜きに、頑張り、楽しむ選手に羨ましさと感動を感じることができた。

そして、石垣島はレースだけではないことに魅力を感じている選手も多いのだろう。レース翌日には島をサイクリングする選手を多く見かける。また、レースではなく、海を泳いだり、石垣牛からスイーツに舌鼓、レースプラスαの醍醐味に、更に高まる「旅」の楽しさを一足先に堪能したのではないだろうか。

Swim 1.5km

Bike 40km

Run 10km

国内において、この石垣島トライアスロンの役割は大きい。沖縄であるゆえ、4月開催が可能と言えるが、30回以上開催され、国内でも数少ない1000名を超える屈指の大会のため、多くのトライアスリートの「意識」の中にその存在は大きい。多くの選手が参加し、無事開催されていることは、間違いなく励みになっているのではないだろうか。また、デビュー戦として選んでいる選手も少なくなかった。デビューは南の島の綺麗な海で泳ぎ、感動のゴールがしたい、そんな想いこそが原点だったのではないだろうか。

【レース結果】

出場数 エイジ:957人 リレー:56組 完走率:98.3%

■石垣島大会総合男子
1.菊池 朋明
2.山本 真二
3.深浦 祐哉

■石垣島大会総合女子
1.蔵本 葵
2.加来 奈津子
3.安田 明日香

■八重山郡大会男子
1.梅田 裕也
2.富崎 義明
3.阿部 知史

■八重山郡大会女子
1.江村 彩
2.富崎 麻未
3.近澤 佐恵子

※全てのデータ:https://ishigaki-triathlon.jp/石垣島トライアスロン大会2022リザルト/

 

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=38850

「2022年最初のレースは、高い完走率だった。」

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【取材予定】 ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ横浜 2022(エリート)

国内で最も注目度の高いオリンピックディスタンスが開催予定となっている。

ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ(WTCS)とは、オリンピックディスタンスをメインに年間チャンピオンを決める全7戦(2022年)のシリーズ戦で競われる世界最高峰の大会となっている。

WTCS今シーズンの初戦となる横浜大会は、今年で12回目を迎える開催回数の多い注目大会でもある。大会はエリートとエイジのカテゴリーで開催され、初日は、世界のトップエリート選手のスピードとパワフルな走りが見応えとなり、2日目はエイジ選手が同会場でコースは異なるが、出場することができる人気大会となっている。

今回のエリート選手は、男子55名、女子55名の合計110名の選手が出場予定となっていて、一段とレベルの高い展開が予想される。

男子はランキングトップ10の選手が揃い、ハイレベルなレース展開が予想される。Vincent Luis(19年覇者)をはじめとするフランス勢の復活なるか、ベルギー勢のバイクは?、Alex Yee(GBR)やJonas Schomburg(GER)も狙って行きたい。唯一、昨年の覇者であり、東京2020ゴールドメダリストのKristian Blummenfelt(NOR)が欠場となることが極めて残念となる。前週5/7のIRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP 2021に出場のためだ。日本人選手は7名出場となる。昨年の東京2020日本代表のニナー賢治選手、小田倉真選手を始め、現在、日本人ランキングトップ(12位)の北條巧選手など、活躍を期待したい。

一方、女子はランキング3位のSophie Coldwell(GBR)と6位Katie Zaferes(USA / 2019覇者)が欠場となるが、アメリカ勢を中心にやはり高いレベルが予想される。東京2020ゴールドメダリストであり、18年覇者のFlora Duffy(BER)、昨年の覇者Taylor Knibb(USA)の一騎打ちも見ものとなるだろう。日本人選手は8名出場となる。昨年の東京2020日本代表の高橋侑子選手、岸本新菜選手も出場し、上位入賞に期待したい。

会場となる「YOKOHAMA」は、歴史情緒のある観光スポットとしても人気の高い場所だ。国際大会の開催場所としては最も相応しい理想的なロケーションとなる。一方で、そのような会場での開催のハードルは極めて高いと言えるが、見事に人気大会となり、継続されていることは素晴らしい。

そして、今年も「ニューノーマル」で理想的な運営で開催されることだろう。テレビもNHK-BS1で生中継予定(14日10:00~15:15)となっている。

■開催日 2022/5/14(土)~15(日)

■競技

14日(土):エリートパラトライアスロン/エリート女子・男子

15日(日):エイジトライアスロン(スタンダードディスタンス・スプリントディスタンス)/リレー/エイジパラトライアスロン

※詳しくは、http://yokohamatriathlon.jp/wts/index.html

 

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2021年のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=34696

「まさにエキサイティングそのもの、スピードとパワーに魅了される大会だ!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】石垣島トライアスロン2022

いよいよ、シーズンイン。

日本で一番に開催される最南端のトライアスロン、石垣島大会が間もなく開催される。

国内屈指となった石垣島トライアスロン、石垣島ファミリートライアスロンから始まり、ワールドカップまで開催された老舗大会だ。透明度の高い綺麗な海で泳ぎ、ダイナミックなワンループのバイクコースは、バイク好きには最高に楽しめる。路面のコンディションも良く、DHポジションも取りやすい高速コースと、テクニカルなアップダウンをあわせ持つコース。そして、ランはペースの掴みやすい周回となる。原点とも言える南国の最高のロケーションは否応なしに盛り上がる。

昨年もコロナ禍で無事開催された石垣島大会への期待は大きかった。12月の大会募集は1時間で定員となり、申し込みができなかった選手は少なくない。もともと人気大会だが、今年こそはとはやる気持ちを感じる。早くトライアスロンに出たい、楽しみたい。待ちに待ったそんな大会からトライアスロンを通して「元気」を伝えたい。

南の島で泳いで、漕いで、走る、理想的なトライアスロンが今年も開催される。

■開催日 2022/4/17(日)

■競技

スイム1.5km、バイク40km、ラン10km

※詳しくは、https://ishigaki-triathlon.jp

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昨年のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=34064

 

 

「今年は楽しみたい!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

第9回 榛名湖リゾート・トライアスロン in群馬 GERONIMO COUNT

榛名湖トライアスロンでバイクカウントを行った。榛名湖はアップダウンがあり、慎重さも求められるテクニカルコースとなっているが、そこで使用されたバイクに特徴は見えたのだろうか。

GERONIMO COUNTは2015年からスタートし7年目にり、32大会を数えた。バイクカウントは、元々コナで30年以上行われ、その使用率が話題となっていた。サーヴェロが話題となるのはそのことによる。コナという最高の舞台でも実際の「選手層」は幅広い。単なるブランド別台数ではなく、エイジでのハンデはあるが、やはり「SUB10」の本当に速い選手が乗るバイクは何か?サーヴェロのシェアはダントツだが、人気のあるモデルは何か?など、もっと突っ込んだ「本当のこと」が知りたい。また、ワンバイなどトレンド以前の「兆し」も発見したかった。

今回の榛名湖トライアスロンどのようなレースなのだろうか。距離、コースにより、バイクもトレーニングも変わってくる。また関東圏での交通アクセスの良さも選手層に変化が出てくる。榛名湖は、標高1000mを超えるリゾートで「日本一美しい」トライアスロンとしている一方で、アップダウンのあるタフなコースという前評判だった。一部では事前に「試走」をしたという入念に準備を積んでいる選手もいた。試走以上の情報はないが、多くの選手は、大会サイトやリピーターからの情報が最大となるのではないだろうか。リピーターからの情報は、同じ競技レベルの選手目線ではある程度参考になるだろう。ただ主観も入るため、多くの選手はコースマップ、標高、周回数などから「イメージ」によって準備しているのではないだろうか。

榛名湖攻略のためのバイクはどんなバイクだったのだろうか。前述の情報量により、必ずしもバイク機材から全てを占うことはできないが、今後のヒントは見つけたい。

2021 HARU-TORA  Bike ” GERONIMO ” Count

順位 ブランド 使用台数 使用率
1 SPECIALIZED 43 13.0%
1 TREK 43 13.0%
3 cervelo 27 8.1%
4 GIANT/Liv 25 7.5%
5 cannondale 22 6.6%
6 ceepo 20 6.0%
7 PINARELLO 14 4.2%
8 MERIDA 12 3.6%
8 SCOTT 12 3.6%
10 ANCHOR 11 3.3%
11 BIANCHI 7 2.1%
11 FELT 7 2.1%
13 KUOTA 6 1.8%
13 QR 6 1.8%
15 BMC 5 1.5%
15 CANYON 5 1.5%
15 GUSTO 5 1.5%
15 LOOK 5 1.5%
19 ARGON18 4 1.2%
19 COLNAGO 4 1.2%
19 DEROSA 4 1.2%
19 ORBEA 4 1.2%
19 Wilier 4 1.2%
24 BOMA 3 0.9%
24 corratec 3 0.9%
24 FOCUS 3 0.9%
24 RIDLEY 3 0.9%
28 BH 2 0.6%
28 CARRERA 2 0.6%
28 GIOS 2 0.6%
28 lapierre 2 0.6%
28 PANASONIC 2 0.6%
28 TIME 2 0.6%
34 astuto 1 0.3%
34 AVEDIO 1 0.3%
34 CUBE 1 0.3%
34 excella 1 0.3%
34 FUJI 1 0.3%
34 GARNEAU 1 0.3%
34 HARP 1 0.3%
34 NEILPRYDE 1 0.3%
34 NESTO 1 0.3%
34 SIAFEI 1 0.3%
34 3T 1 0.3%
不明 2 0.6%
未確認 0 0.0%
44 合計 332 100.0%

Counted by Triathlon GERONIMO

1位は、スペシャライズドとトレックの2ブランドが群を抜いていた。

スペシャライズドは、トライアスロンでも強く、GERONIMO COUNT上だが、4月の石垣島1位、5月のWTCS横浜エリート、6月の彩の国でも1位のシェアとなっている。同社のトライアスロンバイク比率は34.9%で、やはり人気となっているのは、現行SHIVだった。もう一つの特徴は、ディスクブレーキ比率がダントツに高いことが挙げられ、他社よりも2~3年早い開発ができていただけにその完成度も自ずと高くなっている。

同率1位のトレックは、常に上位に入るブランドだが、ロードバイクに人気があった。同社のロードバイク比率は、88.4%の38台で、特に目立っていたのがエアロロードのMADONEであり、そのディスクブレーキモデルだった。スペシャライズドに対して言えば、「ロードのトレック」と言ったところだろうか。TTとしての新型Speedconceptが既にプロレースでお披露目されているが、「トライアスロン」としての新型リリースを待つ人は極めて多いだろう。

3位はご存知サーヴェロだった。3位ではあるが、今回ブランド別では最もトライアスロンバイクが多かったのはやはりKINGサーヴェロと言う感じだ。サーヴェロは、スタンダードのP系と異形のPX系の2系統を持ち、価格設定も幅広くしているところから、選び易いブランドだ。コナでは、P5を中心にP系が選ばれているが、一般選手では、PX系が扱い易いだろう。奇抜なデザインの異形だが、14500人からのリサーチデータにより完成したバイクは一つの答えでもある。

トライアスロンバイクだけの順位を見た場合、1位はサーヴェロの16台、2位はスペシャライズドの15台、3位はシーポの13台となっている。国内の人気3大ブランドと言えるだろう。逆にロードバイクは、1位はトレックの38台、2位はスペシャライズドの28台、3位はジャイアント/リブの23台となっている。これも選ばれているロードブランドということが言えるだろう。

総台数 TOP10台数 使用率
332 229 69.0%

Counted by Triathlon GERONIMO

このデータは、ブランドが分散傾向にあることを示している。概ね70%が境界線となるが、それを下回っている。やはり、ロードバイク使用率が高いことが原因となるだろう。トライアスロンバイクが多い場合、生産しているメーカーはある程度限られるため集中傾向となるが、ロードバイクは、まず選択肢が多いということが考えられる。扱うショップも多く、メーカーも多い。また、グレードによる価格の幅も広いため、ベテランは元より、ビギナーにとっても良い状況と言えるからだ。

単純に価格がリーズナブルになることで、敷居は下り、始める人も増える流れが生まれる。2019年のコナでは2400名中の77.7%がトップ10ブランドを使用しているが、大会のレベル、コース、海外と国内のバイクへの関わり方の違いなど、理由はいくつもあり、良いとか、悪いとか、言えることではない。

トライアスロンバイクが速いのは確かだ。昨今では、最初からトライアスロンバイクという流れがあることも否定できない。ただ、トライアスロンバイクは「ピンポイント」なポジションとなるため、ある程度(ミドルへの挑戦を始めた頃)の継続的練習や経験がベースとなっていることが重要だ。特に「体幹」への意識は、寝そべってしまったDHポジションでは意識が難しい。上半身が起き、肩、腕に力みを感じ、確認しやすいロードバイクをしっかりと乗りこなすことが先決と言えるだろう。

【ディスクブレーキ率】

今年度注目しているのが、バイクの「新型率」とも言えるディスクブレーキ仕様の使用台数だ。早いメーカーでは2016年頃からリリースしていたが、ディスクブレーキは、概ね「3年以内」のバイクということが言えるだろう。特に1~2年以内が多い。そこからの新型率を見ている。

そもそもディスクブレーキは、イコール高級車ということではない。上位モデルからディスクブレーキ化となったメーカーもあるが、自転車が止まるという当たり前の「安全対策」に対し、現在は、「標準仕様」になったということなのだ。安価なアルミフレームでもディスクブレーキとなり、メーカーによっては、完全移行しているところもある。念のためだが、バイク購入時には、ディスクブレーキになっていることを確認したい。

総数   Disc   比率   Rim   比率
Tri Road 合計 Tri Road 合計
332 19 45 64 19.3% 59 209 268 80.7%

Counted by Triathlon GERONIMO

今回の結果は、19.3%がディスクブレーキ仕様だった。4月の石垣島ではこの数値が18.1%、6月の彩の国では、26.9%だったことから考えると、時期を合わせれば、やや低めという結果と言えるだろう。ただ、2021年もコロナ禍の影響は大きく、大会も多く中止になっている。そのため、新規導入を遅らせていることや、そもそもメーカー側のデリバリーが遅れていることもあり、選手の「想い」も掛け合わせて見る必要があるだろう。ただ、データは事実でもあるため、1年後にその意味が見えてくることになるのではないだろうか。

【トライアスロンバイク使用率】

もともとGERONIMO COUNTは、ブランド別は当然だが、この「車種」については、大きな興味があった。トライアスロンバイクを購入する動機として、やはり見た目からの人気があることは事実。もう一つは、ミドルを目標設定にした選手がそのタイミングとしてケースが多い。距離の長いバイクパートに対し、考え始めたということだろう。ODまでは3種目の一つという位置付けだったことも考えられる。それがミドルでは、3時間から4時間以上となるため、効率よく安定した走りであったり、マイナス面軽減のためのエアロダイナミクスであったり、機材への関心度が大きく高まってくる。いずれにしても完走が簡単ではない、ミドルやロングヘの挑戦は、「本気」でやる必要があるため、トライアスロンバイク比率が増える傾向は、トライアスロン人気のバロメーターと言って良いと考えている。

大会 年度 台数 Tri 比率 Road 比率 距離
木更津 2017 1557 277 17.8% 1280 82.2% OD
石垣島 2021 824 254 30.8% 570 69.2% OD
彩の国 2021 320 143 44.7% 177 55.3% ミドル・ショート・ミニ
榛名湖 2021 332 78 23.5% 254 76.5% OD・ミニ

Counted by Triathlon GERONIMO

そして、今回の結果だが、トライアスロンバイク比率は低い結果となった。この考察としては、やはりコースが挙げられるだろう。普段トライアスロンバイクの選手がこのレースではロードバイクで出場している。また、ビギナーであったり比較的キャリアの浅い選手が多かったことも考えられる。これらは、あくまでも選手層も含めた「その大会」の特徴であリ、推移が重要となる。

では、榛名湖のコースはどちらのバイクが良いのだろうか。個人的見解ではあるが、ロードバイクに分があると思う。コースの高低差などからは、トライアスロンバイクと判断していたが、急な下りや湖畔沿いは道幅が狭く、路面状況も良くない。また木漏れ日のコントラストが強く、路面状況も把握しづらいため、シビアなコントロールができるロードバイクがベターであると思った。安全性が前提でどこまでスピードを上げれるかが、コース攻略のカギとなるのではないだろうか。

【DHバー装着率】

DHバーの装着率は、前述のトライアスロンバイク比率と違って、トライアスロンのキャリアを明確にする物差しとしては、その信憑性が高いと考えている。もちろん、ベテランでも外している可能性はあったり、普段のレースでは、トライアスロンバイクをメインに使用している場合、ロードバイクには装着していない可能性も考えられる。想像の域となってしまうが、ロードがメインバイクだった場合、物理的に脱着は簡単だが、ポジション的には簡単ではない。ドロップハンドルをメインとして、「たまにDHポジション」という選手は外しても特に違和感はないだろう。一方、ロードバイクで、DHポジションをメインにセッティングしている場合、サドルとハンドルの距離、落差が特殊となるため、外した状態では違和感を感じる。

DHバーは、トライアスリートなのか、ローディーなのかを見分ける最もわかり易いパーツだ。ドラフティングのないマラソンのような競技であるため、より良い状況を作り出すために必要不可欠であり、取り付けのタイミングこそ大事だが、やはり、「トライスリートの証」とも言えるだけに基本的には装着は望む人が多いだろう。

総台数 装着 比率 非装着 比率
332 207 62.4% 123 37.0%

※不明2台有り

Counted by Triathlon GERONIMO

今回の結果は、37.0%の選手がDHバーを使用していなかった。ここで注目したいのは、トライアスロンの競技性よりも「初心者率」だ。6月の彩の国では、20.6%の非装着率だったが、比較すると、榛名湖では圧倒的に「DHバー無し」が多かったことになる。ビギナーや普段はローディーの選手が多かったのではないだろうか。いずれにしてもこれからトライアスロンをもっと楽しんで行こう、という選手が多く参加していることは、まだまだ色々な可能性があるということになる。

【最後に】

カバー写真のSHIVは圧倒的に目立つカスタムペイントが施されていた。実はこのペイントは、右サイドが青系、左サイドが茶系のカラーに塗り分けられていた。機材も含め楽しんでいることが良くわかる一台だった。上のシーポは会場で見かけたものだが、鮮やかなカスタムペイントやワンバイなど正に「今」を象徴する仕上がりとなっていた。コナではこういうバイクが続々と集まってくる。

色々楽しめるのが、トライアスロンだ。

 

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=35664

「トライアスロンでいくか!ロードでいくか?いずれにしてもコースを想定したトレーニングが必要。」

BOSS-N1-S
Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

第9回 榛名湖リゾート・トライアスロン in群馬 RaceReport

7/18(日)群馬県高崎市で「第9回 榛名湖リゾート・トライアスロン in群馬」(榛名湖リゾート・トライアスロン in群馬実行委員会主催)が開催された。

はるトラも二年ぶりの開催となった。昨年は国内レースがほぼ全滅となったコロナ禍によるものだった。今年も周知の通りの状況で、中止となっている大会が多い中だったが、無事に開催することができている。そして、「日本一美しいトライアスロン」と謳っているレースを楽しんだ。

当日は、大会に合わせるように梅雨が明け、雲ひとつない最高の夏空が広がっていた。高原とは言え、梅雨明けからの強い陽射しは、やはり夏の過酷なレースであったことは間違いないだろう。とは言えスタートは7:40で、終了は12:30と、コンパクトにまとまっているため、大きな問題もなく、無事に終えている。

緊急事態宣言などによる自粛の「お願い」により、300名近くが減ってしまっているが、久しぶりのレースを楽しむ選手やビギナーから、ベテランまでレースとしての盛り上がりは十分だった。また、変わらないスタッフの対応により、アットホームな雰囲気の中での開催だった。

榛名富士の麓がメイン会場となる

はるトラは、2013年から始まり、今年で9回目となった。ただ、18年の台風、昨年のコロナで2度中止となっている。関東圏では交通アクセスが良く、リゾートトライアスロンが楽しめる大会として人気となっている。歴史は比較的新しいが、800名近いエントリー数となる地方大会としては、規模の大きな大会と言えるだろう。バイクコースのキャパからこれ以上は定員を増やせないまでに最大活用し開催している。

榛名湖は、高崎市に位置する榛名山のカルデラ湖で、標高は1000mを超える高原リゾートとなる。ちなみに「榛名山」は総称であり、その峰は存在しない、榛名富士を含む大小15の山岳から成る山体だ。榛名湖の透明度は、季節にもよるが、全国レベルから見ても良いほうだろう。

例年、海の日の週末開催となり、梅雨明けの眩しい太陽と真っ青な空と、高原の爽やかさが満喫できるタイミングが最高だ。やはり、はるトラに出るなら時間に余裕を持って「トライアスロン旅」を楽しんでほしい。

■コース

【Swim】スタンダード・リレー:  1.5km / スプリント: 0.75 km

一周750mのコースを周回する。スタート地点は、水深が浅く歩いて前に進んで行く。2名づつ6秒間隔のローリングスタートとなる。

【Bike】スタンダード・リレー:  40km / スプリント: 18 km

一周8kmのコースを周回する。やはりメロディラインの上りが、名物となるテクニカルコース。長い下りもあり、慎重さが必要となるコース。

【Run】スタンダード・リレー:  10km / スプリント: 5 km

一周5kmのコースを周回する。序盤で約500mの厳しいアップダウンがある。その後は、約3km地点で少し上りが出てくるコース。

 

■レース

【Swim】

7:40:00 レースが始まった。スタートは、スタンダード、リレー、スプリントの順番で、2名づつ6秒毎のローリングスタートで行われた。スタンダードとリレーは2周、スプリントは1周を泳ぐ。

レイアウトは、大きなブイの間を真っ直ぐに泳ぐだけで、視界も良く泳ぎやすい。ただ、標高が高いため「息が上がる」という選手は少なくない。また、海水ではないため、浮きにくいこともあり、少し時間がかかってしまう選手もいたようだ。ビギナーの中には、2周のところ1周で帰って来てしまって、慌ててコースに戻ったりと、幅広い選手層となる大会の光景が広がっていた。

榛名湖は深いところでも15m程度で、スイムコースとなっているところは、3~4m程度となっている。その浅い水深のため、海中の藻が手に触れたりして驚いた選手もいたようだ。藻のためイメージした透明度とは少し違うようだ。

いずれにしてもフラットで安心感のあるスイムコースで、前日の風も収まり、ほぼベタなぎ状態でのスイムは、ビギナーも泳ぎやすかったのではないだろうか。

ゲストでオープン参加の佐藤 謙太郎選手と酒井 絵美選手。

大会MCは、” SAM ” こと酒井修さん。レース実況と共に観戦者の代わりに応援も。

 

【Bike】

バイクは、約8kmのコースを周回する。スタンダードとリレーは5周、スプリントは2周する。正確には、外周で7.7km程度で、バイクスタートとゴール地点までのコースで調整され、合計5周で40kmとなっている。

コースは、アップダウンのあるテクニカルコースと言えるだろう。ただ、湖畔沿いを中心にDHポジションとなるフラット部分も半分以上あるコースだ。そんな中最大の難所となるのはスタート後、間もなくとなるメロディーラインの上りとなる。緩やかに上り始めるため、1km以上は続く上りで選手は苦しめられる。それをスタンダードであれば5回走らなければいけない。

各選手それぞれの走りをしている。DHバーが付いていないロードバイクの選手が勢い良く上って行く。普段はローディーなのか。カメラを向けると笑顔でポーズを取ってくれる余裕のある選手。カメラの前だけ「ダンシング」をしてくれた選手。そして、うつむきがちで、淡々と坂と闘っている選手。いずれにしても頑張っている光景がエンドレスで続いている。

上った後は、下りが待っているのだが、これが要注意となる。急な下りだが、道幅は広いとは言えない。また長く続くため自ずとスピードが出てしまうため、前後、左右も確認しながらのテクニカルな走りとなる。下り後半では、日向と日陰が強い日差しにより、明暗のコントラストが強く、路面状況の確認がしづらいポイントもある。その後、湖畔沿いに入ってからも道幅が狭かったり、路面の悪いところもあり、慎重なバイク走行が求められる。

このバイクコースの攻略は、上りではなく「下り」と言えるだろう。飛ばせということではない。コース情報をより多く把握し、いかにスピードを殺さず走れるかどうかということだろう。その点はバイクのチョイスも「ロードバイク」がセオリーとはなるが、普段の練習がそれを想定したものになっているかが大前提となる。このレースのためだけにロードバイクを用意するのはナンセンス。コースを想定した機材と練習が必要になるという点では、このコースで良い結果を狙うのは簡単ではない。当然、試走も何回できるか、バイクが得意で狙ってみたい選手は「十分な準備」をオススメしたい。

 

【Run】

ランは、5kmのコースを周回する。スタンダードとリレーは2周の10km、スプリントは1周の5kmとなる。

コースは、榛名湖の外周をほぼトレースする湖畔のラン。序盤に9%の上りを含むアップダウンが500m程度続き、選手を苦しめる。また、中盤でアップダウンが出てくるが、あとはフラットも多い。陽射しは強かったが、湖畔沿いの木々で日陰となる部分もあり、精神的にも助けられていた。

選手のウエアはショートということもあり、「袖なし」が多かった印象だ。現在、「袖付き」が主流のイメージになったが、元々はアイアンマンのバイクなどで、「エアロダイナミクス」を考慮したことから始まっている。今でもコナでは、ランになるとウエアを変える選手を見かける。当日の天候では、やはり、袖なしが涼しげに見えていた。

選手も疲れて来た。カメラに反応してくれる選手もいたが、バイク時に見られた笑顔は少なくなり、淡々と走る選手が多くなって来た。トライアスロンは、「バイク+ラン」の競技だ。そのバランスが難しい。ビギナーの選手は、バイクの坂で脚を使い切ってしまったかもしれない。そんなことを考えながら走ることが、トライアスロンの魅力でもあるのだが。やはり、梅雨明け直後で、暑さに慣れていない身体は、いきなりの「夏本番」でダメージが大きいのだろう。

いずれにしても最後の種目となるラン。ゴールを目指して力を振り絞る選手に感動だった。デビューの選手もいただろう。ベテランでもコロナ禍で久しぶりとなった選手もいただろう。それぞれの想いの中、それぞれのゴールを目指し、トライアスロンという「非日常」で持てる力を出し切っていた。

 

【Finish Line】

レースが終わった。

ゴールの頃は「太陽」が真上から燦々と降り注いでいた。疲れも暑さもマックスとなっていたが、ゴールで全てが報われる。思い通りのレース展開となったかどうかは分からないが、その瞬間は、最高に気持ち良いのだ。

やはり、「トライアスロンはいいな〜」と思った瞬間だったのではないだろうか。

Congratulations !

「過去4回出場しています。この大会はドラフティングがないので良いですね。」とレース後お話ししてくれたのは、70歳のベテラントライアスリート、四阿選手。

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■GERONIMO COUNT

GERONIMOのバイクカウントは、暫定の速報値となるが、下記の通りだった。

1位 TREK 43台

1位 SPECIALIZED  43台

3位 cervelo 27台

※対象はスタンダード、リレー、スプリントの332台となる。

※詳細データはこちら(後日発表)

■コロナ禍での開催

開催することはできたが。。。

準備も6月からのスタートで、運営も簡単ではなかった。まん延防止措置の出ている市町村には、解除されない場合、自粛のお願いをしていたが、さらに緊急事態宣言も発令されたため、多くの参加者がいた東京都などの選手は、大幅に減ることとなった。

もちろん、レースでは直前までのマスクの徹底や2名づつのローリングスタートなど、可能な限りの対策をしていた。また、蜜を避けるため、表彰式は開催せず、ゴール後は、三々五々の流れ解散となっていた。ゴール後余韻に浸り、お互いの頑張りを称え合う、大切な時間でもあるが、「今」は全て行うことはできない。

はるトラのレースディレクターであり、高崎市トライアスロン協会会長の小平博氏は言う「今回は、初トライアスロンもベテランも皆 “ デビュー戦 ” です。」と。ご自身も第1回の佐渡から出場し、16年にはコナ出場を果たしている強豪エイジグルーパーであるだけに、選手をより楽しませたいとい気持ちも強いはず。そんな熱き人々によって開催できている。また、高崎市あげてのイベントであると言うことも、この成功に大きく関わっているのだ。

そして、一日も早く平時に戻ることを待っている。大会が開催できたこと自体が最高なのだろう。ただ、そんなことは選手もスタッフもみな分かっている。普通に開催できることの有り難みを痛感させられた。

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【Result】

◯ 総エントリー数 / 最終スタート数 671/382名(ジュニア、キッズ含む)

◯ スタンダード&リレー /スプリント エントリー数 / 最終スタート数 591 / 332名

◯ 総完走者数 / 率 371名 / 97.1%

《気象》(7:00時点):天候 晴れ / 気温 25.6℃ / 湿度 66% / 風速 2.4m 北北西 ※前橋地方気象台

■スタンダード男子総合
1位 小林 祐也 2:10:47
2位 橋本 有広 2:12:17
3位 望月 佐夢 2:13:11

■スタンダード女子総合
1位 田村 光 2:27:00
2位 大熊 美結 2:43:41
3位 Martin Sarah 2:47:40

■スプリント男子総合
1位 関根 悠太 1:05:23
2位 杉本昌也 1:08:25
3位 吉川 誠司 1:10:43

■スプリント女子総合
1位 貴田 真美 1:13:40
2位 小澤 真理子 1:22:31
3位 鈴木 佐梨 1:25:03

■スプリント高校生男子総合
1位 浅沼一那 0:59:29

■スプリント高校生女子総合
1位 長谷川 菜奈 1:07:57

■リレー総合
1位 M・S・I PUBLIC 2:26:27
2位 勝己一族 2:32:07
3位 ☆ゆまりえ☆ 2:40:27

■リレー男女混合
1位 TEAM ウガちゃんねる 2:44:27

※全てのデータ:http://harutra.jp/result

 

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=35664

「近いリゾートでトライアスロン旅が楽しめる!」

Triathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka