2025 IRONMAN WorldChampionship in KONA Result

KONA-KAILUA, HI – OCTOBER 11: Sollveig Lovseth of Norway wins the 2025 IRONMAN Women’s World Championship on October 10, 2025 at the Kailua-Kona, Hawaii. (Photo by Donald Miralle for IRONMAN)

今年の最速アイアンWOマンが決定した。優勝したのはノルウェーのSolveig Løvsethだった。

Solveig Løvsethは元々スイム出身、ランが速かったためトライアスロンに転向、バイクも速く、ノルウェー選手らしいバランスの取れた26歳だ。結果は残していないが、パリ五輪のオリンピアンでもある。アイアンマン70.3でも3度の優勝経験を持ち、今年のアイアンマンハンブルグでフルデビューし、8時間12分28秒という驚異的なタイムで3位に入っている、このタイムはアイアンマンデビューとしては史上最速記録でもあった。その後、アイアンマンレイクプラシッドでは初優勝を飾っていた。もちろん、注目されていたが、今回は運も味方し、見事優勝となった。

レース展開は波乱、混戦のKONAとなった。

スイムでは、周知の女王Lucy Charles-Barclayがトップに立ち、中盤では23分46秒という驚異的なタイムで先行していたが、復路ではうねりが強くなりペースダウンしたものの、前回のKONA(2023年)同様にトップタイムとなる49分29秒でフィニッシュしている。セカンドパックはTaylor Knibb、Chelsea Sodaro、Holly Lawrenceら7名、サードパックにバイクの強い選手含むLaura Philipp、Kat Matthews、Marjolaine Pierré、そして、優勝のSolveig Løvsethが入っていた。

バイクでは、Lucy Charles-Barclayがトップをキープしているが、2023年の時のように逃げ切れるのか。Knibb、Marta Sanchez、Lawrenceら、バイクの強い選手が猛追していた。その後、Philipp, Løvseth, Sodaro, Hannah Berry、Lisa Pertererらがチェイスパックを形成していた。2022年チャンピオンSodaroは、70km体調不良のため離脱している。

Knibbの猛追は続き、折り返しのハヴィを過ぎ10km地点でついにCharles-Barclayを捕らえトップに立った。その後、Charles-Barclayのダメージは続いた。意図しないゴミ捨てにより、イエローカードをもらい、1分間のペナルティとなってしまった。その間、cは、1分半のリードとなって、トップ争いが展開されていたが、「3番手」のLøvsethが迫っていた。その後、ランの速いPhilippとMatthews含む8名の選手が追いかけていたが、14分以上離れていた。そのままKnibbが逃げ切り、4時間31分トップでバイクフィニッシュしている。

KAILUA KONA, HAWAII – OCTOBER 11: Taylor Knibb #6 of the United States and Lucy Charles-Barclay #5 of England compete in the run portion during the 2025 IRONMAN World Championship Women’s Race on October 11, 2025 in Kailua Kona, Hawaii. (Photo by Ezra Shaw/Getty Images for IRONMAN)

ランが激戦となった。Knibbがトップスタートとはなったが、2位Charles-Barclayのビハインドはたったの1分半。前半15kmで徐々に差を詰め、クイーンKに入り、トップが入れ替わった。リードは僅か、目が離せない展開となった。12マイル付近では再びKnibbがトップに立った。Charles-Barclayは付いて行けず、Knibbがリードを広げて行った。この二人が勝負を決めると思われたが、Charles-Barclayは暑さのダメージにより、27kmでリタイアとなった。

Knibbの独走かと思われたが、2位走るLøvsethは勢いがあった。ラスト6kmでビハインドを2分に縮めプレッシャーをかけている。それでも逃げ切れると思われたが、残り3km強で、悲運の大ブレーキとなった。水分を補給したが、時既に遅し、歩き始め、停止、動けなくなった。悲痛な瞬間だった。

そして、Løvsethに大チャンスが舞い込んで来た。そのまま、トップでゴールとなった。ただ、この時、ランで猛追していたのはMatthewsで、2時間47分というランラップ1位のタイムでランをカバーしていたのだ。Løvsethはバイクのアドバンテージが優勝に繋がっていた。タイム差は僅か35秒、最後の最後まで劇的な展開となった。

男子に続き、ノルウェーが制した女子のアイアンマン。「ノルウェー」というキーワードが注目され、すでに久しいが、今年のアイアンマンでの活躍には驚かされた。 

そして、最後の女子アイアンマン世界選手権、迷走していたアイアンマンは、来年4年ぶりに聖地KONAで男女同時開催の本来の姿に戻る。

KAILUA KONA, HAWAII – OCTOBER 11: (L-R) Kat Matthews #2 of the United Kingdom, Solveig Lovseth #16 of Norway and Laura Philipp #1 of Germany pose for a photograph after the 2025 IRONMAN World Championship Women’s Race on October 11, 2025 in Kailua Kona, Hawaii. (Photo by Sean M. Haffey/Getty Images for IRONMAN)

Top five professional women’s results:

Place Name (Country) Swim Bike Run Total Time
1st Solveig Løvseth (NOR) 55:40 4:31:53 2:55:47 8:28:27
2nd Kat Matthews (GBR) 55:43 4:40:08 2:47:23 8:29:02
3rd Laura Philipp (DEU) 55:50 4:40:26 2:55:53 8:37:28
4th Hannah Berry (NZL) 52:02 4:44:37 3:04:32 8:46:25
5th Lisa Perterer (AUT) 55:41 4:40:50 3:06:03 8:48:08

Samantha Skold

エイジグループがあってのKONAだ。

13のエイジカテゴリー、78の国と地域から1600名以上の選手が走った。総合エイジチャンピオンとなったのはアラスカ州のSamantha Skold(W30-34)で9時間34分59秒という驚異的なタイムでフィニッシュしている。アメリカはその他、W50-54、W75-79でもタイトルを獲得し、3エイジカテゴリーで最多の世界チャンピオンとなった。

最年少世界チャンピオンは、オーストリアのHannah Rossler(W18-24)で9時間56分04秒を出している。一方、ニュージャージー州のNatalie Grabowは、W80-84カテゴリーで16時間45分26秒という驚異的なタイムだった。80歳でアイアンマン世界選手権を完走した最年長となり、2025年のアイアンマン殿堂入りを果たしたCherie Gruenfeldのこれまでの記録である78歳を破った。

Division First Name City, State, Country Country Representing Time
W18-24 Hannah Rossler Vienna, Austria Austria 9:56:04
W25-29 Lou Prigent Versailles, France France 9:43:16
W30-34 Samantha Skold Anchorage, Alaska, USA USA 9:34:59
W35-39 Joanna Soltysiak-Vrebac Koło, Poland Poland 9:45:57
W40-44 Christina Paulus Hamelin, Germany Germany 9:57:09
W45-49 Jana Richtrova Spring, Texas, USA Czech Republic 10:03:31
W50-54 Sharon Schmidt-Mongrain Lafayette Hill, Penn., USA USA 10:06:55
W55-59 Brigitte McMahon Baar, Switzerland, USA Switzerland 10:40:21
W60-64 Caroline Anderson Claremont, Australia Australia 11:36:12
W65-69 Sharon McDowell-Larsen Grand Junction, Colo., USA Canada 12:30:37
W70-74 Michele Allison Wellington, New Zealand New Zealand 13:24:27
W75-79 Sunny McKee San Fransico, Calif., USA USA 15:51:50
W80-84 Natalie Grabow Mountain Lakes, N.J., USA USA 16:45:26

 

 

 

「男子に続き、ノルウェーの制覇となった」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka