【取材予定】第9回 榛名湖リゾート・トライアスロン in群馬

今年も “ はるトラ ” が開催される。

と言うよりは、無事開催されると言った方が良いかもしれない。ただ、緊急事態宣言地域の及びまん延防止等重点措置の対象となっている市町村の参加者については、大会参加の自粛をお願いしている。コロナ禍の対応は各大会で異なるが、はるトラでは「何とかして開催したい」そんな想いが伝わってくる。

会場となる榛名湖周辺は、標高1000mの高原リゾートとなるため、梅雨明けの蒸し暑さから一気に解放されるロケーションとなっている。また、スイム会場となる榛名湖は通常は遊泳禁止となっていて、大会時のみ特別に泳ぐことができるそうだ。そして、生活排水なども流されていないカルデラ湖で、透明度の高いリゾートスイムを楽しむことができる。一方で、バイクコースは、チャレンジングなアップダウンがあり、競技性も問われる走り応えのあるコースとなっている。

距離は、オリンピックディスタンスだが、トリップからレースまで、そのロケーションを満喫できる大会だ。今年は、無事開催となった。是非、「その地」をしっかり楽しんで走りたいものだ。

■開催日 2021/7/18(日)

■競技

種目 スイム バイク ラン 総距離 募集人数
スプリント 0.75km 18.0km 5.0km 23.75km 100名
リレー 1.5km 40.0km 10.0km 51.5km 30組
キッズ低学年 50m 1.7km 0.6km 2.35km 30名
キッズ高学年 100m 3.4km 1.5km 5.0km 30名
ジュニア 200m 9.6km 2.9km 12.7km 30名

※詳しくは、http://harutra.jp

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その他のレポート:(準備中)

「ロケーションを楽しみたい!」

BOSS1small

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

GIANT 2022

ジャイアントの2022年モデルが発表となった。

今回は、22年パフォーマンスモデル(TCR、PROPEL、DEFY、TCX)の先行発表となった。ジャイアントを象徴するモデルで、プロも使用する完成度の高いラインナップだ。 型としては既存のフレームで、アッセンブルとカラーが変更点となる。また、他社も同様となるが、タイミングとして、SHIMANOモデルが「待ち」となっているため、後日追加モデルもリリースされるだろう。

ジャイアントは、高品質なバイクをリーズナブルな価格で提供するイメージが強いが、近年はそれだけではなく、必要なところにはコストをかけ、単なる高品質ではなく「プラスアルファ」の完成度が高くなっている。ホイールなども以前から注力していたが、「CADEX」の本格リリース、他社バイクながらCADEXを使用するプロ選手もいる。また、パワーメーターも「標準」として組み込むなど、周辺パーツへの積極性も高いメーカーとなっている。

エリート男子優勝のブルンメンフェルト

5月開催の世界トライアスロン選手権シリーズ横浜大会では、使用されたPROPELが見事男子ウィナーズバイクとなっている。しかも使用された5台中4台は、PROPELで3台が優勝、2位、9位となっている勝率の高いバイクだ。単なる国内大会ではなく、世界的にも注目度の高い重要な大会と言えるだけに、このパフォーマンスは大きく、「GIANT」のアピールは十分だったと言えるだろう。参照:WTCS2021横浜

PROPELはエアロロードのカテゴリーとなり、横浜大会では、その特性からロードバイクを使用している。ただ、一般レースでは、PROPELとともにトライアスロンバイクの「TRINITY」が使用されている。このTRINITYは、2015年にコナで発表され、2016年モデルとしてリリースされている。すでに丸5年経っているので、ディスクブレーキは当然ながら「新型」の発表も待ち遠しいところだ。

(以下、メーカーNEWS)

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GIANT 2022 パフォーマンスモデルを先行発表

〜ロードバイク「TCR 」「 PROPEL」「DEFY 」から 15 製品とシクロクロスバイク「TCX 」3 製品〜

ジャイアント(代表取締役社⻑︓中村晃、本社︓神奈川県川崎市)は、GIANT 2022 モデルとして、トータルレースロード「TCR シリーズ(10製品)」、 エアロロード「PROPELシリーズ(3製品)」、 エンデュランスロード「 DEFY (2製品) 」、シクロクロスバイク「TCX シリーズ(3製品) 」を先行発表いたします。

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●その他のモデル、製品紹介ウェブサイト:https://www.giant.co.jp/giant21/

●問い合わせ先:株式会社ジャイアント 044 – 738 – 2200

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「ディスクの新型トライアスロンはまだか!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

FELT 2022

フェルトの2022年モデルの展示会が開催された。

と言っても22年モデルは、21年モデルの継続となったため、新型は発表されていない。昨今の様々な事情の中で影響を受けているメーカーは多い。概ね業界としては「23年モデル」として新型リリースをするところが多い。そのタイミングに現時点ではやや違和感を感じてしまうが仕方ないだろう。

22年モデルで期待されていたのが「IA」のフルモデルチェンジだった。「異形」も同時リリースの可能性があったり、各社内臓ハイドレーションに再び取組みを見せる中で、IAの再チャレンジにも期待したい。実は、現在のIAは13年の初期の発表では、ハイドレーションが収まっていた。そのため、ダウンチューブが初代SHIVのように極太になっているのは、その名残と言うことでもあるのだ。

1996 KONA

フェルトは、「ANSWER FELT」の時代からこだわりの血統は変わっていない。軽量性、エアロダイナミクス、そして、機能美と造形美は、フェルトが長く人気ブランドとなっている理由だ。フェルトの「顔」とも言えるバイクカテゴリーとして「トライアスロン」がある。そこで使用されるトライアスロンバイクはロードバイクと異なり、限られた選手、コースに使用される特殊なバイクだ。ロードバイクより遥かに少ない使用率の少数派バイクでもある。そのため、そこに注力できるこだわりを持ったメーカーは少ない。その代表格の一つがフェルトなのだ。後述のTK FRDもそう言うバイクの一台となる。

2018 KONA

アイアンマンでは、2013年から2018年まで女子の6連覇となる「アイアンマンバイク」で、一般エイジ選手の使用率も高い。前回は第3位となる使用台数が確認されている。更に2018年のSUB10のエリート選手が選んだバイクのモデル別使用ランキングでは、トライアスロンモデルの「IA」が第2位の使用率となっている。速い選手から選ばれているバイクということだ。参照:2018 KONA

IAは、2021年で8年目となるロングセラーモデルだ。2013年に僅かフレーム4本の入荷から始まり、2018年コナでディスクブレーキモデルが追加ローンチとなり現在に至っている。昨年中止になったコナでの「新型」ローンチの話もあり、今後も楽しみなバイクとなっている。現在、「細身」の設計が多い中で、ロングセラーとは言えボリューミーなダウン&シートチューブのデザインは人気が高い。

そんなフェルトだが、先月発表され、今回現物の展示となったのが、この「TK FRD」となる。ご覧の通り、トライアスロンでなければ、ロードでもないトラックバイクだ。ただ、トライアスロン同様に限られた選手が使用するバイクとして、フェルトらしい「こだわりバイク」がリリースされた。

トライアスロン以上に使用する選手は限られてくるだろう。そこへの注力はパッションそのものとなる。マラソンのIAから100m走のTKまで幅広いカテゴリーに注力するキーワードは「レース」。レースはフェルトの原動力でもある。その答えがこれらのバイクとなる。

またこのバイクは、「250ケイリン」に準拠したモデルでその競技における機材使用の認可も取得している。250ケイリンは、一般的な「競輪」とは異なり、国際規格となる一周250mの屋内木製バンクで開催される。(競輪は一周333~500m)また機材仕様も大きく異なり、競輪のスチールフレームに対し、カーボンフレームにディスクホイールとなる。

フレームやホイール、パーツなど「エアロダイナミクス」と言うキーワードの中で、トライアスロン、ロードからのフィードバック、または、双方向でのヒントなども開発過程では十分考えられる。すでにこのモデルは、ARからのフィードバックが活かされ、また、トラックとして基本性能を前モデルより大幅にパワーアップされている。フレームは、5%軽量、30%の剛性アップ、そして、快適性やポジション出しなどへのユーザビリティも向上させている。

FELT RACING DEVELOPMENT ” FRD ” の称号
ロードバイクARからのフィードバック
ノーマルステムによるユーザビリティ
シートステー径は25%ダウン
アメリカナショナルチームをサポート

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■TK FRD Ultimate Frame

¥698,000(税込¥767,800)
フォーク、専用シートポスト、シートクランプ、ヘッドセット、インテグレーテッドチェーンテンショナー付属
カラー:ホワイト
サイズ:51、55、58、60
参考重量:1.6 kg
フレーム:UHC Ultimate + TeXtreme カーボン、MMC、InsideOut、BSA 68mm スレッドBB
フォーク:Felt Aero Track 2.0 | UHC Ultimate + TeXtreme カーボン、モノコックコンストラクション

TK FRD メーカーサイト:https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/tk/

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「New IAはコナに間に合うか!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

【メーカーNEWS】トレック「ProjectOne」に新しいICON Chromaシリーズが登場

トレックのカスタムオーダー「プロジェクトワン」に新色が追加された。

今や当たり前となった感のあるカラーオーダー。そのプログラムをいち早く導入したトレック。機能やコストパフォーマンスなどはもちろん高くあって欲しい。ただ、カラーやデザインは理屈ではなく、人の心を動かす重要なポイント。トレックのカスタムオーダーは、元のバイクの造形、カラーとデザイン、そして、その奇抜さも大きく響いている。カラーはバイク選びのポイントの一つにもなったと言えるだろう。

色遣いは、トライアスリートにとって必須。洗練されたトライアスロンライフを楽しみたい。

(以下、メーカーNEWS)

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「ProjectOne」に新しいICON Chromaシリーズの2色が登場

世界で一つだけのあなただけのバイクを手に入れることができる、トレックのカスタムオーダープログラム「ProjectOne」。
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全く新しいICON Chromaシリーズは、トレックの研究と開発に対する弛まない努力により、まるで鏡のような煌々しい輝きを放ち、これまでの塗装とは全く異なる世界観が表現されています。
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今回はこのシリーズに2つのカラー、レッド系のRuby(ルビー)そしてブルー系のSapphire(サファイヤ)が登場し選択可能となりました。
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6月26日から始まったツール・ド・フランスにて、男子はRuby、女子はSapphireのバイクで出場します。
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選手たちが世界最高峰のレースでこのテーマで疾走する姿も必見です。
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■選択可能なバイクモデル
ÉmondaおよびMadone
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■カラーアップチャージ
246,400円(税込)
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※今回発表されるChromaは他のプロジェクトワンの塗装とは異なり、非常に高度な技術を要します。これにより従来表現できなかった世界観を表現することができました。
その反面、複雑なプロセスゆえに微細な気泡などが生じやすくなっております。ご理解いただいたうえで、ご注文頂きます様お願い申し上げます。
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BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

2021彩の国トライアスロンin加須スペシャライズドカップ GERONIMO COUNT

初めてのカウントとなった彩の国トライアスロン。使用されたバイクから機材傾向とそこから選手の動きが見えるトレンドはあったのだろうか。

GERONIMO COUNTは2015年からスタートし7年目に入った。バイクカウントは、元々コナで30年以上行われ、その使用率が話題となっていた。同様のカウントではあるが、「その先」が知りたかった。例えば、コナという最高の舞台でも実際の「選手層」は幅広い。エイジでのハンデはあるが、やはり「SUB10」で使用されるバイク、本当に速い選手が乗るバイクは何か?サーヴェロのシェアはダントツトップだが、人気のあるモデルは何か?など、もっと突っ込んだ「本当のこと」が知りたい。また、ワンバイ(フロントシングル)などトレンド以前の「兆し」も発見したかった。そんなカウントだ。

まず大会の位置付け(特に選手層)などの「前提」をイメージし、確認して行っているが、今大会、彩の国トライアスロンでは、レースタイプを3つ設定、バイクコースがフラットで、初心者も参加しやすい。また、東京を含む関東圏が主となる選手層であることなども、様々なイメージが沸いてくる。そして、コロナ禍でトレーニングは出来ているのか、そうでないのか、トレーニングができていなければ、機材の新調もしない。中止や延期でレースも少なくなり、モチベーションも下がる中で出場する選手たちの機材はどうなっているのか。

そして、新しく始める選手は増えているのだろうか。コロナ禍2年目となった。今シーズンこそはと思っていたが、レースは軒並み減っている。それでも始めてほしい。そんな兆候は確認されるのだろうか。

あくまでも、使用されているバイクから見ている選手たちの動向、傾向であり、一つの仮設に過ぎないが。

 

2021 SAINOKUNI  Bike ” GERONIMO ” Count

順位 ブランド 使用台数 使用率
1 SPECIALIZED 85 25.1%
2 cervelo 35 10.4%
3 ceepo 22 6.5%
3 FELT 22 6.5%
5 TREK 21 6.2%
6 cannondale 14 4.1%
7 CANYON 12 3.6%
7 GIANT/Liv 12 3.6%
9 PINARELLO 11 3.3%
10 ANCHOR 9 2.7%
11 MERIDA 8 2.4%
12 BMC 7 2.1%
12 BIANCHI 7 2.1%
14 KUOTA 6 1.8%
15 SCOTT 5 1.5%
15 LOOK 5 1.5%
17 COLNAGO 4 1.2%
18 Wilier 3 0.9%
19 ARGON18 2 0.6%
19 BH 2 0.6%
19 DEROSA 2 0.6%
19 FUJI 2 0.6%
19 GUSTO 2 0.6%
19 ORBEA 2 0.6%
19 QR 2 0.6%
26 ANTARES 1 0.3%
26 BOMA 1 0.3%
26 CASATI 1 0.3%
26 cinelli 1 0.3%
26 corratec 1 0.3%
26 DARE 1 0.3%
26 GARNEAU 1 0.3%
26 GIOS 1 0.3%
26 HARP 1 0.3%
26 lapierre 1 0.3%
26 NEILPRYDE 1 0.3%
26 NESTO 1 0.3%
26 QUARK 1 0.3%
26 RIDLEY 1 0.3%
26 signalcycles 1 0.3%
26 TAOKAS 1 0.3%
26 TOYO 1 0.3%
26 VENTUM 1 0.3%
不明 0 0.0%
未確認※ 18 5.3%
43 合計 338 100.0%

※未確認が多かった。1500台のカウントでも2%程度の誤差が通常となっている。

Counted by Triathlon GERONIMO

ダントツの1位は、スペシャライズドだった。その強さは本物で、あくまでもGERONIMO COUNT上だが、4月の石垣島1位、5月のWTCS横浜エリートでも1位のシェアとなっている。今回はSPECIALIZED CUPとして冠スポンサーでもあったが、それが理由ではないということ。スペシャライズドは、自社施設によるエアロダイナミクスへの取組みも最高レベルだが、「フューエル&ストレージ」などのトライアスロンバイクとして「定義」を確立させたメーカーだけに「トライアスロンのスペシャライズド」というイメージは強い。また、2016年頃からいち早くディスクブレーキにも注力し、その普及率は高い。今回使用されている85台の内45台(52.9%)はディスクブレーキ仕様だった。

2位のサーヴェロは、コナでは不動のKINGとなっているブランドだ。車で言えば「F1」しか造らない、そんなブランドでもある。2016年ローンチのPX系は、「異形」を決定的にしたラインで、フューエル&ストレージに加え、フィッティング(ハンドル高など)やユーザビリティまで完成させた究極のトライアスロンバイクとなっている。今回、台数は2位だが、その中でのディスクブレーキ率は、62.9%の1位となっていた。ブランド内の「新型率」が高いことを示している。

3位のシーポは、ご存知ジャパンブランドで、トライアスロン専門メーカーでもある。創設者田中信行氏のパッションが注がれたブランドイメージは、質実剛健のジャパンブランドから現在ではワールドブランドとなり、世界を走っている。また、大きなメーカーではできないトライアスロン専門の良さを活かし、こだわりの開発が行われている。例えば、「MAMBA」はトライアスロンバイクでない。ただのロードでもない。トライアスロンバイクの定義でもある「ヘッド長」「シートアングル」を調整しているロードなのだ。

同じく3位のフェルトも人気ブランドだ。特にトライアスロンの「IA」は、2021年で8年目となるロングセラーモデルだ。2013年に僅かフレーム4本の入荷から始まり、2018年コナでディスクブレーキモデルが追加ローンチとなり現在に至っている。昨年中止になったコナでの「新型」ローンチの話もあり、今後も楽しみなバイクとなっている。現在、「細身」の設計が多い中で、長いとは言えボリューミーなダウン&シートチューブのデザインは人気が高い。

現在は、タイミングが悪い。コロナ禍で予定が狂った。トライアスロンバイクの開発には時間がかかる。また、トッププロではなく、一般エイジからトップアマまでが使用できるバイクが開発のターゲットとなるため、トレンドへの対応も必要となる。

トライアスロンバイクは究極の開発であり、そのメーカーの「実力」を示す物差しでもある。その開発時に培われた技術やデータなどが、ロードバイクにも活かされている。自転車に限らず、「頂点」を極めることは、重要と考えるメーカーが多いだけに、今後も楽しみなジャンルなのだ。

ちなみにトライアスロンバイクとロードバイクを分けた場合、トライアスロンの使用率は、1位スペシャライズド、2位サーヴェロ、3位シーポ、4位フェルト、5位キャノンデールとキャニオンとなっている。ロードの使用率は、1位スペシャライズド、2位トレック、3位フェルト、4位ジャイアント&リヴとピナレロとなっている。ロードバイクは特徴的な結果で、選択肢も多いということだ。

総台数 TOP10台数 使用率
320※ 243 75.9%

※未確認18台除く

Counted by Triathlon GERONIMO

この数値は、TOP10ブランドで占めている割合で、概ね7割前後が境目となる。それを上回り75.9%となっているのは高い結果だったと言える。つまり、TOP10ブランドから選んだ選手が多かったということになる。但し、あくまでも参考値であり、特に「フィッティング」と時間をかけた「ポジション出し」をもって、その結果良いバイクだったということになるが、必ずしもこのTOP10とは限らない。そこには、バイクの「ホームドクター」が必要になる。

また、昨今、高齢化するトライアスリートにとって、トライアスロンバイクがベストは限らない。例えば、前傾がきつい場合、逆に短いヘッド長も必要なくなる。シートアングルに関しては、その調整幅も大きいものが多くなっている。トライアスロンバイクである必要性が絶対ではなくなってきているということなのだ。エアロダイナミクスの観点では、基本的にトライアスロンバイクは絶対に速い。但し、AVスピードが35km以上で走れる選手は多くないとした場合、一瞬の速度ではなく、安定して出し続けられるパワーの持久性が重要となるが、その時のポジションはロードバイクかもしれない。

ちなみにこの数値がコナでは77.7%となっている。(選手2400名)

 

【ディスクブレーキ率】

今回注目の一つが「ディスクブレーキ」だ。これをもって概ね新型バイクのカウントといっても良いだろう。ディスクブレーキは、2016年頃からリリースされ、早いメーカーでは2018年モデルをもって切り替わっている。全体的には18年、19年、20年モデルが、普及3カ年のイメージとなる。但し、トライアスロンモデルについては、ディスクブレーキありきではないため、少しずれが出ている。いずれにしても、「ディスクブレーキ=標準」と言っても良い段階に入っているということなのだ。

冒頭にも前述したが、トレーニングができていればバイクも新しくなる。これはごく普通の流れでもある。バイクの新型比率が高ければ、コロナ禍の現状でも明るい話題と捉えることができると考えている。勝手な仮説ではあるが、やはり高まっていることを期待したかった。

総数   Disc   比率   Rim   比率
Tri Road 合計 Tri Road 合計
320 44 42 86 26.9% 99 135 234 73.1%

Counted by Triathlon GERONIMO

結果は、26.9%だった。悪い結果ではないのではないだろうか。4月の石垣島ではこの数値が18.1%だったことを踏まえると、良いのではないか。今も尚、「コロナ禍中」であり、まだ新型をリリースしていないメーカーがいくつもある。ややメーカーが追いついていない感がある中でのこの伸びは良しとできる。また地域性もあり、関東圏では、デリバリーや情報の伝わりも早い。チーム内での情報、そして、影響も大きく関係している可能性もあるだろう。新しい機材を導入することはモチベーションにも繋がって来ることは事実だけに、無視はできない。

 

【トライアスロンバイク使用率】

GERONIMO COUNTを始めた頃からチェックしている観点として、トライアスロンバイクとロードバイクの比率があった。これも一つの仮説として、ミドルタイプに出るためには十分なトレーニングが必要であり、モチベーションも高いはず。当然ロングも視野に入れ、「トライアスロンバイク」の導入を検討し始めるタイミングでもあるからだ。以前にも述べたが、ミドルはトライアスロンの今を占うレースであると言っても過言ではないと考えている。

大会 年度 台数 Tri 比率 Road 比率 距離
木更津 2017 1557 277 17.8% 1280 82.2% OD
石垣島 2021 824 254 30.8% 570 69.2% OD
彩の国 2021 320 143 44.7% 177 55.3% ミドル・ショート・ミニ

Counted by Triathlon GERONIMO

選手層を占うデータだが、トライアスロンバイクの比率は高かったと言えるだろう。1000名以上のロング、ミドルをメインにカウントしているため、他の大会との比較は難しいが、宮古島でもトライアスロンバイク比率は2019年で51.8%、ミドルオンリーのセントレアで42.9%となっている。そんな中での44.7%という結果だった。これも良い流れと捉えている。前述と矛盾しているわけではなく、様々な切り口で見た場合、トライアスロンバイクの普及率が高まることは盛り上がりのエビデンスの一つと言えるだろう。

 

【DHバー装着率】

最後に、DHバーの装着率を確認してみた。7年目となるこのカウントだが、WTCS以外では初めてDHバーの装着率を確認している。WTCSとは意味が異なり、より「ロードレース化」したバイクとその走りの中で「名残」とも言えるDHバーはどうなっているのか、そんな観点だった。ここ彩の国では、装着しているか、どうかと言うよりは、「非装着」の選手がどの程度いたかを確認したかった。これも多少乱暴だが、DHバーを装着していない選手は、初心者の可能性が高い。但し、バイクのスペシャリストである場合も多々ある。いずれにしても「トライアスロンへの挑戦」は変わらないと位置付けている。前述のトライアスロンバイク比率と同様に、「これから」トライアスロンを楽しんでもらえる人の目安となるのではないだろうか。

総台数 装着 比率 非装着 比率
320 254 79.4% 66 20.6%

Counted by Triathlon GERONIMO

結果は20%超の選手がDHバーを装着していなかった。この観点では良かったのではないかと考えている。どのレースタイプだったのか、恐らくB,Cではないかと思われるが、初心者であれば、ロードスペシャリストであれば、DHポジション走行は、また違うトレーニングと注意点もある。まずは、ロードバイクで「体幹」への意識がしやすい状態で走ることは、段階として必要であり、正解と言えるだろう。

あと、細かく見るとロードバイクの中でもディスクブレーキモデルの非装着率が高くなっている。これは単純に新しいバイクを購入した初心者も多く含まれているのではないだろうか。ちなみにパッドの小さい「ショートタイプ」のDHバーも含まれている。これは、少し意味が違ってくる。短時間使用で、ロードポジション(シートアングルが寝た)でのDHであったりするが、個々のポジションからのチェックは難しいため、「有無」で判断している。

 

【最後に】

他にもコナトレンドのワンバイやDHバーとベースバーを可動式で兼用するモルフテックを使用する選手など「コナ顔負け」のマニアックなバイクも確認されたが。。。

今回はここまで。

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=35151

「彩の国を“ DH ” で走るなら、そのための練習を。」

BOSS-N1-S
Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【メーカーNEWS】The BREITLING ENDURANCE PRO IRONMAN

スイスの老舗腕時計ブランド、ブライトリングより、2度目となるIRONMANとのコラボレーションモデルがリリースされた。前回は2年前でセンセーショナルなリリースが話題となった。同社の軽量でタフなエンデュランスプロをベースにアイアンマンカラーのレッドとブラック&ゴールドのアイアンマンフィニッシャーのブラック&ゴールドが用意されている。

前回は日本国内での購入ができなかったが、今回はレッドのエンデュランスプロアイアンマンは通常購入が可能だ。また、ブラックのエンデュランスプロアイアンマンフィニッシャーは、アイアンマンフィニッシャーとしての限定販売となる。

詳しくは、下記メーカーリリースより。

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アイアンマンとブライトリングが提携、エンデュランス プロ アイアンマン ウォッチを発表

アイアンマンの新しいオフィシャルラグジュアリーウォッチとして、 ブライトリングはこの驚異的なスポーツイベントを支えるパワーとスタミナ を称え、新しいシリーズの時計を発表します。

Breitling Endurance Pro IRONMAN

ブライトリングとアイアンマンは長期的なパートナーシップを結び、ブライトリングの 究極のアスレジャーウォッチ特別シリーズ「エンデュランス プロ アイアンマン」を共 同でデザインしました。その結果、高精度、革新的な技術、鮮やかでカラフルなデザイ ンを兼ね備えた、軽量で軽快なラグジュアリースポーツウォッチが誕生しました。発表 されたのは、2つのエキサイティングな新モデル。レッドバージョンは、スポーツや時間 計測を好む人たち向けでブライトリング ブティックや正規販売店、www.breitling.com で世界的に販売されます。ブラック&ゴールドバージョンは、IRONMAN®レースを完走す る方々向けに限定販売。さらに、アイアンマンコミュニティのためのモデルが、今後数 ヶ月のうちに追加発表される予定です。

2019年、ブライトリングとアイアンマンは、「ブライトリング スーパーオーシャン アイア ンマン リミテッド エディション」を発表し、大成功を収めました。今回、ブライトリング がアイアンマンの新しいオフィシャルラグジュアリーウォッチとなり、この新しいパート ナーシップは長期的なコラボレーションの始まりとなりました。

ブライトリングUSA代表のティエリー・プリセールとアイアンマングループ代表でCEOの アンドリュー・メシックにより、このパートナーシップと新作時計の初披露を祝福する 特別イベントが、昨夜ビバリーヒルズのブライトリングのブティックで開かれました。出 席したスペシャル・ゲストは、アイアンマン殿堂入りを果たした、1997年度アイアンマン 世界チャンピオンのヘザー・ファー。アイアンマンのアンバサダーで、ダウン症の人で初 めてアイアンマンレースを完走した、クリスニキック。アイアンマン殿堂入りを果たした ボイス・オブ・アイアンマンのマイク・ライリー。そして、プロ・アイアンマン・トライアスリ ートのベン・ホフマン。彼は新しいウォッチと、最近締結したブライトリングの米国で のローカル・アンバサダーとしてのパートナーシップを祝いました。2007年にプロに転 向して以来、ホフマンは数々のアイアンマン、アイアンマン70.3、そして全米選手権で 優勝を果たしてきました。

「アイアンマンは、パフォーマンスと持久力という私たちのコアバリューを反映してい ます。エリートアスリートにとって理想的なウォッチとなるよう、またパフォーマンスと ラグジュアリーのコンビネーションを求めるアクティブな方々にとってカジュアルでデ イリーなスポーツクロノグラフになるようデザインしました」とブライトリングのジョー ジ・カーンCEOは述べています。

目を見張らずにはいられないこのウォッチは、アイコニックなアイアンマン トライアス ロン シリーズのエネルギッシュで多彩な精神を見事に表現していると、カーンCEOとア イアンマングループのアンドリュー・メシック社長兼CEOは声を揃えます。

「高い評価を受けている優れた時計メーカーとのパートナーシップを継続できることを 光栄に思います。2019年の成功裏に終わったコラボレーションの後もブライトリングと 提携し、アイアンマン・トライアスロン選手の強さと不屈の精神を体現したこの新しい ウォッチを作ることができて嬉しく思っています」とメシックは語ります。

 IRONMAN AND BREITLING PARTNER TOGETHER AND LAUNCH THE ENDURANCE PRO IRONMAN WATCHES

#SQUADONAMISSION

ブライトリングのトライアスロン・スクワッドの3人は、世界各地のアイアンマン・トライア スロン大会で輝かしい功績を収めてきました。ドイツ人トライアスロン選手ヤン・フロデ ノは、2008年のオリンピック金メダリストであるだけでなく、3度アイアンマン世界チャン ピオン、2度IRONMAN 70.3®世界チャンピオンに輝いています。彼は2019年のIRONMAN World Championship®で総合タイムの新記録を達成し、7:51:13で優勝しました。

ブライトリングの本拠地であるスイス出身のダニエラ・リフは、IRONMAN 70.3®世界選手 権で5回、アイアンマン世界選手権で4回優勝しています。

3人目のスクワッドメンバーは、オーストラリア出身のクリス・「マッカ」・マコーマック です。2007年と2010年の2度にわたり、アイアンマン世界選手権で優勝しています。ま た、2012年ITU長距離世界選手権でも優勝しています。

アイアンマン・トライアスロンレースは、水泳2.4マイル(3.8 km)、自転車112マイル(180 km)、ランニング26.2マイル(42.2 km)の3種目を1日で競う世界で最も過酷なレースです。

究極のアスレジャー

新作「エンデュランス プロ アイアンマン」コレクションは、アスリートだけでなく、究極 のアスレジャーウォッチを求めるラグジュアリーなお客様にもおすすめです。

44 mmのケースは、チタンの約1/3、スチールの約1/6の軽さでありながら、非常に高い 硬度を持つブライトライト®を使用しています。ブライトリング独自のこのハイテク素材 は、傷や摩擦、腐食に対して非常に高い耐性を誇ります。熱安定性、非磁性、低刺激性 も有し、メタルよりも温かい触感です。

このモデルを駆動させるのは、COSC公認クロノメーターの温度補正機能付き S u p e r Q u a r t z TM ム ー ブ メ ン ト 、ブ ラ イ ト リ ン グ ・ キ ャ リ バ ー 8 2 。 通 常 の ク ォ ー ツ に 比 べ て 1 0 倍の精度を持ち、約3~4年の電池寿命を有します。

両方向回転ベゼルには方位が刻印されています。リューズは指の感覚だけでそれと認 識できるように成型されており、つまみやすく、操作性に優れています。時分針はスー パールミノバ®でコーティングされ、どんな条件下でも時刻をはっきりと読み取ること ができます。また、視認性を向上させるデザインとして、スモールセコンドのサブダイヤ ルのほか、1/10秒および30分のクロノグラフカウンターも配されています。このモデル の防水性は10気圧(100メートル/330フィート)です。

現在2つのバージョン、エンデュランス プロ アイアンマンとエンデュランス プロ アイア ンマン フィニッシャーがあります。エンデュランス プロ アイアンマンは、レッドのダイ ヤル、ブラックのインナーベゼル、パルスメーター目盛りが特徴です。このウォッチは、 レッドのラバーストラップ、ブライトライト®製ダブル穴留め式バックルの組み合わせで す。ブライトリングの刻印ではなく、ユニークなアイアンマンの刻印が施されています。 エンデュランス プロ アイアンマン フィニッシャーは、ブラックにゴールドのアクセント。

アイアンマンを完走したアスリート向けです。このバージョンは、アイアンマンのチャネ ルのみで販売されます。ケースバックにはアイアンマン フィニッシャー シリーズの特別 な刻印が施されています。

オリジナルのエンデュランス プロは、1970年代に発売されたカラフルで驚くほど軽量 のブライトリング スプリントからインスピレーションを得ています。パルスメーターを 搭載していたため、心拍数を計測したいアスリートに最適でした。

エンデュランス プロ アイアンマン コレクションの続報は、ウェブサイトやニュースレ ターでお届けします。

アイアンマンブランドとグローバルイベントシリーズの詳細については、www.ironman. comをご覧ください。

Breitling Endurance Pro IRONMAN Finisher

ブライトリング

1884年以降、ブライトリングは、高精度のタイムピース、腕時計クロノグラフの開発を リードする役割、その卓越したデザインへの妥協のない取組みにおいて、国際的に高 い評価を得たブランドとしての地位を確立してきました。航空界との密接な関係を古 くから保ちながら、ブライトリングは人類が大空を自在に行き交うようになるその中 で、素晴らしい時間を分かち合ってきました。革新の精神で知られるブライトリング はまた、科学、スポーツ、テクノロジー等の分野においても特別な地位を獲得していま す。ムーブメントは自社製造。そして、どのウォッチにおいても(すべてのブライトリング ウォッチのムーブメントのように)「スイス製、COSC認定クロノメーター」というステータ スを通じて、その品質が保証されています。

アイアンマングループについて

アイアンマングループは、グローバルなイベントのポートフォリオを運営しています。 そ こ に は 、I R O N M A N ® ト ラ イ ア ス ロ ン シ リ ー ズ 、I R O N M A N ® 7 0 . 3 ® ト ラ イ ア ス ロ ン シ リ ー ズ、IRONMAN® Virtual RacingTM (VRTM) シリーズ、5150TM トライアスロンシリーズ、Rock ‘n’ Roll®ランニングシリーズ、Rock ‘n’ Roll Virtual RunningTMシリーズ、IRONKIDS®、世界ト ライアスロン選手権シリーズ、スタンダード・チャータード・シンガポール・マラソンTM 、The Sun-Herald City2Surf®などのプレミアランニングイベント、Tarawera UltraやUltra-Trail AustraliaTMなどのUltra-Trail®ワールドツアーイベント、Absa Cape Epic®などのマウ ンテンバイクレース、ロードサイクリングイベント、その他のマルチスポーツレースなど が含まれています。アイアンマングループは、一般参加スポーツを運営する世界最大 の 企 業 で す 。年 間 1 0 0 万 人 以 上 の 参 加 者 に 、同 社 が 提 供 す る 膨 大 な サ ー ビ ス を 通 じ てエンデュランススポーツの素晴らしさを提供しています。1978年にアイコン的存在と なるIRONMAN®ブランドが誕生し、第1回大会が開催されて以来、アスリートたちは世界 中のゴールラインを越えることで、ANYTHING IS POSSIBLE®(不可能はない)を証明して きました。一つのレースとして始まりましたが、アイアンマングループは、55か国以上で数百件の大会を開催し、世界的に広く知られるようになりました。アイアンマング ループは、家族経営の民間企業であるアドバンスが所有しています。詳細については www.ironman.comをご覧ください。

アドバンスについて

アドバンスは、メディア、エンターテインメント、テクノロジー、通信、教育、その他有 望 な 成 長 分 野 の 企 業 を 所 有 し 、投 資 を 行 っ て い る 家 族 経 営 の 民 間 企 業 で す 。私 た ち の ミ ッ シ ョ ン は 、成 長 と イ ノ ベ ー シ ョ ン を 促 進 す る こ と で 、長 期 的 に 企 業 の 価 値 を 高めることです。アドバンスのポートフォリオには、Condé Nast、Advance Local、Stage Entertainment、アイアンマングループ、American City Business Journals、Leaders Group、Turnitin、1010data、Popなどが含まれています。これらの事業会社を合わ せると、29カ国で17,000人以上の従業員を擁しています。アドバンスは、Charter Communications、Discovery、Redditの筆頭株主でもあります。詳細については www.advance.comをご覧ください。

 

【ブライトリング】

【アイアンマン】

 

 

 

「マニア心を擽る!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

2021彩の国トライアスロンin加須スペシャライズドカップ RaceReport

6/6(日)埼玉県加須市で「2021彩の国トライアスロンin加須スペシャライズドカップ」(彩の国トライアスロンin加須大会スペシャライズドカップ大会実行委員会主催)が開催された。

■気象(7:00時点):天候 曇り / 気温 21.0℃ / 湿度87% / 風速 0.7m 北東 ※熊谷地方気象台

■スタート数:338名

2年ぶりの開催となった彩の国トライアスロン。6月初めの定番レースが厳しい状況の中でも、無事開催、そして終えることができた。

当日のレースは、タイムスケジュール通りスムースに流れていた。朝6時の受付開始から表彰式の終わる15時まで、時折の天然シャワーはあったが、強い日差しもなく、選手にとっては絶好のコンディションの中の開催であったと言えるだろう。

そして、久しぶりのトライアスロン出場となる選手も多かったと思うが、渡良瀬の醍醐味である高速バイクコースを楽しみ、それぞれの目標に向けてレースを満喫したことだろう。

コンパクトにまとまった会場

彩の国トライアスロンの歴史は長く、1995年に「彩の国トライアスロンin北川辺」(旧北川辺町はのちに加須市となっている。)として始まり、今年で27年目の老舗大会となっている。当時は、オリンピック正式種目を目指す流れとして「インターナショナルスタンダード」のショート51.5kmで開催されていた。今で言うODだ。

トライアスロンは、スイムがあるため、ロケーションの設定が簡単ではない。水辺の近くでバイク、ランが行える場所が必要だが、会場となる渡良瀬遊水池は、絶好のロケーションで、関東圏からのアクセスの良さが人気となり、長く続いている。また、会場がコンパクトにまとまっている。各種目の動線をはじめ、メイン会場と駐車場の距離なども選手からは好評となっている。

ただ、それだけではなく、アットホームな空気感のあるこの大会は、スタッフ、ボランティア、そして、地元などに守られ続けてきた大会でもある。

■コース

【Swim】A: 2.25 / B: 1.5 / C: 0.75 km

10名づつのローリングスタートで、基本的にフラットな遊水池を泳ぐ。レイアウトは、真っ直ぐ泳ぎ、戻る1周750mを周回する。

【Bike】A: 72 / B: 43 / C: 21.6 km

フラットな高速コース。2箇所90度コーナーがあるものの、ほぼDHポジション走行となる。道幅も広く、走り易いコースだが、DHポジションでの練習が必要となる。

【Run】A: 15 / B: 10 / C: 5 km

土手の登り下りがあるものの、ほぼフラットでペースが掴み易いが、単調なため、集中力が鍵となるコース。

 

■レース

【Swim】

7:45:00 レースが始まる。スタートは、彩の国C、B、Aの順番で10名ずつ、10秒ごとのローリングスタートで行っている。1周750mをそれぞれ3周、2周、1周泳ぐ。

レイアウトは、真っ直ぐ泳ぎ戻るだけの単調コースで折り返し地点も距離が短いため、大きく視界に入っている。初心者には安心感があっただろう。ただ、経験の浅い選手も少なくないため、コース取りの見極めは重要となる。やはり、レイアウト上バトルは避けられないため、A、B、Cを分けず、申告泳力順でスタートさせるなどを試しても良いかもしれない。スイム後のバイクコース上の「密」もあり総合的なバランスということなのだろう。

まずは、入水時に注意。下が藻で滑るためだ。各選手慎重に水の中に入っていく。水質が話題となることが多いが、選手からは「イメージしていたよりは良かった」との声を聞いている。濁ってはいるが、無臭だった。渡良瀬川下流に位置する日本最大の遊水池は、もちろん、波や流れはないが、風により、海面は影響を受け易い。ましてや短い周回となるため、完全に「楽勝」と言える選手は多くはなかっただろう。ただ、プールのようなオープンウォーターではトライアスロンの醍醐味に欠けてしまう。また、基本的なことだが、泳ぎ過ぎやその逆など、周回を間違える選手が何名かいたようだ。

イメージとしては「遊水池、ベタなぎ、楽勝」と言うことではないのだが、ごく普通のトライアスロンコンディションであり、概ね、安全面も含め、良いスイム会場だと言えるだろう。

スイムトップのMiho Cは余裕の笑顔でスタートを待つ。
10名づつ、10秒ごとのローリングスタート。

スイムコース全望

周回で一度上陸する

【Bike】

バイクはオールフラットの高速コースだ。2箇所の直角コーナーとそのための減速を除き、ほぼ100%「DHポジション」となるコースで、トライアスロンらしいバイクシーンが拡がっていた。見ていてもその気持ち良さが伝わってくる。一般公道では出来ない走りで、ここぞとばかりに思いっきり走っているように見えるからだ。一方で、高速かつ瞬時の対応が難しいDHポジションで彩の国Aは10周回するため、初心者も少なくない状況では慣れも大事だが「慎重さ」が求められる。

途中、小雨が降り出したが、長く降ることはなく助けられた。雨が降れば、視界、スリップ、また、ハンドルを持つ手が滑るなど、一気に危険性が増す。その点では恵まれたコンディションだったと言えるだろう。そして、ほぼ無風だったことはこの上ないコンディションでもあった。

そして、前述の「DHポジション」が走りを分けている。DHポジションは2つに分かれている。練習を積んで来た「攻め」の走りと、イージーな走りだが、前者は、圧倒的なスピード感で、一般レースながら見応えのある光景となっていた。もちろん、どちらが、良い悪いではない。ランを含め、コントロールが出来ているかであることが重要なことは言うまでもない。ただ、渡良瀬に出るなら「バイク」を強化して走ることが醍醐味と考える選手も多いのではないだろうか。その分、スキル、マナーも重要となってくる。実走のスキルとインドアでの「実走感」を持ち、「遠くを見る」DHポジションでの練習が必要となるだろう。

ルールやマナーという点では、「キープレフト」が徹底され、撮影時も「随分寄って来るな」と感じたくらいだった。事故がなかったのも、道幅の広さとこのキープレフトがあったためだろう。直角コーナーではやや膨らみがちで、熱くなっている選手もいたが、幅広い選手層の大会では仕方ない。

【Run】

彩の国Aのランの頃は暑かった。実は湿度は少し下がっていたが、天然シャワーも降らなくなり、曇りも薄曇りに変わり、陽射しが届き始めていた。

ランは、フラットだが単調なコースで、彩の国Aでは6周を走ることになる。ペースとポジションは掴み易いが、我慢の走りが必要だった。ランではバイク以上にペースの差を感じた。1年以上ぶりのレース出場となる選手も少なくなかったと思われるが、しっかりと走り込んで来た選手の走りは、以前と変わらないシーンとなっていた。

交通アクセスやコースがフラットであることなどから、気軽に申し込める中、「やっているな〜」そんな素晴らしさを感じた。もちろん、それぞれ環境も変わり事情もあると思う。思った走りができなかった選手もいただろう。ただこの場に出て来たことで、様々なことを感じ、きっとスイッチが入ったことだろう。ただ単に辛いランではなく、次に繋がるきっかけとしてはランはいい。

【Finish Line】

積み上げて来たものを出し切れたのか。

思い思いのレースではあったと思うが、無事完走は何より嬉しい。理屈ではなく、ゴールは最高に気持ちがいい。ロングのベテラン選手が、練習感覚で出ていたり、「初ミドル」として頑張って来た選手まで様々な想いがあった。大会開催、否かの中でモチベーションキープも簡単ではなかっただろう。

いずれにしてもこの感動は一人で作ることはできない。

Congratulations !

 

■表彰式

表彰式はしっかりと1時間。

表彰式が中止となる大会も多いが、今大会では通常通り行っている。やはり、大会としては、レースの締めとしてやってほしい。

各賞の景品やジャンケン大会なども、さすがSPECIALIZED CUPの豪華景品で大いに盛り上がっていた。ディスクホイールからヘルメット、シューズ、ウエアなどスペシャライズド製品が、多く提供され、沸いていた。

選手たちは、レース後の高揚感の中で、締めくくりを楽しんでいた。

彩の国A女子総合優勝のMiho C

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■SPECIALIZED CUP

今回の冠スポンサーはスペシャライズド。現在、自転車の各ジャンルにおいてトップブランドのスペシャライズドは、他社が難しいとされる「トライアスロン」への注力も大きいメーカー。4月の石垣島、先月の横浜(エリート)でもトップシェア(GERONIMO COUNT)となっている。

 

■GERONIMO COUNT

前述の通り、シェアの高いスペシャライズドだ。今回は更に冠ということもあったか、スペシャライズドに乗る選手が多かった。データとしては、ダントツのトップシェアだった。85台で25.1%(速報値)の使用率となっていた。

※詳細データはこちら

 

■コロナ対策

検温テント

4月下旬に緊急事態宣言となり、多くの大会が中止または延期となったが、この大会は開催することができた。

感染予防対策は、JTUの運営ガイドラインに基づき、様々な策を講じて開催している。大会前2週間の健康チェックシートから始まった。まずはここからの「意識付け」が大切だったと思う。会場ではサーモカメラによる検温計測を実施。マスクはスタート直前で回収、ゴール後すぐ新しいマスクを配布するなどしていた。また、応援自粛のお願いも徹底していた。一般レースでは、応援は、選手も観客もそのコミュケーションを楽しんでいる。でも今は、レースができるだけで良しとしたい。

無事に終えることができた。400名以下の規模の大会でもその開催は簡単ではない。選手が楽しみにしていることは分かっている。何とか開催したい。関係者の努力や地元の協力など、開催に漕ぎ着けるまでには、多大な苦労があったことだろう。

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【Result】

総エントリー数 / 最終出走者数 375/338名

完走者数 / 率 291名 / 86.1%

■彩の国A 総合男子
1位 菊池 朋明 No.137  3:17:51
2位 高嶺 寛己 No.147  3:24:08
3位 立山 宏一 No.143  3:28:10

■彩の国A 総合女子
1位 Miho C No.102  4:02:19
2位 青木 智恵子 No.109  4:09:15
3位 武田 紗由巳 No.104  4:15:14

■彩の国B 総合男子
1位 江田 祐太朗 No.432  2:06:36
2位 高島 志郎 No.424  2:10:33
3位 阿久津 将 No.449  2:10:37

■彩の国B 総合女子
1位 石井 汐里 No.407  2:26:22
2位 竹内 愛 No.408  2:28:08
3位 日引 華子 No.406  2:28:51

■彩の国C 総合男子
1位 橋本 有広 No.607  1:03:57
2位 洲上 幹太 No.605  1:09:11
3位 Potiron Yoann No.612 1:09:25

■彩の国C 総合女子
1位 高田 彩加 No.601  1:18:31
2位 古田 真子 No.603  1:28:03

※全てのデータ:https://www.sainokunitri.com(6/6投稿にて)

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その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=35151

 

 

 

「アットホームな良いレースだった。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

2021彩の国トライアスロンin加須スペシャライズドカップ Result

スペシャライズドアンバサダー ” TK ” こと竹谷選手も参戦。

2021彩の国トライアスロンin加須スペシャライズドカップが開催された。

心配された天候だが、恵まれたのではないだろうか。降水確率は50~60%程度あったため、すっきりとした気持ちにはなれなかったが、結果的に小雨程度で済み、逆に、選手にとっては、強い陽射しもなく、時折の「天然シャワー」が功を奏した選手も少なくなかった。そして、風はほぼ無風。スイム時に少し波を立てた風は完全に収まり、ベストパフォーマンスを狙える好条件に変わって行った。

各種目において「安全運営」を感じる大会だった。事故が心配されるバイクで、選手からは、「キープレフトが徹底されていて走りやすかった」と聞いている。初心者も出ているため、スイムでのリタイヤ者もいたが、事故などはなく、無事に終了している。一点、スイムアップからトランジットへはすぐ目の前となるが、バイクコースを跨ぐため、スタッフは相当な注意を払っていた。スイム終了後は、舞い上がっている選手も少なくない。選手側からも安全確保を強く意識して、レースに臨みたい。

参加者は、社会人が中心ながら、学生も目立つ幅広い選手層となっていた。また、広島県、宮城県、そして、沖縄県など遠方からの参加者も少なくなかった。遠方からの参加者は、彩の国A(ミドルタイプ)に出場の選手だった。やはり、ミドルであればそれなりの練習が必要、逆に練習したものを発揮する場がほしい。ミドルは、トライアスロン人気の「バロメーター」。スピードと持久性が求められるこの距離は、ロングよりは挑戦しやすく、ショートよりは練習が必要になる。コロナ禍でもしっかりと練習できたことを確認できたのではないだろうか。

取り急ぎの大会開催の報告となる。

Swim 2.25/1.5/0.75km
Bike 72/43/21.6km
Run 15/10/5km

この大会もやはり「コロナ禍対策」を入念に徹底していた。ただ、「コロナに話題が行きがちですが、練習不足による事故などが心配です。」とレースディレクターの飯田忠司氏。レース自体、完走することは容易なことではない。相当な練習が必要なことと「レース慣れ」も必要となる。頻度が減り、1年以上振りのレース出場者も少なくなかっただろう。この「タイミング」は単なるコロナ対応だけでは済まない。練習は当然のことだが、今一度、慎重さを持って臨みたい。

女子総合優勝 Miho C

今回の冠スポンサーはスペシャライズド、各賞の景品やジャンケン大会なども楽しく大いに盛り上がっていた。現在、自転車の各ジャンルにおいてトップブランドのスペシャライズドは、他社が難しいとされる「トライアスロン」への注力も大きいメーカー。4月の石垣島、先月の横浜(エリート)でもトップシェア(GERONIMO COUNT)となっている。

 

【レース結果】

■彩の国A 総合男子
1位 菊池 朋明 No.137  3:17:51
2位 高嶺 寛己 No.147  3:24:08
3位 立山 宏一 No.143  3:28:10

■彩の国A 総合女子
1位 Miho C No.102  4:02:19
2位 青木 智恵子 No.109  4:09:15
3位 武田 紗由巳 No.104  4:15:14

■彩の国B 総合男子
1位 江田 祐太朗 No.432  2:06:36
2位 高島 志郎 No.424  2:10:33
3位 阿久津 将 No.449  2:10:37

■彩の国B 総合女子
1位 石井 汐里 No.407  2:26:22
2位 竹内 愛 No.408  2:28:08
3位 日引 華子 No.406  2:28:51

■彩の国C 総合男子
1位 橋本 有広 No.607  1:03:57
2位 洲上 幹太 No.605  1:09:11
3位 Potiron Yoann No.612 1:09:25

■彩の国C 総合女子
1位 高田 彩加 No.601  1:18:31
2位 古田 真子 No.603  1:28:03

※全てのデータ:https://www.sainokunitri.com(6/6投稿にて)

 

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=35151

「ミドルが安心して楽しめる大会!」

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【取材予定】2021彩の国トライアスロンin加須スペシャライズドカップ

今年の彩の国トライアスロンは、SPECIALIZED CUPとして開催される。

関東からは、交通アクセスの良いロケーションとなる彩の国。渡良瀬遊水池を使用し、オールフラットのバイクコースは、幅広い選手が参加できる大会だ。また、ミドルタイプの他にショート、スプリントも併設され、距離も選べる理想的な設定となっている。

トライアスロンで使用されるバイクは、トライアスロンバイクとロードバイク。このコースは、もちろんトライアスロンバイクが絶対的に優位となるが、これもどこまで「DHポジション」で練習してきたかにかかっている。普段DHポジションで練習をしていない場合、無理して取らない方が賢明だろう。逆に練習を積んだ選手は楽しみなコースでもある。インドアでのトレーニングが増え、DHポジションでの練習時間が取れている選手も少なくない。

あとは、高速コースのため、安全には気をつけたい。前を見て、真っ直ぐ走ること。当たり前のことだが、今一度、冷静な状況判断が求められるだろう。上りなどのハードさはないが、どんなコースでも必ず「危険性」はある。

いずれにしても開催となったことが何よりだろう。

■開催日 2021/6/6(日)

■競技

種目 距離 制限時間 定員 
彩の国A S2.25km-B72km-R15km 89.25 km 5時間30分(スイム1時間20分) 200
彩の国B S1.5 km-B43km-R10 km  54.5 km 3時間40分(スイム1時間) 130
彩の国C S0.75 km-B21.6km-R5km 27.35 km 2時間(スイム40分) 50

*スイム1周約750m、バイク1周約7.2km、ラン1周約2.5㎞予定

※詳しくは、https://www.sainokunitri.com

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その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=35151

「取材は初のレース!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka