【15IM70.3ジャパン】 ⑥No.1バイクに観る

このアイアンマン70.3で最も使用されていたバイクは、サーベロ。

今回使用されているサーベロを詳細に分析してみた。トライアスロンとロードの比率は先日報告した通りだ。(http://triathlon-geronimo.com/?p=1742)85%を超える選手が「トライアスロンバイク」を使用しているブランドだ。では、そのサーベロの中身はどうなっているのか。モデル別の台数が、以下の通りとなっていた。

順位 モデル 使用台数 使用率
1 P3 99台 52.7%
2 P2 34台 18.1%
3 P5 18台 9.6%
4 S5 11台 5.9%
5 P4 7台 3.7%
6 S2 6台 3.2%
7 RS 4台 2.1%
8 R3 3台 1.6%
9 P1 2台 1.1%
9 S3 2台 1.1%
11 S1 1台 0.5%
11 R5 1台 0.5%
合計 188台

「サーベロP3」が使用率No.1バイクなのだ。今や誰でも想像がつく結果ではあるが。P2が少なかったこと、P5が少し落ち着いてしまったことなどが、観れる。S5は高額にも関わらず健闘、P4は、販売期間が短く終わったモデルなので少ない。

サーベロP3は、確かに「キング」であり、「レジェンド」となったが、「P3」というモデル名は、超ロングセラーモデルだ。2006年モデルから国内入荷が始まり、今年で9年目となるのだ。ここでは、更にP3を分析してみた。年代別の台数が以下の通りだった。

モデル 年式 時期 台数
Classic P3 2006年 1台
2007年 2台
2008年 3台
2009年 1台
2010年 6台
2011&12年   29台
2013年 8台
New P3 2014年(仮) 2013年7月頃~ 43台
2015年(仮) 2014年11月頃~ 6台
合計 99台

まず、P3は、現行型とそれ以前の旧型に分かれる。ご覧の通り、現行の「New P3」がダントツだった。続いて旧型の「Classic P3」となっていた。現行がリリースされ2年近く経つので、「世代交代」となったP3だが、「キング&レジェンド」と呼ばれる所以は、旧型が作った歴史だ。2005年からアイアンマンでのシェアトップ10連覇を記録、2008年からは、400台オーバーを維持、そんなところから、そう呼ばれている。現在の「トライアスロンバイク」の礎となったモデルでもあるだろう。

さて、この「新旧」のP3は毎年ハワイで気になっていた。古いモデルを乗っている選手もいれば、NewP3もいる。高額なP5もたくさんいる。サーベロは、長期間トップを維持しているので、当たり前かもしれないが、ややオールドモデルとなる2010年以前のモデルもかなり目立っているのだ。ここで思うことは、次もサーベロを選ぶのだろうか?ということだ。上記のP3データを見ても、99台中49台が現行型、旧型は50台と上回っている。この旧型に乗っている選手が次も「サーベロ」だろうか?ハワイでは、「トレック&スペシャライズド連合軍」が迫っている。正確には、「勢い」を感じるそんな2ブランドとなっている。サーベロは、そんな中「次に」また選んでもらうことは簡単ではない状況になりつつある。ピンチをチャンスに出来るか、サーベロの飛躍に期待したい。

サーベロには、独走していてもらいたい。なぜかと言えば、「エアロダイナミクス」にもっともこだわるブランドであり、数少ない「レーシングバイクオンリー」の頑固なブランドだからだ。車で言えば「F1」のみを造っている。こんな面白いメーカーはない。やや「神格化」した流行があるのも事実だと思うが、こだわりの「サーベロ」は、アイアンマンが37年経ち、これから50年、100年となっても、恐らく越えることのできないブランドになるだろう。

最後に歴代のP3を紹介しよう。全てセントレアで使用されていたものだ。見事に歴代が揃っていた。時を超え幅広く使用されているP3の存在感は、当たり前過ぎてあまりない。実数より多く感じるスペシャライズドやオルベアが気になってしまった。。。


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【2006年モデル】

カーボンクロスのブラックにレッドの胴巻きデザインがクラシカル。前年のCSC活躍によりフィーバーとなったP3の初代モデル。P3の文字の下に書かれていた「carbon」は、当時アルミのP3も存在したため、区別するためのネーミングだった。フォークは、WOLF TTだった。

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【2007年モデル】

2006年のカラーをホワイトにしたモデルだ。昨今、「トライアスロンバイク」が当然になってしまったが、日本国内においては、この2007年がその「元年」と言っても良いだろう。長く流行っているようだが、本格始動してまだ8年と観ている。2007年元年の代表格がこのP3だ。

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【2008年モデル】

この年のP3は派手なカラーリングとなった。「CSC」のロゴが大きく入り、カーボンも略して「P3C」と呼ばれた。このモデルからフォークが「3T製」となったが、写真のバイクは、26インチのためトゥルーテンパーのWOLF仕様となっている。

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【2009年モデル】

精悍なイメージとなった2009年モデルから「P3」表記となった。クウォータ、トレック、キャノンデール、シーポなどライバルが犇く中で人気のあったモデルだ。このあたりからモデルチェンジがささやかれていたが。。。

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【2010年モデル①】

この年からデザインが変わってきていた。またシートピラーがつや消しのやや粗い造りから、黒塗りのきれいな仕上げに変わった。歴代で最もシンプルなデザインだった。

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【2010年モデル②】

これも同じ2010年ながら、「完成車仕様」のカラーだ。フレームセットでは存在しないため、台数少ないモデルだった。現在ほど完成車が多くなく、フレームから組上げるパターンが多かったためだ。

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【2011~12年モデル】

2011年と12年に販売されていたモデルだが、2012年頃から「イヤーモデル」の設定がなくなり始めていた。2年続けてカラーチェンジなしと残念に思っていたが、イヤーで区分けされていなかったので、過去最長の販売期間となったモデルだ。

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【2013年モデル】

2013年では、完全にイヤー設定ではなかった。このカラーも希少なモデルで、旧型と現行型を「繋ぐ」モデルだった。そのため、デザインが、現行型に似ているのだ。つや消しで精悍だった。

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【2014年モデル(仮)】

現行型の初代のモデル。2013年のデザインを踏襲している。2012年のP5リリース以来、タイミングが一年遅れ、待望のデビューとなったモデルだ。やはり、マイナーチェンジしないままの旧型は長過ぎたと思う。完成度は、高く、Di2対応、ストレージ、仕上げなど、遅れを取り戻した。つや消し塗装の汚れが気になった。

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【2015年モデル(仮)】

これが、昨年11月からデリバリーが始まった最新現行モデル。カラーリングのみの変更だが、全く違うイメージに仕上がった。入荷時は、「P3」と気が付かない人もいたくらい。下部のホワイトの塗り分けが微妙に思えたが、現物はクール、カラーチェンジは成功した。

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「不動の地位」を築いたサーベロだが、90年代同様の「三つ巴戦」も予想される。90年代は、ケストレル、キャノンデール、トレックの3ブランドが勝ったり負けたりだったが、2010年代後半では、サーベロ、トレック、スペシャライズドでバトルとなるだろう。特にスペシャライズドの今後が気になるところ。サーベロも更なる進化で引き離したい。

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

【15IM70.3ジャパン】 ⑤Kona Pro Rankings “ KPR ”

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全体的には、「エイジ」のためのレースであり、以前の記事の通り、「交差点」の大会が、アイアンマン70.3セントレアだ。

ただ、文字通り「アイアンマン」のシリーズ戦であり、「プロ」の世界でもある。「アイアンマン」と「アイアンマン70.3」の違いは、フルかその半分の距離かの違いがレースの違いとなるが、プロにとっては、違う意味がある。ショート上がりで現時点では、アイアンマン70.3を主戦場とする選手もいるが、プロにとっては、やはりハワイで開催される「IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP」に出場し、もちろん優勝を狙いたい。

昨今、「オリンピック」というブランドに押されがちだが、アイアンマンは、元祖の大会であり、例えれば、自転車のツールドフランス、サッカーのワールドカップなどと同様、トライアスロンの「最高峰」は、ハワイのアイアンマンなのだ。プロ選手だけではなく、鍛え上げられたエイジ選手も出場できる。また、トライアスロンの特徴的な「エアロダイナミクス」を追及した最新バイク機材が使用される。そして、言うまでもないハワイという最高のロケーションと最高の人々、 “ ALOHA Spirits ” の中で開催される「総合力」が魅力、「アメリカン」なスポーツなのだ。

さて、話は戻るが、この70.3で得たポイントも「アイアンマン」のポイントに加算されるシステムになっている。アイアンマンと70.3では、獲得できるポイント数の差が大きい。アイアンマン優勝で4000pt もつくレースもあれば、このセントレア70.3は、優勝でも、500ptとなっていたりと、桁が違う。ただし、アイアンマンは、身体へのダメージも大きいため、何戦も出ることは厳しい。そのため、70.3と組み合わせ、ポイントを重ね、「プロカテゴリー」でのハワイ出場を目指すことになるのだ。

2015年のハワイのためのポイント加算の期間は、昨年の8/30から今年の8/23までの一年。5レースでの獲得ポイントによって競われる。したがって、あと2ヵ月半が勝負となる。男子がトップ50名、女子がトップ35名という、勝ち抜いた選手でハワイは開催されるのだ。ただ、ゼロスタートではなく、例えば、昨年優勝のセバスチャン・キンールは、スタート時から優勝の8000ptが付与されている。現在ランキング4位だが、トップ50以内はもちろん確定と言える。そのため、自身の調整で「本戦」に臨むことができるのだ。このあたりは、「箱根駅伝」のシード権や予選から臨む大変さと同じかもしれない。

今回のトップ3のランキングは以下の通りとなっている。

順位   選手 KPR 70.3メイン
男子 1 Mitchell Robins 131位
2 Ryan Waaddington 198位
3 Alex Reithmeier 67位
女子 1 Shiao-yu Li 39位  
  2 Keiko Tanaka 46位  
  3 Bree Wee 48位

※2015/6/16現在

これを見ると、女子は、レベルが高く、現在35位以内ではない選手にとって、何としてもポイントゲットしたい大会だったはずだ。優勝のシャオユー・リーは、すでにロング3戦上位入賞、3位のブリー・ウィーは、ハワイにも出場経験のある選手、そんな中、田中選手の健闘が光る。あと2ヵ月半の勝負となるが、是非頑張ってほしい。再び日本人がハワイで戦うために。

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田中選手のバイクは最高レベルのものだった。

STORCK  AERO2 STANDARD G1   ¥798,000 +tax  (フレーム)   

バイクブランドは、ストーク。ドイツブランドで逸品中の逸品。ストークと言えば、ドイツのファリス・アルサルタンで有名になったバイクでもある。アルサルタンの使用していたものは、更に上位グレードで前後のブレーキもフレームと一体型のものだった。いずれにせよ、モノとして完成度の高いバイクだ。シート周りはサーベロ型、かなり低くセットできる。バッテリー台座があったので加工したと思われる。ハンドル周りは、ステム長が2サイズ、プラズマ3のような感じでざっくり。ただ、DHポジションは、サドルとDHバーのパッドの「位置出し」であり、問題はなし。デザイン的に低くセットできるようになっているが、これは、個人のポジション、腕の長さなどにより良いかどうかは結果の話。一般論としては、ハワイレベルであり、一般レベルかつ日本人体型では低過ぎる可能性が高いと思う。剛性十分だが、重量も2,690gと十分。ハワイ向けと考えればこれも問題なし。トライアスロンバイクも軽いに越したことはないが、「エアロダイナミクス」「ポジションの出し易さ」など優先事項は他にあるからだ。

パーツはカンパレコードEPS、マニアック感十分。ハンドル周りはプロファイル。より低いセッティングを考えDHバーはパッド高の低いT-MAG、現状では、かなりハンドル周りがタイトで組付も苦労が伺える。サドルはハワイアン、アダモロード。そして、ホイールは回転性能抜群のBORAを前後異形でアッセンブル。

昨年のハワイでの使用台数は4台と少ないが、圧倒的に存在感を放っていた。

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「フレーフレーニッポン!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

【取材予定】 ズート展示会

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ハワイ生まれのトライアスロンブランド、ZOOTのニューモデルが発表される。

ズートは、一昨年で30周年となる老舗ブランドだ。ハワイでもアイアンマンの聖地、KONAで生まれたブランドで、ウエアから始まっている。後にシューズも展開、最近は、シューズのイメージが強いかもしれない。またウェットスーツはクウォリティが高い。既製品の中ではオススメのブランドだ。

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これは、一昨年2013年のコナ。旧ロゴの30周年記念モデルもリリースされていた。

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「後日(24日頃)レポートアップします。」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

【15IM70.3ジャパン】 ④トライアスロンBike vs ロードBike

セントレアにおいて使用された、トライアスロンバイクとロードバイクの比率を調べてみた。

トライアスロンバイクを使用することが、必ずしも「正解」ではないが、昨今の傾向から見て、トライアスロンバイクに対する大きな「流れ」があるのも事実、とても気になるところだ。ここでは、「数字」というデータしかない。「トライアスロン」「ロード」をぞれぞれ、自身で選んだのか、薦められたのか、最終的に「決定」までの経緯とそのポリシーまではわからない。ただ、結果である。

そして、その数字は以下の通りだった。

※「トライアスロン」と「ロード」の区別する定義が絶対的なものではない。特に、トライアスロンとロードの中間的な位置づけで設定されているものは、ロードとしてカウントしたケースが多い。シートアングル、フレーム形状、などで判断しているケースもある。

トライアスロン ロード 合計 トライアスロン比率
628台 991台 1619台 38.8%

※ Counted by  Triathlon GERONIMO

トライアスロンバイクの比率が低いことは、正直驚きだった。50%近くはあるのではないかと思っていたからだ。

この数字は何を物語っているのだろうか?

大きくは、「選手」と「マーケット」の切り口で見ることができる。

その前に、そもそも、このレースがその「対象」となるのか、ということだと思う。選手層としては、「初ミドル」となる1~3年目あたりの選手と、ハワイアイアンマンの経験のある選手や10年以上のベテラン選手まで、幅広いキャリア層が見える「トライアスリートの交差点」のような大会であることだ。

まず、スプリント、オリンピックを経験した選手が初めて「補給」が必要となる長いレースがミドルだ。距離に関係なく難しさはあるが、やはり一般的には、距離を制覇することが、目標となっているはずだ。そのためには、ある程度「真剣」に練習に取り組む必要がある。「ファッション」から「文化」へ変換されるトライアスロンであるはずだ。一方ベテラン選手たちも、「ロングの調整」から「Trip」を楽しむレースであり、昨今の流行の中でも、ミドル以上は、「経験」が生かせる距離として、臨み易さがある。正直なところ、ショートまでの選手とミドル以上の選手では、練習に対する意識やレベルにも差がある。ただ、このレースのように、「同じレース」を目指すことで、「先輩と後輩」の接点が生まれ、トライアスロンの楽しみを共有できるのではないだろうか。

次に「マーケット」についてだが、詳しくは別の機会でお話したい。ただ、ショップ在籍中の経験では、「今度ミドルに出るので、トライアスロンバイクがほしい」、「ミドルは経験した、今度はロングを狙ってみたいから、トライアスロンバイクを考えている。」などということを良く耳にした。

いろいろな「意味」で盛り上がる大会がミドルという「仮説」だ。

そして、ブランド別の使用台数、使用率トップ10は下記の通りだった。

順位 ブランド トライアスロン ロード 合計 トライアスロン比率
1 cervelo 160 28 188 85.1%
2 CEEPO 88 18 106 83.0%
3 SPECIALIZED 87 80 167 52.1%
4 TREK 54 110 164 32.9%
5 FELT 41 35 76 53.9%
6 BMC 30 13 43 69.8%
7 KUOTA 23 56 79 29.1%
8 cannondale 22 80 102 21.6%
9 ORBEA 16 35 51 31.4%
10 SCOTT 15 26 41 36.6%

※ Counted by  Triathlon GERONIMO

当然のことながら、ブランドの順位や入れ替わりがあり、ハワイアイアンマンに近づいてきた。

(ブランド別使用台数: http://triathlon-geronimo.com/?p=1655

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【第1位 】 サーベロは言うまでもない「不動のポジション」。見事に「P3」が多い。

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【第2位】 シーポは、やはり一気に浮上、さすがJapanの「世界ランカー」。

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【第3位】 スペシャは、このSHIVが圧倒的に目立つ、実際の台数より多く感じた。

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【第4位】 トレックは、全体では3位だったが、トライアスロン比率は少し落ちる。

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【第5位】 フェルトは、トライアスロンのイメージがしっかり定着。IAは、未確認。

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【第6位】 BMCは、人気のTM01がメインで約7割りがトライアスロン系だった。

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【第7位】 クウォータは、7割りがロードだった。トライアスロンへの注力に期待。

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【第8位】 キャノンデールは、ロード比率は十分、トライアスロン順位はこれから。

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【第9位】 オルベアも実数以上に目立っていた。存在感のあるブランドだ。

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【第10位】 スコットは、昨年コナのウィナーズバイク。今後の注目ブランドだ。

 

今後、更に期待したいミドルディスタンスのトライアスロン。特に「IRONMAN70.3」は、ネームバリューがあるので、国内3レース開催が理想的。更に理想は、佐渡のようにロングとミドルの併催で、「IRONMAN」と「IRONMAN70.3」、そして、同時にハワイアイアンマンのようにエキスポ(というよりは、トライアスロンのサイクルショー)の充実が、トータルに楽しめる大会があると最高となるのだ。「現実」はいい、「理想」だけを考え続けたいものだ。

 

「この大会がすべてではないが、いろいろな “ 模様 ” が見えた。」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

【15IM70.3ジャパン】 ②速報 BIKE COUNT

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昨日開催のアイアンマン70.3ジャパンにおける全バイク101ブランド1619台のブランド別使用台数は、以下の通りでした。

取り急ぎの報告とします。 

順位 ブランド 使用台数 使用率
1 cervelo 188 11.6%
2 SPECIALIZED 167 10.3%
3 TREK 164 10.1%
4 CEEPO 106 6.5%
5 cannondale 102 6.3%
6 KUOTA 79 4.9%
7 GIANT(LIZ) 78 4.8%
8 FELT 76 4.7%
9 PINARELLO 67 4.1%
10 ORBEA 51 3.1%
11 ANCHOR(BS) 49 3.0%
12 BMC 43 2.7%
13 SCOTT 41 2.5%
14 COLNAGO 39 2.4%
15 BIANCHI 33 2.0%
16 DEROSA 22 1.4%
17 LOOK 21 1.3%
18 RIDLEY 20 1.2%
19 KESTREL 19 1.2%
20 WILIER 16 1.0%
21 NEILPRYDE 15 0.9%
21 FOCUS 15 0.9%
23 BH 13 0.8%
24 FUJI 12 0.7%
25 ATTACK 11 0.7%
26 CARRERA 8 0.5%
27 MERIDA 7 0.4%
27 corratec 7 0.4%
27 AVANTI 7 0.4%
30 ARGON18 6 0.4%
30 BOMA 6 0.4%
32 PANASONIC 5 0.3%
32 DEDACCIAI 5 0.3%
32 GARNEAU 5 0.3%
32 MOSA(=CEEPO) 5 0.3%
36 CANYON 4 0.2%
36 TIME 4 0.2%
36 INTERMAX 4 0.2%
39 FALCO 3 0.2%
39 RALEIGH 3 0.2%
39 lapierre 3 0.2%
39 EDDYMERCKX 3 0.2%
39 CINELLI 3 0.2%
39 STORCK 3 0.2%
39 TAOKAS 3 0.2%
39 AMANDA 3 0.2%
39 GIOS 3 0.2%
39 QR 3 0.2%
49 WESTY 2 0.1%
49 boardman 2 0.1%
49 BLUE 2 0.1%
49 OPERA 2 0.1%
49 TRIGON 2 0.1%
49 KONA 2 0.1%
49 MBK 2 0.1%
49 INDEPENDENT 2 0.1%
49 ANTARES 2 0.1%
49 MAYSTORM 2 0.1%
59 TRIACE 1 0.1%
59 GDR 1 0.1%
59 LITESPEED 1 0.1%
59 masamasa 1 0.1%
59 SALSA 1 0.1%
59 PRINCIPIA 1 0.1%
59 EMINENZA 1 0.1%
59 YONEX 1 0.1%
59 Billato 1 0.1%
59 ZUNOW 1 0.1%
59 BASSO 1 0.1%
59 GT 1 0.1%
59 KLEIN 1 0.1%
59 IWAI 1 0.1%
59 COLOMBUS 1 0.1%
59 CENTURION 1 0.1%
59 TNI 1 0.1%
59 STRATOS 1 0.1%
59 EVOLVER 1 0.1%
59 DIAMOND BACK 1 0.1%
59 CAMPIONE 1 0.1%
59 EXTAR PROTON 1 0.1%
59 RITTE 1 0.1%
59 BOTTECCHIA 1 0.1%
59 C4 1 0.1%
59 GHISALLO 1 0.1%
59 HARP 1 0.1%
59 KOGA 1 0.1%
59 Xtrem 1 0.1%
59 YETI 1 0.1%
59 FISHER 1 0.1%
59 LATIDO 1 0.1%
59 VOODOO 1 0.1%
59 JAVA 1 0.1%
59 FONDRIEST 1 0.1%
59 CIOCC 1 0.1%
59 PLANET 1 0.1%
59 LEOPARD 1 0.1%
59 JAMIS 1 0.1%
59 AVEDIO 1 0.1%
59 PARLEE 1 0.1%
59 AlfaRomeo 1 0.1%
59 VIGORE 1 0.1%
etc 6 0.4%
101 1619

※最終出走者数1616名

※ Counted by  Triathlon GERONIMO

 

「これは、表面上のデータ。トライアスロンバイクとロードを分けてみないと、リアルなトレンドは見えて来ない。」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

第1回

Triathlon LUMINA No.45

P81~83 Mare Ingenii Tri BIKE CHRONICLE

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「90年前半、高品質なバイクの登場、伝説のR700と26インチホイールバイク」 

トライアスロンが誕生して37年目に入る。原則単独走行のトライアスロンで使用するバイクの究極は、長い時間使用し、その効果が現れるロング系トライアスロンに使用されるバイクにその対策が明確に示されている。素材、形状、ジオメトリーなど、所謂ロードレーサーの延長線ではなくなってきたのが、90年代に入ってから顕著となったのだ。ちょうど25年が経った。この四半世紀で大きく進化したトライアスロンバイクについて振り返ってみる。

トライアスロンの世界では、やはりアメリカ系ブランドが主役だった。80年代からバイクの本格生産に入った、キャノンデールやトレックは、90年代に入り、それぞれ特徴のある高品質なバイクをリリースし始めたのだ。キャノンデールは、軽量アルミフレームの2.8Seriesトライアスロンを、トレックは、やはり看板となったOCLV製法のカーボンロードを開発した。90年前半の代表的なカーボンフレームと言えば、先述のトレックOCLVロード、当時世界初の特許を多く持って製作されたケストレル、ハワイ6勝のマークアレンも乗ったルックKG196。その他カーボンブランドとしては、コルナゴやジャイアントだった。

ここで、触れて置きたいのが、そのマークアレンの乗ったKG196だ。93年モデルとして登場し、94年モデルとして、スペシャルカラーとアッセンブルの「マークアレンシグネチャーモデル」がリリース。アレンが乗ったことも話題だったが、当時ルックと言えば、カーボンフレームの代表格。ツールドフランスでも奇抜なデザインのフレームをデビューさせ、ONCEチームが使用し、機材が「話題」になる、そんなイメージが強かった。20年以上経った今でも色褪せないバイクだ。なぜかと言うと、当時の設計が今に生かされているからなのだ。最もそれを感じるのは、ヘッド周りで、当時ルックは、「AEROFIN fork」と呼んでいたが、フォークとヘッドが一体化されてエアロ形状になったものだ。当時は斬新なデザインだったが、今や当たり前に見るデザインだ。BMCのTM01やトレックのSpeedConceptなど、現在最も人気のあるバイクのヘッド周りは、「ルック型」なのだ。

26インチホイールの考え方が全盛となった90年代は、各社26インチモデルをリリース、80年代後半からすでに先行していたQRやカーボンのケストレル、ビームフレームのZIPPやソフトライドなど、「トライアスロン色」の強いブランドが目立っていた。ライトスピードやプリンシピアなどはやや遅れて生産、そして、肝心なトレックにおいては、なんと、ライバルのキャノンデールに遅れること2000年にアルミフレームで登場したのだった。また、ロードのキング、コルナゴの名車C40の26インチトライアスロンやルックのチタンフレームのTI282やアルミフレームのAL264の26インチトライアスロンまで、欧州のブランドまで影響を受けていたのだ。

当時の26インチモデルは、サイズに関係なく設定されており、キャノンデールR700などは630mmという超ビッグサイズにも26インチが採用されていた。これは、「エアロダイナミクス優先」の考え方で、当時よく話題に上がった、前面投影面積の大きさや、速度に二乗して大きくなる空気抵抗などへの対策がメインだった。そして、現在の考え方は、「ポジション優先」となっている。サーベロPシリーズの450mm、キャノンデールSLICE WOMEN’Sの 440mm、トレックSpeedConcept9.5WSDのXS、フェルトDA,B,S各シリーズの470mmなどが現在の代表的な26インチモデルで、共通することは、各社最小サイズに設定があることだ。小柄な選手は、無理して700Cサイズにせず「ポジション重視」を推奨しているということ。

当時のアイアンマンにおいての使用率は、キャノンデールvsトレックvsケストレルの三つ巴で、各社勝ったり、負けたりしながら鎬を削っていた。そんな中ではあったが、90年前半は、トレックが強かった。やはりアメリカブランドであるということと、80年台から手がけているカーボンフレームなどが貢献した。そして、トレックは、OCLV製法のカーボンロードをリリースした92年に118台から94年には、176台まで伸ばしているのだ。もちろん使用率トップだ。ここで特筆すべくはキャノンデールの伸びだったのだ。アルミ全盛の波に乗って、93年に3ケタの使用率に突入、翌年94年には、132台まで伸ばしてきた。ここで大前提となるが、この台数は、現在のサーベロの500台弱というのは別格、3ケタで「ハワイの顔」そして、当時であれば200台に近づけば快挙と言えるのだ。

もう一度トップ3ブランドについて、フレーム素材から見ると、トレックとケストレルはカーボンフレーム、キャノンデールだけが、アルミフレームだった。今やフレーム素材は、カーボンが競技においては当り前の時代となったが、当時は、「新素材」と呼ばれたカーボンとアルミが比較されていたのだ。そのため、現在ハワイアイアンマンでもチェックされていないフレーム素材に関してもチェックされていて、90年前半では、カーボンはほぼ横ばいながら、アルミは、92年の18%から94年の34%へと、今では考えられない驚異的な伸びを示している。これは、キャノンデールを筆頭とするアルミフレームの伸びが大きいと考えられる。当時カーボンは高額なフラッグシップが多かったこともあるだろう。

ここで、90年前半を代表するモデルでありトライアスロンバイクの代名詞、「伝説のR700」について触れておこう。93年にフルモデルチェンジし、登場したキャノンデールのトライアスロンバイクで、軽量性、26インチホイール、仕上げ、ジオメトリー、パーツアッセンブル、そしてデザインなどあらゆる面において、当時の「象徴的」バイクであったと思う。それまでの重いスチールフレームから、R700の完成度の高い軽量アルミフレームが注目となり、ロードにDHバーを取り付けただけのトライアスロン仕様から専用設計になり、また、国内には当時正規入荷していなかった変速パーツ「グリップシフト」が採用されていたりと、憧れのバイクだった。また、モデル設定が105完成車だったため、価格はリーズナブル(\190,000)だったことも人気となった理由だ。翌年94年には、R700とともに、上位モデルR1000が登場、ハイポリッシュのカラーが大絶賛を得た。後に97年にモデルチェンジとなりMS800(マルチスポーツ800)とシリーズ名称も変更となって「R700」が欠番となった。残念。

いずれにせよ、このバイクの「バトル時代」に突入したことは、トライアスリートにとって、より選択肢の増える朗報であり、大きな期待となった。

 

 

「只今、第2回に向け執筆中!時間がな~い(笑)」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

【UVEX】 EDAERO

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ウベックスからニューモデルがリリースされました。

詳しくは、トライアスロンルミナに書かせて頂きましたので、是非ご覧下さい。

LUMINA No.45  cutting http://triathlon-geronimo.com/?p=1591

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前部が尖ったデザイン。カラーリングも良い。

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BOAシステムによる無段階の滑らかなホールド。

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

 

LUMINA No.45 cutting

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ルミナNo.45発売しました。

今月の「cutting」大塚担当分ご紹介します。

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UVEX EDAero
 
ウベックスは、1926年創業のスポーツグラス、スノーゴーグルやヘルメットを造るドイツブランドだ。このモデルには、UCIワールドチーム、チームジャイアント・アルペシンのエース、マルセル・キッテルが開発に関わっている。アイアンマン世界選手権では、まだ少量だが、一昨年と昨年のデータを比較すると倍増となっていた。今後も「エアロヘルメット」のジャンルの伸びがあるだけに、アイアンマンでも期待できるかもしれない。
 
このモデルの特長は、現在トレンドとなっている、「エアロヘルメット」で、ネーミングのEDはEveryDayの略の通りエアロダイナミクスに注力したモデルになる。構造的には、エアロ優先によるインテークの少ない分、内側には、頭部が接する面とエアフローの空間を大きくとってあることで、通気性が良い。重量は、53-57cmで270gで、エアロ系としては、普通からやや重いデータとなるが、このヘルメットに求めるポイントは、「エアロダイナミクス性」と「フィット性」がクリアされれば、全く問題ない。
 
実際に装着してみた感じは、BOAシステムによる全体的にソフトに包み込むフィーリングが良い。個人差はあるが、横幅は少し狭かった。BOAは、バイクシューズ、ランシューズに使用され、フィット感の良さから話題になっているシステム。他にストラップの固定は、モノマティックシステムで、バイクシューズのように、留めるときは、差し込むだけ、外すときには、ボタンを押せば簡単に外れ、止むを得ず走行中に調整したい場合にも対応可能となっている。前方中央部が少し尖ったようなデザインとなり、ルックスも良い。 

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先日お知らせしました、新連載「TriBIKEクロニクル」です。

 

 

「是非ご覧下さい。」
BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

【GERONIMO COUNT】アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン

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トライアスロンミドルタイプの最高峰シリーズが、IRONMAN70.3だ。今年も開催される。

現在、ミドルタイプは、最も重要な大会と位置づけられるだろう。ショートを何戦か出て、初ミドル挑戦からロング志向の調整レースまで、幅広いトライアスリート層となる。またミドルと言っても簡単に完走できる距離ではない。それなりにトレーニングを積む必要がある。トライアスロンを「真面目に楽しむ」という人たちの集まりでもあり、ファッションから文化へ変換される大会でもあるのだ。完走タイムを見るとプロの4時間からエイジの8時間までと、この点でも様子が伺えるだろう。また、大会演出においてもこの大会は、「IRONMANシリーズ」なのだ。ロング志向の選手に混ざり、ファントライアスロンの選手もメジャーを十分堪能できることも人気の理由の一つになる。

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■開催日 2015/6/7(日)

■競技

スイム1.9km / バイク90.1km / ラン21.1km

※詳しくは、http://ironman703.jp/

 

ここ数年、ショートのエリート選手が出場する傾向が強くなってきている。「いろいろな意味」を持った出場となる。昨年のアイアンマン70.3世界選手権のゴメスの走りは、圧巻だったことも記憶に新しい。何か新しいものが生まれる可能性を持っているこのミドルタイプへの期待は大きい。

昨年のアイアンマン70.3世界選手権: http://triathlon-geronimo.com/?p=449

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

YOKOHAMA 2015

2015世界トライアスロンシリーズ横浜大会   Report
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⑧総括 ~横浜大会に使用されたバイクの特徴と傾向~

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                            ⑦男子バイク使用率                                                                             ⑥女子バイク使用率

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                            ⑤男子TOP10バイク                                                                           ④女子TOP10バイク

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                               ③ウィナーズバイク                                                                           ②Jorgensen & Gomez 優勝!

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2015世界トライアスロンシリーズ横浜大会