第41回全日本トライアスロン皆生大会 Race Photo – 2/3(Scene 273)

皆生のレースシーンをPhotoで振り返る。(バイク編)

皆生大会そのものとも言えるバイク。距離は140kmだが、そのハードなコースに選手たちの顔が歪む。また、風が強かった。序盤、気持ち良くスピードを上げたい川沿いでは向かい風となった。そして、気温は8時の時点で32℃近い。ここからが、皆生の本当の厳しさを思い知ることになる。今回、完走率は70%を切ってしまったが、バイクをフィニッシュできた選手は、80%を切っていた。皆生を制するためには、まずバイクということになる。

7時45分、トップ選手がバイクに移った。

To be continue

 

 

 

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「完走のためには徹底したバイク強化が必要。」
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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

第41回全日本トライアスロン皆生大会 Race Photo – 1/3

皆生のレースシーンをPhotoで振り返る。

朝4時半、まだ暗い中、早い選手はすでにバイクをラックにかけている。この時点では波は「ゼロ」だったが、風が強いなと感じた。レースに影響しなければ良いのだが。今年は完全復活のフルディスタンス。宮古島もそうだったが、昨年は「距離が短いのでイケるかもしれない」との声は少なくなかった。今年は簡単ではない。本来の「鉄人皆生」を制覇する時がやって来た。各選手は笑顔の中にも緊張感を感じる。その緊張感もロングならではのもの。楽しんでほしい。

7時、スイムを2グループに分け、レースがスタートとなった。

To be continue

 

 

 

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「スイムは、3種目で唯一楽しめた時間だったかもしれない。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

第41回全日本トライアスロン皆生大会 Race Recap

第41回全日本トライアスロン皆生大会(皆生トライアスロン協会主催「スポーツ振興くじ助成事業)が開催された。

昨年3年ぶりの開催となったが、今年は距離もほぼ戻り、フルディスタンスとして本来の皆生大会が戻って来た。皆生トライアスロンは日本の原点、そのステイタスを高める厳しいコースと優しいボランティアたちに支えられてゴールを目指す大会。

昨年の荒れた海は、今年はベタナギで泳ぎやすく、水温も冷たいということはなかったようだ。そして、皆生の名物はまず「灼熱」となるが、これは変わらず厳しかった。気温は37℃近くを記録し、選手たちは「サバイバル」の様相となった。まさに「自分自身」との戦いそのものだったのではないだろうか。

また、「アップダウンしかない」と言うイメージしか残らないバイクコースも皆生そのものの魅力となっている。実際にはフラットコースもあるのだが、アップダウンやテクニカルのイメージが強烈に残る。この暑さと坂のことが、レース後、最も話題になっていたのではないだろうか。厳しいレースだからこそ、ゴール後の感動が大きい。

そして、「もう一つの皆生」。ボランティアの多さも売りの皆生だが、今回は集まりが悪く運営も大変だったようだ。これは皆生だけに限ったことではなく、長崎は距離を短くしたり、これから開催の佐渡も追われているようだ。国内トライアスロン全体の問題にもなっている。それでも熱き選手、熱きスタッフ、そして、それを見守る地元の人々によって開催ができている。

皆生は、本州唯一のロングトライアスロン。道路使用など新規開催は極めて難しいロングであり、島以外での開催を継続している。レース開催時間は14時間30分、当然その前後に準備時間も必要だ。会場周辺の人々にとって必ずしも100%のウェルカムではないのかもしれない。それでも「発祥の地」を守り続けている。

PS.エイドステーションには「OS-1」があった。当初、非常時としての対応だったようで、10年ほど前からやっているそうだ。以前はランだけだったが、今回はバイクからは出されていた。それだけの暑さが予想された。熱中症対策としてありがたい。

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以下、リキャップとなる。今年も暑く、熱い大会となった。Photoレポートは後日あらためて。

■第2の復活

昨年、コロナ禍も落ち着き、3年ぶりに再開されたがコースは短くなった。理由はボランティアが集まらず、短縮となってしまったのだ。更に、波が高くスイムは中止、第1ランに変更しデュアスロンとして開催された。距離にしても、波にしても仕方ない。誰のせいでもないのだが、残念に思う選手は多かっただろう。

そんな昨年からついに今年は、本来のフルディスタンスとして「完全復活」となった。毎年開催していても当たり前のことではなく、継続は大変なこと。特に不測の世界情勢となり、トライアスロンどころではなかっただろう。そんな中でも早い完全復活は、関係者すべての希望であり、皆生、鳥取の元気でもあった。選手は待望のフルディスタンスに沸き、昨年の「ミドル感覚」とは違う意識で準備をして来たはずだ。

皆生のルーツはアイアンマン。40回以上開催されていてもまだ周知されていないかもしれないが、当時ホノルルで開催されていたアイアンマンがモデルであり、そのマニュアルによって開催された。アイアンマンは、スイム3.9km、バイク180.2km、ラン42.2kmの226.3kmで開催されていたため、皆生としても「ロングが基本」と言うことだった。皆生の第1回は、スイム2.5km、バイク63.2km、ラン36.5kmで開催、徐々に距離が長くなり、バイクが130kmとなった1986年第6回大会以降からが本格的なロングとなった。

■Distance

今回前述の通り、距離設定は、ほぼコロナ禍前に戻り、スイム3km、バイク140km、ラン40kmでの開催となった。昨年に比べるとバイク25km、ラン8km、合計33km延びたことは、バイクコースと暑さから「全くの別物」と捉える選手が多い。

あと距離を「ほぼ」としているのは、ランが42.195kmではなかったということだ。選手の捉え方はそれぞれで、「少しでも短い方が良い」「どうせならフルマラソンが良い」など賛否の意見はあった。

ランコースが短くなったことは、昨年からの「弓ヶ浜」コースに関係している。以前は国道431号線を渡らなかったが、昨年から景色の良い弓ヶ浜サイクリングコースを使用しているため、ラン序盤で国道を地下道で渡し、一度海側へ出てしまう。そのためコース取りのエリアが限られてくるからだ。昨年より8km伸びたランコースは、サイクリングコースの先にある竹内団地まで延長するカタチで距離を稼ぐ設定となっているが、そこもレイアウトはいっぱいということなのだ。

実際に走ったデータでは、40.8~40.9km程度になっている選手が多かったようだ。

■Course

スイムコースは、2019年同様に皆生温泉海岸をワンループで泳ぐ3km。海岸に沿って泳ぎ、中間地点で一度上陸、スタート地点に戻るコース。今回スタートを2組に分けたウェーブスタートで5分間の時差としてる。組分けは都道府県別とし、招待選手は第1ウェーブでスタートとなる。コースは分かりやすい単純な設定だが、沖から上陸する中間地点、再び沖に戻るあたりのコースブイなどが見ずらく泳ぎづらかったとの声もあった。

バイクコースは、ほぼ従来通りの名物コース「大山&ジェットコースター」となっている。ここでの「ほぼ」は新しい道路などの関係から距離は140kmをキープしつつ、僅かに変更が入っている。140kmという距離は、他のロングと比べると短いことを感じるが、アップダウンを考えるとそれ以上の距離に匹敵すると言っても良いだろう。

ランコースは、序盤、終盤は街中を走り、中盤で海岸エリアを走るコースで、全体的には、概ねフラットのスピードコースでもある。途中には序盤で歩道橋や地下道、終盤で跨線橋もあるが、それよりも「暑さ」が最大の敵となる時間だ。前述の通り、昨年からの新コースを8km延したため、最も離れた地点の竹内団地を「あみだくじ」のように走り稼いでいる。

■Weather

まずは、ご覧の通り、最高の「夏空」でキラキラしていた。皆生の象徴の「大山」が鮮明に見え、地元の人々さえも「今日は大山が綺麗に見えるな」と口々にしていたくらいだった。夏のトライアスロン、最高の絵になる始まりだった。

スイム会場の波はベタナギで、波高は0~0.4m、「気持ち良く泳げた」「楽しかった」など、昨年とは打って変わってのコンディションだった。朝から風はあったが、波にあまり影響がなく、無事に終えている。

バイクをスタートする頃には、陽射しも厳しくなり、予報通りの厳しい暑さが予想された。そして、ここで風が影響し始めていた。序盤の日野川沿いでは向かい風となった。8:00時点では平均5.3m/s、最大瞬間8.5m/sも記録されているが、その後のコースでは、時間帯にもよるが、概ね大きな影響はなかったと感じている選手が多かった。逆に帰りの川沿いは追い風になり、帳消しと言ったところだろうか。

ランは「灼熱」だった。35℃を超えたのは10:50、その後、35℃を切ったのは6時間後の16:50だった。最高気温は、36.7℃で12:40と14:40に記録している。トップ選手のランスタートに合わせるように最高気温となった。日陰はなく、37℃近い気温の中を淡々と走り続ける選手たち。ただただ感服だった。そして、朝から吹いていた風は、最後に味方をしてくれた。

今回、「気温37℃、リタイヤ者過去最高か」などが話題となっているが、この過去5回の取材の中では最も暑かった。ただ湿度が低かったことが幸いした。12:00の時点で38%と低く、息苦しさは少し抑えられたのではないだろうか。過去を調べると概ね50~70%あり、2019年では、11時頃まで小雨となり、湿度は80%を超えていた。風がなかったら更に厳しいレースとなったはずだ。

※気象情報:鳥取地方気象台米子地区 2023年7月16日10分毎

■原点回帰

皆生は国内発祥だけではない。古き良きトライアスロンの象徴的な「同伴ゴール」が許されている数少ない大会でもある。更にゴールテープを切る、最後まで一緒にゴールができる。家族、仲間とともにゴールしてくる選手の姿は「原点」そのものだ。厳しいコースと暑さに抗いながら、険しい表情で走ってきた選手たちも、ゴール前では満面の笑みとなる。自身も頑張り、それを長い時間待っていてくれた人たちとのゴールはやった人しか分からない感動が待っている。

そして、ゴール後は、選手も同伴者も興奮しているのだろう。「選手はこちらへ、同伴の方はこちらへ」とボランティアの人たちも大変なのだ。ただただ、選手に喜んでもらうためにやっている。

■Race Result

皆生が終わった。

井邊選手、高橋選手、男女ともに3連覇となった。全体的には厳しいレースとなった。完走率が7割を切るという結果だった。暑さも影響しただろう。また、今回バイクでのリタイヤ者が多い。バイクフィニッシュは8割を切っていた。やはり、暑さとともに「バイク強化」が完走への大きなカギとなるだろう。

【第41回全日本トライアスロン皆生大会】

《日時》2023年7月16日(日)7:00~21:35

《参加選手》※個人の部

応募総数 1097名(競争率1.12倍)

総エントリー数 / 最終出走者数 982/932名

完走者数 / 率 633名 / 67.9%

《総合男子》

1位 井邊 弘貴   No.005    8:12:36(S46:07/B4:13:59/R3:12:30)※3連覇
2位 荒瀬 壮兵   No184     8:24:32(S54:43/B4:12:16/R3:17:33)
3位 福田 宰       No.508    8:48:02(S53:58/B4:28:36/R3:25:28)

《総合女子》

1位 髙橋 真紀      No.008    8:53:21(S46:11/B4:40:35/R3:26:35)※3連覇
2位 寺木 佐和子  No.010    9:55:41(S53:30/B5:01:29/R4:00:42)
3位 伊藤 あすみ  No.014  10:30:12(S57:20/B5:25:05/R4:07:47)

全ての記録:https://systemway.jp/23kaike

 

 

 

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「暑く、熱い皆生の夏が終わった。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】第41回全日本トライアスロン皆生大会

第41回全日本トライアスロン皆生大会。今年も熱い夏がやってくる。昨年再開された皆生大会だったが距離が戻り、完全復活となる元祖「鉄人レース」が開催される。国内4ロングの一角であり、コースと暑さが厳しいレースだ。

今年の大きな変更点は一つ。距離がほぼ戻っているということだ。ほぼというのは、ランが2.195km短い設定となっているためだ。種目で見るとスイムは2組に分けてのローリングスタートとなる。バイクは、皆生の富士山「大山」を上るコースが帰って来た。ランは2019年のコースに近いが、昨年から採用されているシーサイドの「弓ヶ浜サイクリングコース」はそのまま、その先の「竹内団地」まで伸ばしている。また、終盤は往路、復路同じだったが並行したコースで分けている。

皆生は、日本のトライアスロンの歴史を紐解く大会でもある。オアフ島で開催していたアイアンマンの運営マニュアルを取り寄せ開催された「日本のアイアンマン」でもあるのだ。そんな歴史を感じさせてくれる最古の大会は、レベルが高い。安全第一の中で選手の実力が大きく関係してくるため、抽選ではない。厳正な書類選考の元、出場権を獲得することができる。1980年代の国内創成期の感覚が残る唯一の大会と言っても良いだろう。

今年で41回目となる歴史ある皆生は、地元にとっても「名物」であり、守られて来た。そのカタチがボランティアの多さに驚かされる。特に子供たちが多く、そんなボランティアの前では頑張らざるを得ない、大きな力をもらえる大会だ。

昨年のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=41470

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■開催日 2023/7/16(日)

■競技

スイム3km / バイク140km / ラン40km

※詳しくは、http://www.kaike-triathlon.com/

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「2017年から取材スタート、今年もきっと熱い鉄人レースとなるだろう。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

HIGASHIMIKAWA 2023

■Contents

Higashimikawa IM70.3 GERONIMO Analysis
Higashimikawa IM70.3 GERONIMO COUNT
Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Run 124 ~
Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Bike 142 ~
Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Swim 47~
Higashimikawa IM70.3 Race Recap Report
Higashimikawa 70.3 Bike “ Smile ” Check in
Higashimikawa IM70.3 Expo
【取材予定】アイアンマン70.3 東三河ジャパン in 渥美半島

Higashimikawa IM70.3 GERONIMO Analysis

HEDのJET180が装着されていた。KONAのレギュレーションをクリアする究極の「KONA用ディスク」。昨年のKONAでも話題となっていた最新ホイール。

 

3年ぶりの国内アイアンマン70.3バイクカウント6回目となった。

バイクカウント自体はすでに発表した通りだが、ここではその中身を分析している。2015年から2019年までカウントしたセントレアでは、トライアスロンバイク比率が高い特徴的なレースだった。ショートとロングに間に位置するミドルは様々な可能性を持っている。ショートからの挑戦、ロングからの調整レースなど、幅広く「トライアスリート模様」の見える象徴的なレースなのだ。

したがって、このカウントと分析も重要となるミドルディスタンスであることと更に「アイアンマン70.3」の復活など、国内トライアスロンを推し量る上で極めて重要なレースと捉えている。今回のコース設定は、ミドル、フラット、そして、ワンループからバイクへの注力が「DHポジション」への意識とともに高まっていたことも伺える中での結果と見ている。

いずれにしても3年ぶりに開催された世界シリーズであるアイアンマン70.3で使用されたバイクはどんなバイクだったのか。機材は何を語ってくれるのだろうか。

【ブランド別使用率】

詳細:GERONIMO COUNT

順位 ブランド 使用数 使用率
1 SPECIALIZED 101 15.1%
2 cervelo 95 14.2%
3 TREK 86 12.8%
4 ceepo 59 8.8%
5 CANYON 28 4.2%
6 FELT 26 3.9%
cannondale 26 3.9%
8 PINARELLO 23 3.4%
9 GIANT 19 2.8%
BMC 19 2.8%
その他計 185 27.6%
不明 1 0.1%
未確認 3 0.4%
合計 671 100.0%

※Counted by Triathlon GERONIMO

スペシャライズド、サーヴェロ、トレックの「3強」となった。

大手ブランドが占めているが、4位シーポも国内ではトップブランドになる。そして、5位には注目株のキャニオンが入っているが、予想に反して少なかった。世界の動きのイメージでは、4位以内も期待された。6位フェルトは、間もなく「新型IA」のデリバリーなど発表されるのではないだろうか。これも期待のブランドとなる。

Learn More:Higashimikawa IM70.3  GERONIMO COUNT

≪TOP10シェア≫

年度 総台数 TOP10台数 使用率
2023 671 482 71.8%
2018セントレア 1591 1109 69.6%

※Counted by Triathlon GERONIMO

トライアスロンバイクをリリースするメーカーは限られているため、Top10ブランドへの集中傾向は強くなる。5年前のセントレアとの単純比較となるが、やはり、そのトレンドが確認される。今年の宮古島では74.3%、そして、昨年のKONAでは一気に伸ばし、83%を超えているため、まだ世界との差はあるが、進む傾向となるだろう。

「トライアスロンバイク」は車で言えば「F1」となる。スピードに対する究極のマシンを造るためための研究、開発が必要になる。昨今では更に、フューエル、ストレージ、そして、パッキング対応も含めたユーザビリティー向上も求められている難しいバイク。大手の総合メーカーではトライアスロンバイクの出荷台数の比率は少ないだろう。それでもそこに注力することは、そのメーカーの技術力のアピールであり、大きな信頼につながってくる。そんな夢を追いかけるバイクでもある。

 

【トライアスロンとロードの比率】

トライアスロンバイクとロードバイクをどちらにするかは、いくつかの理由がある。もちろん、ここでは競技面から考えなければ行けない。まずは、レースに向けて練習して来たバイクで走ることが鉄則だろう。東三河は、概ねフラットコースとなるため、理論的にはトライアスロンバイクが向いていることにはなるが、普段から練習で使っているバイクが基本だ。仮に練習はロードバイク、レースはトライアスロンバイクと変えていては、良いパフォーマンスは見込めない。バイクに限らず、練習とレースの差を極力なくすことが重要となる。

選手の動向としては「ミドル出場」を決めた時にトライアスロンバイクの導入を検討する選手が少なくない。やはり、距離が長くなるため、よりDHポジションに特化した専用バイクを考えるのだろう。ミドルを目指す時点で練習も増えることになり、順当に行けば、問題なくトライアスロンバイクも乗りこなすことができるはずだ。「乗りこなす」としたが、トライアスロンバイクはピンポイントポジションとなるため「遊び」がなく、一定量の練習を積まなければ、デメリットが先行する可能性があるということなのだ。フィッティングによりポジションの見直しなども必要となる。選択理由は一つではなく、選手それぞれだと思うが、結果は以下のようになっている。

年度 使用台数 Triathlon 比率 Road 比率
2023 668※ 364 54.5% 304 45.5%
2018セントレア 1590※ 682 42.9% 908 57.1%

※Counted by Triathlon GERONIMO

※未確認除く

結果は、トライアスロンバイク比率が大幅に伸びていた。この5年間で徐々に伸びていたと思われるが、宮古島並みとなっている。今年は宮古島も57.1%まで伸ばしているためその傾向は東三河においても伺われる。前述の通りだが、乗りこなしは簡単ではないトライアスロンバイクを選んでいることは、競技をより真剣に楽しむ選手、競技志向の強いエリート選手が増えていると言い変えることができ、トライアスロンへの盛り上がりを示す一つの指標とも言えるだろう。

≪TOP10ブランドのトライアスロンバイク比率≫

順位 ブランド 総台数 使用数 使用率
1 cervelo 95 86 90.5%
2 SPECIALIZED 101 62 61.4%
3 ceepo 59 43 72.9%
4 TREK 86 37 43.0%
5 CANYON 28 27 96.4%
6 BMC 19 18 94.7%
7 FELT 26 17 65.4%
8 cannondale 26 10 38.5%
9 ARGON18 7 7 100.0%
10 QR 6 6 100.0%
合計 453 313 69.1%

※Counted by Triathlon GERONIMO

TOP10ブランドのトライアスロンバイク比率は、約70%となっている。そこには上位4ブランドのサーヴェロ、スペシャライズド、シーポ、トレックが大きく貢献している。そして、次世代ブランドのキャニオンもすぐそのグループに入ってくることだろう。

そんな中でもサーヴェロは、やはり「トライアスロンバイク」としての強さが際立っている。ほとんどトライアスロンバイクが使用されていた。そして、キャニオンやBMCも絶対数は少ないものの、比率は極めて高く、「トライアスロン色」が出ている。

 

【ディスクブレーキ率】

2021年から注目しているのが「新型率」だった。コロナ禍があり、その数値の比較は単純には出来ないが、推移を確認している。その手段として「ディスクブレーキ仕様」のバイクをチェックしている。

ディスクブレーキは概ね早いメーカーで2016年モデルから始まり、2018年から2020年でそのフェーズに入った。2020年以降では「遅い」と言えるのだが、昨今の事情も相まって、遅れたメーカーも少なくない。大会の中止とともに、生産の優先順位、材料、パーツ調達の困難など、向かい風が厳しくなってしまった。

そんな状況もかなり落ち着きを見せ、デリバリーの遅れも安定しつつある。「2024年モデル」と言われるこの時期では、カウントデータの信憑性も高まってくるだろう。トライアスロンバイクでは、単なるディスク化ではなく、全体からの見直しが必要なため、ディスク化というよりは新しいコンセプトのもとに新型がリリースされているため、時間はかかったが、ほぼ出揃った感となっている。

そもそもディスクブレーキ化は必要なのか、数年前まで議論されたことだが、全ては安全性と考えている。その前に行なわれていたのが「ホイールの強化」だった。路面と接しているのはホイールであり、制動力はブレーキだけではなし得ない。その意味では、より安全性の高まったバイクが増える傾向にもあるということはとても大切なことなのだ。

大会 Disc 比率 Rim 比率
TA RD TA RD
2023
東三河668台 136 103 239 35.8% 227 202 429 64.2%
宮古島1111台 227 121 348 31.3% 407 356 763 68.7%
2022
佐渡 974台 142 84 226 23.2% 371 377 748 76.8%
皆生 986台 71 98 169 17.1% 311 506 817 82.9%
彩の国345台 60 52 112 32.5% 87 146 233 67.5%
石垣島1010台 240 23.8% 770 76.2%

※Counted by Triathlon GERONIMO

※未確認除く

結果は上表の通り。ディスクブレーキ仕様となったバイクは、35.8%だった。高い数値と感じている。2ヶ月前の宮古島より多く使用され、昨年のKONAでも36.7%だったことからも言えるのだ。もちろん、時間経過により新規参加や買い替えなどから自然増とはなるのだが、「ディスクブレーキ化」そのものは概ね順調と言ったところだろうか。

また、機材をヒントに「選手像」をイメージすると様々な仮説が成り立つ。ディスクブレーキ比率が高まっているということは、比較的新規のトライアスリートが増えている可能性があル。そして、より楽しむために買い替えたりすることで高まっているということが考えられ、良い傾向であるということは言うまでもない。

 

【人気のバロメーター】

ディスクブレーキ率について述べたが、まさに「今」選ばれている人気モデルの一つの指標と言えるだろう。単に台数の多少ではなく、その中身として、最近の新しいバイクがどの程度含まれているのかが重要と言えるだろう。ここでは、具体的にディスクブレーキ仕様のバイクをランキングしている。

ブランド 総台数   ディスク
TA RD 合計 使用率
1 SPECIALIZED 101 31 24 55 54.5%
2 cervelo 95 44 4 48 50.5%
3 TREK 86 10 21 31 36.0%
4 ceepo 59 16 5 21 35.6%
5 CANYON 28 11 1 12 42.9%
6 PINARELLO 23 3 7 10 43.5%
7 FELT 26 5 3 8 30.8%
8 MERIDA 14 0 6 6 42.9%
9 ARGON18 7 5 0 5 71.4%
10 BMC 19 4 0 4 21.1%
その他計 210 7 32 39 18.6%
合計 668 136 103 239 35.8%

※Counted by Triathlon GERONIMO

※未確認除く

結果は、スペシャライズドの1位だった。総台数も多く、早くからディスクブレーキ化を進めて来たブランドだけに当然の圧勝であるが、安定と勢いを感じる。ディスクブレーキのトライアスロンバイクを見るとサーヴェロが1位であることも、さすがのキングサーヴェロとは言えるだろう。ただ、スペシャライズドのロードにはWTCS御用達のTARMACがあり、まさに「二刀流」の強さも見せている。

また、ロードがメインでランクインしているのがピナレロとメリダだ。ピナレロは言うまでもない、ロードのキングであり、トライアスロンのサーヴェロにあたると言っても良いだろう。国内トライアスロンではTOP10のレギュラーブランドで、DOGMAを筆頭に人気が高い。メリダは各レースでも使用率が高くなって来ていたが、予想外のランクインで今後注目が必要なブランドとなった。

 

【最後に】

そして、次に気になるのが、ロードバイクの動きとなるだろう。

宮古島、東三河を見ると「トライアスロンバイクの勢い」を感じ、前述の通り、良い傾向だと思っている。ただ、十分に乗りこなすことは簡単ではなく、ブランクがあればやはり、ベストフィットとは言えなくなってしまう。そして、高齢化が進む国内トライアスロンにおいては「ロードバイク」の見直しも必要ではないだろうか。

ブランド、モデル、そして、価格など選択肢が多く、身体的制限が少ないロードバイクの中に自身に合うものがあるかもしれない。その可能性は常に考えておくことが大切となるだろう。トライアスロンバイクはヘッドを短くし、ハンドルを低くすることが「できる」ことが最大のメリットで、結果として速く走ることが可能となる。ただ、低くすることで「首」への負担を感じている選手も少なくない。

レース会場でも見かけるがSHIVやP5でサドルよりDHバーのアームレストが高くセッティングされているバイクを見ると感じてしまう。安全性を考えると2秒以上は下を向いて走行することはできない。そんなストレスを感じていないだろうか。無理なく、また、そのバイクの本来の美しいセッティングを考える場合、ロードバイクが向いているかもしれない。

 

 

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Higashimikawa IM70.3 GERONIMO COUNT

東三河におけるブランド別バイクシェアとなる。

前提としては、まずは、国内ではあるが、世界シリーズの「IRONMAN70.3」であることから始まり、第1回大会、ミドル、コース設定、時期などとなるだろう。大会の横の比較は単純にはできない。その大会が回を重ねた場合、その推移などから今後の注目ポイントが見えてくることになる。

今期の取材で言えば、4月宮古島、5月横浜、そして、6月東三河の3大会において、「SPECIALIZED」は第1位となっていて、昨年から続いている流れとなる。諸条件はあるにしても、使用率の強さは確かなブランドだ。モデルとしてはSHIVが圧倒的に多く、ディスクブレーキ率やトライアスロンバイク率も同時に高まる結果となる。

まずは、今年の結果は以下の通りだった。

第1位 スペシャライズド 101台
第2位 サーヴェロ 95台
第3位 トレック 86台
第4位 シーポ 59台
第5位 キャニオン 28台
第6位 フェルト 26台
同率第6位 キャノンデール 26台
第8位 ピナレロ 23台
第9位 ジャイアント 19台
同率第9位 BMC 19台

スペシャライズド、サーヴェロ、トレックの「3強」となった。

大手ブランドが占めているが、4位シーポも国内ではトップブランドになる。そして、5位には注目株のキャニオンが入っているが、予想に反して少なかった。世界の動きのイメージでは、4位以内も期待された。6位フェルトは、間もなく「新型IA」のデリバリーなど発表されるのではないだろうか。これも期待のブランドとなる。

同率6位キャノンデールは現在トライアスロンバイクを生産していないが、ロードのシステムSIXやトライアスロンバイクのSLICEなど根強い人気がある。8位ピナレロは、ロードとしての人気は極めて高い。2018年KONAデビューとなったBOLIDE triも高額ながら人気は高く、大会でも目立って来ている。

9位ジャイアントは唯一リムブレーキ仕様の旧型トライアスロンとなるが、ブルンメンフェルトのカデックスTriが注目となっているため、今後はグループとしての注目度が高くなるだろう。同率9位BMCはトライアスロンバイク比率の高いブランドで現行はデビュー後、安定した人気となり、上位ブランドの常連となっている。

次は、ディスクブレーキ率やトライアスロンバイク率などから各ブランドの「現在の人気」が見えてくる。後日詳細分析としてお知らせしたい。

 

順位 ブランド 使用数 使用率
1 specialized 101 15.0%
2 cervelo 95 14.1%
3 trek 86 12.8%
4 ceepo 59 8.8%
5 canyon 28 4.2%
6 felt 26 3.9%
  cannondale 26 3.9%
8 pinarello 23 3.4%
9 giant 19 2.8%
  BMC 19 2.8%
11 BS 17 2.5%
12 scott 14 2.1%
merida 14 2.1%
bianchi 14 2.1%
15 kuota 11 1.6%
16 colnago 10 1.5%
17 argon18 7 1.0%
18 QR 6 0.9%
19 wilier 5 0.7%
liv 5 0.7%
dimond 5 0.7%
22 neilpryde 4 0.6%
look 4 0.6%
garneau 4 0.6%
focus 4 0.6%
BH 4 0.6%
27 ridley 3 0.4%
fuji 3 0.4%
derosa 3 0.4%
boma 3 0.4%
31 ventum 2 0.3%
TNI 2 0.3%
time 2 0.3%
orbea 2 0.3%
khodaabloom 2 0.3%
kestrel 2 0.3%
intermax 2 0.3%
corratec 2 0.3%
carrera 2 0.3%
avedio 2 0.3%
41 tommasini 1 0.1%
storck 1 0.1%
parlee 1 0.1%
panasonic 1 0.1%
origine 1 0.1%
NCcube 1 0.1%
maystorm 1 0.1%
leopard 1 0.1%
lemond 1 0.1%
lapierre 1 0.1%
karbona 1 0.1%
gerworks 1 0.1%
factor 1 0.1%
cube 1 0.1%
chapter2 1 0.1%
centurion 1 0.1%
calfee 1 0.1%
Bike&Hike 1 0.1%
baum 1 0.1%
athlete company 1 0.1%
astuto 1 0.1%
antares 1 0.1%
amanda 1 0.1%
alpha6 1 0.1%
3T 1 0.1%
不明 1 0.1%
未確認 6 0.7%
合計   674 100.0%

※Counted by Triathlon GERONIMO

 

【GERONIMO COUNT】

2015年からスタートし、9年目に入る。元々KONAで30年以上行われていた「バイクカウント」で、ブランド別の使用率は、毎年話題となり、各メーカーがトライアスロンバイクの開発ターゲットと位置付ける大会として、重要な意味があった。Triathlon GERONIMOでは、そのKONAをメインとし、国内外の主要大会のカウントからバイクトレンドを分析している。

頂点でもある前回2022年のKONAでは、約5000台のバイクを14時間(2日間)近くをかけてカウントしているが、単にブランド別使用台数などは面白くない。重要となるのは、その先であり、トライアスロンバイクとロードバイクの比率やDHバー装着率、新型使用の目安となるディスクブレーキ比率などから見えて来るものがある。以前は、「Di2使用率」であったり、ホイールの「リムハイト」など、大会の特徴に合わせ、チェック項目も変えながら、分析している。

そして、日本国内では、選手層、練習環境、レースのコース、ディスタンスなどから、必ずしもそのままのトレンドではない。国内ではそこに「年齢層」も大きく関係してくるのだ。逆に、世界と国内の違いが面白い。前提や条件を確認した上で捉える一つの指標である。

 

 

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「 バイクはブランドだけではなく、目標、練習量、そして、フィッティングから選ぶことが大切。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Run 124 ~

東三河のレースシーンをPhotoで振り返る。

バイクのトップタイムは2時間17分だった。ランも概ねフラットコースとなるが、三河港大橋で上りが出てくる。AID4とAID8では名産のメロンあり、エイドステーションも楽しみたい。やはりトライアスロンはラン勝負。人との勝負もあれば、自身との勝負でもある。それでも笑顔を絶やさず頑張る選手たち。ラスト持てる力を出し切って、楽しむ姿に感動を与えてもらった。

そして、あらためて振り返ると外国人の多さは、やはり国際大会「IRONMAN」であることを再認識する。アイアンマン70.3の復活は、日本人トライアスリートへの刺激にもなり、国内の活性化にも繋がることを期待したい。

お疲れ様でした

 

 

 

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「最高の笑顔をありがとうございました。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Bike 142 ~

東三河のレースシーンをPhotoで振り返る。

スイムトップは25分20秒でフィニッシュ。今回のレースはダイナミックなバイクコースが話題となっていた。周回は応援しやすいが、走るのは選手たち。やはり選手が楽しめるワンループコースは理想的だ。概ねフラットコースで風も無かった。ただ50km地点には13%の坂が待っていた。ほぼ中間地点であり、渥美半島先端の最も美しいポイントとなる。

7時52分、バイクトップが通過する。

トップ通過前、13%の坂を何度も上りながら、メディアや観戦者に情報を伝えてくれた

Next is “ RUN ”

To be continue

 

 

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「良いコースだが楽ではない。」
BOSS-N1-S

Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Higashimikawa IM70.3 Photo Report ~ Swim 47 ~

東三河のレースシーンをPhotoで振り返る。

朝4時、トラジットがオープンとなった。まだ薄暗い中、選手たちの準備が始まる。バイクメカニックもトラブル対応としてスタンバイしている。天候に恵まれたことで、選手たちの表情も明るい。雨なし、波なし、風なし、絶好のコンディションをマイポジションから泳げるスイム。初ミドルの選手も不安を感じることは無かっただろう。

6時レースがスタートとなった。

Next is “ BIKE ”

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「トライアスロンのゴールは2つ。まずはスイムを無事終えること。」
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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka