World Triathlon Championship Series 横浜大会が開催された。
14回目となる今年の横浜大会は見事に晴れた。毎年雨が多く、落車の危険性からコース変更になるなど、やや厄介な一面もあったが、今年はその点でリスクの少ないレースとなった。もちろん、晴れたことで気温は上がり、体調を崩す選手も少なくなかった。
横浜大会は本来第2戦となるはずだったが、第1戦のアブタビが悪天候予報のため中止となり、実質の第1戦となっている。オリンピックイヤーということもあり、各国の選手においては予定が大きく変わってしまった。ただ、結果としては、レベルの高さはキープできた横浜大会であった。
午前のレースはまずエリート女子となる。優勝は、フランスのレオニー・ペリオー(YOB:1994生)。強豪国フランスのエリート選手で、一昨年は2位に入っていただけに待望の結果となっている。そして、自国オリンピックイヤーを見事に飾ることができた。
展開も安定していた。スイムを良い位置で終えて、第1集団でバイクに入っている。テイラー・ニブやフローラ・ダフィが集団をコントロールしている中、ラン勝負の準備をしていたのだろう。ランで快走を見せ、ニブ、ロンバルディーの追い上げも期待されたが、それらを寄せ付けない走りとなった。
午後のレースはエリート男子となるが、想定通り暑い中でのレースとなった。優勝は、ランラップを獲った、アメリカのモーガン・ピアソン(YOB:1993生)だった。2位に入ったマシュー・ハウザーの猛追を振り切っている。やはり強豪国アメリカのエリート選手で、2021年は3位に入っていたが、パリ前に大きなタイトルを手にすることができた。
スイムは拮抗し、いつも以上に差ができない展開となった。そのため、バイクは大きな集団となって行った。天候もあり、バイクはハイスピードなペースで、集団からちぎれている選手もいるが、大きな差はできない。ランの走力はもちろんだが、暑さに耐え、ペースの変化に苦しめられた。DNFが多く、女子は5名だったが、男子は13名となっていた。そんな状況の中でもモーガン・ピアソンは当初からトップを走り続ける強いメンタルで逃げ切っている。
そして、日本人のニナー賢治がついに日本人過去最高位の7位に入る快挙なった。記者会見でもランのスキルアップを強調し、自信もあると語っていたが、まさに有言実行の結果となった。集団の先頭を引くこともあり、「世界の走り」を見せてくれた。過去優勝経験のあるフランスのバンサン・ルイやノルウェーのクリスティアン・ブルンメンフェルトを抑えての7位ということも輝かしい結果だ。
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「観るトライアスロン。」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka