PI Style 2021 SS

パールイズミSPRING/SUMMER 2021が発表となった。

日本の匠パールイズミ。創業70周年を迎え、益々そのクウィリティとこだわりを感じることができる。日本のトップ選手からのフィードバックが、活かされ開発されるが、単なる高級路線に走らず、価格とのバランスこそが大切と考えている。また、一方で、一般ユーザーへの提案も充実し、その対応アイテムは幅広く、進化し続けるジャパンブランドだ。昨今のトレンドから「インドア対策」など対応が早かった。そんな小回りが利くのも魅力の一つだろう。

今回のSPRONG/SUMMERのテーマは、「静から動へ」。「躍動感のあるデザインで動き出した衝動を駆り立てる。スポーツが持つ楽しさ、清々しさ、達成感を表現したラインナップ。」

■TOPIC 1:空気抵抗を軽減する素材「スピードセンサーⅡ」採用ラインナップ登場

■TOPIC 2:ユニセックス展開で選べるサイズとデザインが大幅増加「シティライド」カテゴリー誕生

主なトピックスは上記の2つとなる。ここでは、トライアスリートにも関係するTOPIC 1について主にレポートしている。

 

***************************  【TOPIC 1】  ****************************

【RACE】

パールイズミの今を象徴する「スピードセンサーⅡ」。2020年東京オリンピックに向けて開発され、全日本ナショナルチームをサポートするウエアに採用された空気抵抗軽減素材がラインナップされた。その新素材を採用し、全日本の選手のリクエストに対応すべく、より吸汗速乾性に優れ、より薄手によるフィット性向上、そして、より軽量となる開発をアップデートしている。もちろん、パールイズミが大切にしている「着心地」は大前提となる。

今回、特筆とすべきは、スピードセンサーⅡの使用部位にある。「菱型」パターンのこの素材は「袖のみ」に使用されていた。素材自体が空気抵抗軽減であるため、全てに使用すればより良いものができるのではないかと考えてしまう。実は、前身頃や後見頃にも使用して、こだわりの実験を行っていたの。その結果として、袖のみの使用が最も良かったためなのだ。

前身頃はピンメッシュ
後見頃は横長のメッシュ

内側のメッシュを見ると前身頃と後見頃では、異なる素材が使用されている。これもこだわりの作りで、選手の声を反映させていると言う。前にはピンメッシュが使用されているが、後は横長のメッシュとなっている。この横長のメッシュ素材には方向性があり、横方向には伸びるが、縦方向には伸びないようになっている。これは、後のポケットにものを入れた時、伸び過ぎてしまうことを抑えている。軽く、薄く、着心地を維持しながらも、しっかりとした機能性を持っている。

このバックポケットも選手からの意見を反映させてものだ。もちろん容量も増えることになるが、分けて入れたい、という声があるそうだ。サプリメントなど摂取後の不要なゴミなどを分別して、ポケットに入れるとのこと。スピードと緊張感の中、よりストレスフリーが求められる世界で培った情報がフィードバックされている。

シリーズとなるデザインで作られた、スピードセンサーⅡのソックスだ。すでにソックスの効果は示されているが、袖同様に空気抵抗を軽減させている。足首から下は吸汗速乾性に優れたメッシュ仕様となっている。

こちらは、ソックスと同様だが、シューズカバーのタイプとなる。ソックス部と合わせ空気抵抗を軽減させる。

 

***************************  【TOPIC 2】  ****************************

【CITY RIDE】

ユニセックス展開でゆったりと着やすいフィット感。カジュアルテイストなデザインで、サイズの展開も幅広い。普段着感覚で着こなせるベーシックカラーで、コーディネートもさせやすいだろう。

グラフィック、配色ともに絶妙なお洒落なラインナップとなっている。

ユニセックス展開は、いろいろな使い方ができるだろう。

 

***************************  【OTHER】  ****************************

【RACE】イグナイトジャージ

伸縮性に優れ、動きやすいジャージで、シルエットは細身に仕上がっている。吸汗速乾性、フィット性、軽量性の高さが売り。また低めの襟や袖と脇のフィット性を考慮した超立体設計などもこだわるりだ。そして、躍動感のあるグラフィックが「動」を感じさせるものとなっている。

【RACE】イグナイトビブパンツ

このパンツは、トップスと合わせてデザインされてものだが、様々なコーディネートを想定している。パンツはオールブラックしかない、という声にも対応してのデザインだ。例えば、このカラー(マーブル)のパンツにトップスは無地のホワイトやブラックなども合うだろう。そのために、主張し過ぎない絶妙なデザインが施されている。

【RACE】イグナイトロングスリーブジャージ

UVカットの日焼け防止となる長袖のレースフィットモデル。袖下のメッシュが通気性と爽やかな着心地となる。そのジャージのニューカラーとなる。(ウォーターブルー、オリーブ)

【RACE】ファーストレースジャージ

最高レベルのUVカットジャージで、コーディネートしやすいプレーンカラーとなっている。そして、ニューカラーとして、ウォーターブルーとオリーブが追加となった。

【BASIC】プリントジャージ

文字通り、「基本」となるジャージ。幅広いライダーに着こなせるラインナップで、吸汗速乾性、UVカット性能などを備えている。また、カラーはバイクのカラーをリサーチし、コーディネートさせやすいデザインとなっていることも特長だ。レースフィットと比較すると、ゆとりを持たせているが、バタつきはしっかりと抑える適度なシルエットに仕上げている。

このシリーズには更にワイドサイズもラインナップしている。

【BASIC】フィールドジャージ

まさにカジュアルテイストのデザイン。レトロ感のある胸ポケットが特徴。ツーリング、ポタリングなどゆったりライドに最適となる。また、バックポケットもバックパックで使えなくなる真後ろは避け、サイドに配置して

【PANTS】コールドシェイドクイックビブパンツ

トイレ時に着脱が簡単にできる便利なビブショーツで、今回は、前身頃のジョイント部分をより使いやすく改良されたモデルとなっている。

スマホケースもラインナップされていた。ウォータープルーフで質感良く作られたものだ。

 

***************************  【LADIES】  ****************************

着こなしやすいカラーを基調に差し色がポイントのデザイン。また、最高レベルのUVカットは必須。ドライで爽やかな着心地は、女性ライダーからも支持を得ている。

【LADIES】UVプリントジャージ

展示会会場でも一際目を引くグラフィックの「モンステラ」。差し色とのコントラストが美しい一着。スポーティながらもレディースとしての華やかさも合わせ持つデザインだ。また、夏に最適なUVカットの素材を採用している。

 

************************  【For Triathlete】  *************************

【MSK-03 ベンチレーションマスク】

パールイズミのマスク第3弾となる。昨今必須アイテムとなるマスクだが、その造りは千差万別となっている。そんな中、パールイズミから「技あり」のマスクがリリースされる。写真のように「くちばし」のようになり、開口するようになっている。また今回より、耳にかけるゴムの長さをアジャスト可能としたことも、「心地良さ」に配慮されている期待のアイテム。発売は9月下旬となる。

こちらは現在販売中の「02」モデルだ。

インドア対策のアイテムがついにリリースされる。Club GERONIMOとしても「インドアバイクトレーニング」に注力している中で、最大の阻害要因となる「汗」は大きな課題と考えている。たかが汗ではなく、対策が必要となる。外での走行時とは大きく異なる「発汗量」だからだ。観察をしていても走りが「中断」されてしまっていることが分かる。

そして、ここでの対策は、汗が出る「前後」で言えば「前」への対策となる。このアイテムは、素肌が透けて見えるくらいの大きな目のメッシュとなり、エアコンや扇風機での冷風を効率良く取り込むことを目的としている。汗をかく前に抑えてしまうということだ。11月中旬発売予定となっている。

【ベンチレーション ノースリーブ】

高通気で締め付けのないゆったりとした着心地となる。インドアでの使用を考え、価格も抑えられている。

【ベンチレーションパンツ&ビブパンツ】

トップス同様に高通気で、ビブパンツの70%にメッシュが施されている。また、単調となりがちであったり、長時間使用を考慮して、3D MEGAという厚手のパッドを組み合わせている。

 

 

 

「スピードセンサーⅡでマスクを作ったら速くなる!?」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka