石垣島トライアスロン2022 “ Smile ” Report

4/17(日)沖縄県石垣市で「石垣島トライアスロン大会2022 / 第8回八重山郡トライアスロン大会」(石垣島トライアスロン大会2022実行委員会主催)が開催された。

■気象(10:00時点):天候曇り/ 気温 22.9℃ / 湿度 65% / 風速 4.9m 北東 ※石垣島地方気象台による

■スタート数:963名(エイジ)57組(リレー)

昨年に続き、無事開催となった石垣島トライアスロン。国内のシーズン最初に開催されるトライアスロンは、人気が高く、1000人規模にも関わらず、募集開始1時間で定員となってしまっている。また、昨年は開催されなかったリレーも復活していることなども人気の理由となる。

当日の天候は極めて良好なコンディションとなり、走り易かっただろう。地元の人の話では、「このところ天気が変わりやすい」とのことで、前日は強風が吹いていた。そのレベルは、タイムにも関わるだけではなく、安全性も気になった。そんな前日に対し、曇り空となり、南国の青空を望めなかったことは残念だったが、その分、陽射しが遮られ、風は収まり、気温、湿度も昨年より低いという絶好のコンディションが整った。昨年は暑く、トップ選手でも体調を崩していた。シーズンインは季節の変わり目、暑さへの慣れなど安全面から見ても恵まれた大会だった。

石垣島トライアスロンの魅力は、シーズンいち早く開催し、ロケーションも南国ということが最大と言える。また、オリンピックディスタンスということで、幅広い選手層が一緒に走れるということも大きい。リレーも復活し、さらに参加しやすくなったことだろう。そして、昨今の事情から、久しぶりの「トライアスロン旅」となる選手も少なくなかったのではないだろうか。

石垣島は、伝統の老舗大会で、「石垣島ファミリートライアスロン」として始まったのは1987年。ロングの宮古島に対し、誰でも挑戦できるショートの南国トライアスロンとして誕生している。1996年にはワールドカップを招致し、石垣島トライアスロンはメジャーとなり、2013年まで連続18回開催された。歴史の長い石垣島だが、途中ではコース等見直しや、2018年の悪天候、2020年のコロナ禍により4度中止となっている。今年の開催で32回目を迎えたのだった。また、JTUエイジグループランキング対象大会でもある。

石垣島は、宮古島と並ぶ国内屈指のリゾートで、八重山列島の政治・経済の中心となる。台湾とは270kmしか離れておらず、本州よりも近く位置している南の島だ。年間の一日の平均気温は23.8℃で、最も低い1月、2月でも18℃以上となる、トライアスリート天国でもある。

【Swim】プールのような安心コース。

石垣港南側にある人工島「南ぬ浜町」の人工ビーチで行われる。反時計回りに750mを2周回するコースで、一度上陸する設定となっている。岸壁に囲われているため、見るからに安心感のあるコースで、人工ではあるが、白砂の綺麗なビーチとなっている。スタートはシード35名のみが一斉となり、その後は、10名づつ10秒間隔でのローリングスタートとなっている。昨今大会によっては、コロナ前から行われているスタート方式だが、石垣島では、コロナ対策の一環として導入している。

今回は、海のコンディションも良かった。ベタナギのプール状態で、透明度も高く、気持ちよく泳げたようだ。実は、人工の岸壁に囲われ、当然のように思われがちだが、昨年は、波も立ち、流れもあり、特に沖からビーチへ戻る一辺はイメージ以上に泳ぎづらかった。その点では、最初から幸先良いスタートだったのだ。尚トップタイムは、19分39秒で3選手が上がっているが、昨年より7秒遅いタイムだった。一般選手においては自己ベストなどの声も聞いているので、泳ぎやすかったのは確かだろう。

制限時間:60分

8:00 シード選手35名スタート
8:01 10名づつ10秒間隔でスタート

間もなくスイムアップ

サザンゲートブリッジをトップ通過したのは山本淳一選手

【Bike】フラットからアップダウンまで楽しめるコース

石垣島トライアスロンのリピーターが多い理由の一つと言えるバイクコースだ。上図のように大きく周るワンループのコースでDHのフラットからテクニカルなアップダウンまで、ロングのバイクを凝縮したようなコースで、バイク好きには最高に楽しめるだろう。まず、10km前後で最初の篩となるフラットも含みながらの上り基調だ。その後、20km地点で最大勾配、そこをクリアすれば、しばらく下り基調となる。そして、35km地点では新たな局面として、上りに入る。20km地点ほどではないが、終盤の上りとして、明暗を分ける最後の篩となる。このコースは、「DHポジション」でいかにペースをキープして走しることができるかが、重要なポイントと言えるだろう。路面も極めて良好、DHでも安心して飛ばせるコースで、トップ選手のDHポジション比率は90%程度となっている。一般選手でも70%以上と感じている選手が多かった。

バイクの明暗を分ける風はなかった。10時時点だけ観測上 5m近いが、その他は3m台で、シード選手の走行時間帯は、更に風が収まっていた。序盤のフラットでは、バイクを得意とする選手にはスピードコースとなる。大きくアドバンテージを稼げるのか、重要なポイントとなっている。中盤の上りでは、差がつかず、大きな集団も散見される。そして、下りが走りを分けている。下りで漕ぎ続ける選手と脚を止めてしまう選手がいる。経験の浅いビギナーも少なくなかったようで、まずは「安全走行」で良しとすべきだが、差は付きやすくなってしまっていた。そして、終盤ではアップダウンを含むが、フラットではDHでペースアップしていた。尚、コース距離は「42km超」の結果となる選手が多く、少し長がったようだ。

制限時間:スタート後、3時間15分

女子トップ通過は、蔵本葵選手

20kmコース最高点前

【Run】オールフラットの周回コース。

オールフラットを5km2周回するコースで、常に往路、復路で選手がすれ違うようになっている。上位選手は距離差などが明確に分かり、一般選手は、お互いの頑張る姿に刺激されながら走れるコースだ。また、仲間と参加している選手は、より一層楽しみながら走ることができる。2019年までは、市内の目抜き通りを往復するコースで市民からの応援なども盛り上がりを見せていたが、やはりコロナ対策として、人工島内でのコースを選択している。エイドステーションは2箇所設置している。

今回の天候は、ランでのメリットが大きかった。日陰も全くない単調なコースで、フラットはとても走りやすいが、灼熱の太陽が出ると大変なことになる。昨年、その暑さに苦しめられた選手が多かった。トライアスロンにおいて大敵となるのが、風と暑さだ。特に暑さは、ランでペースに大きく影響するが、今回は軒並み良いタイムとなった選手も少なくなかった。天候ばかりはどうしようもないが、ビギナーも少なくないこの大会では無事終了に大きく繋がっていることだろう。

ゴールシーンでは、様々な表情、ポーズ、笑顔で選手たちが続々ゴールしてくる。デビュー戦、3年ぶり、昨年のタイムを更新する、など目的はそれぞれだが、ゴールでの達成感は、みな同じように味わったのだろう。

制限時間:スタート後、4時間45分

 

Withコロナで2回目となった石垣島トライアスロン。

昨年も開催しているだけに、今年も「開催するでしょ」「やるよね?」と期待は大きかったと思う。昨年開催から1年経ち、その関わり方、価値観の個人差も大きくなり、簡単ではない次のフェーズに入った。運営側も選手側もより一層の気を引き締めていかなければ行けない。

ただ、元気な笑顔をたくさん見ることができた。開催しなければ見ることはできなかった。前向きに「石橋は叩きながら」進んで行きたい。続けるために。

レース当日は、ほぼ曇りとなっていた。青空を見ることはできなかったが、海は本当に綺麗だ。会場は港付近で、船も多く、人工的な施設に囲まれるが、海の色はご覧の通りだ。

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【Result】(エイジ)

総エントリー数 / スタート数 1089名 / 963名

完走者数 / 率 912名 / 94.7%

■石垣島大会総合男子
1.菊池 朋明
2.山本 真二
3.深浦 祐哉

■石垣島大会総合女子
1.蔵本 葵
2.加来 奈津子
3.安田 明日香

■八重山郡大会男子
1.梅田 裕也
2.富崎 義明
3.阿部 知史

■八重山郡大会女子
1.江村 彩
2.富崎 麻未
3.近澤 佐恵子

※全てのデータ:https://ishigaki-triathlon.jp/石垣島トライアスロン大会2022リザルト/

 

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その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=38850

「2022年初戦、無事終了!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka