カテゴリー: 1 Journal – IRONMAN World Championship
vol.37 フロントハイドレーションTOP5
やはり、注目されていたハイドレーション。こでは、フロントに限らず、全体について述べている。
スペシャライズドSHIVに始まったハイドレーションに対する各メーカーの動きが大きくなってきた。ハイドレーションとなると「水分補給」となるが、当初よりお伝えしてしていた、「フューエル」「ストレージ」についてということになる。例年バイク及び関連機材のカウントをLAVAmagazineが行っているが、2010年からカウントが始まっていた。当初は、「DHバーに付けるストロー付きのボトル」ということでカウントされていたと思われる。2012年からは「フロントハイドレーション」と「リアハイドレーション」に分けてカウントされ、今年は、更に「フレームハイドレーション」も追加、選手のより一層の「快適化」と「メーカー開発」のカギとなる、新たなキーワードとなっている。細かい話だが、当初は「製品」をカウントしていたが、DHバーの間にボトルケージを「何らかの方法」で固定する、ということもカウントされているのだ。メーカーによっては、簡単な板状のものをタイラップなどで固定し、そこにボトルケージを付けている。これらは、一瞬で通過する選手のバイクからメーカーの判断は難しいため、一括りでカウントされているのだ。また、そこに「製品が存在しない」状態もある。今年目立っていたのが、サドル下に付けているボトルケージで、この取付方法は、タイラップで止めているだけなのだ。「取付機材0g」という軽量で簡単な取付なのだ。いずれにせよ、トライアスロン界にとってしばらく話題の「キーワード」となるだろう。それと大事なことは、それらの「容量」で、適当にたくさん付ければ、重たくなるだけ。「何を、どのように、どのくらい」獲るのか、練習時からしっかりした「シュミレーション」が必要。

【第1位 PROFILE DESIGN 601個】

【第2位 X-Lab 242個】

【第3位 ZipTies 154個】

【第4位 Torhans 81個】

【第5位 Speedfil 71個】
vol.36 ヘルメットTOP5

ヘルメットは、ダントツのルディプロジェクトだった。
昨年からの動きとして、「ショートTT」が顕著だった。ロングテールのTTヘルメットは影を潜め、以前からショートを提案しているルイガノなどが注目となっていた。そこにルディプロジェクトの圧倒的な「プロモーション」もあり、一気に増えたのだ。昨年、「グリーンとピンク」でその存在感を印象付けた。残念ながら、火付け役となったルイガノは元気がないが、元々、ヘルメット、シューズ、そしてウエアでも実力と人気のあるブランドだけに巻き返しが楽しみだ。そして、もっと気になることは、「Air Attack vs Bambino」で、昨年、大きく話題となった「丸っこい」ヘルメットは、どうなったのか、ということだが、完全に「大きな傾向」と見た。モデル別の個数は確認できていないが、大いに目立っていた。トップ画像に出ているのが、バンビーノだが、そのバンビーノのカスクは7位のシェアで39個、まだ数としては少ないが、来年は必ず増えるだろう。一方ジロの復活はこのエアーアタックによるものと言っても良い。エイジ選手も含め、使用されている。そんなヘルメットが、「今のハワイ」なのだ。

【第1位 Rudy Project 654個】
ヘルメット界のサーベロか、昨年の354個に対し、約倍増となった。

【第2位 GIRO 418個】
ジロは昨年177個。この「丸い」ヘルメットで完全復活。

【第3位 Specialized 141個】
スペシャライズドは3倍以上になった。用品の強いバイクメーカーだ。

【第4位 Louis Garneau 138個】
元トップブランド。約100個の減、2014年で復活なるか。

【第5位 Lazer 84個】
レーザーも落としている。来年に向けモデルチェンジなどで巻き返す。
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
vol.35 メインコンポーネントTOP3

圧倒的なシェアを持つシマノだ。
今後もしばらくシマノ時代は続くだろう。理由は、電動変速システムにある。その前に電動システムの必要性についてだが、まずは、タイムリーに躊躇なく、変速できることが、随時的確な変速となり、脚への負担を軽減する。次に、DHポジションで変速をする際、ワイヤー式変速レバーは、固く、変速時に手首が大きく動くことによって、DHポジションが左右方向にブレるのだ。特にこのことが解消されることが大きい。また、「電動ならでは」として、変速ボタンが、DHバーとブルホーンバーの2箇所に設置できる。これは、絶対必要ということではないが、やはり「便利」なのも事実だ。ずばり、電動変速システムは、「トライアスロンのためにある」と言っても過言ではないのだ。
そこで、その便利な電動変速システム導入にあたり、気になるのは価格になる。その価格がアルテグラDi2の登場で、一気にリーズナブルとなったわけだ。これらの理由から「トライアスロンのシマノ」は安定飛行に入った。ただし、変速ボタンの「形状」、「取付方法」、既存のDHバーとの「相性」、すばりサーベロP5、P3、スペシャライズドSHIVの採用されている油圧ブレーキ「マグラ」とのコラボなど、今後、「期待と要求」のあるジャンルではある。

【第1位 SHIMANO 1490台】
やはり、電動のシマノは確立された。2014年では、「当たり前」のパーツとなることだろう。電動変速システムは、トライアスロンのためにあると言っても良い。また、6800系Di2の入荷も待ち遠しいところだ。

【第2位 SRAM 537台】
微増ではあるが、トップ選手使用による存在感は感じる。ただし、電動ではないことも気になる点で、今後に期待したい。また、各メーカーでのスラム完成車も目立っている。

【第3位 Campagnolo 34台】
残念ながらカンパニョーロは更に減ってしまっていた。電動変速システムEPSなど、独自のこだわりコンポーネントを持つが、トライアスロン界では、シマノに大きく差を付けられている。
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
vol.33 DHバーTOP5

DHバーは、一見大きな変動はないが、近年ボントレガーや、3Tのようにバイクに標準装備のものが伸びてきている。特に3Tは、昨年、今年と大きく伸ばしている。やはり、現時点でも、DHバーはプロファイルが抜け出しており、その良さは変わらない。例えばP5sixの専用DHバーに対し、P5threeはDHバーが選べる。トライアスロンのライディングにおいて、DHポジションは「命」。当然、DHバーにもシビアなフィーリングが要求される。パッドの安定性、パッドとエクステンション先端の落差関係、そして軽量性。今までは、バイクと言えばフレームだけを考えていたが、昨今のメーカー提案の中では、「選べないDHバー」が出てきているため、フレームだけではなく、DHバーも合わせて考える必要があるということになる。
vol.32 サドルTOP5

ISMがついに1位なった。
独特の形状で話題のISM。アイアンマンにおいて第1位の使用率となった。昨今この「短い」サドルが注目となって来ている。ISMはその元祖として、サドルの流れを確立した。他のメーカーも同様のサドルに力を入れ始めている。トレックグループのボントレガーは短め&先割れ、スペシャライズドも短め、フィジークも短く、大きく溝があるものをリリースしている。コーブもISMによく似た形状で長さはやや短めという、同様のサドルが開発された。そして、老舗セライタリアも「IRON」をリリース、やはり「短いサドル」なのだ。
vol.31 ホイールTOP10

ホイールは、トライアスロンにおいて極めて重要なアイテムだ。なぜならトライアスロンのバイク走行においてもっとも必要なことは、「高速巡航性」だからだ。それを高めるためにこれらのスペシャルホイールが存在する。「エアロダイナミクス」「剛性」により決まる性能を各社鎬を削って研究している。エアロダイナミクという点においては、フレームより重要と言っても過言ではない。
今年のホイールの勢力図に動きがあった。ホイールのサーベロにあたるZIPPは不動の地位、約1000台のバイクに装着されている。そして、特筆すべくは予想通りマビックだった。ケタは違うが昨年に比べ大幅に伸ばしている。理由は、「サーベロ効果」と分析している。昨年よりサーベロとのコラボが、トライアスロンのイメージを強く印象付けたのだ。もちろんCXR80の性能も十分だが、同時に前後同サイズ傾向の中、「選択肢」に上がってきたのだ。それとシマノ伸ばしている。これは、C75の登場により、トライアスロンのイメージアップに繋がったと思われる。またトップ10内にカンパニョーロ、FFWDも新たな風となる。数量はペアではなく片輪でのカウントとなる。
vol.30 女子TOP10バイク

女子ウィナーズバイクは、フェルトの新型トライアスロンIAだった。ミリンダのために先行で用意されたモンスターマシンのデビューは最高の結果となった。IAは、エアロダイナミクスはもとより「フューエル」をテーマに「次世代トライアスロンバイク」を目指した1台。サーベロ、トレック、スペシャライズドを研究して作られたと思われる。「新たな提案」がスタンダードとなるかは、わからない。
サーベロP5も2台入賞、新型トレックSpeedConcept、そして新型フジNorcomStraightも入賞。女子もスペシャライズドSHIVはなかった。日本ブランドシーポも常連Ginaにより、9位に入った。ややスロースタートになっていたキャノンデールSLICERSも動き出した。今回はQRは1台だったが、変わらず女子プロの使用率は高い。

1位 #111 Mirinda Carfrae / FELT IA

2位 #131 Rachel Joyce / Cervelo P5

3位 #112 Liz Blatchford / Fuji Norcom Straight

4位 #118 Yvonne Van Vlerken / SIMPLON

5位 #103 Caroline Steffen / Cervelo P5

6位 #124 Caitlin Snow / QR

7位 #108 Meredith Kessler / Cannondale SLICE

8位 #119 Michelle Vesterby / Cannondale SLICE RS

9位 Gina Crawford / Ceepo KATANA

10位 Linsey Corbin / TREK Speed Concept
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
vol.28 総合TOP10バイク

総合ウィナーズバイクは、ついにサーベロP5が制した。トップ10内に3台という好結果となった。使用台数&ウィナーズバイクの2冠ということになり、「パーフェクトマシン」の称号を手にしたのだ。2位、3位はスコットPLASAMA PREMIUM、バイクのスペシャリストとともに存在感をアピールした。全体的には多かったTM01は1台、新型SpeedConceptも1台、SHIVは入賞できなかった。トッププロが使用していることが、エイジ選手の人気に繋がっているかは微妙だが、やはり気になるところだ。また最終的な順位とバイクのラップタイムのギャップもどのように受け取るか、選手、そしてメーカーも判断の難しさがある。

優勝 #6 Frederik Van Lierde / Cervelo P5

2位 #49 Luke McKenzie / SCOTT PLASMA PREMIUM

3位 #2 Sebastian Kienle / SCOTT PLASMA PREMIUM

4位 #55 James Cunnama / Cervelo P5

5位 #7 Timothy O’Donnell / TREK SpeedConcept 9

6位 #33 Ivan Rana / ARGON18 E-118

7位 #44 Tyler Butterfield / CERVELO P5

8位 #9 Bart Aernouts / BMC TM01

9位 #25 Timo Bracht / GIANT TRINITY Advanced SL

10位 #15 Faris Al-Sultan / STORK AERO2
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
vol.26 バイク使用台数TOP10

バイクの人気を決定付けると言っても良い、ハワイアイアンマンの各ブランドの使用台数。
トップ3の順位は、予想通りだった。サーベロが1位、トレック2位、スペシャライズド3位、トップ3の順位は昨年同様だった。ただ、内容に動きがある。サーベロオンリーの時代は終わった。トレック・スペシャライズドの2社が伸ばしてきている。台数にはまだまだ差はあるが、「サーベロ vs トレック&スペシャライズド」の様相を呈してきた。この図式ではほぼ互角の使用台数となるため、来年以降更なる「機材バトル」が楽しみとなる。また、これも予想通り、BMCはTM01で大きく伸ばしトップ10入りを果たしている。

【第1位 サーベロ 488台】
6年連続400台オーバーは「強過ぎる」というしかない。さすが、サーベロである。P5が圧倒的な存在感を放ち、使用台数アップに大きく貢献している。女性、年配の選手にも多く使用され、「アイアンマンの象徴」となっていた。しかしながら、昨年からは微増、記録更新とはならず、一昨年とのタイ記録は、やや「不満足」な結果と言える。本来、500台オーバーが可能だったからだ。これは、P3、P2のモデルチェンジが遅れたことにあるだろう。確かにレジェンドバイクだが、長過ぎたのも事実、「Di2対応」など、モデルチェンジを待ちわびていた。そんな中この夏にNEWP3が登場したのだ。NEWP3は、P5をベースに製作された。ただし、ブレーキなど、あえてオーソドックスなスタイルを取り、扱い易さが売りとなっている。ハワイへのタイミングでは、やや遅かったため、今年は大きく貢献することは出来なかったが、来年は「P5&P3」で500台オーバーが期待できる。台数という点はP2も重要で、これも早いモデルチェンジが望まれる。いずれにせよ2014年も「不動の地位」は変わらないだろう。

【第2位 トレック 220台】
昨年200台の大台に乗り、沸いたトレック。台数は微増だが、新型スピードコンセプトも多く使用され、「勢い」を感じる。エキスポでも一番目立つ場所での展開。今回の新型スピードコンセプトは、「エアロダイナミクス」と「ストレージ」を大きなテーマとしている。ストレージは同時にフューエルを兼ねていることもあり、スペシャライズドから始まった、「フューエル」は2014年に向け一つのトレンドとなっている。国内の展示会で確認のできなかったサドルケージも展示されていたが、実際に使用している選手を確認することはできなかった。また、ストレージ機能をフル活用すればそれなりに重量増となるため、補給のシュミレーションも「第6の種目」として課題となる。レースでは、いま一つ見せ場がなく終わった。トレックはバイクの強い選手に乗せる傾向があるが、ダークボッケルも精彩を欠き、目立つことは出来なかった。スピードコンセプトのトップは短め、ポジショニングは慎重さが必要。

【第3位 スペシャライズド 209台】
現在、アイアンマンにおいて確実に伸ばしているスペシャライズド。122台、170台、そして今回209台。2011年ハワイで世界同時発表された現行SHIVが確実に伸びているようだ。SHIVは、トレックのところでも述べた通り、「フューエル」が話題となったバイク。独自の内蔵システムで給水ができる。また、中央に配備されるフューエルセルは、昨年、今年と、アレキサンダーも使用していたが、下部はストレージ、上部もそうだが、補給食用となっている。一つ気になるところは、ブレーキで、今年からマグラのRT8TTが装備されているが、実際に装備されているSHIVを確認することはできなかった。RT8TTと言えば、サーベロとマグラの共同開発で生まれたトライアスロン用油圧ブレーキだ。変速の電動化の次は、ブレーキの油圧化の傾向が、シマノのディスクブレーキなどとともに現実化しつつあるが、ツインシフター仕様のDi2では、マグラとのコラボが実現しないと使い勝手の好みが出てしまっているようだ。そして、トレック同様トップが短めとなっている。

【第4位 フェルト 115台】
昨年と同数の115台だったフェルト。常に上位をキープするブランドだが、各社の新製品開発にやや遅れを取っていた感はあったが、満を持してついに「大物」がやってきた。それが、この「IA」だ。ずばり、P5、スピードコンセプト、SHIVを意識されたモデルとなっている。エアロダイナミクスとフューエルを「強調」したモンスターマシンだ。特にフューエルは中味を2つに分けることができるなど、「後発」の良さを出している。2014年に向け、「4強入り」出来るのか、期待のかかるマシンでもある。そして、今回ミリンダによりウィナーズバイクとなるなど幸先の良いスタートとなった。小柄なミリンダだが、26インチではなく、700Cモデルを使用していた。それだけポジション設定の自由度も高いことが伺える。フェルトはもともとリーズナブルなトライアスロンバイクで人気だが、更にその前、90年半ばに「究極のアルミトライアスロンバイク」をリリースした頃には、「こだわり」の一言だった。そんなフェルトの原点を思いださてくれたこのモデルには、大いに期待がかかる。

【第5位 スコット 91台】
今回スコットは活躍した。ルーク・マッケンジー、セバスチャン・キーンレにより2位、3位の入賞となった。トレック同様、いやサポート数ではもっと多く「バイクの強い選手」をサポートしている特異なメーカーだ。スコットに乗る選手はバイクが速いということだ。スコットもハワイでの使用はこのフラッグシップモデルのプラズマ3が多くなっている。シャープなデザイン性の高いフレームで、ハンドル位置が低いのが特徴。したがってポジションセッティングなどかなり難易度が高く、DHバーとのトータルでのセッティングはDHバーそのもののチョイスが直接関わる。DHバーのパッド位置とブルホーン部の低さなど、ユーザーのライディングスタイルと大きく関係してくるあたりが、特にシビアな一台と言えるだろう。毎年、プロ選手のスペシャルカラーモデルがバイクマニアを楽しませてくれる。

【第6位 QR 80台】

【第7位 キャノンデール 79台】

【第8位 アルゴン18 72台】

【第9位 BMC 68台】

【第10位 ジャイアント 66台】
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka































