トライアスロンの最高峰、IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP まで、2ヶ月となった。
トライアスロンは、10月から始まり、10月で終わる。今年で37周年となるアイアンマンは、プロ選手とトップエイジが出場できるアイアンマントライアスリートにとって最もステイタスの高いレースとなる。現在、世界各地で40の予選レースから勝ち上がってきた選手が、「世界での位置」を確認するためにハワイに集結する。プロはもちろんだが、エイジ選手も最高の仕上がりで臨むレースが聖地コナで開催されるアイアンマンワールドチャンピオンシップなのだ。
そんなレースで使用されるトッププロとトップエイジのバイクトレンドは大いに気なるところだ。このアイアンマンでの使用率が人気を決定付けると言っても良いだろう。過去10年のトップ3のバイク使用率を見ると下記のようになっている。
年度 | 1位 | 2位 | 3位 |
2005 | Cervelo 195台 | TREK 166台 | LITESPEED 115台 |
2006 | Cervelo 257台 | TREK 123台 | QUINTANAROO 116台 |
2007 | Cervelo 344台 | KUOTA 128台 | TREK 128台(同率) |
2008 | Cervelo 415台 | KUOTA 117台 | SCOTT 103台 |
2009 | Cervelo 462台 | SCOTT 109台 | SPECIALIZED 93台 |
2010 | Cervelo 468台 | SPECIALIZED 113台 | TREK 108台 |
2011 | Cervelo 488台 | TREK 185台 | FELT 124台 |
2012 | Cervelo 483台 | TREK 211台 | SPECIALIZED 170台 |
2013 | Cervelo 488台 | TREK 220台 | SPECIALIZED 209台 |
2014 | Cervelo 490台 | TREK 260台 | SPECIALIZED 242台 |
過去10年を観ると、周知されている通り、サーベロは別格となる。トップシェアを獲って10年、400台オーバーとなって7年、これからもない金字塔を打ち立て、レジェンドとなったサーベロ。ただ、近年動きが出てきている。サーベロの地位を決定付けたのは、2008年と観ている。P3が、2006年リリース、翌年の2007年に大ヒット、2008年の使用率に繋がっている。また、2008年は、チームCSCが、ツールドフランスにおいて、個人総合、チーム総合、新人賞の3冠を獲っているのだ。まさに、2008年はサーベロにとって大きく意味のある年になった。その後、サーベロの天下ではあったが、2012年から伸びが悪くなったのだ。この理由は、二つある。一つは、サーベロ自身の「長過ぎたP3」にある。新型の発表が一年遅かった。2012年P5、2013年P3のリリースは、「タイミング」に問題があった。本来ならば、2012年に「500台」になっていただろう。そして、もう一つの理由は、トレックとスペシャライズドの攻勢が始まったことにある。トレックは、2011年からスピードコンセプトで追い上げ、3強バトル時代の起爆剤となったのだ。後のシブリリースとともに、サーベロを脅かせ微増に留まっているのだ。ただ、この3強、面白くなってきた、アイアンマン不動の地位サーベロ、最高のマテリアルを使いこなすトレック、エアロダイナミクスの開発力のスペシャライズド、それぞれの持ち味を活かし、「機材の戦い」が注目となる。
今年のバイクバトルはどうなるのだろうか?
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■開催日 2015/10/10(日)ハワイ現地時間
■競技
スイム2.4mile / バイク112mile / ラン26.2mile
※詳しくは、下記HPへ
http://ap.ironman.com/triathlon/events/americas/ironman/world-championship.aspx#axzz3eVo5aNf8
サーベロは、モノ造り、レース結果など、最高レベルの実績を持つブランドだ。各社の追い上げも激しい中、絶対に譲れないポジションが、「KONA No.1」なのだ。「P6」のデビューは、必至、待ち切れないと言ったところだ。ただ、競技レベルを落としたモデルのリリースも期待したい。言ってみれば「P1」。クウォリティは高く、エイジ選手の使用がメインで、レースに例えるなら、「宮古島対策」と言ったところだろうか。ロードバイク同様に「乗り手」を考慮した、バリエーションが増えるべきなのだ。そのリーダーはやはりサーベロが担うべきだろう。
昨年のレポート: http://triathlon-geronimo.com/?cat=3
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka