セントレアにおいて使用された、トライアスロンバイクとロードバイクの比率を調べてみた。
トライアスロンバイクを使用することが、必ずしも「正解」ではないが、昨今の傾向から見て、トライアスロンバイクに対する大きな「流れ」があるのも事実、とても気になるところだ。ここでは、「数字」というデータしかない。「トライアスロン」「ロード」をぞれぞれ、自身で選んだのか、薦められたのか、最終的に「決定」までの経緯とそのポリシーまではわからない。ただ、結果である。
そして、その数字は以下の通りだった。
※「トライアスロン」と「ロード」の区別する定義が絶対的なものではない。特に、トライアスロンとロードの中間的な位置づけで設定されているものは、ロードとしてカウントしたケースが多い。シートアングル、フレーム形状、などで判断しているケースもある。
トライアスロン | ロード | 合計 | トライアスロン比率 |
628台 | 991台 | 1619台 | 38.8% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
トライアスロンバイクの比率が低いことは、正直驚きだった。50%近くはあるのではないかと思っていたからだ。
この数字は何を物語っているのだろうか?
大きくは、「選手」と「マーケット」の切り口で見ることができる。
その前に、そもそも、このレースがその「対象」となるのか、ということだと思う。選手層としては、「初ミドル」となる1~3年目あたりの選手と、ハワイアイアンマンの経験のある選手や10年以上のベテラン選手まで、幅広いキャリア層が見える「トライアスリートの交差点」のような大会であることだ。
まず、スプリント、オリンピックを経験した選手が初めて「補給」が必要となる長いレースがミドルだ。距離に関係なく難しさはあるが、やはり一般的には、距離を制覇することが、目標となっているはずだ。そのためには、ある程度「真剣」に練習に取り組む必要がある。「ファッション」から「文化」へ変換されるトライアスロンであるはずだ。一方ベテラン選手たちも、「ロングの調整」から「Trip」を楽しむレースであり、昨今の流行の中でも、ミドル以上は、「経験」が生かせる距離として、臨み易さがある。正直なところ、ショートまでの選手とミドル以上の選手では、練習に対する意識やレベルにも差がある。ただ、このレースのように、「同じレース」を目指すことで、「先輩と後輩」の接点が生まれ、トライアスロンの楽しみを共有できるのではないだろうか。
次に「マーケット」についてだが、詳しくは別の機会でお話したい。ただ、ショップ在籍中の経験では、「今度ミドルに出るので、トライアスロンバイクがほしい」、「ミドルは経験した、今度はロングを狙ってみたいから、トライアスロンバイクを考えている。」などということを良く耳にした。
いろいろな「意味」で盛り上がる大会がミドルという「仮説」だ。
そして、ブランド別の使用台数、使用率トップ10は下記の通りだった。
順位 | ブランド | トライアスロン | ロード | 合計 | トライアスロン比率 |
1 | cervelo | 160 | 28 | 188 | 85.1% |
2 | CEEPO | 88 | 18 | 106 | 83.0% |
3 | SPECIALIZED | 87 | 80 | 167 | 52.1% |
4 | TREK | 54 | 110 | 164 | 32.9% |
5 | FELT | 41 | 35 | 76 | 53.9% |
6 | BMC | 30 | 13 | 43 | 69.8% |
7 | KUOTA | 23 | 56 | 79 | 29.1% |
8 | cannondale | 22 | 80 | 102 | 21.6% |
9 | ORBEA | 16 | 35 | 51 | 31.4% |
10 | SCOTT | 15 | 26 | 41 | 36.6% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
当然のことながら、ブランドの順位や入れ替わりがあり、ハワイアイアンマンに近づいてきた。
(ブランド別使用台数: http://triathlon-geronimo.com/?p=1655)
【第1位 】 サーベロは言うまでもない「不動のポジション」。見事に「P3」が多い。
【第2位】 シーポは、やはり一気に浮上、さすがJapanの「世界ランカー」。
【第3位】 スペシャは、このSHIVが圧倒的に目立つ、実際の台数より多く感じた。
【第4位】 トレックは、全体では3位だったが、トライアスロン比率は少し落ちる。
【第5位】 フェルトは、トライアスロンのイメージがしっかり定着。IAは、未確認。
【第6位】 BMCは、人気のTM01がメインで約7割りがトライアスロン系だった。
【第7位】 クウォータは、7割りがロードだった。トライアスロンへの注力に期待。
【第8位】 キャノンデールは、ロード比率は十分、トライアスロン順位はこれから。
【第9位】 オルベアも実数以上に目立っていた。存在感のあるブランドだ。
【第10位】 スコットは、昨年コナのウィナーズバイク。今後の注目ブランドだ。
今後、更に期待したいミドルディスタンスのトライアスロン。特に「IRONMAN70.3」は、ネームバリューがあるので、国内3レース開催が理想的。更に理想は、佐渡のようにロングとミドルの併催で、「IRONMAN」と「IRONMAN70.3」、そして、同時にハワイアイアンマンのようにエキスポ(というよりは、トライアスロンのサイクルショー)の充実が、トータルに楽しめる大会があると最高となるのだ。「現実」はいい、「理想」だけを考え続けたいものだ。
「この大会がすべてではないが、いろいろな “ 模様 ” が見えた。」