Hokkaido 2024 Race Result Breaking News

アイアンマンジャパンみなみ北海道、第1回の優勝者が決定した。

男子:Kent Ohori選手(AUS) 8:42:49

女子:高橋佳那選手(JPN) 10:42:11

取り急ぎ。

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「トップはゴールした。レースはこれから。」

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Hokkaido 2024 Bike “Smile” Check in – 384

レース前日の大きなイベント「バイクチェックイン」。

初ロング、初アイアンマンの選手が多いが、やや緊張感を感じさせながらも「明日を楽しむ」と言うポジティブな選手たち。

5分遅れの10時5分にスタートしたチェックインは、午前中に集中した。11時40分には6割程度だろうか、ほぼラックが埋まって見えるほどとなっていた。途中雨が降り始めたが、大した雨にはならず、無事にチェックインを終えることができた。

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「さあ!行こう!明日は本戦だ。」

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【取材予定】アイアンマンジャパンみなみ北海道

9/15(土)日本にアイアンマンが戻ってくる。

国内では9年ぶりとなるアイアンマンが北海道で開催。周知の通り、日本のレースだが、世界シリーズの一つとして、やはり「メジャー」の復活は嬉しい。トライアスロンの原点でもあるシリーズ戦がいよいよ開催される。

会場は函館市の隣、北斗市、木古内町となる。北斗市は北海道南西部に位置し、津軽海峡に面し、新幹線が発着する自然と都市機能が融合したロケーションだ。また、北海道の中でも最も温暖な地域となる。

日本国内のアイアンマンは、1985年に琵琶湖で開催が始まり、途中ブランクもあるが、長崎、北海道洞爺湖に次ぐ4会場目となる。ロケーションも主催者も異なるため、国内ロング5番目の「新規レース」とも言えるだろう。

初開催となるため、既存レースほど情報はないが、何と言ってもバイクコースの設定が面白い。コースの97%を自動車専用道路を使用するという設定でほぼDHポジション、ノーブレーキコースとなっていることだ。バイクは当然トライアスロンバイクが最適となり、DHポジションをしっかりと乗りこなせるか否かがバイクの走りを決める。

新規レースのため、良い点も改善点もこれから見えてくるだろう。ただ長く続くよう見守りたい。

■開催日 2024/9/15(日)

■競技

スイム3.8km / バイク180km / ラン42.2km

■サイト

公式:https://www.ironman.com/im-south-hokkaido

国内:https://triathlon-south-hokkaido.com

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「アイアンマンの称号を得るために。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

2024佐渡国際トライアスロン大会 Race Recap

9/1(日)2024佐渡国際トライアスロン大会が開催された。(主催:佐渡国際トライアスロン実行委員会・公益社団法人日本トライアスロン連合)

夏のメインイベント、佐渡大会が開催された。国内のロング5レースの一つであり、国内最長距離、厳しい制限時間、そして、猛暑の中で開催されるまさに「鉄人レース」は夏を締めくくる人気大会となっている。バイク190kmを含め、制限時間15時間30分は険しく、ミドル完走者でも計画的なトレーニングが必要となる。簡単には完走させてくれない佐渡はスタートラインに立つまでが重要となる。

まず、やきもきさせられたのは「台風10号」だった。昨年は猛暑のために距離短縮などが危惧されたが、無事予定通り開催できた。そして、今回は台風だった。時期的には常に可能性はあるのだが、勢力が強く、ゆっくりと動く「迷走台風」に現地入りすることも余儀なくされた選手も少なくなかった。結果的には無事開催されたが、帰路の交通手段の変更などレース以外に気を使うことになった。

当日の天候は良かった。朝方強い雨が降ったが、すぐ止み、スタート時は曇りだったが、徐々に青空がのぞき始め、いつもような佐渡になっていった。Aタイプの完走率は例年概ね70~80%だが、今回は73.8%だった。海はベタナギ、暑さも昨年ほどではなかった。ランでは暑かったとの声も聞いたが、例年よりは楽だったと聞いている。

レース結果は、Aタイプ男子優勝は星大樹選手、女子優勝は齋藤恭子選手、Bタイプ男子優勝は山岸穂高選手、女子は平柳美月選手だった。

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以下、リキャップとなる。主に「Aタイプ」についてのレポートとなる。

■Distance

距離は、国内最長トライアスロンとなるスイム4km、バイク190km、ラン42.2kmで開催される。この距離は世界シリーズのアイアンマンより、スイム200m、バイク10km長い。更に制限時間が厳しく、アイアンマンの17時間制よりも1.5時間短い15時間30分となる。また、灼熱の中のランと途中の関門など、完走するだけでステイタスの高いロングトライアスロンだ。

■Course

スイムコースは、佐和田海岸を沖に向かって一斉スタートし、縦長の三角コースを2周回する。

一度上陸する設定は、経験の少ない選手にとっては安心感となるが、慣れた選手はリズムを崩してしまう。そのような変則的な泳ぎに慣れる必要があるだろう。

当日は、透明度は高く、この上ないベタナギとなり、極めて泳ぎやすいコンディションだった。水温は昨年と同じ29℃のため、その点だけで言えばロングジョンが推奨となる。

昨年気になった太陽光の眩しさはなく、その点でも良い環境でのスイムとなった。クラゲの発生は報告されたが、昨年ほどの大量発生ではなかったようだ。

バイクコースは、まさに「アイランドバイク」で、佐渡島の海岸線をトレースする190kmとなっている。国内でも最も美しいコースの一つと言えるだろう。

55km地点のZ坂、161km地点の小木の坂が所謂難所となるが、72km地点の鷲崎から161km地点の小木までの90kmは、DHポジションが極めて重要となる。佐渡はDHポジションが制すると言っても良いだろう。もちろん、「DHポジション=フラット」ではない。3%程度の上りや向い風もDHポジションで乗りこなせるトレーニングを積んだことが大前提となる。

当日は天候に恵まれ絶好のコンディションとなっている。暑いことは変わりないが、雲が出ている時間も多く、東側コースでの向い風もさほど気にならなかったと聞いている。

完走のカギはバイクとランのペース配分となる。バイクで脚を使い果たし、ランスタート時のダメージが残る選手が多い。つまりバイクの走りが重要となり、佐渡のコースに対し、どのようにトレーニングをして来たのかということになる。

アップダウンのイメージしかしてこなかったのか、オールDHに近い、鷲崎から小木までの東側コースに対しどのような対策を立てたのか、また、向い風のイメージは出来ていたのかなど「プランB」までの想定が必要となるだろう。

ランコースは、佐和田をスタートし、真野湾サイドを周回するコースで、太陽を遮るものはない。

昨年と同じ4周回で開催され、海岸線とメイン会場近くの応援の盛り上がる「商店街」を周回するコースとなる。完全なフラットでスピードコースでもあるが、日陰は全くなく単調なコースでもある。

当日は、想定された灼熱ではなかったが、選手は口々に「ランは暑かった」と言っていた。バイクでは雲も出ていたが、ランはいつもの佐渡に戻り、選手を苦しめた。

4周回は精神的に辛く、我慢の耐久ランとなる。昨年は2周回予定からボランティア不足のため4周回に変更された経緯があるが、今年も難しかったようだ。佐渡に限らずの課題であり、あらためて開催の難しさと多くの人々に支えられていたことを実感することになった。

■Weather

今回は「迷走台風」に翻弄された。

当初は大会前に終息すると思われていたが、勢力が強く、速度が遅く、予想の難しい台風に開催がどうなるのか、また、佐渡まで辿り着けるのか、やきもきさせられた。

開催週の8/28(水)には結論が出ず、翌日まで持ち越されたが、条件付き開催の決定が告げられた。選手は一安心となったが、その時点でも台風が読めいない状況は変わらないままだった。結果的には無事開催されたが、台風と同じ方向に向かう選手たちは交通手段を奪われ、佐渡に入ることが出来なかった。

そのための特別措置として、出場辞退の選手は2025年の大会に優先出場権を申告制にて付与を決定した。措置は有難いことだが、今大会に出られなかった選手にかける言葉がなかった。

当日の天気は、早朝雨が降ったもののすぐ止み、曇り空でのスタートとなった。その後、徐々に晴れ始め、ランの頃にいつものように暑い佐渡となった。公式発表では、気温28.5.℃、水温29℃、湿度81%となっている。佐渡の羽茂で15:00過ぎに僅かに31℃を超えているが、猛暑とはなっていない。

※気象情報:新潟地方気象台発表 2024年9月1日11時(スイム6時)

■Race Operation

基本的に良い運営で、特に約1000名のボランティアの対応が良く、選手の満足度は十分高かったようだ。それでも今後より良いレースにするため、選手に聞いてみた。

『昨年要望した ①エイドでの氷の提供 ②夜間ライトが眩しい、が反映されていてビックリ。今年は、開催して頂けただけでもありがたいのですが、ランASでの固形物がスポーツ羊羹とバナナだけで、おにぎりやパンが全く無かったのが残念でした。本部ASの一か所でも提供して頂けると助かります!』

『今年は、道路にやたらとバイクボトルが散乱していました。ボトルの外径がやや小径なのか分かりませんが一箇所に3〜4本転がってました。それと、ボトルのパッキンの座りが悪く水漏れが酷かった事と、しっかりと閉まりきらない不良品が多かったと思います。』

『スイムの折り返し後、ライフセーバーさんのいる場所がやたら内側で狭い所を人が泳いでコンタクトが凄かったです。一周目は人がバラけない事もあるのでコンタクトも仕方ないと思っていたら二周目の往路はバラけてたのに折り返したら急にゴチャゴチャ。なんでだろー?』

『ボランティアも案内など分かりやすかったし、キラキラした目で応援もしてくれ、佐渡名物終日MCも盛り上げてくれたし、花火もクラッカーも。今年初参加の島パーティーなんて最高でした。』

『チェックインと試泳くっつけたのも良かったと思うが、チェックイン時間過ぎないとAタイプの応援に行けなかったのと、トランジションエリアで写真撮れなかったのが残念。バイクボトルも一本を使い回したので、蓋の不具合気づかず、ランでは支給されたマイボトルに助けられました。エイドに果物欲しかったけれど、贅沢言いません。開催ありがとうございました。』

『走れるランナーはエイドの給水で足りたようですが、倍の時間かかる私は、エイド間も手持ちボトルで繋ぐことができて、エイドでも注ぎ足してもらいボトル活躍。吸わなくても出るし柔らかいから握るのも楽で使いやすかったです。事前送付でボトルの練習しておけたのが良かったです。』

『見てた感じ支給されたボトル自体は少なかったですが、マイボトル持参で走る人は例年より多かったです。私はサロモン持参でしたが、持って走り続けるの苦じゃなかったし、ちまちま飲み続けられるのはいいなと、ボトル持参派にこの大会でなりました!』

『チェックインは今年の方式がスムースで動線もよく、よかったと思います。あと同伴ゴールやりたかったです。』

『どこのASか忘れましたが、ノーマルサイズのおにぎりと半分サイズのおにぎりが2種類あって、半分サイズはラップに包まれていてテイクアウトできたのが嬉しかったです!』

『バイクのWSはボトルに詰替えのみ、ASはボトル提供、とハッキリ分けた事で、ASにボトルありません、ということは無かったかと思います。去年までのASでいきなりありません、は困っている人も多かったので、それが起きるくらいなら、今年の方針の方が良かったと思います。』

『WSの詰め替えのみ、初めは時間ロスになりそうなので敬遠しようかと思いましたが、どう考えても足りずほぼ立ち寄り。でもみんな止まってるので公平感あってよかった気がします!』

『ランのエイドに、氷が袋に小分けして置いてあったのですが、利用させて頂き重宝しました。ランの前半脇の下に入れて走り、パフォーマンスが落ちずに済ました。』

『車の交通量が多いコースに、注意喚起するスタッフをもう少し配置してくれると、より安全かと思う場面がありました。坂でのライドで疲労があり、バイクがふらついているところに車がスピードを上げて追い越しをする際、危ない!と感じる場面ありでした。』

■主な変更点

ボディナンバーチェックのテント

主な変更点としては。

  • Raタイプ追加:Aタイプのリレー版
  • 検車制度導入:事前のバイク点検が必要
  • バイクのWS:携帯ボトルに補充のみ
  • 熱中症対策:エイド間で事前支給のソフトボトル使用を提唱
  • ランの夜間照明:増設
  • ボディナンバー・スイムチェック:体育館から海側テントに
  • その他

安全性の向上及び効率化が図られている。

■熱中症対策

今後、佐渡を含め灼熱ランとなるレースでの水分補給は、「マイボトル」の携行によりエイドステーション間でも小まめにできるよう検討すべきかもしれない。

7月から9月に開催され、30~35℃が予想される大会では熱中症予防のため、選手自身でも対策を立てておきたい。今回、大会からソフトタイプのボトルが支給されているが、バイクボトルでも良いと思うし、使いやすいものを試しておきたい。

今に始まったことではなく、すでに実施している選手もいるが、大会からの支給があったことであらためて考えるきっかけとなった。

■島祭りParty

レースの前々日に「島祭りParty」が開催された。

選手は無料で参加ができるパーティーで約850名が参加、佐渡の食、伝統芸能、地酒などでもてなしてくれる。このようなパーティーは他の大会でも開催されているが、特筆すべくはそのクウォリティの高さにあるだろう。

2016年から開催しているこのパーティーは、まずは、「おもてなし」として入口から地元のしまびと元気応援団、健康推進員、農協女性部のみなさんが拍手で迎えてくれる。演目では太鼓芸能集団「鼓童」によるスペシャルライブで盛り上げてくれる。鼓童は1981年創設、佐渡を拠点とし、国際的な活動を展開するプロの和太鼓集団。また、煮しめ、いごねり、イカ飯などの地元食と多くの地酒のほかスイーツまで充実し、選手たちも大満足、満腹となる手作りのパーティーだ。

唯一無二のあたたかい雰囲気を持つこのパーティーに参加しないのはもったいない。

■国内屈指

佐渡名物の花火でこの大会を締め括る
トライアスリート松田丈志、開催してくれたことに感謝
恒例となった巨大クラッカー

佐渡大会は、距離、コースなど競技性も高い最高峰の一つと言える。また、長年開催され、歴史ある国内を代表する大会であることも間違いない。ただそれだけではない。

佐渡は最後までいないとダメだ。ラストプログラムの花火は必見だからだ。21時30分全競技が終了した直後、照明が落とされ、花火が上がるのだ。朝6時スタートし、一日走りまくったトライアスロンの終わりを告げる。音楽が流れ、花火がシンクロし、最高のラストを演出してくれる。

ゲスト選手の松田丈志さんは、今年ついにオンヨネカップをコンプリートした。4月の佐渡トキマラソン、5月の佐渡ロングライド210、7月の佐渡オープンウォータースイミング、そして、9月の佐渡国際トライアスロン大会を全て完走している。

これは昨年のフィナーレで宣言してしまったことなのだが、見事に「有言実行」となった。一昨年、佐渡Aタイプを完走している松田さんだが、今回は200番以内、13時間以内を目標に掲げ、本格的に取り組んでの参加だった。目標達成はできなかったものの総合218位は申し分ない結果だ。

「開催してくれてありがとうございます。」と松田さんが言った。前述の通りだが、台風により開催が危ぶまれたが、無事に終えることができた。松田さんの一言は、選手全員の総意でもあったことだろう。

過去にも著名な人が挑戦している佐渡大会だが、松田さんは今や「佐渡の顔」と言っても良いだろう。

■Race Result

完走者全員が勝者
Aタイプ男子優勝の 星大樹選手、昨年同様圧勝の連覇
Aタイプ女子優勝の齋藤恭子選手
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Bタイプ男子優勝の山岸穂高選手
Bタイプ女子優勝の平柳美月選手

夏のメインレース、佐渡が終わった。

このレースに向けて一年頑張って来たはず。ロングであり、更に制限時間も厳しいため、相当なトレーニングを積んで臨んだことだろう。個人差はあると思うが、時間、費用、日々の生活などもバランスを取りながら「スタートライン」を目指す。

目標は順位なのか、時間なのか、完走なのか。そして、参加選手の年齢が高くなる中では「年齢」にも抗わなければならない。特に60歳を超えての完走は特別と言っても良いだろう。

振り返れば早かったかもしれないが、寒かった日も暑かった日も頑張ったトレーニングが思い出される。トレーニングもレースもハードな佐渡は本当に大変なことだが、それだけに挑戦する価値が大きいのだろう。

全ての選手に拍手を送りたい。

【2024 佐渡国際トライアスロン大会】

《日時》2024年9月1日(日)6:00~21:30

《参加選手(Aタイプ)》

総エントリー数 / 最終出走者数 / 率 954名 / 787名 / 82.5%

完走者数 / 率 581名 / 73.8%

《総参加選手》

総エントリー数 / 最終出走者数 / 率 1808名 / 1465名 / 81.0%

完走者数 / 率 1207名 / 82.4%

《台風による辞退申請者》

総数333名

《Aタイプ 男子》

1位 星 大樹      No.1001 9:37:11 (S1:03:33/B5:05:47/R3:25:04)
2位 渡邉 優介  No.1112    9:54:38 (S1:09:35/B5:30:00/R3:11:52)
3位 丸尾 公貞  No.1118    10:05:52(S1:02:03/B5:30:35/R3:29:33)

《Aタイプ 女子》

1位 齋藤 恭子     No.2002    12:24:43(S1:23:09/B6:42:02/R4:13:35)
2位 竹内 香織     No.2004 12:28:10(S1:17:02/B7:04:46/R3:56:23)
3位 宮崎 美菜子    No.2034    12:39:37(S1:15:32/B6:44:46/R4:33:22)

《Bタイプ ・ナショナルチャンピオンシップ男子》

1位 山岸 穂高 No.3006     4:51:43(S0:30:23/B2:53:37/R1:25:25)
2位 古謝 孝明 No.3040     4:55:10(S0:27:07/B2:52:09/R1:33:43)
3位 梅田 航平 No.3011     4:57:54(S0:30:13/B2:54:33/R1:30:49)

《Bタイプ・ナショナルチャンピオンシップ 女子》

1位 平柳 美月  No.4001     5:19:15(S0:31:27/B3:06:08/R1:38:24)
2位 油井 あまね No.4006     5:28:55(S0:31:26/B3:12:50/R1:41:43)
3位 前田 乙乃  No.4008     5:31:18(S0:30:00/B3:15:08/R1:43:35)

《RAタイプ》

1位 the S No.7001 11:33:05(S1:21:38/B5:32:29/R4:36:15)
2位 アクシー・シュースイ・潟鉄 No.7004 11:36:13(S1:14:17/B6:20:07/R3:59:00)
3位 Team HT No.7007 11:44:27(S1:11:27/B7:37:18/R2:53:19)

《RBタイプ》

1位 small flat stone No.8008 5:09:07(S0:30:26/B3:13:23/R1:23:10)
2位 佐渡ガス&静岡ガス No.8007 5:40:21(S0:32:18/B3:37:42/R1:27:30)
3位 葬送のアラフォー No.8026 5:41:13(S0:35:16/B3:42:43/R1:20:02)

全ての記録:http://www.scsf.jp/triathlon/2024result.html

■猛暑の中のレース

今回は何とかなったが。。。

今後、7~9月開催のレースは猛暑により中止や短縮などが想定される。

昨年の佐渡は、8月下旬に新潟地方も含め、猛暑に見舞われ当日まで気温、水温が下がることを待った。実行委員会への「開催してほしい」旨の連絡が殺到していたようだが、安全第一の中で慎重に進めていた。

今年の4月から環境省が運用を開始した「熱中症特別警戒アラート」も大きく影響してくるだろう。前日14時の発表となるため、遠征となるレースでは現地入りしてから告げられることになってしまう。

レースの開催が前日まで分からない。佐渡A完走のためには9~12ヶ月の期間は必要、距離で言えば5000~7000km程度だろうか。そんな積み上げが前日に一気に水の泡となってしまう。出場権の当落で運を使ったのに、最後の最後にまた運試しとなるのだ。

ただ、嘆いていても仕方ない。選手は選手としてできることをやろう。開催になったとしても相当な暑さになることは間違いない。その中でも耐えていける、余裕を持って走れる、そんな身体作りが必要となる。

いろいろ険しい道のりだが、その先のゴールは格別なはずだ。来年も花火を多くの選手と共に見たい。

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Club GERONIMO Challenge 2024 佐渡組

「今年も夏が終わった。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】2024佐渡国際トライアスロン大会

今週末9/1(日)佐渡国際トライアスロン大会が開催される。

国内最長のトライアスロンが、今年も間もなく夏の締めくくりとして開催される。

佐渡の醍醐味は、やはり「バイクを楽しむ」という選手が多いのではないだろうか。島をほぼトレースするコースは、ダイナミックそのものだ。その佐渡の命と言えるバイクコースは変更なく、選手を楽しませてくれる。ただ、ランコースは周回となっている。佐渡に限らずだが、現在、国内ロングは「ボランティア不足」で運営が厳しい。一昨年のランは6周回にすることでカバーし、ランは4周回となっている。

スイム4km、バイク190km、ラン42.2kmは、アイアンマンより長い。そしても最も険しいとされるのが「制限時間」だ。アイアンマンも以前は、各レースにより異なり、14時間半から15時間半としていた時代もあったが、現在は、17時間制となっている。佐渡は距離が長く、時間が短い、世界的にも最難関レースの一つとなる。ただ、だからこそ「完走者の称号を得る」喜びが大きいレースなのだ。

昨年、酷暑による「競技実施判断」のインフォメーションがあったが、今年は「台風」という大きな壁が立ちはだかった。さて、どうなることか。スタートラインに立つことも簡単ではない。

前回(2023年)レポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=47801

■開催日 2024/9/1(日)

■競技

Aタイプ:スイム4km / バイク190km / ラン42.2km

Bタイプ:スイム2km / バイク108km / ラン21.1km

※詳しくは、http://www.scsf.jp/triathlon/

「積み上げて来たものを出し切りたい。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

皆生大会 GERONIMO Member Report(小嶋選手)

2024年7月14日 第42回全日本トライアスロン皆生大会参戦してきました!    

小嶋しのぶ

皆生トライアスロンと言えば歴史ある大会、トライアスリートの憧れ?いつかは出たい大会?当選が難しい?厳しいコース?灼熱の大会!というイメージで、私自身もいつかは出てみたいとは思いながらも“私レベルではまだまだ出られない崇高な大会”というイメージがあり、もう少しパフォーマンスが上がってからの挑戦だと思っていました。

それが、3月末のチーム合宿の際に毎年大会に出ている強者達から“しのぶさんも出ようよ~”とか、“しのぶさんなら絶対完走出来る”とか、チームボスから“しのぶさんなら大丈夫じゃない?”とか根拠レスな言葉たちに何となくその気になってしまい、エントリー締切日にエントリー・・・。

そこからはもう心配性な私は気持ちの焦りばかりの日々を過ごす事となる。

5月の今シーズン初戦の横浜トライアスロンまでは順調にトレーニングを重ねる事が出来て、この先の練習予定もしっかり計画していたのに、体調を崩してしまい仕事の忙しさも重なり、ほぼ1か月トレーニングが出来なくなってしまい、残り1か月でどうにかレースレベルまで持って行かなくてはならなくなってしまった。

落ちてしまったパフォーマンスを元に戻す事も出来ず、気が付いたら“あっ!暑さ対策してない!”とか、マイナスイメージが先行する毎日。そしてほぼ大会まで1週間というときに、なんと!満員電車で足を踏まれるという事件が起こる。

左小指は膨れ上がり靴も履けない。バイクをこぐことも出来ない。病院で骨は大丈夫の言葉を信じ、冷やしまくってようやく大会2日前にシューズを履けるようになりましたが、心の中では7割がたスイム終了後リタイアかな~と思いながら会場入り。

皆生へ入り、バイク試走したら、あれ?シューズはける、漕げる??ランシュー履ける?走れる??明日スタート出来る?とやっと明るい兆しが見えて来て気持ちも上がってきた。腫れが完全に引いた訳ではないがどうにかなりそう。

出られないと思っていたのでスタートラインに立てる事に感謝して、完走出来なくても最後まで楽しく諦めずに頑張ろうと気持ちを切り替えて当日を迎えました。

スイム(3キロ);今までで一番厳しいスイムでした。往路のきつい潮流となかなか解消しない人ごみで1500はワースト記録、復路は上手く人の波にも乗れて往路より約10分早く到着。順位もまずまずでスタートを切る。(後から88人もリタイアと聞いてびっくり)

バイク(140キロ・獲得標高1800らしい);ここからが私にとって問題のパートが始まる。一番苦手なバイクパート。しかも坂ばかり。聞いてはいましたがこんなにキツイとは・・・スイム255番で上がっているのでスイム苦手な人々から抜かれまくるが心は折れない。だっていつもの事だから。

結局気持ちよく走れたのは最初と最後だけだったような気がする・・

大雨の中のバイクで気を付ける事が多かったけど、灼熱よりはよかったと思った。これも運です。

ASの滞在は最小限に抑え、とにかく先を目指す。(だって余裕ないから・・)

一応15時バイクフィニッシュを目標にしていて、予定通りに戻ってこられたので、遅いなりにも満足したバイクパートでした。しかし、昨年並みの暑さだと多分足きりにだなぁと思う。結局500人以上に抜かれた(笑)

バイクコースの地下道をバイク降りて渡るとか、新鮮で面白かったです。

気持ちよく山から下ってきて信号にぶつかり後から来て上手く信号を抜ける人に追い越されもう追いつけなくなってしまって悔しく思ったり、トリッキーなコースも今後攻略が必要だなぁと思いました。(攻略より坂登りの練習しろ!)

ラン(40キロ);約6時間半を残してランスタート。何も問題がなければゴールは出来る時間だが、ここまでの消耗がどのくらい影響するかは分からない。ランも苦手だから・・

走り始めて皆生名物の信号ストップ。これかぁと思いながら鈍足な私にとっても良い休憩。でもこれが後からどのくらい影響するのか分かってなかった。

最初は比較的順調に進めていたが、10キロ位からきつくなり、折り返し20キロが遥か遠くに感じる。雨は強烈に降ったりやんだりの繰り返し。気温的には問題ないが、湿度との闘い。

ASで氷をもらい、常に手を冷やしながら走る。歩きたくなってもじり貧でも足を動かして進もうと決め、東京からわざわざ応援に来てくれた友人が待つ折り返し地点を目指す。

やっと折り返しに到着して足切り時間には十分間に合ってはいるが、結局折り返しまで3時間弱かかっている。結構信号ストップしていたので、復路もこの調子だとちょっとやばい?と少し冷静に考える。

友人、ASのボランティアさんからの応援、私設エイドの方々からの声掛けをパワーに変え、とにかくAS以外は走ろうと決め、足を進めた。

いつもランでは歩いている人を1人でも多くかわそうと走っているのですが、さすが皆生ですね、歩いている人が少ないのですよ・・・バイクで500人にも抜かれたのにランで上げられないと悟りました。

途中暗くなってしまい、足元が見えない所が沢山あり転ばないように進まないと行かなかったのは体力を削る事になり、更に海岸線は一人旅でちょっと辛かった。

街中に戻ると遅くまで付き合ってくれているボランティアさんからの声掛けに後押しされ、“待ってろ!ドラドラ”と思いながら仲間の待つゴールへひたすら足を進めた。

スタジアムの入り口をくぐると一気に光が広がりその奥にFinishの文字が!

仲間からのお帰り~の声に思わずウルっとしながらFinish!トライアスロンの一番の醍醐味はこのゴールの瞬間だと思っている。私にとって遠い皆生が近い存在になった瞬間でした。

暑いのも大変ですが、大雨の中の運営は事故も起こりやすくなり本当に運営が大変だったと思います。無事に大会を終えられたのも一重に大会関係者の方々のお蔭だと思います。

この歴史ある大会に参加させて頂き、有難うございました。

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「初皆生無事完走!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

皆生大会 GERONIMO Member Report(片岡選手)

皆生トライアスロン2024参戦記

皆生トライアスロンは2019年に完走しましたが、昨年はランの35キロ地点でタイムアウトになってしまいました。今年は昨年のリベンジを果たすべくシーズンオフに計画的にトレーニングを重ねての参戦となりました。私は、所属するチームを主宰する大塚さんとチームメイトの生井さんと小嶋さん、時實さんの5人のツアーでレース前日の土曜日に皆生を訪れました。

さっそく宿に行き、届いていたバイクを組み立てる。その際シートポストとシートクランプのトラブルで、シートポストの固定が困難になってしまいました。これはDNSか?と冷や汗をかきながら近くに出店を出していたバイクプロショップのメイストームへバイクを持ち込みました。すると応急処置的に直してもらえました。神さま仏さまメイストーム様。俄然翌日のレースは完走しなければという気持ちになりました。

皆で昼食をとりバイクコースの分かりにくい箇所(3回通るところ)を下見に行きました。レース当日安心して通れたので、これはやっておいて良かったと思いました。前日の天気は晴れで比較的気温が低く過ごしやすい感じでしたが、レース当日の予報は雨で激しく降る時間帯もあるようでした。いやだなぁと思いましたが昨年のような猛暑よりは少しましかと思いなおしました。

 しっかりと寝てレース当日。小雨の中、仲間と共にスイムスタート会場へ。いつもの長い長い一日の始まりです。.

【スイム】

スタート前、チームブレイブの代表の八尾さんが恒例の「ノーバトル」宣言。アナウンスでは海に向かって右から左に流れているとのことだったので帰りに苦労するのだなと思いつつ、泳力が低学年の小学生並みの私は流れに乗せてもらうため集団の真ん中らへんからスタート。折り返し地点で時計を見ると48分。こりゃまずいと一生懸命泳いで帰りは約30分。アナウンスと逆?1時間15分の目標に対してタイムは1時間19分。強い流れの中まずまずの出来です。

【バイク】

皆生名物のハードなコース。終始雨が降り、時折土砂降りの雨となる。大山を上る前にわざわざ応援のために来てくれたトラ仲間のご夫婦の声援を受ける。背中を押されて大山の坂を淡々と登る。途中時實さんとすれ違いエールをもらい元気を出してさらに登る。第一折り返しを過ぎ、雨で状態の悪い道を絶対にコケないように慎重に下る。 前日下見したポイントを直進して第二折り返しに向かう。ここからはアップダウンを繰り返す通称ジェットコースターコース。

割と序盤で、生井さんとすれ違う。いつものことながら、さすがだなあと感心しつつひたすら漕ぐ。カメラを構えた大塚さんに笑顔?で答えて再び漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ。最後の川沿いの道は追い風のプレゼント、DHポジションで漕ぎまくる。少しゆるい目標6時間15分に対して5時間53分でフィニッシュ。後で気づくのだが、アップダウンが多いため、片手を離さなければならない袋入りの補給食の摂取を怠ってしまいました。これがランパートにじわじわ影響してくる。

【ラン】

昨年最初の10キロ以降走れなくなって歩いてしまったので、歩かないと心に決めてスタート。皆生のランは交通規制がなく信号で止まるシステム。久しぶりに体験するとレースをやらせてもらっているという真摯な気持ちになる。仲間とすれ違うたびエールをおくる。

まずはトライアスロン仲間の安藤さんめっちゃ速いが、もう想定内。その後、安定の生井さん。さすがに速い。そのあと時實さんも。小嶋さんだけ見つけられず心配になる(この後ぶっちぎられるので心配して損した(笑))。

ランの折り返し、応援のトラ仲間に再びエールをもらう。しかしこの時すでに、故障がある両膝の問題とは別に体が動かなくなり、一応走ってはいるが超スローペースになる。今思えばハンガーノック気味だったと思います。

25キロ過ぎ、後ろから小嶋さんに追い抜かれる。ゆっくりだが一定のペースでかろやか。さすが、しっかりまとめてきますね。少し追いかけたが、すぐに諦める。

結局30キロ以降歩く。昨年通過できなかった35キロ地点のエイドステーションを過ぎ、時計とにらめっこしながらタイムアウトしないように歩く。競技場に入りなけなしの脚で走る。先にゴールしていた時實さんと小嶋さんと同伴(引っ張ってもらって)ゴール。

目標6時間に対して6時間48分、やれやれです。

総合タイムは目標13時間45分に対し14時間20分 目標には及ばなかったものの終わり良ければすべて良しです。

私はトライアスロンを始めて11シーズン目です。2018年からロングディスタンスの大会を主戦場としています。昨年は両膝の故障に悩まされました。今は何とかだましだまし走れています。

私のような運動能力が平均点程度の人間がロングディスタンスのトライアスロンを完走するためにはトレーニングを生活に取り込む必要があります。故に私にとってのトライアスロンはライフスタイルです。将来ロングディスタンスが完走できなくなる日が来ます。そうしたら距離を短くすればよい。それ位のゆるい気持ちで飄々と競技を続けていけたらと思っています。

最後に、この大会のボランティアの皆さんやマーシャルの方々はとても優しくて最高に心地良かったです。また、チームの皆や応援に来てくれたトラ仲間、バイクを直してくれたメカニックさん、雨の中暖かく応援してくださった沿道の皆さん、すべての皆さんのお陰で楽しくて苦しい思い出を一つ増やすことが出来ました。本当にありがとうございました。

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「リベンジ成功!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

第42回全日本トライアスロン皆生大会 Race Recap

女子優勝の宇治選手

7/14(日)第42回全日本トライアスロン皆生大会(皆生トライアスロン協会主催「スポーツ振興くじ助成事業)が開催された。

皆生大会は国内で開催されている5つのロングトライアスロンの一つであり、国内発祥の大会。出場の選考方法は、他の大会では抽選や先着により決まるが「書類選考」による実力重視の数少ない大会でもある。

スイム3kmは日本海のため運が悪ければ荒れることもある。バイクは140kmという距離は、ロングとしては短いがアップダウンのテクニカルコースは申し分ないハードな設定。ランでは皆生らしさと言われる「灼熱」の中を40km走るサバイバルレースなのだ。

ただ、今回最大の話題となったのが、一日雨となり暑く無かったことだ。過去5回の取材では4回晴れていたが、昨年より10℃以上低かったことは選手への負担を大きく減らしてくれた。もちろん、時折土砂降りとなったため、バイクでの落車も発生し、難しいバイクとなった。

レース結果は、男子が高橋正俊選手(和歌山県・31歳)、女子が宇治公子選手(大阪府・42歳)で、共に初優勝となっている。

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以下、リキャップとなる。今年は涼しかったが、変わらず良い大会だった。

■Course & Distance

荒れたスイム
大雨のバイク
灼熱のないラン

スイムコースは、昨年同様に皆生温泉海岸をワンループで泳ぐ3km。海岸に沿って泳ぎ、中間地点で一度上陸、スタート地点に戻るコースだ。また、今回は従来通りの一斉スタートとはなったのだが、フローティングではなく、ビーチスタートとなった。

そして、大きな問題となったのが「潮流」だった。例年とは逆方向だったのだ。事前のアナウンスでは例年通りの右から左で、往路は楽で、復路は時間がかかるイメージだった。ところが、逆だった上に一斉のビーチスタートとなったため、最初のコーナーで「大渋滞」となった。当然バトルも発生したが、更に波の影響も強く、スイム上級の選手も大きく遅れが出ていた。

概ね、上級で5~10分程度の遅れ、遅い選手で20分近いロスタイムとなっていた。「潮流」についてはあらゆる状況を想定してしておく必要があるだろう。

バイクコースは、従来通りの名物コース「大山&ジェットコースター」となる140kmだ。アップダウンの厳しいことは変わらずだが、更に今回のマイナス条件として雨が強いことだ。当然、平均的な速度は落ちているはずだ。ただ、さすが「皆生の鉄人たち」だ。下りのスピードが速い。例年大山の橋で取材しているが、スピード感は晴れている時と変わらないのではないだろうか。十分な走り込みを感じる瞬間だった。

ランコースは、序盤、終盤は街中を走り、中盤で海岸エリアを走るコースで、全体的には、概ねフラットのスピードコースでもある40km。途中には序盤で歩道橋や地下道、終盤で歩道橋もある。ランの頃になると雨も弱まり、かなり走りやすい状況に見える。灼熱はなかったことで大きく明暗を分けた選手もいたのではないだろうか。

あと、やはりランコースは1km程度長いとの声が上がっている。終盤の歩道橋を渡った時点で「あと2km」と表示されているが、「まだ2kmあるのか」と訴えている選手が多い。

■Weather

大雨の大山

雨だった。

6回目の取材となったが、激しい雨に見舞われた。過去にも雨天はあったが、さほどの雨量ではなく、概ね晴れのイメージが強い皆生だ。天候は選べるわけではないので運となるわけだが、やはり大雨まで想定すれば概ね晴れを望むだろう。

もちろん晴れれば「灼熱」となるため、それはそれで厳しいレースとなる。今回はその「皆生らしさ」がないという声も聞いたが、同じコースを走るのでも今回は10℃以上低く、選手にとっては「楽」な感覚はあったはずだ。

開催が決定される5時の気温は25.1℃。その後、一番高くなったのは14時から16時半で、それでも26.9℃止まり。それまでの高温に慣れた身体にとっては確実に涼しい。バイクでの落車を注意すればこんな皆生も悪くない。ちなみに昨年は14時半頃に36.7℃を記録している。

暑さが無かった分、危険な豪雨が時折選手を見舞う。トップが大山を走る頃には雨も最高に強くなっていた。

レース後には「もし、いつものように暑かったら完走できたかな」「涼しくて助かった」と言っている選手は少なくない。

※気象情報:鳥取地方気象台米子地区 2027年7月14日10分毎

■熱中症特別警戒アラートと暑さ対策

使用されなかったアイスバス

今回の最大のネックとなっていたのは「熱中症 “特別” 警戒アラート」だ。

皆生の名物と言えば「灼熱」。国内発祥の大会は距離、コースのみならず、暑さとの戦いになる過酷なレースが「皆生らしさ」と言われる所以だ。終わってみれば「これぞ皆生」と自他ともに称賛されるタフな環境が皆生完走の満足度を高めていたかもしれない。

ただ、もうそんなことは言ってられなくなった。異常気象と言われて久しく、異常が通常となってしまった昨今、気温は上がり続け、ついに環境省は「熱中症 “特別” 警戒アラート」の運用を4月から開始した。

前日14時に発表されるのだが、もし発表となった場合、皆生大会では15時の開会式で米子市長が「中止宣言」をすることになっていた。現市長のお話は聞きやすく、心のこもった挨拶が定評だが、中止の場合はどんなお話を予定していたのだろうか。

開催となっても灼熱は変わりないため、今回初の導入となったのがランコース5か所に設置された「アイスバス」だった。実際は気温が低かったため、使用する選手は確認できていない。

■もう一つの展開

魅せたダントツバイクの篠崎選手

レースを盛り上げてくれたのは篠崎選手のバイクだった。

「3時間52分21秒」という驚異的な速さでバイクフィニッシュしている。このタイムは過去の140kmで最速となっている。バイクの距離は何度か変更となっているが、2015年以降の140km(1995~2003年も同距離)は参加人数も現在と同じ規模のため、2015年から昨年まで(コロナ禍や短かった2022年を除く)で見ている。概ね過去は4時間12分~18分であり(2019年に4時間28秒)、サブ4となった速さは群を抜いていることになる。

篠崎選手のバイクは周知のパフォーマンスではあるが、期待に応え「見せ場」を作ってくれた。悪天候の中、落車にも見舞われ、打撲、出血もあったようだが、その存在感を強く印象付けた走りだった。

■原点

家族や仲間とのゴールシーンはいつ見ても良い

同伴ゴールは皆生の象徴であり、ハワイのアイアンマンのマニュアルを元に開催、発祥となった時からの原点の姿だ。

皆生に出る選手のレベルは高い。練習はきっちりとやっている印象だ。事実バイクを見ていてもあのテクニカルなコースでスピードが速い。徹底した走り込みがなければあの走りはできない。

そんな「競技志向」の高い皆生大会ではあるが、ゴールをする時の表情は初めてトライアスロンを完走した時のように喜び、家族や仲間と満面の笑みでテープを切るのだ。

レース中の険しい表情とゴールの優しい表情。そのギャップが特に大きく感じる大会だ。

■Legend

最多8回優勝のゼッケン1の藤原選手(60)
3回優勝の谷選手(57)総合19位

皆生には「走るレジェンド」がいる。

凄い時代で活躍してきたレジェンドたちは今も走り続けている。そして、走りも年齢を疑ってしまう。長く走り続けられる「強い身体」を持った鉄人には驚かされる。これも「皆生らしさ」の一つなのだ。

皆生大会はこのようなレジェンドたちを大切にしている。ゼッケン1を用意していることが、これも皆生なのだ。

■Volunteer

ボランティアも皆生の名物

各地の大会でもボランティア確保が難しいと聞くが、皆生はボランティアの多いことでも有名な大会なのだ。それだけ地元の理解と協力がある大会と言っても良いだろう。

そして、感心させられるのが、ボランティアの子どもたちだ。よく声が出ていて連携ができている。しっかりと打ち合わせて、臨んでいることが分かる。そんな子どもたちに助けられた選手は少なくないだろう。

PS.今年もエイドステーションには「OS-1」があった。身体への吸収性の高さは走っていても違和感なく飲める「魔法のドリンク」だ。皆生では10年以上前から準備し、主にラン中の非常時に使用されていたが、昨今の猛暑対策として昨年からバイク時も用意されている。

■Race Result

最後の花道を家族と一緒に
2024鉄人皆生チャンピオン
優勝インタービューで爽やかに熱い想いを語る高橋選手

皆生が終わった。

高橋選手、宇治選手、男女ともに初優勝となった。高橋選手はサブスリーまであと5秒という圧倒的なランの強さを見せ見事優勝となった。宇治選手は2位、3位が続いていただけに悲願の優勝とも言えるだろう。

高橋選手の「やったぞー!」の第一声からインタビューは始まった。

「3番以内を狙っていたので、まさか優勝まで行けるとは思っていませんでした。これがロングの戦い方なのかなと。自分のペースを刻んでいれば自分の番が回ってくるというのか。」

「スイムはトップで上がれました。バイクはいつも頑張り過ぎてしまうところがあるので、今回4回目として、今までの経験を活かして自分のペースを刻むことにしました。順位は下げましたが、この半年間徹底的にバイクを強化してきたので、終わった後、かなり元気な状態で、これはランで絶対イケるぞと言う自信はありました。」

「ランスタート時はトップと30分差がありましたが、あまり頑張るより自分のレースペースを刻んで走り、気づいたらトップになっていました。去年が凄く悔しい結果で、バイク中に熱中症になったり、バイクトラブルがあったり思うような結果が出なかったので嬉しいです。」

全体的にはスイムのリタイヤが気になった。それほど厳しい状況だったのか、選手レベルの問題なのか。来年以降の想定にしてほしい。バイクは雨天時を含めた「慣れとテクニック」が要求された状況だった。実走とその経験を増やし臨む必要があるコースだ。ランは、天候により厳しさが大きく変わる。今回は涼しかったが、基本は「灼熱皆生」だ。その想定をし、十分な走り込みができたかどうか、明暗を分ける大会であることは変わらない。

【第42回全日本トライアスロン皆生大会】

《日時》2024年7月14日(日)7:00~21:30

《参加選手》※個人の部

応募総数 1074名(競争率1.14倍)

総エントリー数 / 最終出走者数 / 出走率 971 / 930名 / 95.78%

完走者数 / 完走率 754名 / 81.07%

《総合男子》

1位 高橋 正俊   No.006    8:08:45(S44:53/B4:23:48/R3:00:04)
2位 山岸 穂高   No151     8:12:27(S52:59/B4:06:07/R3:13:21)
3位 篠崎 友       No.253    8:19:50(S47:58/B3:52:21/R3:39:31)

《総合女子》

1位 宇治 公子   No.050    9:22:45(S53:13/B4:50:58/R3:38:34)
2位 高橋 佳那   No.049    9:37:31(S1:05:42/B5:01:56/R3:29:53)
3位 岡本 春香   No.008 9:53:39(S1:11:40/B4:55:59/R3:46:00)

全ての記録:https://www.kaike-triathlon.com/wp-content/uploads/2024/07/result_01.pdf

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「たまには涼しい皆生も悪くない。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka