
YOKOHAMA 2024

一昨日のWorld Triathlon Championship Series 横浜2024で使用されたバイクブランドは30。不動の地位はスペシャライズドで変わらないが、トレック、キャニオンが二桁の使用率となっている。トレックの主力マシンはエアロロードのMadoneを徹底していることが特徴。詳細分析は後日。
順位 | ブランド | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
1 | SPECIALIZED | 10 | 16 | 26 | 21.7% |
2 | TREK | 9 | 5 | 14 | 11.7% |
3 | CANYON | 7 | 5 | 12 | 10.0% |
4 | SCOTT | 3 | 8 | 11 | 9.2% |
5 | GIANT/Liv | 6 | 4 | 10 | 8.3% |
6 | BMC | 4 | 1 | 5 | 4.2% |
cervelo | 3 | 2 | 5 | 4.2% | |
LAPIERRE | 3 | 2 | 5 | 4.2% | |
9 | ARGON18 | 2 | 1 | 3 | 2.5% |
cannondale | 2 | 1 | 3 | 2.5% | |
ROSE | 0 | 3 | 3 | 2.5% | |
12 | BH | 2 | 0 | 2 | 1.7% |
ORBEA | 1 | 1 | 2 | 1.7% | |
VENTUM | 0 | 2 | 2 | 1.7% | |
Wilier | 1 | 1 | 2 | 1.7% | |
16 | PINARELLO | 1 | 0 | 1 | 0.8% |
FOCUS | 1 | 0 | 1 | 0.8% | |
CUBE | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
PROCYCLE | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
GIRS | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
VITUS | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
Bianchi | 1 | 0 | 1 | 0.8% | |
FACTOR | 1 | 0 | 1 | 0.8% | |
THOEMUS | 1 | 0 | 1 | 0.8% | |
LOOK | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
KOGA | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
FELT | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
RIBBLE | 1 | 0 | 1 | 0.8% | |
Wilier | 1 | 0 | 1 | 0.8% | |
3T | 0 | 1 | 1 | 0.8% | |
30 | 合計 | 60 | 60 | 120 | 100.0% |
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「エリートが使用した結果ではあるが参考にしたい。」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
World Triathlon Championship Series 横浜大会が開催された。
14回目となる今年の横浜大会は見事に晴れた。毎年雨が多く、落車の危険性からコース変更になるなど、やや厄介な一面もあったが、今年はその点でリスクの少ないレースとなった。もちろん、晴れたことで気温は上がり、体調を崩す選手も少なくなかった。
横浜大会は本来第2戦となるはずだったが、第1戦のアブタビが悪天候予報のため中止となり、実質の第1戦となっている。オリンピックイヤーということもあり、各国の選手においては予定が大きく変わってしまった。ただ、結果としては、レベルの高さはキープできた横浜大会であった。
午前のレースはまずエリート女子となる。優勝は、フランスのレオニー・ペリオー(YOB:1994生)。強豪国フランスのエリート選手で、一昨年は2位に入っていただけに待望の結果となっている。そして、自国オリンピックイヤーを見事に飾ることができた。
展開も安定していた。スイムを良い位置で終えて、第1集団でバイクに入っている。テイラー・ニブやフローラ・ダフィが集団をコントロールしている中、ラン勝負の準備をしていたのだろう。ランで快走を見せ、ニブ、ロンバルディーの追い上げも期待されたが、それらを寄せ付けない走りとなった。
午後のレースはエリート男子となるが、想定通り暑い中でのレースとなった。優勝は、ランラップを獲った、アメリカのモーガン・ピアソン(YOB:1993生)だった。2位に入ったマシュー・ハウザーの猛追を振り切っている。やはり強豪国アメリカのエリート選手で、2021年は3位に入っていたが、パリ前に大きなタイトルを手にすることができた。
スイムは拮抗し、いつも以上に差ができない展開となった。そのため、バイクは大きな集団となって行った。天候もあり、バイクはハイスピードなペースで、集団からちぎれている選手もいるが、大きな差はできない。ランの走力はもちろんだが、暑さに耐え、ペースの変化に苦しめられた。DNFが多く、女子は5名だったが、男子は13名となっていた。そんな状況の中でもモーガン・ピアソンは当初からトップを走り続ける強いメンタルで逃げ切っている。
そして、日本人のニナー賢治がついに日本人過去最高位の7位に入る快挙なった。記者会見でもランのスキルアップを強調し、自信もあると語っていたが、まさに有言実行の結果となった。集団の先頭を引くこともあり、「世界の走り」を見せてくれた。過去優勝経験のあるフランスのバンサン・ルイやノルウェーのクリスティアン・ブルンメンフェルトを抑えての7位ということも輝かしい結果だ。
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「観るトライアスロン。」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
WTCS横浜大会エリートのプレスカンファレンスが行われた。
女子はエマ・ロンバルディ選手と高橋侑子選手、男子はマシュー・ハウザー選手とニナー賢治選手の4名が登壇となった。
代表質問は主に2つ。
①横浜の見どころ、または楽しみにしていることは。
②オリンピック開催を直前に控えた中で横浜大会を選んだ経緯とは。
③パリオリンピックがどれくらい盛り上がっているのか、自国での開催のオリンピックについてどのような気持ちでいるのか。(エマ選手のみ)
2023年 World Triathlon Championship Series Sunderland大会 第2位、2023年 World Triathlon Championship Series Cagliari大会 第2位(フランス)
「今日は来れてとても嬉しいです。よろしくお願いします。」
①横浜の見どころ、または楽しみにしていることは。「まず3回目の横浜大会なのですが、過去の2回は雨でしたので、今回は本当に良い天気になることを願っています。そして、天気も予報では大丈夫そうなので、しっかりと走って自分のレースができればと思います。そして、毎回横浜に来ると環境や人が本当に素敵な場所なので、それも楽しみに来ました。」
②オリンピック開催を直前に控えた中で横浜大会を選んだ経緯とは。「横浜を選んだ理由ですが、やはり高橋侑子選手が仰ったみたいにべストになります。この冬自分が何をして来たのか、トレーニングを重ねて来たのか、その結果をお伝えするのに、見て頂くのに、そして、自分自身もしっかりと結果が確認できる一番ベストな大会だと思って選びました。」
③パリオリンピックがどれくらい盛り上がっているのか、自国での開催のオリンピックについてどのような気持ちでいるのか。「パリですが、昨年テストイベントがあったので、そこを体験してみて、やはり盛り上がっている、そして、素晴らしいコースが出来上がっているということを実感しました。いろいろ試してみて自分も参加して見えることがあったので、まずは今年ちゃんとしっかりとそこに自分がいて、自分が生まれ育ったところでレースをできることがまずは大切だと思っているところです。
2022年杭州アジア競技大会 第1位、2023年World Triathlon Cup Tongyeong大会 第2位、東京オリンピック日本代表、相互物産所属
「(前の質問の流れで)私は晴女か雨女かと言われると分かりませんが、ここ最近の日本のレースでは雨が多かったですね。ただ、今回は晴れ予報になっているので、それを信じて今週末は頑張りたいと思います。」
①横浜の見どころ、または楽しみにしていることは。「横浜大会は何度も出場していますが、大好きな大会の一つです。ここ数年海外のレースに出場しているので、余計に自国のレースに出られることは本当に楽しみです。アジア選手権の後から日本に滞在しているので、ここ3週間ほど日本の食べ物や雰囲気を楽しんでリラックスしながら準備ができました。横浜のコースはいつもと同じで何度もレースで走っているのでが、細いところをしっかり確認しながら準備をして土曜日のレースに備えたいと思います。」
②オリンピック開催を直前に控えた中で横浜大会を選んだ経緯とは。「横浜大会は日本人選手にとっては選考の対象大会でもあります。また、今年のオリンピック前のオリンピックディスタンスでは横浜大会とカリアリ大会の2レースしかないため、ここでオリンピックディスタンスでどんなことができるのか、確認するため出場を決めました。もちろん、日本でのレースは本当に特別なもので、すごく楽しみにしています。」
2023年 World Triathlon Championship Series Montreal大会 第1位、昨年横浜大会 第2位(オーストラリア)
「” こんにちは ” ここ横浜は大好きなレースの一つで、2022年は4位、昨年は2位でした。今年は更に上を目指していきたいと思います。」
①横浜の見どころ、または楽しみにしていることは。「横浜は特別な大会で、過去も良いパフォーマンスを発揮することができました。そして、パリにも行くことになっていますので、準備として表彰台のトップに、大切な仲間のニナー賢治選手と上がりたいと思います。」
②オリンピック開催を直前に控えた中で横浜大会を選んだ経緯とは。「自分自身にとってはレースが最高の準備ということで、メンタル的にもプッシュして、パリに繋げて行くための重要なタイミングだと思っています。みなさん、オリンピック前にベストな状態で臨むと思うので、そういう中でレースがどうなって行くのかとても楽しみです。」
2024年 World Triathlon Cup HongKong大会 第3位、2022年杭州アジア競技大会 第1位、東京オリンピック日本代表、NTT東日本、NTT西日本所属
「みなさん、こんにちは。100%で頑張ります。」
①横浜の見どころ、または楽しみにしていることは。
「今回の横浜はとても大事なレースです。3/24から6週間高地トレーニングなどをして来ました。今年は技術、努力を積み重ねて来たので、土曜日のレースは楽しみです。マシュー・ハウザー選手は強いですが、私も自信はありますし、負けたくありません。頑張ります。」
②オリンピック開催を直前に控えた中で横浜大会を選んだ経緯とは。
「昨年のWTCSは横浜11位、カリアリ9位、モントリオール10位でした。昨年は努力と技術が足らなかったと思っています。今年のテーマは、特にランの技術を良くしたいですね。高地トレーニングで技術は上がったと思いますので、土曜日を楽しみにしています。」
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「今年のニナー賢治選手は大注目!」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
今年も国内最高峰のオリンピックディスタンスが開催予定となっている。
ワールドトライアスロンチャンピオンシップシリーズ(WTCS)とは、オリンピックディスタンスをメインに年間チャンピオンを決める全6戦(2024年)のシリーズ戦で競われる世界最高峰の大会となっている。
WTCS今シーズンの第2戦となる横浜大会は、今年で14回目を迎える開催回数の多い注目大会でもある。大会はエリートとエイジのカテゴリーで開催され、初日は、世界のトップエリート選手のスピードとパワフルな走りが見応えとなり、2日目はエイジ選手が同会場でコースは異なるが、出場することができる人気大会となっている。
今回のエリート選手は、男子60名、女子60名の合計120名の選手が出場予定、一部欠場選手もいるが、パリ五輪の前哨戦でもありレベルの高い展開が予想される。
男子はWorld Triathlon Ranking(以下、WTR)6位、World Triathlon Campionship Ranking 1位、昨年の横浜大会4位のドリアン・コナン(FRA)をゼッケン1に迎えている。また、WTR 2位、昨年5位のレオ・ベルジェール(FRA)など2019年優勝のバンサン・ルイ以来となるフランス勢の活躍にも注目したい。そして、注目株となるのが、WTR 5位、昨年2位、4月のOceania Triathlon Campionshipを制しているマシュー・ハウザーだ。
また、ロング、ショートの2WayPlayer、クリスティアン・ブルンメンフェルト(NOR)は現在、WTR11位。2021年横浜優勝、東京五輪(2021年)を制したスピードを見せられるだろうか。
日本人選手は6名出場となる。WTR日本人最高位12位のニナー賢治選手がゼッケン10で出場する。現在の日本人トライアスリートにおいて、最も世界レベルで戦える選手だけに、大きな注目が集まっている。その他、北條巧選手、小田倉真選手、佐藤錬選手など、男子勢の活躍を期待したい。
女子はWorld Triathlon Ranking(以下、WTR)3位、World Triathlon Campionship Ranking 3位、昨年の横浜大会9位のエマ・ロンバルディ(FRA)で、男女ともにフランス選手がゼッケン1となっている。また、ゼッケン2のテイラー・スパイビー(USA)も常に高いパフォーマンスをキープしている鉄人だが、悲願の優勝を狙いたい。
また、ミドルでも力を発揮している、テイラー・ニブ(USA)は、現在、WTR16位だが、2021年横浜優勝、その後のパワーアップを見せてほしい。昨年は不調が報じられていたが、終わってみれば3位入賞となっているモンスター。
日本人選手は5名出場となる。WTR日本人最高位18位の高橋侑子選手は、2019年総合4位を果たしているだけに、上位入賞に期待したい。その他、佐藤優香選手、岸本新菜選手など、地元のアドバンテージを活かしてほしい。
会場となる「YOKOHAMA」は、異国情緒のある観光スポットとしても人気の高い場所だ。国際大会の開催場所としては最も相応しい理想的なロケーションとなる。一方で、そのような会場での開催のハードルは極めて高いと言えるが、見事に人気大会となり、継続されていることは素晴らしい。
なぜか、横浜大会は雨に見舞われるが、今年は晴れ予報。気温や湿度がどのように影響するのか。いずれにしても無事なレースを祈念したい。
■開催日 2024/5/11(土)~12(日)
■競技
■大会サイト
■放送スケジュール
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★咋年のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=45211
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「WTCSはオリンピックを見るようなもの。そんなレベルのレースが横浜で手軽に観戦できる!」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
38回目の宮古島大会が終わった。
2024年国内初開催となる宮古島大会が開催された。今年はショートの石垣島大会と日程が入れ替わり、皮切りがビッグレースとなった。当日は、最高の天候に恵まれ、1500名の選手がレースを楽しんでいる。
今回は、昨年のショートコースよりランが5km戻り、スイム3km、バイク123km、ラン35kmという距離と定員を300名戻しての1500名で開催となった。距離は短いが、島一周バイクや2019年以前の島縦断ランなど、レースの雰囲気はほぼ戻ったと言う感じはないだろうか。伊良部島が使えなくなり、バイクの距離は難しいかもしれないが、ランはフルマラソンに戻ることを期待したい。
他のロングに比べ、距離や仕様などやや遅れていた感のある宮古島だったが、昨年もやはり、日本を代表し、トライアスロンの象徴的なロケーションの宮古島は大いに盛り上がっていた。そして、今年もランの完全復活は叶わなかったが、大会の雰囲気は申し分ないものだった。もちろん賛否はある。ランの距離が戻ったらエントリーする、そんなも声も聞いている。
ただ、そんな人にも出て欲しかった今年の大会だ。昨年より暑く、過酷さは余りあるサバイバル感。達成感十分な状況となり、満足できなかった選手はいないだろう。一方、スイムの完泳率は気になるところだ。潮流が厳しく往路は真っ直ぐ泳げず、復路は進まない。スイムが苦手な選手は苦しめられた。来年に向け課題となることだろう。
今年は国内で5つのロングが開催される。中には定員割れとなった大会もあるが、やはり聖地宮古島は人気が高い。そんな宮古は春先だけに調整が難しい。冬でも気温の高い宮古島だが、当日は更に「真夏」だ。熱中症気味となり、ペースダウン、リタイヤした選手も少なくない。ランが短いと言っても楽観できない。そんな宮古への対策は十分に立て臨みたい。
4月の宮古島で出しきれなかった選手も「修正点」が確認できたはず。必ず得るものはあっただろう。シーズンは始まったばかりだ。
■Race
【スイム 3km】※通称M字コースに変更
変わらず美しい宮古島の海を3km泳ぐ。前浜ビーチの透明度は高く、南国ならではのスイムコースとなる。コースレイアウトは「M字」となった。
昨年までの同レイアウトの2ラップではなく、分けることでオーバーラップを回避している。また、救急車の待機場所なども近くなったようだ。そして、同時に一斉スタートも復活してる。昨年は実質の都道府県別スタートとなり、実力差がある中でのスイムとなったが、今年は自身のペースでスタートすることができた。またSKIP制度も継続されている。
しかし、潮流が厳しかった。元々宮古島のスイムは一方向の潮流が強いのが特徴で、昨年の反省点から設定されたレイアウトと場所だったが、今年も厳しいスイムとなってしまった。前日7:00の試泳時には「戻って来れない」などの声が多く上がっていた。ビーチから進行方向左側から潮流があり、往路はまさに「波に乗って」と言う感じだったが、復路は進まなかった。これが明暗を分けている。
レース当日も状況は変わらなかった。スタート後、左方向からの強い流れによって真っ直ぐ泳げなかった。ゴルフで言えば「芝目」を読むように真っ直ぐではなく、「左寄り」に泳ぐことで目標地点に到達する、そんなイメージが必要となった。
レース後の上位入賞者のプレスカンファレンスでも選手から出ていたが、「前から泳いで来る!」と言う状態で、自分が間違えているのかと錯覚したそうだ。一般選手からも「左からぶつかってくる、試泳をしたのだろうか」と疑問の声が上がっていた。「試泳」の重要性が浮き彫りとなった。
今回、スイムでの棄権(DNF、DNS、SKIP)した選手は114名。約15%にあたり、完泳率は上げたいところだ。一方で、この程度の状況は「想定内」とする選手も少なくない。オープンウォーターで泳ぐ以上、それ相応の準備が必要であると。
スイムトップは寺澤光介選手で42分31秒。同タイムで新田城二選手もアップ。
【バイク 123km】※昨年と同じコース
コースは宮古島一周のトレースで、来間島、伊良部島には渡らない。
池間島から東平安名崎までは概ねいつも通り向かい風だ。風がきつくDHが取れなかったとの声も聞いたが、毎年出ている上位者は例年通りと感じている。「風はあったが、こんなもんだろう」とのこと。
宮古島のコースは概ね「DHポジション」コースとなるが、アップダウンがないわけではない。東平安名崎などは完全にDHポジションだが、上位選手でもダンシングが少なくない。それぞれ好みのコースや走り方はあると思うが、今一度「DH」での走りを確認する必要があるだろう。また下のスピードが活かせるよう「コースの把握」の重要度も高い。
今回は「スイムの影響」を感じるバイクとなった。トップ通過後、選手が来ない。その後も選手はまばらとなり、ミドルレンジの選手の顔ぶれもいつもと違って見える。トップが早過ぎるため、ボリュームゾーンの選手たちが到着する前にランコースへの移動を余儀なくされた。
レースは、寺澤選手が、ダントツのタイム差を付け、トップをキープ。70km地点の東平安名崎では15分近いアドバンテージがあった。
【ラン 35km】※昨年の30kmから延びて35kmに変更
ランコースはフルにはならなかった。ただ、距離は5km伸びただけだったが、従来の島を縦断する往復コースに戻ったことで「いつもの宮古島感」は戻って来た。一直線を折り返す宮古島のランコースは折り返しに近づくにつれてアップダウンが厳しい。そこをまた戻って来ることもキツい。
そして、今回は気温と湿度が高かった。昨年の12時で比較すると1.5℃高い記録となっているが、それ以上に暑さを感じた。バイクやランでの棄権者が多いことにも繋がっているいるのではないだろうか。真夏の皆生や佐渡に比べればまだ気温は低いが、季節の変わり目となる4月の27.5℃はやはり明暗を分けたのではないだろうか。
唯一良かったのは風が強かったことだ。もちろん選手によって感じ方は異なるが、強風が身体を冷却してくれていた。あの風がなければもっと厳しい展開になっていたはずだ。
寺澤選手は最後までトップをキープし、完全試合となった。「距離が5km伸びたことより、このコースがメチャクチャキツかった。」とゴール後のインタビューで。
■Result
男子優勝は、昨年初出場で優勝、今年は連覇となったの寺澤光介選手。昨年も2位に大差をつけたが、今年も16分以上のタイム差で優勝となっている。最初から最後までトップを譲ることなく、パーフェクトな走りを見せた。
スイムを得意とする寺澤選手はそのアドバンテージも高かったと思うが、バイクも申し分なかった。ランでのラップこそ取れなかったが、タイム差をきっちりキープしての優勝は見事だった。昨年優勝時に「本来の距離で」と言っていたが、是非見てみたい。
ロングを主戦場とし、最終的にKONAトップ10を目標とする寺澤選手の今後の活躍に注目が集まるだろう。
「スイムで積極的にレースできたのが良かった。最終的には新田選手と2周目は先頭交代しながら、二人でトップで上がった。バイクは先に乗車してランまで逃げる展開だったが、やはり行きは追い風で、池間島から東平安名崎までが向かい風で、去年よりも風が強くて、辛い場面ではあった。ただ、全員が辛いし、焦る選手もいるだろうし、自分だけではないと思いながらレースができた。そう思いながらも後から来る選手に不安でもあった。」
「ランはスタートして熱中症気味の感じがあったので、少し身体がやられている状態だったかと思う。その後、数キロ走って沿道から「18分差」と言われた瞬間にもうそこで大丈夫かと思ったが、自分のテーマとしては昨年の自分を超えることを目指したレース。終盤に熱中症の影響か痺れが出たり、力が入りづらくなったり、最終的には昨年の自分を超えることができなかったことは残念だったが連覇できたことは嬉しい。」
「レース翌日、新聞などでリザルトを見てスイムとバイクのラップは取っていたが、ランは潰れてしまったので、上田藍選手にも負けているなと。(笑)」
男子総合 | |||||
順位 | No. | 氏名 | 年齢 | 居住地 | 記録 |
1 | 1 | 寺澤 光介 | 30 | 東京都 | 6:25:04 |
2 | 289 | 山岸 穂高 | 26 | 千葉県 | 6:42:31 |
3 | 1308 | 新田 城二 | 30 | 大分県 | 6:44:00 |
4 | 1015 | 大倉 拓也 | 30 | 大阪府 | 6:44:31 |
5 | 2 | 土田 洋平 | 44 | 岐阜県 | 6:49:51 |
6 | 933 | 前田 能宜 | 25 | 愛知県 | 6:52:13 |
7 | 279 | 星 大樹 | 35 | 千葉県 | 6:52:49 |
8 | 45 | OH SANGWHAN | 50 | South Korea | 6:53:37 |
9 | 11 | 梅田 祐輝 | 39 | 東京都 | 6:59:28 |
10 | 281 | 細田 雄一 | 39 | 千葉県 | 7:04:11 |
女子優勝は、本命とされていた上田藍選手が期待に応えた。
初出場ながら「絶対優勝」の使命を背負っての参戦だった。また、話題は「トップ10入り」となっていたのだが、見事に安定した走りを見せ、貫禄の優勝、そして、総合10位に入った。
男子優勝者と同じように、スイムから先頭を守り、バイクこそラップは取れなかったものの、得意のランでは誰も止められないダントツのタイムとなっている。
レース中も見せてくれる笑顔、そして、返事もしてくれる上田選手。走りだけではない凄さが、その魅力なのだろう。
「宮古島初出場ということで楽しみにしていた。みなさんが優勝するのは当たり前ということでレースを楽しみにしてくれていることは分かっていた。更に男子選手からも総合10位から15位で来るだろうと応援してくれるので、久しぶりにプレッシャーを感じながらのスタートラインだった。
レース自体は初めてのレースだったので走ってみなければ分からないということが大きくあったので常に、冷静に、丁寧に進めた。
この宮古島のコースについては、ロングに転向して2年目になるが、アイアンマンではスイム3.8km、バイク180km、ラン42km なので今回の宮古島のフォーマットでは予想タイムは作っても意味がないと思っていた。」
◆
「まずはスイムが一斉スタートも初めてだった。スタートして最初の第1ブイまで速く泳ぐ男子選手はたくさんいるので、惑わされずに最初の200mくらいはゆっくり落ち着いて泳いで、その時に近くにいる選手と一緒にレースを作って行こうと思っていた。
ちょうど良い選手が一人現れたので、その選手を潮の流れの壁にして泳がせてもらった。中間ポイントで上陸した時に良い位置で上がれていて、抜け出ている選手が見えていたので、ここまで一緒に泳いでいる男子選手にロックオンして最後まで泳ぎ切った。最終的に7番手くらいの好位置でバイクスタート切れたのは、スイムがあまり得意ではないと悔しながらもずっと言われて来た中では良かったのではないかと思う。
バイクではスイムを前で上がっても、後からごぼう抜きされるのだろうと思っていたので焦らずに走って行こう思っていた。また、過去レースに出ていた先輩方から、池間大橋までの追い風で飛ばし過ぎると、そこから東平安名崎までが向い風で、疲れてしまうと聞いていた。
コース試走は東平安名崎から宿泊していたシギラリゾートまでのアップダウンだけをみていた。アップダウンは得意なので、それまでの追い風、向い風を上手くクリアすることだけに集中して走った。
意外とみなさん応援してくれる中で「頑張れー、ワイドー」とは言ってくれるが順位は誰も教えてくれなかったので、何位で走っているのか分からなかった。(笑)」
◆
「得意のランをスタートしてすぐに向い風だったので、行きは涼しく感じると思った。帰りが追い風で風に乗ることで暑く感じるだろうと思ったので、行きは設定ペースよりゆっくり走って、水をかけながら折り返しまで行った。折り返しの時に男子選手3名を抜き、4名のグループが出来上がった。
ただでさえ暑いのに、屈強な男子選手3名が後にボディガードのように付き、暑苦しくてしょうがなかった。(笑)
なので、作戦を立てた。折り返してから一回下がって、エイドも取りづらかったので、様子を伺いながら走り、2回目くらいの坂で近づいて行ったら、少しペース差があったので、仕掛けポイントだと思い、得意な坂で仕掛けたところ、グループは分解して離れて行った。
そこからは報道で目の前からカメラで撮られていたので、その方を目標にエイドでしっかり水を一回一回止まってでも摂りながら、最後までの35kmは暑いので油断大敵で集中して走り進めた。そして、最後の2kmはメチャクチャ本当に暑くて、身体が乾くぐらいでエイドも少なかったが、島のみなさんが応援をしてくれ、コップを持って子供達が水をくれたりして、すごく密着してくれているのが力になり、レースを走り切ることができた。」
◆
「みなさん、宮古島大会で優勝された方はシーサーをバックにフィニッシュしている写真を見て羨ましいな思っていたので、シーサーが待っていてくれた時には、あのフィニッシュができるんだと思いながらも意外とシーサーも走るのが速くて。休ませてくれないなと思いながらフィニッシュした。(笑)
とても思い出深いフィニッシュとなった。フィニッシュした後にトップ10に入ったということを聞かされ後からジワジワくる喜びを感じた。
そして、シード権を今回獲得できたのでまた宮古島に戻って来て、今度はディフェンディングチャンピオンとして、またレースを臨めるようにしっかり世界で戦いながら、この宮古島大会で更に強さを見せられるような選手で帰って来たいと思う。」
女子総合 | |||||
順位 | No. | 氏名 | 年齢 | 居住地 | 記録 |
1 | 244 | 上田 藍 | 40 | 千葉県 | 7:02:38 |
2 | 6 | 巖淵 知乃 | 34 | 埼玉県 | 7:21:53 |
3 | 568 | 平柳 美月 | 31 | 東京都 | 7:40:23 |
4 | 5 | 太田 麻衣子 | 39 | 東京都 | 7:46:21 |
5 | 907 | 田中 美沙樹 | 25 | 愛知県 | 7:56:17 |
6 | 528 | 中村 真結 | 30 | 東京都 | 7:56:28 |
7 | 932 | 前田 乙乃 | 26 | 愛知県 | 8:01:36 |
8 | 7 | 宇治 公子 | 42 | 大阪府 | 8:04:33 |
9 | 722 | 鈴木 彩夏 フェイス | 35 | 神奈川県 | 8:17:47 |
10 | 1176 | 岡本 春香 | 38 | 岡山県 | 8:21:33 |
■Weather
今年も天候に恵まれた。
前日は不安定な天候で朝スイム試泳から小雨のスタートだったが、レース当日は見事に晴れとなった。2016年以降の取材ではもっと美しい日の出を見ることもできた。
まずは雨が降らなかったことに感謝したい。2019年のような「土砂降り」になれば、落車、メカトラブルなど、更にレースの難易度を高めてしまう。
今回の天候の要点は、昨年より気温が高く、湿度も高い。そして、風も強かった。ただ、ランではその風に助けられた選手も少なくないはず。
気象データ | |||
時刻 | 7時 | 12時 | 17時 |
天候 | 晴れ | 晴れ | 晴れ |
気温 | 24℃ | 27.5℃ | 27.1℃ |
湿度 | 97% | 83% | 87% |
水温 | 25℃ | – | – |
風向 | 南南東 | 南 | 南南西 |
風速 | 4.1m/sec | 7.3m/sec | 5.0m/sec |
※気象庁 地方気象台データ(沖縄県/宮古島/1時間毎)
※水温は大会発表
■Finisher rate
完走率は大きく落ちた。
昨年は、2011年以来の久しぶりの90%超えとなったが、今年は大きく落としてしまった。前述の通り、スイムでのリタイヤ者が最も多いのだが、バイク、ランでのリタイヤも下記の通り、100名近い。
現在の宮古島は距離が短い。潮流や風、暑さなどがあったとしてもバイクは50km短く、ランは7km短い。フルマラソンだけでもラスト7kmは極めてハードだが、ロングのトライアスロンでの7km短縮の違いは極めて大きいはずだ。
完走率は「安全率」と言い換えることができるだろう。高齢化が進む中での現象として気になるデータだ。
スタート | スイム棄権 | バイク棄権 | ラン棄権 | 失格 | 完走者数 | 完走率 | |
男子 | 1167 | 94 | 77 | 85 | 0 | 911 | 78.1% |
女子 | 174 | 20 | 20 | 12 | 0 | 122 | 70.1% |
合計 | 1341 | 114 | 97 | 97 | 0 | 1033 | 77.0% |
バイクとランの棄権率も高いことが挙げられるが、スイムでのロスタイムなどが影響している選手も少なくないのではないか。
宮古島だけではないが、国内のロングの時間設定は厳しい。しっかりと練習を積んで臨まない限り、完走は簡単ではない。
■Age Group
エイジグループ | 2018 | 2023 | 2024 |
40-44 | 278 | 118 | 155 |
45-49 | 340 | 187 | 243 |
50-54 | 352 | 239 | 333 |
55-59 | 194 | 234 | 260 |
60-65 | 129 | 181 | 267 |
合計 | 1293 | 959 | 1258 |
総エントリー | 1661 | 1107 | 1454 |
各エイジカテゴリー人数のトップ3がついに50代以上に突入した。
世間一般では理解し難い状況かもしれないが、これが現実だ。そして、60代の選手のタイムを見た時に、単純に年齢で割り切ることはできないと感じている。もちろん全員ではない。つまり年齢で区切ることが難しい「レベル差」のある年代と言えるだろう。
宮古島の「65歳定年」は医学的見地から決められているそうだが、20年前と現在の60歳の身体の状況やパフォーマンスは同じなのだろうか。
5年後どうあるべきなのだろうか。
■GERONIMO COUNT
今年の使用率トップはサーヴェロだった。
2016年KONAでのP5X世界同時発表から始まった新型化。途中コロナを挟み大きく遅れ、7年をかけて出揃った。と言っても時間がかかっているためP5Xなどは姿を消している。サーヴェロは、オーソドックスなフレーム形状に絞り、つまり、本来TTであるP5をトライアスロンバイクとしても看板としている。そろそろ「新型」も予想される。
また、新型も勢揃い。台数以上にパワーを感じさせてくれたCADEX TRI、そして、FELT IA2.0やBMC SpeedMachineなどデリバリー間もないバイクも投入され、レースにかける選手の想いも伝わってくるバイクチェックインだった。
バイク使用率(速報値):http://triathlon-geronimo.com/?p=49999
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「2024年シーズンインを告げる宮古島、やはりその存在は重要だ。」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
38回目の宮古島が終わった。
男子優勝は寺澤光介選手が昨年に続き、連覇を達成。女子は上田藍選手(40)が初優勝、そして、総合10位の快走を見せた。
まず、寺澤選手は「完全試合」となった。昨年KONAのルーシーのようにスイムから終始トップを守りフィニッシュしている。上田選手の優勝は確実視され、プレッシャーの中でトップ10入りが期待されていたが、見事にその期待に応えてくれた。
天候には恵まれたが、潮流の厳しいスイムが大きく明暗を分けた。バイクでの風は概ねいつも通りの向かい風。また湿度が高かったが、強い風がランで冷却効果を生み助けてくれた。
スイムでのDNFが多かったり、ラン距離も35kmのため、来年また変更点も出ることが予想される。ただ、ターコイズの海や従来のランコースなど「宮古らしさ」は堪能できたのではないだろうか。
圧倒的なスイムで先行した寺澤選手。終始一人旅も簡単ではなかっただろう。70km地点となる東平安名崎ではその差をキープし、ダントツのトップ通過。この時点で「決まった」と思えた。最後のランではマイペースの安定した走りとなった。
沿道からの応援が力になったと。レース中でも「笑顔」と「返事」を返してくれる上田選手はやはり凄い。
パーフェクトな展開となったが、「このランコースはキツい」と語っていた。メンタルの強さも見せてくれた寺澤選手は更に大きな目標も掲げ、今後の活躍に注目したい。
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「2024年が始まった。」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
宮古島のバイクカウントの速報値となる。
サーヴェロが唯一の200台オーバーで1位復活となった。
詳細分析は後日のレポートなる。
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第1位 サーヴェロ 204台
第2位 スペシャライズド 178台
第3位 シーポ 165台
第4位 トレック 159台
第5位 キャニオン 73台
第6位 フェルト 66台
第7位 ジャイアント/リブ/カデックス 56台
第8位 キャノンデール 48台
第9位 ピナレロ 35台
第10位 クウォータ 26台
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「取り急ぎの速報値」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka
今年も宮古島が開催される。
昨年、4年ぶりに開催となった38回目となる全日本トライアスロン宮古島大会。国内に5レースのロングで南の島で開催される超人気大会だ。参加人数も多く、昨年の定員1200名から1500名に増やしている。(例年は1700名)
今回のコースは、昨年も変更があったが、今年もいくつか変更となっている。まずスイムは、大雨災害やビーチの侵食もあり、同じ前浜ビーチだが、南寄りに変更し、2周回から「M字」コースとなっている。これは泳ぎ易くなったということだが、やはりトランジットまでの距離が気になるところだ。
バイクは変更なく、宮古島をトレースするコース。ランは残念ながらフルにならなかったが、5km伸びて35kmで開催となる。そして、ランコースは従来に近い、島中央部を縦断するコースに戻っている。単調で日陰がないタフなコースは「宮古島らしさ」を感じる象徴的なコースだ。
国内のトライアスロンの皮切りレースとなる「宮古島」。否応なしに盛り上がることだろう。
今年も完走率90%を超えることができるだろうか。過去には驚異の98.3%(1988年)を記録したことがあるが、昨年は2011年以来の90.3%となった。中心選手のエイジが上がる中での90%超えは十分な練習ができていることの目安とも言える。競技性の高さはもちろんだが、「安全性」についても大きく関わってくる。
【GERONIMO COUNT】
Triathlon GERONIMO のメインメニューだ。2015年から各大会(1000人以上が基本)を通して年間1万台のバイクをチェックし、10年目に入る。
宮古島は、16年からカウントを始めて、今年で6回目となる。宮古島の特徴的なトライアスロンバイク使用率は、昨年は脅威の57%となった。その前は2019年で51.8%、2018年は52.0%だったことから大幅に伸ばしていたことになる。
やはり、宮古島はコースの特性上「DHポジション」で主に走るコースとなるが、高齢化が進む国内のトライアスロンにおいて乗りこなしの難しいトライアスロンロンバイクのチョイスは、競技性の高さを示すものでもあり、期待が高まる状況とも言えるだろう。ちなみにトップ100の選手におけるトライアスロンバイク使用率は93%だ。
新型バイクも注目となるが、デリバリー後、初ロングとなる「CADEX TRI」や「FELT IA」の使用も確認も予想されるため、機材面での盛り上がりも期待できるだろう。各バイクの使用率も大きな変化はないかもしれないが「兆し」が見えるだろうか。ディスクブレーキ化をきっかけとして、新規に選ばれたバイクも確認したい。
■開催日 2024/4/14(日)
■競技
スイム3km / バイク123km / ラン35km
※詳しくは、http://tri-miyako.com/
■昨年のレポート http://triathlon-geronimo.com/?p=44348
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「昨年同様ランはフルに戻らなかったが、島中央部を走るコースは以前に近く、戻ったイメージは強くなるだろう。」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka