Felt Bicycles Kona Media Kickoff Party

毎年開催されるフェルトのサポート選手のプレスカンファレンスだ。

メンバーには優勝候補のDanielaも含まれる。昨年はディスクブレーキモデルも発表され、「機材」としても盛り上がりを見せていた。今年のメンバーは、4回優勝のRyf、3回優勝のMirinda、Amberger、Kaisaだ。圧倒的注目は、Danielaで、インタビューの行列となっていた。

取り急ぎとはなるが、Mirinda、Ambergerは、今回からフロントは、ワンバイ仕様だった。Mirindaは50T、Ambergerは52Tで、リアはともの10-33Tとしている。両者ともにコナのコースでは、全く問題ないと言っていた。もちろん、試走済みとのこと。

FELT選手の活躍が期待される。

 

 

今年のレポート: http://triathlon-geronimo.com/?p=31936

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

IM Tuesday ❝ EXPO Open ❞

アイアンマンワールドチャンピンシップ公式EXPOがオープンとなった。その他、EXPO外のメーカー出展も盛り上がっている。

取り急ぎのphotoレポートとなるが、ツールドフランスで先行投入されていたARGON18 E-118のディスクブレーキモデル、初お披露目となるシーポのKATANAディスク、カスタムDHバー、SRAMやROTORのワンバイ(フロントシングル)が注目だろう。昨年のバイクコースレコードバイク、PINARELLO BOLIDE Triなども展示も嬉しいところだ。SUUNTOのアイアンモデル、WAHOO、TACKのスマートトレーナーなども人気。ウエアは充実していて、アイアンマンならではと言えるだろう。

 

 

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「つづく」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

IM Monday ❝ Mark of IRONMAN ❞

今日はアイアンマンウィークの月曜日。

EXPOは明日のオープンに向け準備が進んでいる。アイアンマンの公式ストアは、すでにオープンし、例年のごとく、充実したIRONMAN-MONOが展示されている。アイアンマングッズは、選手にも人気が高く、サイズによっては、最終日を待たず、完売となっているようだ。

メインのアパレルは、イタリアの老舗「Santini」が担当している。2019年公式アパレルメーカーとなっている。サンティーニは、ジロ・デ・イタリアの「ピンク」のリーダージャージを提供するなど、ロードの世界では、トップウエアブランドでもある。もちろん、今回だけではなく、トライアスロンのラインナップを持っている。昨年はZOOTだったが、専門メーカーでの製作などクウォリティにもこだわっている。

いずれにしても、聖地KONAを走るだけでも「夢」の時間。ただ、それだけでなく、楽しませてくれるのが、アイアンマンだ。

 

 

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP ❝ KONA 2019 ❞

トライアスロンの原点、IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP が迫って来た。

昨年40周年を迎えたハワイアイアンマン。1978年に15名で開催され、今年で43回目のレースとなる。(82年は2回開催)ハワイは、やはりトライアスロンの象徴的なレースであり、ワールドチャンピオンシップとして、アイアンマンの頂点を決める大会で、ここ4年で規模も一回り大きくなり、2300名を超えるの選手がスタートする。そのため、各機材メーカーも、新型モデルローンチの機会にしたり、プロ選手への実戦投入も行われる、最高峰でエキサイティングなレースなのだ。

昨年は、記録ラッシュのレースだった。初の7時間台優勝で沸いた。風のないコナとして過去最高のコンディションだったかもしれない。7位までが8時間5分台という驚異的なタイムだった。男女ともにコースレコード、スイムもバイクもコースレコードなど、「スピード」の面白さを感じさせてくれたレースだった。

機材も新型モデルは「ディスクブレーキ仕様」となってリリースされている。15年のヴェンタム、16年のP5Xなど「異形」の動きとともに、新型はディスクブレーキ化されている。バイク全体として、18年モデルのスペシャライズドから来年20年モデルのトレックが出揃ったということで、ディスクブレーキは「標準」となった。プロのロードレースでの普及率は様々な考えや事情からまだ低いが、トライアスロン、特にアイアンマンの世界では、メーカーのリリースと連動し、「最新モデル」が期待されるだろう。

世界最速のアイアンマンを決めるレース、今年の見どころは何だろうか。

プロ選手は、Langeが3連覇を目指す。Frodenoもエントリーする中、手のうちを知ったドイツ人同士の戦いとなるのか、伏兵は現れるのか。女子はやはりRyfなのか。男子はドイツ人、女子はアメリカ人がダントツの出場率であり、「強国」と言えるだろう。

エイジも含め、レベルアップ、スピードアップが著しい。昨年は好条件下でのレースにより、スピーディな展開となったが、今年も選手層は厚く、高いレベルのレースが予想される。エイジの場合、それはスイムから始まるだろう。今年からエイジの一斉スタートがなくなり、ほぼエイジ別に近く11グループに細分化されたウェイブスタートも関係してくる。同じ「土俵」で競う選手とのポジション争いにより、より気迫高まるレースになるだろう。

3カ月前に開催された「もう一つのKONA」とも言えるヨーロッパ選手権。ドイツ人Big3が出場している。オールラウンダーのFrodeno、バイクのKienle、ランのLangeがバトルを見せるのは、KONA同様だった。結果は、バランス力に優れるFrodenoが優勝した、Frodenoは、2015年、2016年のKONA覇者であり、死角のない走りで3度目の優勝を狙う。また、昨年2位、3位のAernouts、Mcnameeにも勝機はある。Worf、Sandersのバイクがレースの展開を変えられるのか、Currieがどこまで食い込めるか、そして、Brownlee(1ヶ月前の70.3世界選手権2位)のランが炸裂するのか。総合の結果はやはりやってみないと分からない。

そして、女子は、無敵の女王「Ryf」の大本命となる。今年で5回目の優勝を狙っている。(5連覇は女子初)現在の4回でChrissieと並んで歴代3位となるが、6勝のNataschaが見えてきた。ただ、Ryfの強さは過去最強であり、3種目のすべてにおいてレベルが高い。1ヶ月前の70.3世界選手権も優勝している。まさにパーフェクトな選手で、優勝回数よりもすでにその完成度は、「No.1」と言っても過言ではないだろう。レースはやってみないと分からない、とは言うが、リフが負けるとは思えない。

「Triathlon GERONIMO」のメイン取材はバイクだ。

例年、バイクの使用率がまず話題とはなる。それは、KONAの良いところとして、プロ選手も含まれるが、僅か100名弱、多くが一般のエイジ選手であるということだ。そこで使用される機材は、より身近な選手たちの「答え」でもある。と言ってもKONA選手は、プロに近い力を持った選手も多い。だからこそ、その結果に信憑性があると言っても良いだろう。「ある程度」走り込んでいる選手からのデータでなければ、リアルなトレンドとは言えない。更に突き詰めれば「SUB10」が何を使っているのか、どんな仕様にしているのか、特に9時間から10時間でフィニッシュするトップエイジの選んだ機材は気になる。

そんな中では、昨年、世界同時発表となったSHIVの動きに注目が集まるだろう。廉価版のEXPERTも追加されたことで使用率にも関係してくる。また、cerveloがPとPXをほぼ同時発表により、KONA選手はどちらを選んだのか、その結果が見られるのか。これは、「スタンダードvs異形」とも言い変えることができる。まだサンプル数は少ないことが予想されるので、確実な動きとは言えないかもしれない。それでも「何か」を感じることはできるだろう。

今年は、ニューモデルも多い。すでに3月に発表されているCervelo P3XとP5、デリバリーの始まったSPECIALIZED S-Works SHIVとExpert SHIV、ツールで先行投入されているARGON18 E-118、BH AEROLIGHT Disc、KUOTA Kalibur Discなど、また、一昨年、プロが使用していた幻のcannondale SUPER SLICEは、プロ選手のサポート終了もあり、昨年は、一台も確認できなかったが、今年はエイジユーザーに確認できるか、同じくBMC TM01 Discも実戦未確認のバイクだ。そして、「異形バイク」も安定期に入りつつあるだろう。cerveloは、PXの価格設定に幅を設け、各部のマイナーチェンジで完成度を上げた。DIMONDは、ディスクブレーキモデルを追加、オフィシャルバイクのVENTUMこそ、ディスクブレーキ化こそ遅れているが時間の問題だろう。

そして、各パーツのセッティングやカスタムも気になるところだ。DHバーはサドル以上にシビアなパーツ。フォームそのものを決定してしまうパーツだけに、セッティングの自由度がポイントだ。エクステンションのハイライズとアームレストのカスタム化などが「トレンド」と言える日は近い。その他、ワンバイによるフロントシングル化など、昨年の「兆し」以上となっているのか、今年も検証したい。

 

【大会情報】

■開催日 2018/10/12(土)ハワイ現地時間

■競技 スイム2.4mile / バイク112mile / ラン26.2mile

※詳しくは、下記HPへ http://ap.ironman.com/triathlon/events/americas/ironman/world-championship.aspx#axzz3eVo5aNf8

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今年のレポート: http://triathlon-geronimo.com/?p=31936

昨年のレポート: http://triathlon-geronimo.com/?p=28381

「トライアスロンの最高峰はKONA!」
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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【IRONMAN ANNOUNCES】 NEW SWIM START PROTOCOL

IRONMAN ANNOUNCES NEW SWIM START PROTOCOL FOR 2019 IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP

IRONMAN to introduce new wave start aimed at reducing athlete density on bike course

 

2019年よりアイアンマンワールドチャンピオンシップのスタートが細分化される。安全性やドラフティング防止など、バイクでの密集化を減らす目的となる。

スイムでの壮観な一斉スタートはもう見られなくなるが、これもメジャー化したアイアンマンとしては、致し方ないだろう。

逆に、同エイジ内でのバトルが繰り拡げられることになり、スイム、バイク、ランのバランス良い総合力が求めらる。特にSUB10の多い、30代エイジグループの展開が面白くなるだろう。

 

TAMPA, Fla. (June 10, 2019) – IRONMAN, a Wanda Sports Group company, announced today a new swim start protocol that will be implemented for the 2019 IRONMAN® World Championship. For the first time, the world championship event will utilize a wave start that separates the field into 11 groups. Like in previous years, the professional men’s field will start at 6:25 a.m., followed by the professional women’s field at 6:30 a.m. The PC/Open Exhibition and Handcycle divisions will then begin their day at 6:35 a.m. The first age group wave will start at 6:55 a.m. and continue every 5 minutes until all athletes are in the water.

“The swim start change is a reflection of, and reaction to, the extraordinary ability of our IRONMAN World Championship athletes,” said Andrew Messick, President & CEO of The IRONMAN Group. “While we appreciate the simplicity and iconic visual of the mass start, our primary responsibility is to create a fair race for all athletes. A single start each for age-group men and age-group women creates too much density on the bike course.”

The decision to move to an extended wave start was made following a comprehensive analysis of athlete data with the goal of reducing peak athlete density flowing onto the bike course. The new start times will not change the existing cut off standards for the IRONMAN World Championship – 2:20 for the swim and 10:30 for the bike. Athletes will also still have to reach the finish line within 17 hours to be official finishers of the race.

“We are always looking for ways to improve the quality of our events in an effort to create a fair, safe and world-class experience for our competitors who work so hard to get to this start line,” said Diana Bertsch, Senior Vice President of World Championship Events of The IRONMAN Group. “The IRONMAN World Championship is the pinnacle of endurance racing and our belief is that this change will allow for the highest competition to occur while enhancing the quality of the race.”

New start times:

Time of Day Division
6:25 MPRO
6:30 FPRO
6:35 PC OPEN / HC
6:55 M18-39
7:00 M40-44
7:05 M45-49
7:10 M50+
7:15 F18-39
7:20 F40-54
7:25 F55+
7:30 Legacy

 

 

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【IRONMAN ANNOUNCES】 “`OHANA” AS THEME FOR 2019

IRONMAN ANNOUNCES “`OHANA” AS THEME FOR 2019 IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP AND GLOBAL IRONMAN CALENDAR OF EVENTS

`Ohana theme to be carried throughout 2019 IRONMAN and IRONMAN 70.3 events and represents a specially bonded extended family

TAMPA, Fla. (May 22, 2019) – IRONMAN, a Wanda Sports Holdings company, announced today the Hawaiian word `Ohana, which in the Hawaiian culture represents a specially bonded extended family, will be the theme for the 2019 IRONMAN® season, culminating at the IRONMAN World Championship®, held annually in Kailua-Kona, Hawai`i. Throughout the course of the 2019 IRONMAN® and IRONMAN® 70.3®event season, the theme will be on display in a variety of ways, leading up to the IRONMAN World Championship taking place on Saturday, October 12.

Since 1978, IRONMAN has embraced the Hawaiian culture and the roots established there as the birthplace of the original IRONMAN competition and home of the globally revered IRONMAN World Championship. The concept of `ohana is important to IRONMAN as it represents the special bond that our greater community of athletes, volunteers, supporters and partners share. In 2019, IRONMAN will honor and celebrate those who have become a part of the IRONMAN `Ohana over the last 40.

“Being part of an `ohana comes with responsibility and an expectation to act with integrity and purpose – not only towards your `ohana, but also as a representation of your `ohana,” said Diana Bertsch, Senior Vice President, World Championship Events of IRONMAN. “It is acting with righteousness, being mindful, and making a sincere effort to learn, understand, and respect. These virtues – responsibility, integrity, purpose, righteousness, mindfulness, and sincerity – encapsulate the IRONMAN community.”

“We are pleased to announce “`Ohana” as our theme for the 2019 IRONMAN World Championship and the races leading up to our pinnacle event,” said Andrew Messick, President and Chief Executive Officer of IRONMAN. “From the amazing athletes who participate in our events, to their family and friends that support them in their training, to the staff and volunteers in our host cities who spend countless hours working tirelessly to put together amazing events all over the globe – they are all members of our IRONMAN `Ohana. We are grateful to be able to pay tribute to all of the members of our extended family and celebrate our Hawaiian heritage.”

Throughout the year and in the lead up to Kona®, IRONMAN will educate, celebrate, and grow the IRONMAN `Ohana through event activation, signage, gear, merchandise and initiatives like IRONMAN: Class Of. This will all culminate in Kailua-Kona for the 41st year of the IRONMAN World Championship when the legends of the sport, current professionals, age-groupers and the rest of the IRONMAN `Ohana come together to honor one another through shared bonds, celebrating the spirit of competition and the love of triathlon.

To celebrate the selection of `ohana as the theme of the 2019 IRONMAN World Championship, IRONMAN has introduced brand imagery that reflects IRONMAN’s Hawaiian beginnings. The `ohana-themed graphics feature the yellow hibiscus, the state flower of Hawai`i. Representing unity and family, the imagery showcases people at the center of the flower, as well as the rolling waves of the ocean flowing behind the Hibiscus. Look out for the Hibiscus badge throughout 2019 as a reminder of the incredible spirit of the IRONMAN `Ohana.

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

本当に選ばれているバイク

Triathlon LUMINA No.72が発売となった。

今回はKONA特集。40周年ということもあり盛り上がったKONAだった。KONAは、トライアスロンの原点。自身への挑戦をする場として、最高峰とも言えるスポーツだ。もちろん、現在では、プロの世界でもあり、そのレベルは40年前とは比べものにならない。今回のKONAでは、ついにSUB8が出ている。タイムも40年で4時間短くなっていることになる。

そして、エイジ選手のタイムも「半プロ?」とも言えるタイムとなり、単なるエイジ選手、趣味なのか、と思ってしまう。2008年のSUB10選手は307名、そして、2018年は727名だった。その10年が早かったのか、どうか。いろいろな考えはあると思うが、確実に伸びているということが重要だと思う。「流行り」ではなく、「スポーツ文化」として不動のものとなりつつある。

そんな、ハイレベルが安定したKONAでの情報は、「信憑性」が高くなる。ヒト、モノ、コト全てにおいて、大きく「参考」となるのが、KONAという舞台だ。そして、今年もKONAでの “ GERONMO Bike Count ” を敢行している。

2015年から各大会でこのカウントを行っているが、レースによってその分析結果はそれぞれ特有となっている。1シーズンで一万人近くを調査したが、各大会によって、その傾向は異なる。昨シーズンであれば、下記のようなイメージを持っている。

4月全日本トライアスロン宮古島大会(1572台)は国内No.1大会として、地域性、競技レベルにおいて最も幅広く、新型モデルの投入傾向も強く、「トライアスロンバイク比率」が高く、トライアスロンならではの偏りのないトレンドを確認できる。

5月世界トライアスロンシリーズ横浜大会(108台)は、全バイクの詳細分析を行い、ショートのドラフティングレースにおいて、「トライアスロン」に使用するロードバイクの特性とは何なのか。

6月アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン(1591台)は、今後のトライアスロンシーンを占う大会と言っても良い。初ミドルからロングベテランまでの選手層とバイク機材を合わせることによって、トライアスロンの盛り上がりが見えてくる。

7月全日本トライアスロン皆生大会(952台)は、元祖鉄人レースだが、地域性の濃い結果となる。また、アップダウンがハードなバイクコースと、灼熱に耐えるランとなり、サバイバルとなる猛者の大会として、特徴的な傾向が見られる。

8月(2017年)木更津トライアスロン大会(1644台)は、今や関東を代表する大会の一つになったが、初心者の登竜門的大会のイメージが強い。そのため、今始める人に人気のあるバイクが見て取れる。また、通販で販売している3万円台ロードバイクなども確認できる。

9月佐渡国際トライアスロン大会(986台)は、国内のロングを締めくくる大会で、ロングのAタイプの他にミドルのBタイプも併催している。そのため地域性は広いが、使用されているブランドが他の大会に比べ絞り込まれている。

そして、10月のアイアンマン世界選手権を迎える。先述の通り、ハイレベルなエイジ選手からのリアルで、タイムリーなデータが収集できるのだ。

更に「本当」が知りたかった。半プロレベルのSUB10選手727名が使用するバイクは何だったのか。

独自目線の条件付きでもあるが、事実でもある。

 

 

「KONAを伝え続けていきたい。

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

GERONIMO COUNT KONA 2018 ❝ SUB10 ❞ Bikes

KONAで開催されたアイアンマンワールドチャンピオンシップで使用されるバイクのGERONIMO COUNTを行った。

KONAは、トライアスロンバイクのデータベースだ。トッププロに使用させる最新機材からエイジ選手に多く使用される機材まで、トライアスロン機材、用品の各メーカーはそのトレンドに注目、開発を行っている。特にバイクの使用率は毎年大きく話題になり、次期購入バイクの参考にする人も少なくない。

すでに全体のバイクカウントは、発表されているので、「その先」を分析してみた。今回、チェックしたのは、全体のバイクシェアではなく、「SUB10」選手のバイクに注目している。SUB10とは、マラソンで言うSUB3に当るもので、アイアンマンレースにおいて10時間を切ることが、ステイタスであるということだ。SUB10の10時間を単純に分けると、スイム1時間、バイク5時間30分、ラン、3時間30分、ということになる。また、トランジットも必要なので、その分更に時間短縮が必要になるということだ。一言で言えば「半プロ」レベルということになる。バイクタイムだけではなく、トライアスロンとしてのタイムから見ているのは、バイクの走りがランに大きく影響するからだ。あくまでも「バイク+ラン」で走れてこそ、真の評価となる。

その速いエイジ選手たちが選ぶバイクはどうなっているのか。全体と違う傾向が見られるのか、調べてみた。

結果は、下記の通りだった。

順位 ブランド 台数 比率 全体 比率
1 cervelo 101 13.9% 480 21.0%
2 TREK 80 11.0% 258 31.0%
3 SPECIALIZED 63 8.7% 202 31.2%
4 FELT 62 8.5% 178 34.8%
5 CANYON 52 7.2% 132 39.4%
6 SCOTT 49 6.7% 111 44.1%
7 BMC 46 6.3% 118 39.0%
8 ARGON18 44 6.1% 113 38.9%
9 GIANT 36 5.0% 98 36.7%
10 ceepo 21 2.9% 69 30.4%
10 QR 21 2.9% 97 21.6%
その他計 141 19.4% 509 27.7%
不明 4 0.6% 11 36.3%
未確認 7 1.0% 9 77.7%
121 合計 727 100.0% 2385 30.5%

※Counted by Triathlon GERONIMO

全体の順位とほぼ変わらない結果となったが、着目すべき点は、全体に対するSUB10比率だろう。サーヴェロは全体台数もSUB10台数も1位だったが比率は低い。一方、キャニオン、BMC、アルゴン18は40%近く、スコットにおいては44%にも達している。速い選手が使用する傾向が強いと言うことができる。

この4ブランドとは、どんなブランドなのか。

【CANYON】

キャニオンは1996年創業のドイツブランドだ。ツールドフランスでは、モビスターやカチューシャをサポートしている。やはりキャニオンは、4年連続のウィナーズバイクのイメージが強いだろう。通販のみの販売方法をとるなど異色のブランドでもある。商品検査は、CTスキャナで、厳しく行っているなど、独自のスタイルが特徴。2014年では、僅か24台の使用台数だったが、2018年では、130台までになっている。

写真のモデル(Speedmax CF SLX)は、2015年のKONAでデビュー、ハイドレーションが一体の標準装備となり、シートアングルなども含め、「トライアスロンバイク」としての完全参入となったモデルでもある。そして、フロデノが使用し、いきなりウィナーズバイクとなっている。当時はまだプロトタイプとされていて、完成度は低かったが、その後、活躍の通り完成された。

【SCOTT】

スキーで有名なスコットは、1958年創業のブランドで当初はアメリカブランド、1978年よりスイスブランドとしている。自転車は、1986年に参入している。スコットの歴史において、何と言っても外せないのが、「DHバー」を生み出したメーカーであったことだろう。現在は、オリジナルの生産はしていないが、「トライアスロンカラー」の強いブランドでもあった。2008年には、スタッドラーがPLASMA2を使用し、その後、バイクの強い選手をサポートし、そのイメージを築いた。そして、2014年キーンルによってついにウィナーズバイクとなった。

写真のモデル(PLASMA5)は、ヘッド周りが特徴的となっている。初期型のSHIVやTRINITYに似たようなデザインだ。ただ、決定的な違いは、単なるフェアリングではなく、樹脂で出来たドリンクシステムそのものとなっている。これは、プロファイルと共同開発したものだ。SHIVの内蔵型フューエルシステムに対し、フレーム一体化システムと言える。基本的なところになるが、フレームは、もちろんHMXのハイモジュラス仕様。そして、フレームの各部位によって断面形状を変化させている。これは、人間の動きを含め、気流の特徴を加味し、エアロダイナミクスを高めるコンセプトなのだ。

【BMC】

BMCは、1986年創業のスイスブランドだ。現在の流れになったのは、2001年で、実質ここからがBMCの歴史と言える。今や押しも押されもせぬブランドのイメージだが、実は新しい。当時言われた新興メーカーの一つで、サーベロと時期が被る。ややサーベロには遅れたが、現在は肩を並べている。2004年のTimemachineTT01の鮮烈デビューがターニングポイントだったのではないだろうか。技術とそのこだわりの集大成がTT01というカタチになってアピールしたのだ。そして、2011年、7年の時を経て、TM01がデビュー、大人気となった。

写真のモデル(Timemachine01)の特筆すべき点は、BMCのよりトライアスロンへの注力が伺えることだ。先述の通り、前作で完全にトライアスロンバイクとなったTM01が、エアロダイナミクス、ストレージ、パッキングなど、明確にトライアスリートをターゲットとしていることだ。まず、外観上は初代の流れを汲みシャープなデザインとなっている。前作に比べ、インテグレーテッドの強化が図られ、ケーブル類はほぼ収まっている。スイスの空力学のサウバーエンジニアリング社との共同開発により、前作よりも、バイク単体で、ヨー角20度で20%、ライダーが乗った状態で12%のエアロダイナミクス向上となっている。

これらのバイクの共通点として、剛性の高さが挙げられるだろう。バイクエリートの使用を想定しているかのように思える。ここで言うエリートとは、単に脚筋力、持久力だけではなく、剛性に対応する回転力や適正なギア比の選択などのスキルも合わせ持つ選手のことだ。昨今、軽量化とともに、剛性化も進んでいる。高い剛性によるレスポンスの良さなどメリットを生かし、デメリットをカバーするためにも、回転力や機材チョイス、操作など、総合的なスキルが要求される。トレーニングだけではなく、広くバイクに関わることこそが、バイクパフォーマンスを上げることになる。

次にSUB10選手が選んだモデルは何だったのだろうか。ブランドは明確に分かれるのだが、モデルのコテゴライズは、定義が必要となる。モデル名が異なっていても同フレームを使用している場合もある。同形状でマテリアルが異なる場合、当然、現行と旧型は分けている。大きくは、形状=エアロダイナミクスとしての分類となるだろう。

SpeedConceptは、7シリーズと9シリーズがある。IAも3種類のカーボングレードがある。現時点では、旧型となるが、前作SHIV(New SHIVと並行して販売中)もS-WorksとExpertの2グレードが存在する。サーヴェロのように完全に型を分けている場合、新型が出て間もない場合は、ブランドとして使用率が高くても、モデルによって分散してします。あくまでもそれらを前提に踏まえた中での話であることは、あらためて確認したい。タイミングということだが、「今」この瞬間の人気モデルを割り出してみた。

結果は、下記の通りだった。

順位 ブランド モデル 台数 使用率
1 TREK Speed Concept (9&7) 74 10.2%
2 FELT IA 54 7.4%
3 SPECIALIZED SHIV (内S-WORKS 30台) 50 6.9%
4 cervelo P5 39 5.4%
5 SCOTT PLASMA5 39 5.4%
6 cervelo P3 & P2 (クラシックP含まず) 36 5.0%
7 GIANT TRINITY (2nd) 32 4.4%
8 ARGON18 E-119TRI (内TRI+24台) 31 4.3%
9 CANYON SPEEDMAX CF SLX 24 3.3%
9 BMC Timemachine01 (2nd Gen.) 24 3.3%
その他計 313 43.1%
不明 4 0.6%
未確認 7 1.0%
121 合計 727 100.0%

これが、今、世界のSUB10アイアンマンが使用しているバイクだ。

モデルで分ければ不利になるブランドもあるが、選手がそのレースで選ぶバイクは1台のみ。今年のKONAのエリートバイクだ。

【TREK Speedconcept】

2013年リリース(2014年モデル)現行モデル

トップエイジが最も多く使用するトライアスロンバイクとなった。2010年リリースの第1世代Speedconceptからマイナーチェンジを受け、この第2世代へと繋がっている。第1世代からのKVFデザインで高いエアロダイナミクスを持ち、第2世代で徹底したフューエル&ストレージに取組んだ。フューエルは、2011年のSHIVがリードしたが、ストレージでは、このモデルがその強いイメージを持ち、その後の各社のトライアスロンモデルの要素として定義付けられたと言えるだろう。

現在、5シーズン使用されているため、モデルチェンジも期待されている。当然、ディスクブレーキ化と更なるエアロダイナミクスの向上が図られるはずだ。そして、ユーザビリティも同様だろう。

【FELT IA】

2013年リリース(2014年モデル)現行モデル

2013年のKONAデビュー以来、6連勝中(女子)のスーパーバイクだ。今年は、ディスクブレーキ仕様も発表され、実戦投入されている。13年リリース直前までSHIV同様の「ハイドレーションシステム」を持つバイクとして、予定されていたが、最終型ではなくなっていた。現在のデザインは、主流とやや異なるダイナミックでボリューミーなダウンチューブとシートチューブが特徴的だ。重そうに見えるがFRDシリーズの軽量性は十分だ。また、ほぼステーレスに近い、低くデザインされたシートステーもIAの特徴で、その後の他社のデザインにも影響をもたらしている。

これも現在、5シーズンを終えた。ディスクブレーキ仕様が登場し、微妙だが、やはりモデルチェンジに期待がかかる。第1世代で「お蔵入り」となったハイドレーションも再度挑戦してほしい。

【SPECIALIZED SHIV】

2011年リリース(2012年モデル)前作モデル(継続)

トライアスロンバイクの代表格と言えるだろう。2011年のKONAでの世界同時発表にて、センセーショナルにデビューしたSHIVだ。特にハイドレーションシステムが話題となり、現在の各社トライアスロンバイクにも影響を与えてきた。KONA女子6勝のバドマンが使用していたキャットCHEETAHなど、ハイドレーションを内蔵するバイクは以前にもあったが、量産型としては、世界初となり、現在までも唯一無二のシステムとなっている。そして、KONAデビューと同時にアレキサンダーにより、ウィナーズバイクとなっている。

今年のKONAでは、第2世代のNew SHIVがローンチされ、更なるAERO、FUEL、FITを高めている。

関連記事:http://triathlon-geronimo.com/?p=29008

【cervelo P5】

2012年リリース(2013年モデル)現行モデル

KINGサーヴェロで最も多く使用されているモデルだ。他社トライアスロンモデルは、同形状で異素材などが多いが、サーヴェロはモデルタイプを多く持つため、モデル別の使用率では分散してしまう。シーポなども同様のことが言える。全体では、P3が最も多いが、現行と旧型があるため、現行で見ると、やはり全体でもP5が多い。2016年KONAで世界同時発表となったP5Xが登場し、当初はドロップかと思われていたが、現在では、Pシリーズとは別にPXシリーズを立ち上げ、「トラディショナル」のPと「異型」のPXのトライアスロン2ラインとなり、ユーザーのニーズに対応している。

P5は、年明け早々にフルモデルチェンジし、「New P5 Disc」となる予定だ。今年のKONAで最終調整が行われていた。もちろんPXもシリーズを立ち上げているには、「意味」がある。

【SCOTT PLASMA5】

2014年リリース(2015年モデル)現行モデル

トップ5の中では最も新しいモデルとなる。PLASMA5の「5」はグレードを表している。1から存在するが、4のみ下位グレードに設定されたため、実際は第4世代のPLASMAということになる。スコットのバイクは、バイクのスコット、素材の東レ、パーツのシマノの3社により誕生している。現存のトライアスロンバイクの中でも最も競技志向の強いバイクの一台と言えるだろう。特にトップエイジからの支持は強く、プロサポートもバイクの強い選手をサポートする傾向がある。SHIV同様に、KONAデビューと同時にキーンルにより、ウィナーズバイクとなっている。

PLASMA5は、現在、4シーズンとなった。完成度の高いバイクだが、ディスクブレーキ化傾向の中で、モデルチェンジが期待される。同社のFOILもディスク化しているため、可能性は十分あるだろう。

どのバイクを選ぶにしても「フィット性」が極めて重要となる。特に、KONAでもDHバー周辺の「カスタム化」が進んでいる。その理由は、サドルと同じだ。「サドルを交換する理由は。。。?」ということになる。DHバーは、パーツだが、フレームの一部と考えても良い。より自身に合ったバイクの選択とともに、全体のフィッティング、そして、パーツのフィッティングが重要になる。バイクの進化とともに、パーツもより一層の進化が期待される。長距離ライドとなるアイアンマンでは必須だ。

また、各エイジ別で使用されているバイクは?、女性に最も使用されているバイクは?KONA発信の情報は面白い。

 

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「既成のバイクをいかに自分のものにするのか、トレーニングだけしていれば良いわけではない。バイク機材についても考えてみよう!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

❝ You are an IRONMAN ❞

世界最高峰のトライアスロン、IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP でエイジ選手がフィニッシャーになることとは。

1978年初のトライアスロンレースとして生まれたIRONMANはトライアスロンの原点だ。他にない「特別なレース」であることは言うまでもない。ただ、このステージに立つことは簡単ではない。ほんの一握りの選手のみがその出場を許される。そのために、毎日毎日、トレーニングを積み上げる。もちろん、プロ選手ではないので、フルタイムワーカーが、限られた「時間」と対峙しながら、「効率性」を追求し続ける。時間を無駄にしたくない。同じやるならより効果が見込めることに注力したい。もう単なる「趣味」ではない。良いと聞いたことは即実行、やれることは何でもやる。そんな前向きなトライアスリートたちだ。プロではないので仕事ではないが、遊びとも言えない。大人が真剣に取り組む何かがある。それほど熱くさせるトライアスロンがIRONMANだ。

このレースに出る選手は、IRONMANは何度も出ている。何度も完走している。そんな猛者たちがフィニッシュで見せる表情は、初めてロングを、初めてIRONMANを完走したかのように最高の表情で飛び込んでくる。やはり、特別なレースなのだ。

 

 

 

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「Congratulations !」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka