Higashimikawa IM70.3 GERONIMO COUNT

東三河におけるブランド別バイクシェアとなる。

前提としては、まずは、国内ではあるが、世界シリーズの「IRONMAN70.3」であることから始まり、第1回大会、ミドル、コース設定、時期などとなるだろう。大会の横の比較は単純にはできない。その大会が回を重ねた場合、その推移などから今後の注目ポイントが見えてくることになる。

今期の取材で言えば、4月宮古島、5月横浜、そして、6月東三河の3大会において、「SPECIALIZED」は第1位となっていて、昨年から続いている流れとなる。諸条件はあるにしても、使用率の強さは確かなブランドだ。モデルとしてはSHIVが圧倒的に多く、ディスクブレーキ率やトライアスロンバイク率も同時に高まる結果となる。

まずは、今年の結果は以下の通りだった。

第1位 スペシャライズド 101台
第2位 サーヴェロ 95台
第3位 トレック 86台
第4位 シーポ 59台
第5位 キャニオン 28台
第6位 フェルト 26台
同率第6位 キャノンデール 26台
第8位 ピナレロ 23台
第9位 ジャイアント 19台
同率第9位 BMC 19台

スペシャライズド、サーヴェロ、トレックの「3強」となった。

大手ブランドが占めているが、4位シーポも国内ではトップブランドになる。そして、5位には注目株のキャニオンが入っているが、予想に反して少なかった。世界の動きのイメージでは、4位以内も期待された。6位フェルトは、間もなく「新型IA」のデリバリーなど発表されるのではないだろうか。これも期待のブランドとなる。

同率6位キャノンデールは現在トライアスロンバイクを生産していないが、ロードのシステムSIXやトライアスロンバイクのSLICEなど根強い人気がある。8位ピナレロは、ロードとしての人気は極めて高い。2018年KONAデビューとなったBOLIDE triも高額ながら人気は高く、大会でも目立って来ている。

9位ジャイアントは唯一リムブレーキ仕様の旧型トライアスロンとなるが、ブルンメンフェルトのカデックスTriが注目となっているため、今後はグループとしての注目度が高くなるだろう。同率9位BMCはトライアスロンバイク比率の高いブランドで現行はデビュー後、安定した人気となり、上位ブランドの常連となっている。

次は、ディスクブレーキ率やトライアスロンバイク率などから各ブランドの「現在の人気」が見えてくる。後日詳細分析としてお知らせしたい。

 

順位 ブランド 使用数 使用率
1 specialized 101 15.0%
2 cervelo 95 14.1%
3 trek 86 12.8%
4 ceepo 59 8.8%
5 canyon 28 4.2%
6 felt 26 3.9%
  cannondale 26 3.9%
8 pinarello 23 3.4%
9 giant 19 2.8%
  BMC 19 2.8%
11 BS 17 2.5%
12 scott 14 2.1%
merida 14 2.1%
bianchi 14 2.1%
15 kuota 11 1.6%
16 colnago 10 1.5%
17 argon18 7 1.0%
18 QR 6 0.9%
19 wilier 5 0.7%
liv 5 0.7%
dimond 5 0.7%
22 neilpryde 4 0.6%
look 4 0.6%
garneau 4 0.6%
focus 4 0.6%
BH 4 0.6%
27 ridley 3 0.4%
fuji 3 0.4%
derosa 3 0.4%
boma 3 0.4%
31 ventum 2 0.3%
TNI 2 0.3%
time 2 0.3%
orbea 2 0.3%
khodaabloom 2 0.3%
kestrel 2 0.3%
intermax 2 0.3%
corratec 2 0.3%
carrera 2 0.3%
avedio 2 0.3%
41 tommasini 1 0.1%
storck 1 0.1%
parlee 1 0.1%
panasonic 1 0.1%
origine 1 0.1%
NCcube 1 0.1%
maystorm 1 0.1%
leopard 1 0.1%
lemond 1 0.1%
lapierre 1 0.1%
karbona 1 0.1%
gerworks 1 0.1%
factor 1 0.1%
cube 1 0.1%
chapter2 1 0.1%
centurion 1 0.1%
calfee 1 0.1%
Bike&Hike 1 0.1%
baum 1 0.1%
athlete company 1 0.1%
astuto 1 0.1%
antares 1 0.1%
amanda 1 0.1%
alpha6 1 0.1%
3T 1 0.1%
不明 1 0.1%
未確認 6 0.7%
合計   674 100.0%

※Counted by Triathlon GERONIMO

 

【GERONIMO COUNT】

2015年からスタートし、9年目に入る。元々KONAで30年以上行われていた「バイクカウント」で、ブランド別の使用率は、毎年話題となり、各メーカーがトライアスロンバイクの開発ターゲットと位置付ける大会として、重要な意味があった。Triathlon GERONIMOでは、そのKONAをメインとし、国内外の主要大会のカウントからバイクトレンドを分析している。

頂点でもある前回2022年のKONAでは、約5000台のバイクを14時間(2日間)近くをかけてカウントしているが、単にブランド別使用台数などは面白くない。重要となるのは、その先であり、トライアスロンバイクとロードバイクの比率やDHバー装着率、新型使用の目安となるディスクブレーキ比率などから見えて来るものがある。以前は、「Di2使用率」であったり、ホイールの「リムハイト」など、大会の特徴に合わせ、チェック項目も変えながら、分析している。

そして、日本国内では、選手層、練習環境、レースのコース、ディスタンスなどから、必ずしもそのままのトレンドではない。国内ではそこに「年齢層」も大きく関係してくるのだ。逆に、世界と国内の違いが面白い。前提や条件を確認した上で捉える一つの指標である。

 

 

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「 バイクはブランドだけではなく、目標、練習量、そして、フィッティングから選ぶことが大切。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Run 124 ~

東三河のレースシーンをPhotoで振り返る。

バイクのトップタイムは2時間17分だった。ランも概ねフラットコースとなるが、三河港大橋で上りが出てくる。AID4とAID8では名産のメロンあり、エイドステーションも楽しみたい。やはりトライアスロンはラン勝負。人との勝負もあれば、自身との勝負でもある。それでも笑顔を絶やさず頑張る選手たち。ラスト持てる力を出し切って、楽しむ姿に感動を与えてもらった。

そして、あらためて振り返ると外国人の多さは、やはり国際大会「IRONMAN」であることを再認識する。アイアンマン70.3の復活は、日本人トライアスリートへの刺激にもなり、国内の活性化にも繋がることを期待したい。

お疲れ様でした

 

 

 

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「最高の笑顔をありがとうございました。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Bike 142 ~

東三河のレースシーンをPhotoで振り返る。

スイムトップは25分20秒でフィニッシュ。今回のレースはダイナミックなバイクコースが話題となっていた。周回は応援しやすいが、走るのは選手たち。やはり選手が楽しめるワンループコースは理想的だ。概ねフラットコースで風も無かった。ただ50km地点には13%の坂が待っていた。ほぼ中間地点であり、渥美半島先端の最も美しいポイントとなる。

7時52分、バイクトップが通過する。

トップ通過前、13%の坂を何度も上りながら、メディアや観戦者に情報を伝えてくれた

Next is “ RUN ”

To be continue

 

 

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「良いコースだが楽ではない。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Swim 47 ~

東三河のレースシーンをPhotoで振り返る。

朝4時、トラジットがオープンとなった。まだ薄暗い中、選手たちの準備が始まる。バイクメカニックもトラブル対応としてスタンバイしている。天候に恵まれたことで、選手たちの表情も明るい。雨なし、波なし、風なし、絶好のコンディションをマイポジションから泳げるスイム。初ミドルの選手も不安を感じることは無かっただろう。

6時レースがスタートとなった。

Next is “ BIKE ”

To be continue

 

 

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「トライアスロンのゴールは2つ。まずはスイムを無事終えること。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Race Recap Report

13%の坂を上る、女子2位太田麻衣子選手

 

6/10(土)話題の新規レース「アイアンマン70.3 東三河ジャパン in 渥美半島」が開催された。(主催:アイアンマン70.3 東三河ジャパン in 渥美半島実行委員会)

今年の最も話題となっていた新しいレース、そして、アイアンマン70.3の復活はどのようなレースだったのか。運営、選手の声など、概ね高評価と感じている。

ミドル以上の長距離レースの開催は難しいが、「アイアンマン」の冠をつけて開催出来ていることは更にハードルが高いが、見事に無事終えている。国内トライアスロンを盛り上げる一つとしての役割は大きく、特に「今後」の注目度が高い。

 

■3年ぶりのアイアンマン70.3、新コース渥美半島

国内にアイアンマンシリーズが帰って来た。以前のセントレアも同じ愛知県だが、全く異なる会場となるため、「新規レース」ということになる。コロナ禍以降、既存のレースも開催とその維持は簡単ではない中で、新しいレースが出来たことは嬉しい。様々なハードルを越えて、開催にこぎつけたことは容易に想像できる。

このレースの特徴としては、まずは「アイアンマン」であるということだ。原点でもあり、世界的に最もメジャーなシリーズレースとなる。その中でロングとなるアイアンマンの半分の距離で開催されているのが、この「アイアンマン70.3」で、現在、最もレース数が多く、人気がある。そんなブランド価値の高いレースなのだ。

また、距離が重要なポイントとなる。ショートまでは誰でも完走は出来るだろう。ロングは、概ね1年近く徹底したトレーニングとそれまでの十分な経験が必要となる。このアイアンマン70.3を含め、ミドルは「挑戦」という意識を高く持ち、真剣にトレーニングに取組む必要がある距離と言えるだろう。

そして、コースレイアウトも選手の要望は強い。特にバイクコースだ。昨今「見せるレース」として、観戦、応援なども考慮した「周回コース」も少なくない。もちろんその良さもある。今回インタービューした選手の中にも「周回コースは選ばない」という選手もいた。やはりレースに出る「選手目線」において楽しめるバイクコースに対して期待は大きい。

そんな理由からトライアスロンを真剣に楽しむ目標としては、最も有意義で適したレースと言えるのだ。今回1000名に満たない参加人数だったことが不思議に感じていたが、今後のブラッシュアップ、そして「発展」を考えると期待しかない。

スイムスタートは自己申告の泳力によるローリングスタート
ボランティアに守られたバイクコース
エイドステーションは楽しみたい、特に名産は嬉しい

■Race Operation

スイムのスタートはバトルを避け、苦手な選手でも安心度の高いローリングとなっている。そして、コースレイアウトに特徴があった。1.9kmを550mで一度上陸するのだが「安心感」が高い。スイムを得意とする選手は続けて泳ぐ方が良いと思うが、最初の550mが「ウォーミングアップ」となるのだ。もし体調が悪ければそこで終えることも出来るだろう。完走率は高いが、選手層は幅広い。全選手が余裕を持ってやれているわけではなく、安全面を考慮した設定と言えるだろう。

バイクは、とにかく特長的で最大のセールスポイントの「ワンループ」で、選手を楽しませるコースだったが、警備員、ボランティアがびっしりと沿道に立っている光景には大変驚かされた。やはり、最も安全性が問われるバイクコースだけに「安全運営」の象徴とも思えた。特にピンク色のTシャツを着たボランティアの方々、何メートル置きに立っているのだろうか。そんな状況の中を走っていれば選手側の安全意識も更に高まったはずだ。

ランのエイドは11箇所あった。2km毎に設置されているため、これも安心感が高い。4番目と8番目には地元の名産「メロン」が用意されていることに選手たちも喜んでいた。エイドに到着すると真っ先にメロンを頬張る、そんな光景だ。

そして、 沿道からの熱い声援、応援が凄かった。本当に多くのボランティアや住民の方々が関わっていることに驚かされた。さすが「トライアスロン県」の愛知であることを再認識することになった。

 

50km地点は最大の難所であり、名所となる

■Course

スイムは、メイン会場となる三河湾に面したの白谷海浜公園からスタートなる。砂浜ではなく、細かい「玉砂利」状態で、選手を見ていると痛そうには見えないが、砂浜のようなダッシュはなく、下を見ながらスタートしている。スタート方式は10名づつ10秒間隔のローリングで、スタート後一度上陸する変則コース。エイドはスタート、中間、フィニッシュに3箇所設置されている。

バイクは、ダイナミックなワンループコースで、ほぼフラットとなる。渥美半島中央には山間部もあるため、スタート後反対側の国道42号線に向かう途中、上りも出てくる。ワンループの飽きないコースだが、最も風光明媚となるのは渥美半島の先端周辺となる。50km地点には最大13%の坂が待っているが、最もキツいところは150mくらいとなる。道幅が狭く、接触を避けるため、あまり蛇行することができないことはキツい。エイドは、スタートを含め5箇所となり、20km強に1箇所の割合で設置されている。

ランコースもほぼフラットで、途中8km地点の三河港大橋で少し上りとなる。珍しい「ワンウェイ」のコースは、折り返しの対面などなく、ひたすらフィニッシュを目指すランとなる。エイドでは地元名産のメロンを楽しみながらボランティアの方々と会話を楽しむ和やかな雰囲気が良い。エイドは、スタートを含め11箇所となり、2kmに1箇所の割合で設置されている。

 

心配された雨は降らず、前日、当日は、天候に恵まれた

■Weather

レースに大きく影響する天候だったが、恵まれた。概ね「曇り」で、朝も時折陽射しが入り、青空がのぞくこともあり「今日は大丈夫だろう」と思える瞬間だった。そして、次に気になるのは、気温、湿度と風だった。気温、湿度はこの時期としては想定内だったと思われる。当日6時の気象データは、気温20.0℃、水温20℃、ウェットスイムにもちょうど良かった。

そして、風がなかったのだ。普段スイム会場となる白谷海浜公園は波が立ちやすいようだが、当日は「超ベタナギ」だった。現地入りした木曜日もほぼ鏡面となっていたが、前日は荒れ、うねりが強かったため心配されたが、経験の浅い選手も安心して泳げたのではないだろうか。バイク中も概ね風速1.5~2m程度で、走りに影響はなかった。選手からも口々に「風がなくて良かった」と聞こえてきた。多くの選手がランに入った11時頃から風が少し出てきたが、むしろランにはちょうど良かった。

つまりは、この時期としてのグッドコンディションだったと言えるだろう。

 

2位に5分差をつけた男子優勝の大倉 拓地選手

■Race Result

《参加選手》

総エントリー数 / 最終出走者数 761/674名

完走者数 / 率 635名 / 94.2%

《男子》

1位 大倉 拓地(#34) 大阪府    4:12:16(S 27:16 / B 2:19:47 / R 1:20:44)
2位 前田 能宜(#13) 愛知県    4:17:02(S 25:35 / B 2:21:35 / R 1:24:57)
3位 藤井 雅之(#101) 岐阜県    4:17:38(S 29:59 / B 2:21:26 / R 1:21:21)

《女子》

1位 松井 恵里奈(#701) 愛知県    4:52:03(S 30:09 / B 2:38:18 / R 1:38:10)
2位 太田 麻衣子(#720)東京都    4:52:55(S 26:51 / B 2:39:31 / R 1:40:11)
3位 前田 乙乃(#696)愛知県   4:54:12(S 26:58 / B 2:39:35 / R 1:42:44)

 

Congratulations

IRONMANへの期待

アイアンマン70.3のフィニッシュゲートと花道は特別だ。国内のレースだが、世界シリーズでもあることをあらためて感じる。

さて、当初ロングのアイアンマンが予定されていただけにその期待は高まっている。今回のようにバイクコースなどへのこだわりを持ちながらコース設定することは簡単ではないだろう。バイクコースを60km3周回など検討されていたようだが、どこにポイントを置くのか、距離とコース設定への課題は何なのか。距離はすなわち「時間」を示し、運営上極めて大きな課題が立ちはだかる。

取材中「今年はロングのために下見に来た」という選手もいた。やはり待望のロングなのか、今回のコースが素晴らしく高評価だけに、幅広い選手層が参加できるミドルなのか。ロングの場合、8~10ヶ月は準備期間はかかるだろう。

いずれにしてもすでに2024年に向けてスタートしていることになる。

 

 

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「期待しかない。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Bike “ Smile ” Check in

今日はバイクチェックイン。

途中晴れ間ものぞく天候となり、否応無しに会場は盛り上がって来ている。やはり、アイアンマン70.3として、そして、ワンループのダイナミックなバイクコースが醍醐味となっている。地元選手曰く「夢のようなバイクコースを楽しみたい」とのこと。期待の大きなレースがいよいよ始まる。

選手はみな明るく、「楽しむ」という空気感に満ち溢れていた。

 

 

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「さあ、明日のレースを楽しもう!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Expo

この上ない最高級品ライトウェイト

アイアンマン70.3のエキスポをチェック。

話題のモノ、新しいモノ、珍しいモノ、旬なモノ、そして、必要なモノ。Triathlon GERONIMOとしては、レースと同様に盛り上がって欲しいのがこのエキスポだ。機材や用品は主役ではないが、それらに支えられているのは事実。そこへのこだわりは必ずレースに差が出てくるだろう。

メイン会場となる白谷海浜公園

白谷海浜公園の中央にセッティングされたエキスポエリア。奥にアスリートチェックインがあり、動線は便利になっていた。

今大会の公式アイテムは人気で、バイクチェックインの時にも目立っていた。名産のメロンが描かれているデザインとカラーリングが良かった。レース後も販売されると良いのだが。

アイアンマン公式ブランドとなるエコイも出展。エコイは2001年創業のフランスブランドで、ウエア、ヘルメット、アイウエア、シューズなどを展開している。エコイはツールドフランス出場のワールドチームへの機材供給の他、パトリック・ランゲやアンネ・ハウグなど、KONA優勝経験者を含むトップ選手をサポートしている。

AERO16用のシールドは3種類
手に持っているジャージはエコイとのコラボジャージで、所属した8チームがモチーフに

なんと!ご存知 FUMYこと別府史之さんがエコイのアンバサダーとしてブースにいたのだ。国内最高レベルの元プロサイクリスト。日本人初のツールドフランス完走の他、5大クラシック、3大ツールも完走、もちろん、オリンピックも2度出場している。2009年にツールで敢闘賞を獲得した時には国内では大いに沸いたことは鮮明な記憶として残っている。日本、アジアの顔でもあり、昨年プロ選手を引退したばかりだ。

エコイは単なるアンバサダーではなく、エコイの製品に惚れ込み、開発などにも関わっていると言う。昨年会社も設立され、フランスと日本をつなぐプロモーターとしても活躍している。現在、フランス在住だが、エコイがアイアンマン公式ブランドとなっていることから、このレースのために一時帰国となっていた。FUMYは、スイムもランもできるため、周囲の期待が極めて大きい。

シーポの現行フルラインナップ、手前は昨年KONAローンチとなった新型VIPER

多くの大会に出展しているシーポ。国内トライアスロンのトップブランドとして人気が高い。特にスモールサイズのスローピングやトライロードのMANBAなど、こだわりのきめ細やかな設定が特徴。カラーオーダーシステムもあり、バイクの楽しみ方の提案も十分だ。

シーポアンバサダー、太田麻衣子選手のバイク

究極のホイール、ライトウェイト。ドイツのブランドで、スポークやハブまでカーボン製で、1本1本手作りされている最高峰のホイールだ。以前は、プロサイクリストが「自費でも使いたい」と言わせたほどのホイールだ。バイクが1台買える金額となるが、一度は使ってみたい最高級品なのだ。軽さだけではなく、コーナーリングの安定性や振動吸収性など、路面追従性の高さなどライドフィールも定評が高い。

WTCS御用達ホイール、DTスイス。文字通りのスイスブランドでグローバルではトライアスロンでの使用が多くなっている。創業は1634年と古くスポークから始まったメーカーで、何と言ってもDTの看板はハブで、他社のホイールにも使われて来た。ホイールにおいて「ハブの仕様」は正に心臓部だけにそのホイールの評価指標となるからだ。そして、近年同じくスイスの空力専門スイスサイド社との連携からリム形状を含めた「ホイール作り」がトライアスロンへ繋がっている。

WTCS横浜ではフロント50mmリア62mmの使用率が高い

深部体温計のコア。話題のモノと言えるだろう。あの最強ノルウェー勢、ブルンメンフェルトやイデンが使用していることで、話題となっているものだ。身体の深部体温をリアルタイムでモニタリングできるもので、深部体温と運動パフォーマンスの関係性を割り出し、自身にとってベターなコンディションで運動し続けられるようにする計測ツールとなる。「暑さに弱い」と感じているトライアスリートは試す価値があるだろう。

ロカはUSAの既成ウェットスーツのトップブランド。2014年からアイアンマンの公式ブランドでもある。アイアンマンスイムの女王、ルーシー・チャールズ・バークレーのサポートは周知の通り。いくつも特許を持ち、肩の回し易さやパワー伝達の良さ、動きを考慮した浮力などを特徴としている。ラインナップが多く、スリーブレスであれば4万を切る価格となっている。

コンプレスポーツは2008年創業のコンプレッションアイテムをリリースするスイスブランド。トライアスロンからランニングまでエンデュランス系の種目では必須の人気アイテムだ。カーフを中心にトライアスロンウエアからソックスまで各種アイテムがラインナップされている。やはり、しっかりとしたコンプレッション効果の持続性の評価が高い。

味にこだわるGUは、グローバルでは老舗ブランド
ワッフルは他社からも出て久しいが、もはや美味しいお菓子
新製品ジュレのピーチ味は、食感、味ともに良し
製薬会社が作るサプリメント、ピクノレーサー、1日の目安2袋でBCAAが4800mg摂取可能
お洒落なキッチンカーも並び、雰囲気の良さを高めていた

競技説明会やイベントが開催されるマルシェ会場中央には、一際目を引く大きなアイアンマンのフラワーフォトスポットが設置され、選手たちで賑わっていた。KONAではもちろん同様のものがあるが屋内にある。この綺麗な海浜公園の屋外に設置されたこと、映えの象徴となっていたが、本当に雨が降らなくて良かったと思った人も多いだろう。

 

 

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「エキスポはおまけではなく、レースと同格になることが理想。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】アイアンマン70.3 東三河ジャパン in 渥美半島

6/10(土)日本にアイアンマン70.3が戻ってくる。

周知の通り、日本のレースだが、世界シリーズの一つとして、やはり「メジャー」としての復活は嬉しいところだ。原点でもあるアイアンマンのミドルシリーズがいよいよ開催される。会場は愛知県渥美半島をダイナミックなレイアウトで実現している。愛知県は日本の真ん中、以前は人口に対するトライアスリート比率が高い、まさに「聖地」とも言える場所なのだ。

初開催となるため、情報は少ないが、ミドルディスタンスであることとそのコースレイアウト、ロケーションに注目したい。最も長く、難しいバイクコースのレイアウトはほぼワンループという理想的なコースを実現している。渥美半島をトレースするようなコースは、幅広く選手を楽しませてくれることだろう。

ショートとロングの中間となる「ミドルディスタンス」の完走は簡単ではない。単なるショートからの延長線上ではないため、出場選手たちは、相応の練習を積んで来ているはずだ。そんなミドル大会こそ、国内トライアスロンを盛り上げる意味で最も重要な位置付けとなるだけに長い目で期待したい。

■開催日 2023/6/10(土)

■競技

スイム1.9km / バイク90.1km / ラン21.1km

◾️サイト

公式:https://www.ironman.com/im703-japan

国内:https://higashimikawa.or.jp

 

 

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「数少ないミドルへの期待は大きい。」

BOSS1small

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

YOKOHAMA 2023

■Contents

ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ横浜2023 “ GERONIMO ANALYSIS ”
ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ横浜2023 “ GERONIMO COUNT ”
YOKOHAMA Race Result
YOKOHAMA Press conference
【取材予定】ワールドトライアスロンチャンピオンシリーズ横浜 2023

ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ横浜2023 “ GERONIMO ANALYSIS ”

WTCS横浜2023におけるバイク分析データとなる。

2015年からの定点観測となる横浜のバイクカウントは9年目となった。トライアスロンバイクではないので、劇的な変化はないのだが、「Sign / Trend / Standard」の3段階では動いている。また、ここでは、「エリート」のカウントとなるため、エイジグループのような「人気ランキング」ではなく、プロ及びプロに準ずる選手、そして、メーカーの動きと言えるだろう。

トライアスロンへ注力するメーカーはどこなのか、もちろんバイクメーカーだけではない。各パーツメーカーも特徴が出ている。国内でトライアスロンが始まって43年、オリンピックでの正式種目となって6回、今や自転車系競技としてのメーカー注目度も高く、安定していて、開発にも繋がっている。そんな「メーカー色」はどのように表れていたのだろうか。

いずれにしても限られた「120名」の選手のバイクからの分析であることを前提にしつつも、オリンピックに次ぐWT(ワールドトライアスロン)最高峰のシリーズ戦としての結果でもある。

まずは、ウィナーズバイクをチェック。エリート男子はキャニオン、エリート女子は今年もスペシャライズドで5連覇となった。

 

エリート男子のウィナーズバイクは、ヘイデン・ワイルド選手が使用したキャニオンAEROAD CF SLXだった。現在、トライアスロン界においても注目の急上昇株となるキャニオンだ。ワイルドのバイク仕様は、メインコンポーネントにスラムRed etap、今やスラム代名詞フロントシングルのワンバイ、ブレーキレバーは極端に倒し込みフレアなポジションとしている。ホイールはジップ454の53/58mm高、サドルはエルゴンSR Comp Men、パワーメーターはクウォークとなっていた。

エリート女子のウィナーズバイクは、ソフィー・コールドウェル選手が使用したスペシャライズドS-WORKS TARMAC SL7だった。スペシャライズドはWTCS 横浜エリート「御用達」であり、女子5連覇のスーパーバイクだ。コールドウェルのバイク仕様は、メインコンポーネントにスラムRed etap、ブレーキレバーは倒し込まず、フレアにはしていない。ホイールはロバールをフロント50mm、リア60mmの組合せ、サドルはスペシャライズドS-WORKS WITH MIRROR、パワーメータはクウォークとなっていた。

 

【ブランド別使用率】

ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ横浜 2023 “ GERONIMO COUNT ”

【詳細分析】

各ポイントについて分析している。つまり「仕様」となるわけだが、言い方を変えれば各選手の「好み」ということも言える。まずは、「トライアスロン」で使用するバイクの主な特性について、その動きを見てみた。

下記の3点は、「エアロダイナミクス」に関わるファクターとなるが、ドラフティングレースとなるWTS横浜では、「ロードレース」に近いため、必ずしも絶対条件ではない。ただ昨今「バイクの重要性」に注目が集まる中で、単なるロードレース化ではないため、選手の対応が機材面のバイクという形となって表れている。

  • ①エアロロード
  • ②ホイールリムハイト
  • ③フレアポジション

下記の3点は、トレンドからスタンダードへ移行している。電動変速システムは、完全普及となったのだろうか。また、ディスクブレーキは、バイク本体の新型化との関係性が大きいため増えていることが予想される。そして、パワーメーターは、一般的には高価なイメージがあるが、今や「絶対アイテム」だけに、その使用は必須だろう。

  • ④メインコンポーネント
  • ⑤ディスクブレーキとモデル別使用率
  • ⑥パワーメーター

下記の2点は、流行りも含めスペシャルパーツの動きとなる。ビッグプーリーも話題としては久しいが、現在どうなっているのか。そして、18年からスラムのワンバイをきっかけとして、コナでは確実に伸びを見せているフロントシングルは、昨年確認され、今年は増えているのだろうか。

  • ⑦ビッグプーリー
  • ⑧ワンバイ

前提として、WTCS横浜2023の120選手の結果であり、全てを計るものではないが、概ね、方向性について大いに参考になると考えている。

 

#40ブルンメンフェルトのジャイアントPROPEL ADVANCED SL

【エアロロード】

このカテゴライズが難しくなって来ている。ここで前提を確認する必要がある。「エアロロード」と定義されるのは、軽量オールラウンドバイクを設定している場合に絞っている。十分なエアロダイナミクスを持ちながらも基本を「1タイプ」としているピナレロやVENGEがなくなったスペシャライズドは含まれていない。キャニオン、ジャイアント、サーヴェロなどタイプ分けをしているメーカーの中のエアロロードのカウントとなる。

フレーム 男子 女子 合計 使用率
エアロ 27 15 42 35.0%
非エアロ 33 45 78 65.0%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

結果は35.0%だった。2018年の50.0%をピークに昨年は43.5%、今回は40%を大きく割った。繰り返しになるが、前述の通り「カテゴリー分け」をしない傾向が伸びれば、更に減っていくことになる。

ここで言えることは2つ。1つは、より軽くて、エアロダイナミクスの高い、スーパーオールラウンドバイクの完成度が高まること。そして、もう一つは、明確に「エアロロード」として、エアロダイナミクスを追求するバイクが出来ることだ。ロードバイクの中に「トライアスロン適正」の高いモデルとして期待も出来るかもしれない。

ここで言うGERONIMO的トライアスロン適正とは以下の3つ。

  1. エアロダイナミクス
  2. ジオメトリー
  3. 快適性

3つ揃えば最高だが現実的には難しい。ショートなら1つ以上、ミドル、ロングなら2つクリアすれば理想だろう。特にエアロダイナミクスはごく当たり前に話題となるが、AVスピードの高くない選手が使用した場合、効果の見込みは低いばかりでなく、剛性の高さから快適性を落としてしまっている可能性がある。

トライアスロンにおけるバイクパートはランへの繋ぎであり「ランにダメージを残さない」と言う大命題からバイクを選ばなければならない。

順位 ブランド モデル 男子 女子 合計 使用率
1 CANYON AEROAD CF SLX 4 1 5 11.9%
GIANT PROPEL ADVANCED SL 4 1 5 11.9%
cervelo S5 4 1 5 11.9%
4 SCOTT FOIL 1 2 3 7.1%
5 TREK MADONE SLR 6th 2 0 2 4.8%
cannondale SystemSix 2 0 2 4.8%
BMC Time Machine Road 01 2 0 2 4.8%
TREK MADONE SLR 7th 1 1 2 4.8%
9 BH AEROLIGHT 1 0 1 2.4%
STEVENS ARCALIS 1 0 1 2.4%
Bianchi OLTRE XR4 1 0 1 2.4%
GIANT PROPEL ADVANCED PRO 1 0 1 2.4%
GIANT PROPEL ADVANCED SL 2022 1 0 1 2.4%
SPECIALIZED S-WORKS VENGE 1 0 1 2.4%
LAPIERRE AIRCODE DRS 1 0 1 2.4%
LOSA AERO 21D 0 1 1 2.4%
FELT AR 0 1 1 2.4%
Liv ENVILIV ADVANCED PRO 0 1 1 2.4%
Liv ENVILIV ADVANCED PRO 2022 0 1 1 2.4%
Wilier FILANTE SLR 0 1 1 2.4%
SCOTT FOIL 2022 0 1 1 2.4%
KOGA KINSEI 0 1 1 2.4%
PARDUS SPARK EVO 0 1 1 2.4%
BMC Time Machine Road 01 0 1 1 2.4%
合計 27 15 42 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

トップエアロロードはキャニオン、ジャイアント、サーヴェロの三つ巴となった。

キャニオンは今回のウィナーズバイクでもあるが、現在、トライアスロン界の大注目株として今後も上位が期待される。ジャイアントは、ノルウェー勢のブルンメンフェルト、イデン両選手が使用するバイクとして注目度が高い。ジャイアントはTCRが存在するが、PROPELはシート周りが細身となり、どちらかと言えばオールラウンド傾向が強まった「Tarmac化」と言えるだろう。そして、元祖エアロロード、サーヴェロは、2010年のスペシャライズドVENGEの「エアロロード」カテゴリー以前から注力しトライアスロンにおける絶対的な地位を築いている。

エアロロードの代名詞とも言えるトレックのMADONEは旧型も含まれるため、順位を落としているが、来年は復活だろう。

 

【ホイールリムハイト】

トライアスロンを象徴するリムハイトの高いホイールは、WTCS横浜大会においてもGERONIMO COUNT当初より、多少動きはあるものの、より一層のDeep化が進み、ここ数年で、一定のところまで来たと言うイメージだ。

ホイールは、前後により目的が異なる。大きくはエアロダイナミクスと高速巡航性だ。フロントは、エアロダイナミクスと、横風などの影響からハンドリングを考慮したチョイスとなる。概ね50mmを超えてくると、ハンドルを切った時に重さ(空気抵抗)を感じるくらいとなるが、各社1~3mm程度のハイト差でシビアなコントロールをしている。また、リアは、エアロダイナミクスとともに更に重要となるのは、「高速巡航性」となる。これはホイールの縦剛性と大きく関係してくる。レースコンディションにもよるが、リアにディスクホイールを使用するのはそのためだ。ただ、その反面として、剛性が高過ぎれば、脚への負担も大きくなる。その辺りのバランスを見ながら、選手たちはホイールを決定する。

このハイトだけで述べるのはやや乱暴ではあるが、概ね傾向は出ている。本来ならば、メーカー間の「重量剛性比」など更に掘り下げる中で、カウントの精度は高まるのだろう。また、一般選手において、エアロダイナミクスはある程度走る力が必要だが、剛性による高速巡航性は誰でも体感できる。一定の速度で走り続け易くなるということだ。そんな極めて重要な武器がホイールだ。

男子
リムハイト フロント 使用率 リア 使用率
55mm以上 20 33.3% 37 61.7%
50~54mm 26 43.3% 12 20.0%
40~49mm 11 18.3% 10 16.7%
30~39mm 3 5.0% 1 1.7%
29mm以下 0 0.0% 0 0.0%
合計 60 100.0% 60 100.0%
女子
リムハイト フロント 使用率 リア 使用率
55mm以上 10 16.7% 22 36.7%
50~54mm 26 43.3% 17 28.3%
40~49mm 15 25.0% 14 23.3%
30~39mm 8 13.3% 6 10.0%
29mm以下 0 0.0% 0 0.0%
不明 1 1.7% 1 1.7%
合計 60 100.0% 60 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

結果は男女ともに同様の傾向となった。昨年の男子は前後ともに55mm以上がトップだったが、フロントが少し低いホイールが選ばれている。女子もフロントに動きが出て、55mm以上と40~49mmが多かったが、男子と同じハイトに集約された。また、40mm未満は圧倒的に少なくなり、重量と剛性のメリットとデメリットを考慮する中でも強い傾向が出ている。リアの55mm以上はほぼ60mmやそれ以上なるのだが、この結果からはロバールのようなフロント50mm、リア60mm程度の組合せが見えてくる。スペシャライズドが多いが、他のホイールメーカーも含め、傾向は明からかとなっている。

そして、ホイールメーカーの使用率は、下記の通りの結果だった。

順位 ブランド 男子 女子 合計 使用率
1 ROVAL 14 11 25 20.8%
2 DT 9 11 20 16.7%
3 CADEX 6 6 12 10.0%
4 ZIPP 5 3 8 6.7%
5 BONTRAGER 3 4.5 7.5 6.3%
6 PRINCETON 5 1 6 5.0%
MAVIC 4 2 6 5.0%
8 ENVE 3 2 5 4.2%
HUNT 2 3 5 4.2%
10 SHIMANO 3 1 4 3.3%
11 CAMPAGNOLO 0 3 3 2.5%
12 HOLLOWGRAM 2 0 2 1.7%
FFWD 1 1 2 1.7%
FULCRUM 0 2 2 1.7%
15 Reserve 1 0.5 1.5 1.3%
16 CYP 1 0 1 0.8%
GIANT 1 0 1 0.8%
Dedaelementi 0 1 1 0.8%
EASTON 0 1 1 0.8%
Lightweight 0 1 1 0.8%
Lun 0 1 1 0.8%
SCOPE 0 1 1 0.8%
session 0 1 1 0.8%
SWISS SIDE 0 1 1 0.8%
tune 0 1 1 0.8%
不明 0 1 1 0.8%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

予想通りのロバールが1位となった。スペシャライズドのバイク本体が多いため、予想された結果でもあるが、ホイールは走りに大きく影響するため、その実績の裏付けとも言えるだろう。また、昨年、初めてトップとなったDTスイスは少し減ってしまったが、2019年以降の伸びで変わらずトップクラスであることは間違いない。そして、気になるのがカデックスだ。昨年は6台に使用されていたが、今年は倍増となった。カデックスは、ブルンメンフェルト、イデン両選手を通し、トライアスロンへの注力も高くなっているだけに今後も注目となるだろう。

 

【フレアポジション】

昨年までショートにおいてもカスタムや新世代のDHバーなど見られ、新たな方向性への「兆し」が出ていたが、使用できなくなり、その装着率はノーカウントとなった。ただ、その必要性を感じる選手は、ブレーキレバーを内側に傾けたセッティングをしていた。2021年にリリースされたシマノDURA-ACEでもそこへの対応を考慮したものとしている。

バイク正面から見ると「八の字」にセットされたブレーキレバーはフレアと言える状態だ。元々ドロップハンドルではなく、ランドナーバーのように上が狭く、下ハンが広がったような形状のハンドルを使い、自然に内向きになるようにセットして使われていた。横浜で使用されたハンドルは通常のドロップに対し、ブレーキレバーを内側に倒して固定されているものだが、その数も多さからチェック対象となった。

男子 女子 合計 使用率
設定 29 18 47 39.2%
未設定 31 42 73 60.8%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

結果は高かったと見ている。この39.2%は、明らかに分かる大きく曲げたもののみのカウントであり、僅かに曲げている選手も含めると68.3%にものぼる。ただ本来の「DHポジション効果」を得るためには身体の幅を狭くしたいため、よりブレーキレバーを倒し込む必要があるが、ダンシングでは使用できなくなることや取付そのものの安全性もあり限界はある。

「より良く」と言うことだろうし、可能な範囲でセットすることになるのだが、今後の期待も高まる。とにかくブレーキは確実にかけることができる「安全性の高いエアロポジション」と言うことができるからだ。DHバーと同じ効果とはいかないが、更なる進化により、必要十分なエアロダイナミクスが期待できるようなものが開発されることは極めて望ましい。

 

【メインコンポーネント】

2012年普及モデルのシマノULTEGRA Di2のリリースから12年目となるが、電動変速は完全定着している。その扱い易さは一度使えば、戻すことはないだろう。昨年の装着率は94.6%だったので、もう少しと言った感じだったが、今回は120台中119台の使用となる99.2%だった。もうカウントの必要はない。

ここでは、電動変速だけではなく、メインコンポーネントとして、どのモデルの使用率が高いのか見ているが、やはり「スラム」の勢いが気になる。シマノより早かった12スピード化、完全ワイヤレス電動変速、軽量性、ワンバイなど、スラムは独自の「面白さ」を追求している。

結果は以下の通りだった。

順位 ブランド モデル 男子 女子 合計 使用率
1 シマノ DADi2 25 21 46 38.3%
2 シマノ ULT Di2 14 16 30 25.0%
3 スラム Red etap 13 12 25 20.8%
4 スラム Force etap 7 8 15 12.5%
5 スラム Rivaletap 1 2 3 2.5%
6 シマノ DA 0 1 1 0.8%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

予想するまでもなくシマノが多いのだが、スラムは確実に伸ばしている。一昨年26.0%、昨年29.3%、そして、今年は35.8%まで伸びていた。今後の勢いとともに「スラムらしい」製品開発に期待したい。

 

【ディスクブレーキとモデル別使用率】

電動変速同様に普及が期待されているが、Di2と比較すると短期間での完全普及となった。ディスクブレーキは、スペシャライズドが早く、2017年モデルから出始めているが、トレックは2020年モデルからのスタートだったため、概ね2020年がディスクブレーキ元年と言えるだろう。その後4年でディスクブレーキ化が整った。昨年の普及率は88.0%だったが今年は99.2%(1台のみ非ディスクモデル)となり、ディスクブレーキへの移行は完了した。

ディスクブレーキ普及の背景には、安全性が挙げられる。ディスクブレーキありきではなく、ワイド化されたホイール、チューブレスタイヤなど、足回りが強化され、同時に制動力向上も進められた来た。ある意味、安全面においては、電動変速やその他のパーツなどと比べられないくらいの重要性があった。

順位 ブランド モデル 男子 女子 合計 使用率
1 SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL7 8 15 23 19.3%
2 SCOTT ADDICT RC 2 5 7 5.9%
3 VENTUM NS1 2 4 6 5.0%
4 LAPIERRE XELIUS 3 2 5 4.2%
CANYON AEROAD CF SLX 4 1 5 4.2%
GIANT PROPEL ADVANCED SL 4 1 5 4.2%
cervelo S5 4 1 5 4.2%
8 BMC Team Machine SLR01 2 2 4 3.4%
9 BMC Time Machine Road 01 2 1 3 2.5%
SCOTT FOIL 1 2 3 2.5%
TREK EMONDA 0 3 3 2.5%
12 FOCUS IZALCO MAX 2 0 2 1.7%
TREK MADONE SLR 6th 2 0 2 1.7%
cannondale SystemSix 2 0 2 1.7%
TREK MADONE SLR 1 1 2 1.7%
cannondale supersix evo 1 1 2 1.7%
SPECIALIZED TARMAC SL6 1 1 2 1.7%
ROSE XLITE 0 2 2 1.7%
SWIFT RACEVOX 0 2 2 1.7%
20 LAPIERRE AIRCODE DRS 1 0 1 0.8%
BH AEROLIGHT 1 0 1 0.8%
STEVENS ARCALIS 1 0 1 0.8%
PINARELLO DOGMA F 1 0 1 0.8%
PINARELLO DOGMA F12 1 0 1 0.8%
TREK EMONDA SL7 1 0 1 0.8%
Bianchi OLTRE XR4 1 0 1 0.8%
FACTOR OSTRO VAM 1 0 1 0.8%
GIANT PROPEL ADVANCED PRO 1 0 1 0.8%
GIANT PROPEL ADVANCED SL 2022 1 0 1 0.8%
PROCYCLE Rennrad 1 0 1 0.8%
SPECIALIZED S-WORKS VENGE 1 0 1 0.8%
THOEMUS SLIKER PRO 1 0 1 0.8%
ARGON18 SUM PRO 1 0 1 0.8%
GIANT TCR 1 0 1 0.8%
BH ULTRALIGHT 1 0 1 0.8%
COLNAGO V3Rs 1 0 1 0.8%
Wilier Zero SL 1 0 1 0.8%
STEVENS XENON DISC 0 1 1 0.8%
COLNAGO V4Rs 0 1 1 0.8%
CANYON ULTIMATE CF SLX 0 1 1 0.8%
3T STRADA 0 1 1 0.8%
PARDUS SPARK EVO 0 1 1 0.8%
PROCYCLE Rennrad 0 1 1 0.8%
KOGA KINSEI 0 1 1 0.8%
SCOTT FOIL 2022 0 1 1 0.8%
Wilier FILANTE SLR 0 1 1 0.8%
PINARELLO F12 0 1 1 0.8%
Liv ENVILIV ADVANCED PRO 2022 0 1 1 0.8%
Liv ENVILIV ADVANCED PRO 0 1 1 0.8%
TREK EMONDA SLR 0 1 1 0.8%
FELT AR 0 1 1 0.8%
SPECIALIZED AETHOS 0 1 1 0.8%
LOSA AERO 21D 0 1 1 0.8%
合計 59 60 119 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

ここではディスクブレーキ仕様の普及率を見ていたが、ほぼディスクブレーキ化が整ったため、実質のモデル別の使用率となっている。台数の多いスペシャライズドが1位となっているのだが、具体的にはTARMAC SL7が驚異の23台使用されている。スペシャライズドのトライアスロンへの注力と2016年からいち早く、ディスクブレーキ化を進めていたことなどから結果に繋がっている。

スペシャライズドは、やはりMTBも含めた総合メーカーであることがディスクブレーキにも強く、シビアなカーボンコントロールが必要なロードバイクのディスクブレーキ化にもフィードバックが活かされている。

今や安全性向上は当然だが、エアロダイナミクスとの融合を期待しているメーカーも少なくない。もちろん、難しい開発とはなるが、ディスクブレーキありきではなく、総合的に進化させて来ている。

 

【パワーメーター】

ノンドラフティングのトライアスロンの場合、レースでは、ほぼ「一定」のマイペースを刻んで走る。一定にすることが最も効率が良い走りとなるからだ。では、その一定とは「何」を一定にするのだろうか。もちろん、速度ではない。ハートレートが一般的だったが、リアルタイムでペースを一定にできるのが、パワーメーターなのだ。ロードレースでは、タイプによるが、速度の加減速もあり、駆け引きというタイミングもある。それに対し、トライアスロンでは、練習からレースまでフル活用が可能となるだろう。もちろん、距離、コースにも影響はされるが、概ね「コンスタント」な走りがベストパフォーマンスに繋がる。電動変速システムDi2もトライアスロンでの使用は、大きなメリットがあったが、同様にパワーメーターもトライアスリートにこそ、必要なアイテムと言えるだろう。

男子 女子 合計 使用率
使用 50 52 102 85.0%
未確認 10 8 18 15.0%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

まずは使用率だが、これは恐らく100%と考えている。「未確認」としているのは装着の確認ができなかった台数だが、普段のトレーニング時に使用していないことは考えられないからだ。少なくともスマートトレーナーで確認はしているはずだ。また、WTCSのレースの特性上、ペースが一定でないため、当日必要ないということも言えだるだろう。クランク型の場合はそのままとなるが、ペダルの場合は簡単に交換ができる。

そして、確認できたパワーメーターは以下の通りとなる。

順位 ブランド タイプ 男子 女子 台数 使用率
1 QUARQ クランク 17 16 33 27.5%
2 SHIMANO クランク 12 7 19 15.8%
3 Favero ペダル 6 8 14 11.7%
4 GARMIN ペダル 4 6 10 8.3%
5 4iiii クランク 3 4 7 5.8%
6 ROTOR クランク 1 5 6 5.0%
7 POWER2MAX クランク 0 4 4 3.3%
8 SRM クランク 2 1 3 2.5%
9 wahoo ペダル 2 0 2 1.7%
PIONEER クランク 1 1 2 1.7%
11 SPECIALIZED クランク 1 0 1 0.8%
STAGES クランク 1 0 1 0.8%
13 未確認 10 8 18 15.0%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

クウォークの伸長率が凄かった。2018年では16.7%、昨年は21.7%からの27.5%は明かな勢いを感じる。スラムのコンポーネントが伸びていることとも大きく関係しているが、この数字には驚かされる。また、シマノも確実に伸ばし、昨年の12台から19台となっている。そして、3位と4位にペダル型が入っている。エイジ選手に人気のあるペダル型として、この2ブランドは、比較されることが多いと思うが、いずれにしてもペダル型となるケースも多いだろう。「ペダルグループと見た場合、合わせて24台となるため、タイプ別での使用率も要チェックとなるだろう。

 

【ビッグプーリー】

ビッグプーリーもトレンドと言われ久しいが、その後、動きはあったのだろうか。効果の大きさは、「体感」できる数少ないパーツでもある。回転時の抵抗が大きく軽減されることで、ペダリング効率を向上させている「アイデアパーツ」だ。ビッグプーリーは、チェーン、プーリーのベアリングの摩耗を抑え、最大の体感は、アウターローでの状態で確認できる。各社鎬を削りリリースしているが、プーリーケージ(本体)の剛性が大きなポイントとなるだろう。

男子 女子 合計 使用率
使用 6 9 15 12.5%
不使用 54 51 105 87.5%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

使用台数は、昨年と同じ15台ではあったが、選手数から見ると4ポイント近く落ちている。ただサンプル数が少ないため、何とも言えない結果でもある。今後も大きく流行ることはないかもしれない。リアディレーラーの改造パーツでもあるため、コンポーネントメーカーとの契約なども関係しているだろう。また、専属メカニックなどが帯同する場合は良いが、調整がシビアであったり、輸送に気を使うなどから敬遠されている可能性もある。ただ、使用率が少ないから悪いということではない。むしろ画期的なパーツと考えている。

順位 ブランド 男子 女子 使用台数 使用率
1 ceramicspeed 4 6 10 66.7%
2 NOVA RIDE 1 2 3 20.0%
3 KOGEL 1 0 1 6.7%
CyclingCeramic 0 1 1 6.7%
合計 6 9 15 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

少ない中での比較であるが、セラミックスピードが昨年より伸ばし、シェアを獲っていた。昨年から登場となっているノバライドも健闘、そして、超軽量となるサイクリングセラミックなどマニアックなパーツを使用する選手もいる。

 

【ワンバイ】

スラムの専売特許とも言える「ワンバイ」は2018年のコナで19台確認、翌年2019年では、63台に増えていた。その63台のうち20台はプロ選手の使用となる。このパーツが普及の兆しを見せているのは、スムースで単純な変速動作とそのデメリットが少ないことが挙げられる。ワンバイは単純にフロントをシングルにして、ディレーラーを外しただけではない。それをすればすぐにチェーンが脱落してしまう。スラムだからこそできているシステムとなる。チェーンとチェーンリングの噛み合いをX-syncという構造で極めてマッチングの高い造りとなっている。写真と同じ状態で使用する選手も多いが脱落防止パーツを取り付けることもできる。

現在、アイアンマンの世界ではこのシンプルな構造と見た目が新しいトライアスロンバイクの姿として注目を集めている。

男子 女子 合計 使用率
使用 3 1 4 3.3%
不使用 57 59 116 96.7%
合計 60 60 120 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

結果は、昨年から1台減っての4台だったが、男子の1台は優勝のワイルド選手のバイクだ。実は昨年も優勝のイー選手も使用するなど、結果としての勝率は高い仕様と言える。KONAでは増加傾向にあるが、一昨年初めて確認し驚いた。まだビッグプーリー同様、大きく伸びることはないがこれもスラムらしさであり、一般選手には大いに推奨できるシステムだ。明かにストレスフリーとなる変速動作が最大のメリットだ。

 

最後に。

ショートの世界最高峰シリーズが手軽に横浜で見られることに興奮する。身体とともに研ぎ澄まされた無駄のないバイクのセッティングは面白い。選手の考えもあるだろう。メーカーの意向もあるだろう。いずれにしてもグローバルの動きを感じることができるWTCS横浜は面白い。

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=45211

 

 

「トライアスロンにおけるスペシャライズドの勢いは止まらない。

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka