セントレア GERONIMO Bike Count

6/17開催のアイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパンにおけるGERONIMO COUNTの結果が出た。

【バイクトレンド】

全バイク94ブランド1591台から見るバイクトレンドは、以下の通りだった。

第1位 SPECIALIZED 216台

まずは、トップ10内のブランドの動きだが、スペシャライズドが、3年連続の使用率第1位となっている。2位に30台差の216台は、シェアも初の大台13.6%だった。そして、15年大会からの3年間で、伸長率129.3%となっていた。ただ、車種比率は、トライアスロン46.3%、ロードバイク53.7%で、絶対台数とこの比率が総合ブランドの強みが出ている。スペシャライズドと言えば、ロングセラーとなるSHIVが人気のトライアスロンバイクとなっている。リリース後7年目となる中、最新カラーの当年度モデル多く見かける。長い期間、人気のある理想的な状況でもある。一方で、モデルチェンジは望まれている。明らかにロングスパンとなるため、今年のコナでの新型発表の可能性に期待したい。

第2位 Cervelo 186台

第3位 TREK 169台

第4位 Ceepo 136台

次に、コナではダントツのKINGサーヴェロは、昨年の3位から2位に浮上している。やや国内では異なる動きとなっているが、「トライアスロンバイク」だけを見ると、スペシャライズド100台に対し、153台という圧倒的なトライアスロンカラーを出している。第3位はトレックだ。ロードバイク比が66.3%で、そのイメージが強くなって来た。やはり、モデルチェンジに期待がかかる。先日ローンチされたNew MADONEは、SpeedConceptのフィードバックが盛り込まれていたが、今度は逆に、New MADONEの快適性、ユーザビリティ、そして、ディスクなどをNew SpeedConceptに活かしてほしい。そして、第4位のシーポが伸びている。昨年比112.4%、この3年では、スペシャライズドに次ぐ、128.3%となっていることも注目したい。シーポと言えば、先日の発表された「SHADOW R」が大きく話題となっている。前代未聞となった「SIDE FORK」は、シーポの開発力、発想の柔軟性など、開発余地の広いトライアスロンバイクに一石を投じてくれた。

第5位 Cannondale 90台

第6位 GIANT 78台

第7位 FELT 70台

5~7位の中間のグループは、キャノンデール、ジャイアント、フェルトだった。キャノンデールは、昨年コナでも使用されたディスクモデルの「SuperSlice」に期待がかかる。ジャイアントは、海外勢に多く、オージーのプロ選手の使用が目立つ。Trinityは、今回のウィナーズバイクでもある。フェルトもIAが5年目となるが、コナで、「IA Disc」の発表などが予定されているため、待ち遠しい。

第8位 PINARELLO 64台

第9位 BMC 50台

第9位 SCOTT 50台

8~10位は、ピナレロ、BMC、スコット(BMCとスコットは同率)だが、ピナレロはもちろん、1台を除き、ロードバイクとなっている。このあたりも国内特徴だが、「トライアスロン」で人気のロードバイクということができる。もちろん、フルームなどツールドフランスなどでも輝かしい実績と「イタリアン」ということがベースにある。BMCは、トライアスロンバイク比率66%の理由は、人気のTimeMachineによるものだ。スコットは、ロードバイク比率が高かった。ロードバイクでは、エアロロードの代表格「FOIL」があるが、ディスクモデルも投入され、今後に期待がかかる。

トップ10で1100台を越えているが、そのシェアにも少し動きがでている。15年から17年まで伸びていたが、今年は、僅かに下がった。ただ、トップ5で見てみると伸びている。スペシャライズドやシーポの伸びが、5強集中を生み出している。この5強でちょうど半数となる。

【トライアスロンバイク vs ロードバイク】

ロングの予備レースでもあるミドルタイプであるセントレアは、過去3回大会でトライアスロンバイク比率を伸ばしてきたが、今年はどうなっているのか。ロングライドとなり、巡行性やエアロダイナミクスでのメリットが重要となるトライアスロンバイクは、絶対的なものとして、伸びていることが予想されるのだが、今年の宮古島大会の分析では、1ポイントダウンという結果だった。

結果は、42.9%だった。15年38.8%、16年39.0%、そして、昨年の40.9%から2ポイント伸ばしたのだった。この傾向は、先述の通り、宮古島とは異なる結果となったのだ。では、なぜセントレアは、「トライアスロンバイク」を伸ばすことができたのだろうか。これは、一つの仮説に過ぎないが、ロングはリピーターが多く、すでに所有しているバイクの変化が少ないのではないだろうか。一方ミドルタイプは、ベテランからミドルデビューまで、幅広い選手層となる。ミドルを目指し、ロードバイクからトライアスロンバイクへ乗り換える選手も少なくない。それが、この結果に繋がったと考えている。ただ、絶対数は少ない。したがって、これから伸びるのか、横ばいとなるのか、トライアスロンで使用されるバイクの「トレンドチェック」は、ミドルタイプのレースが教えてくれるということなのだ。

もう一つのファクターとして、同じミドルでも「IRONMAN」「開催地」「開催時期」などによっても異なる結果が出る可能性がある。例えば、開催時期と購入時期の関係も分析が必要だろう。

【第2次異形バイクブームは?】

やはり、セントレアではこれらのバイクも伸びていた。宮古島では、VENTUM微増以外は、横ばいだった。ここでも先述のように、「ミドル」での特徴と捉えても良いだろう。

①cervelo P5X 5台→12台

②DIMOND 3台→5台

③VENTUM 1台→3台

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全ブランド別データは下記の通りだった。

順位 ブランド 使用台数 使用率
1 SPECIALIZED 216 13.6%
2 cervelo 186 11.7%
3 TREK 169 10.6%
4 CEEPO 136 8.5%
5 cannondale 90 5.7%
6 GIANT(LIZ) 78 4.9%
7 FELT 70 4.4%
8 PINARELLO 64 4.0%
9 BMC 50 3.1%
9 SCOTT 50 3.1%
11 KUOTA 45 2.8%
12 ANCHOR(BS) 32 2.0%
13 BIANCHI 29 1.8%
14 COLNAGO 28 1.8%
15 CANYON 25 1.6%
16 MERIDA 23 1.4%
17 DEROSA 21 1.3%
17 NEILPRYDE 21 1.3%
19 LOOK 20 1.3%
20 ORBEA 19 1.2%
21 RIDLEY 18 1.1%
22 ARGON18 16 1.0%
22 WILIER 16 1.0%
24 BH 10 0.6%
25 QR 9 0.6%
26 FUJI 8 0.5%
26 KESTREL 8 0.5%
28 CARRERA 6 0.4%
28 FOCUS 6 0.4%
28 GARNEAU 6 0.4%
28 TIME 6 0.4%
32 BOMA 5 0.3%
32 DIMOND 5 0.3%
34 CUBE 4 0.3%
34 lapierre 4 0.3%
36 CINELLI 3 0.2%
36 corratec 3 0.2%
36 EDDYMERCKX 3 0.2%
36 GIOS 3 0.2%
36 KohdaBloom 3 0.2%
36 VENTUM 3 0.2%
42 AVANTI 2 0.1%
42 CENTURION 2 0.1%
42 DEDACCIAI 2 0.1%
42 JAMIS 2 0.1%
42 MOOTS 2 0.1%
42 RTS 2 0.1%
42 SUPRARACE 2 0.1%
42 ZUNOW 2 0.1%
50 AlfaRomeo 1 0.1%
50 ANTARES 1 0.1%
50 AthleteCompany 1 0.1%
50 ATHLONIA 1 0.1%
50 ATTACK 1 0.1%
50 AVEDIO 1 0.1%
50 AZZURRI 1 0.1%
50 BASSO 1 0.1%
50 Boardman 1 0.1%
50 BOTTECCHIA 1 0.1%
50 C4 1 0.1%
50 Chapter2 1 0.1%
50 CIPOLLINI 1 0.1%
50 CKT 1 0.1%
50 DARE 1 0.1%
50 Definitive Gitane 1 0.1%
50 EASTON 1 0.1%
50 FISHER 1 0.1%
50 Fondriest 1 0.1%
50 GT 1 0.1%
50 GURU 1 0.1%
50 INTERMAX 1 0.1%
50 KHS 1 0.1%
50 KOGA 1 0.1%
50 KONA 1 0.1%
50 KUNG 1 0.1%
50 Leopard 1 0.1%
50 Lynskey 1 0.1%
50 MARIN 1 0.1%
50 MasaMasa 1 0.1%
50 MBK 1 0.1%
50 MIYATA 1 0.1%
50 NESTO 1 0.1%
50 PANASONIC 1 0.1%
50 PENNAROLA 1 0.1%
50 PLANET X 1 0.1%
50 SEVEN 1 0.1%
50 SILVERBACK 1 0.1%
50 SITESI 1 0.1%
50 STORCK 1 0.1%
50 SWIFT 1 0.1%
50 TRIGON 1 0.1%
50 TriRig 1 0.1%
50 vellum 1 0.1%
50 WIZARD 1 0.1%
不明 12 0.8%
未確認 1 0.1%
94 1591 100.0%

Counted by  Triathlon GERONIMO

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この順位がすべての評価ではない。欧米バイクが主流となる中で、日本人特有の体型や、小柄な選手が多い中、単純に人気で選ぶわけにはいかない。目標設定に合わせ、その選択肢の中で吟味し、「相棒」を決定すべきだろう。特にフィッティングは同時、必須項目となることを忘れてはいけない。

【最後に】

セントレアを始めとするミドルタイプは「幅広い」選手層となる大会だ。初ミドルとなる選手から、ロングを何度も出場している選手まで参加している。ビギナーからベテランまで一緒に楽しめる、満足できる大会ということも言えるだろう。ビギナーにとっては、それなりの練習量が必要となる。正直、オリンピックディスタンスまでは、ある程度完走は容易だが、ミドルはそういうわけにはいかない。ミドル出場は、「本格的」にトライアスロンに取組む姿勢と言っても良いだろう。また、ベテランもロングの「スピードレース」、「調整レース」も兼ねて走ることができる距離の大会なのだ。したがって、ミドルの普及こそが、「トライアスロンの普及」の一つに繋がると考えている。

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「今後もミドルタイプに注目となるだろう。」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka