
■Contents
- GERONIMO COUNT New !
- Race “Photo” Report
- Athlete Report(Ando)
- Athlete Report(Tokizane)
- Race Recap
- 【取材予定】第40回全日本トライアスロン皆生大会














皆生大会は、3年ぶり4回目のバイクカウントとなった。
この3年間では、コロナ禍の影響により、新型リリースの減少とリリースの場合もデリバリーの遅れなど「MONO」としては活性化している状況とな言えない。そして、大会中止、順延などで選手自身のモチベーションアップの追い風は弱かった。
まず前提となる大会はどのような大会なのか。距離はロングだが、今回は短縮開催となっているため、バイクは25km短い115km、ランは10km短い32kmとなっている。「この距離だから出場した」という声を何人か聞いている。ロングを得意とする選手よりはミドルを得意とする選手に有利な距離設定で、最後のランも10km短縮されたことでバイクの走りも変わったはずだ。また、バイクコースは全てではないが、終わってみればアップダウンの事しか頭に残らないハードなコースだ。トライアスロンバイクにするのか、ロードバイクにするのかなど良く聞こえてくる大会でもある。
ちなみにバイク車種の適性はコースだけで決まるものでない。それぞれのポテンシャル、メリットとデメリットなど基本性能はあるが、フィッティングがベターで乗りこなせていることが前提であることは言うまでもないだろう。例えば、普段トライアスロンバイクをメインに使用している選手が、ほとんど使用していないロードバイクで出場するということはナンセンスであるということだ。極論かもしれないが、より「人車一体」であることが望ましい。
そして、出場においては厳しい書類選考がある。そのため、ベテラン選手も多く、宮古島のように初ロングという選手は少ないイメージだ。実際は計り知れないが、走り込みは十分出来ている選手が多いように感じる。また、時期としては、7月開催のため、それまでの練習量も稼げているだろう。そして、鳥取県ということもあり、「関西色」が強い選手層でもある。
そんな皆生大会で使用されたバイクはどんなバイクなのだろうか。またそこか見えてくるものはあるのだろうか。

GERONIMO COUNTは2015年からスタートし8年目に入った。バイクカウントは、元々コナで30年以上行われ、その使用率が話題となっていた。同様のカウントではあるが、「その先」が知りたかった。例えば、コナという最高の舞台でも実際の「選手層」は幅広い。エイジでのハンデはあるが、やはり「SUB10」で使用されるバイク、本当に速い選手が乗るバイクは何か?サーヴェロのシェアはダントツトップだが、人気のあるモデルは何か?など、もっと突っ込んだ「本当のこと」が知りたい。また、ワンバイやハイハンズなどトレンド以前の「兆し」も発見したかった。そんなカウントだ。
Traiathlon GERONIMO「Journal – Race Report」
| 順位 | ブランド | 使用台数 | 使用率 |
| 1 | SPECIALIZED | 118 | 12.0% |
| 2 | TREK | 117 | 11.9% |
| 3 | ceepo | 101 | 10.2% |
| 4 | cervelo | 98 | 9.9% |
| 5 | GIANT/Liv | 54 | 5.5% |
| 6 | PINARELLO | 40 | 4.1% |
| 7 | ANCHOR/BS | 37 | 3.7% |
| 8 | cannondale | 34 | 3.4% |
| 9 | FELT | 31 | 3.1% |
| 10 | COLNAGO | 24 | 2.4% |
| その他合計 | 324 | 32.8% | |
| 不明 | 8 | 0.8% | |
| 未確認 | 1 | 0.1% | |
| 81 | 合計 | 987 | 100.0% |
※Counted by Triathlon GERONIMO
結果はスペシャライズドが1位だった。ただトップ3は三つ巴で、2018年はシーポ、2017年はトレックが獲っている。スペシャライズドとトレックはやはりビッグメーカーとしての勢いを感じる。また、シーポは関西では強い。意外と思われるのはサーヴェロだろう。トライアスロンと言えば、そして、アイアンマンなどロング系ではKingとも言えるサーヴェロだが、ここ皆生では過去全て4位で終わっている。
皆生はブランド数が多く、80ブランド以上となっている。大会によるが、少ない大会は70ブランドを切っている。昔は100ブランドを超えることもあったが、一極集中が進み、ブランド数は減少傾向となっている。これはトライアスロンバイクへの傾向が微増ながらも増える傾向に関係があり、トライアスロンバイクをリリースするブランド数とも関係性が強い。ロードバイクでも同じブランドで揃えるなどということも良く聞かれる話だ。
◆◆◆
3年ぶりに開催した皆生大会の結果であり、これが全てではない。リリースやデリバリーが戻りつつある中で、また新たな動きも出てくるだろう。MONOとして、メーカーからの動きもあるが、国内でのトライアスリートの動向として、「ロードバイク」のトライアスロンでの使用が進む可能性がある。特にどちらも必要となる「DHポジション」だが、以前は高くなり過ぎてしまうDHポジションが、シートアングルとともにちょうど良くなっている傾向も見受けられる。また首への負担感を訴える選手も少ないのが現実だ。
絶対はない。自身に合ったバイクを見つけることが大切だが、そこには練習量も大きく関係している。

今年の1位は、スペシャライズドだった。2022年のカウントでは、石垣島、横浜(エリート)、彩の国でも1位を獲っていて、やはりその強さを感じる。国内では、絶対数、その中でのトライアロンバイク比率などが高い、数少ないメーカーだ。現行のトライアスロンバイクSHIVと共にロードバイクのTarmacなども人気が高い。トライアスロン61台、ロード57台とバランスの取れた総合メーカーとなる。
2位のトレックは、やはり世界のビッグメーカーだ。今年5月のセントジョージアイアンマン世界選手権では2位の使用率、前回2019年のコナでも2位となっている。Speedconceptと共にエアロロードのMadoneなどトライアスロンシーンにおいて、その存在感を大きく放っている。そして、昨年11月にローンチされ、2月頃からデリバリーの始まった新型Speedconceptはビッグメーカーのリリースする新型として注目が集まっている。
3位のシーポは、トライアスロン専門メーカーとして、その立ち位置をキープしている。トライアスロンバイクは85台、ロードバイクは16台であり、85%近くをトライアスロンが占めている。もちろん舞台は国内のみならず、5月のアイアンマン世界選手権においても18台の使用が確認されている。そして、やはりメインイベントと言える10月のコナでは更に多く使用されているはずだ。直近となる2019年では惜しくも11位の使用率だ。
| 年度 | 総台数 | TOP10台数 | 使用率 |
| 2022 | 986 | 654 | 66.3% |
| 2018 | 952 | 600 | 63.0% |
| 2017 | 983 | 587 | 59.7% |
※未確認1台除く
Counted by Triathlon GERONIMO
概況でも触れたが、Top10ブランドへの集中傾向が見て取れる。各ブランドはTop10下位は変化するが、概ね Top10の使用台数が増えている。大手メーカー、トライアスロンバイク専門、ロードバイク人気メーカー、イタリアン、そして、モデル数の多いメーカーなどとなっている。ちなみにコナでのこの傾向は、2019年で78%近い選手がTOP10ブランドを使用している。平均70%程度が多いため、全体から見ればその傾向はやや低めとなる。

GERONIMO COUNTでは当初、トライアスロンバイクの増え方をチェックする意味で定点観測していたが、昨今では必ずしもトライアスロンバイクが正解とは言えないと考えている。価格などの点もあるが、やはり大切なことは、フィッティングであり、結果として、どちらのバイクを使用するか考えるべきだからだ。ただ、一方で「憧れのトライアスロンバイク」と考える人が多いのも現実だ。トライアスロンバイクを使用する場合、是非フィッティングとセットで考えて欲しい。ピンポイントとなるトライアスロンのポジションは極めて難しい。
いずれにしても納得行くポジション出しとなるよう、ショップとの長いお付き合いが重要となるだろう。
| 順位 | ブランド | 総台数 | Triathlon | 比率 |
| 1 | ceepo | 101 | 85 | 84.2% |
| 2 | cervelo | 98 | 71 | 72.4% |
| 3 | SPECIALIZED | 118 | 61 | 51.7% |
| 4 | TREK | 117 | 42 | 35.9% |
| 5 | FELT | 31 | 17 | 54.8% |
| 6 | cannondale | 34 | 14 | 41.2% |
| 7 | GIANT/Liv | 54 | 11 | 20.4% |
| 7 | CANYON | 21 | 11 | 52.4% |
| 9 | BMC | 15 | 9 | 60.0% |
| 10 | ARGON18 | 9 | 8 | 88.9% |
| 598 | 329 | 55.0% |
Counted by Triathlon GERONIMO
堂々の1位はシーポだった。同ブランド内でのトライアスロンバイク比率は極めて高い。ちなみに16台をロードバイクとしているが、その多くがMambaやStingerとなる。設定としては、ロードバイクだが、そこはトライアスロン専門メーカーだけに、トライアスロンに近いロードバイクとして作られている。
所謂「トライアスロン適正」の高いロードとして、Triathlon GERONIMOでは「トライロード」と呼んでいる。シートアングル、ヘッドレングスなどのジオメトリー、エアロダイナミクス、走行感の快適性など、カテゴライズが明確に出来ないロードバイクがある。他社にもその適正のポイントが高めなロードバイクがある。そんなトライアスロン寄りのロードバイクのラインナップの拡充が各メーカーから積極的なリリースになることを期待したい。
| 年度 | 使用台数 | Triathlon | 比率 | Road | 比率 |
| 2022 | 986※ | 382 | 38.7% | 608 | 61.7% |
| 2018 | 943 | 331 | 35.1% | 612 | 64.9% |
| 2017 | 947 | 316 | 33.4% | 631 | 66.6% |
※未確認1台除く
Counted by Triathlon GERONIMO
結果はトライアスロンバイク比率が少しずつ増えている。前述の通りだが、憧れのバイクだけに「正しいフィッティング」が出来ているのであれば、トライアスロンの「盛り上がり」を示す数値と言っても良いだろう。
トライアスロンバイクをいつ買うのか、昔はロングを目指す時が多かったが、ここ10年ではミドルを目指す時に購入する傾向が強い。ミドルはODのようなわけにはいかない。ある程度の練習は必要になるだろう。
逆説的だが、トライアスロンバイクが増えることは、ミドル以上に出場する選手も多くなり、練習するトライアスリートが増えることになる。やはり、プロセスこそ価値のあるトライアスロンだけに「ロング/ミドル志向」は、トライアスロンのスポーツ文化を守る上で大きな役割を果たすことになる。
ちなみにこのトライアスロンバイク比率は低い。宮古島は50%を超えている。ここで「コース論」にはなると思うが、冒頭で述べた通り、普段どうしているのか、ということになるだろう。

昨年から特に注目しているのが「新型率」だった。コロナ禍があり、その数値の比較は単純には出来ないが、推移を確認している。その手段として「ディスクブレーキ仕様」のバイクをチェックしている。
ディスクブレーキは概ね早いメーカーで2016年モデルから始まり、2018年から2020年でそのフェーズに入った。2020年以降では「遅い」と言えるのだが、昨今の事情も相まって、遅れたメーカーも少なくない。大会の中止とともに、生産の優先順位、材料、パーツ調達の困難など、向かい風が厳しくなってしまった。
そんな状況はまだ完全に打破できてはいないが、以前よりは戻りつつある。「2023年モデル」と言われるこの時期では、カウントデータの信憑性も高まってくるだろう。トライアスロンバイクでは、単なるディスク化ではなく、全体からの見直しが必要なため、ディスク化というよりは新しいコンセプトのもとに新型がリリースされているため、時間はかかったが、ほぼ出揃った感となっている。
| 台数 | Disc | 比率 | Rim | 比率 | ||||
| Tri | Road | 合計 | Tri | Road | 合計 | |||
| 986※ | 71 | 98 | 169 | 17.1% | 311 | 506 | 817 | 82.9% |
※未確認1台除く
Counted by Triathlon GERONIMO
結果は上表の通りの結果となった。この数値をどう見るかだが、4月の石垣島では、23.8%、6月の彩の国では32.5%だっただ家に、低い結果であったと感じてしまう。やはり、パーツ交換やDi2化と違い、「バイクの買い替え」となることは簡単ではない。元祖であり、老舗の皆生大会ではベテラン選手が多く、旧型のバイクもしっかりとメンテナンスされ大切に使用されている。絶対値ではなく、徐々に伸びることを期待したい。
そもそも「ディスクブレーキ」は必要なのか、数年までに議論されたことだ。全ては安全性と考えている。ブレーキだけでなく、その前に行なわれていたのが「ホイールの強化」だった。路面と接しているのはホイールであり、制動力はブレーキだけではなし得ない。その意味では、より安全性の高まったバイクが増える傾向にもあるということはとても大切なことなのだ。

皆生大会、バイクも歴史を感じるさせるものがあった。最新機材が良いのは確かだが、安全性の問題なければ使う、きっとそんな選手が多いのだろう。まさに古き良き、現在に残る発祥の大会らしさを感じた。
来年はどんなバイクが並ぶのだろう。
その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=41470
「皆生のコースはトライアスロンorロードどちらでしたか?」

★Recap 大会トピックス http://triathlon-geronimo.com/?p=41656
国内トライアスロン発祥の大会皆生。3年ぶりの開催となった。昨年も8月に順延し、開催に挑んだが、叶わなかった。今年こそはと期待が高まっていた。そんな中で無事開催となった皆生大会は、「ロングの再開」でもあった。2020年4月の宮古島が中止となり、それ以降、長崎、佐渡も含め、国内ロング四大会は止まっていた。
ロングとなれば時間がかかる。ボランティアや医療班の体制を整えるのことが極めて大きな負担となってくる。国内トライアスロンにおいてロング再開は希望の光でもあった。2022年こそ復活の年と期待していたが、中止や定員割れなど少なくない。そんな情報が入って来る中で、皆生大会は変わらずの人気を誇っていた。
「発祥」と言うだけで長く続けることはできない。やはり、鳥取の宝として、地元の人に守られ続けて来た大会だった。KONAのアイアンマンは2018年に40周年とっているが、皆生もさほど変わらない歴史を持っている元祖「日本の鉄人レース」なのだ。

≪皆生の歴史は、日本の歴史≫
再開の皆生大会は節目となる40回目の開催だった。第1回は1981年、ホノルルで開催されたアイアンマンのマニュアルを取り寄せ、国内初のトライアスロンが53名の勇者によって開催されたのだった。当時の距離は短く、スイム2.5km、バイク63.2km、ラン36.5kmで開催されている。現在では、ミドルに近いものではあったが、当時は、3種目連続で行うだけでも鉄人だったのだ。現在に近い距離となったのは、1986年第6回大会以降となる。40回目の夏を迎えたのだった。
≪地元に支えられた大会≫
ボランティアに支えられた大会で、その数は4000名を超えていることも皆生の特長であり、名物でもある。私設エイドもあり、「休んでいけ、食べていけ」と皆生流のおもてなしをしてくれる。ただ、今年は叶わなかった。選手はもちろん残念だが、地元の人々も選手との交流を楽しみにしている。発祥の誇りと優しさで、全国から集まる「鉄人」たちを迎えてくれる。そんな地元のボランティアもいつも通りとは行かない中だったが、最善のサポートと応援をしてくれていた。
【Bike】115km
アップダウンの難コース。序盤はフラットもあるが、中盤からのアップダウンのイメージが強く、終わってみれば、そのイメージしか残らない。そんなタフなコースとなっている。例年であれば大山を含めた140kmとなっているため、今年は少し楽となるはずなのだが、やはりそのハードなコースはベテランも唸らせる。
【1st Run】6.9km
本来はスイム3kmだが、高波のため、ファーストランとして開催された。目的はバイクスタートでバラけさせることだ。スイムスタート地点から東側に移動したところから一斉スタートとなる。最後のランと同様に海沿いを走り、折り返し戻って来る。折り返し地点は、選手の走り易い設定で往復し6.9kmとなった。
【Run】32km
今回注目となるのが、新コースだ。弓ヶ浜サイクリングコースを利用し海沿いを走る。以前のコースは、信号でのストップ&ゴーがあり、ペースが掴みにくいとされていた。またロードコンディションは極めて良くなり、段差や傾斜がなくなり、走り易くなっている。そのため、地元選手は、スピードレースの想定をしていた。

長い一日が始まる。
笑顔の中にも緊張感を感じる。
当然だろう。
皆生のためにトレーニングを積んで来た。だからこそ、良い緊張感を感じる。
積み上げたものを出し切って欲しい。















【1st Run】

≪フラットで距離も短い1stランコース≫
やはり想定外だった1stラン。当日は、天候も良く、風もない。ベストなコンディションが予想されたからだ。朝5:00スイムを中止、1stランになったことがアナウンスされた。会場で初めて知る選手も少なくなく、一様の落胆となった。やはり、得意、不得意は別にして、「トライアスロン」としての開催を望まない選手はいないだろう。
スイムを得意とする選手にとっては明暗を分けることとなったが、こればかりは仕方がない。3時間半後のスタートまで会場で待機となった。芝生などに座って静かに待つ選手たち。口々に「嫌な時間ですね。」と。拍子抜けと言ったところだろうか。
8:30 ついにスタートなった。ショートのデュアスロン並に、猛ダッシュとなる選手からマイペースでゆっくりと後方からスタートする選手など、トップの23分台から1時間以上の選手までとなった。いきなり、スプリントとなった選手たちは、「上げ過ぎた、きつかった」など、変則的なスタートに惑わされた。







【Bike】

≪皆生の象徴、変わらずのタフなバイクコース≫
皆生だけではないが、皆生と言えば、バイクコースが話題となるだろう。鳥取県の象徴の一つでもある大山の上り、その後もテクニカルなアップダウンが続くタフなコースだ。バイクもロードバイクが良いか、トライアスロンバイクが良いか、なども良く聞こえて来る。
今回は、バイクも25km短縮され、115kmとなった。象徴の大山は上らないが十分過ぎるアップダウンが待っている。コースは極めて複雑となっているが、案内はしっかりとしているため、迷うことはない。ここにも多くのボランティアが活躍している。
序盤はフラットコースもあるが、中盤からはアップダウンが続く、また道幅は広いとは言えない箇所も多く、慎重な走りが求められる。上りはきついが、下りも気が抜けない。スピードを活かしたいところだが、安全にも配慮したいところだ。言い方を変えれば、コースを知っていると強い。テクニカルのアップダウンはパワーだけでは走れない。下りをどこまで活かせるか、重要なテクニックとなることは言うまでもないだろう。



























【Run】

≪待望のシーサイド、ノンストップランコース≫
今回から大きく変更となったのがランコースだ。ランコースのエリアとしてはほぼ同じなのだが、以前は、狭い歩道であったり、すぐ渡れてしまいそうな交差点も信号が赤であれば交通規制がないため止まらなければいけなかった。歩道は段差もあり、傾斜もあり、走りづらく、ロングのラストとなるランではきつい。信号が変わりそうになればペースダウンや歩き始める選手。今までは思ったようにマイペースで走れなかったのだが今回は違う。
やはり、シーサイドランはトライアスロンらしさを感じさせるシーンだ。一部防砂林内側を走る部分もあったり、終盤は街中を走るため全てではないが、大部分がシーサイドコースとなる。路面のコンディションは新設のため極めて良好で走り易い。
一方で、選手によっては感じ方も様々なようだった。ノンストップにより単調さが強調されるのか、精神的な辛さも感じていたようだ。レベルにもよるが、信号で止まることもかえって良しとしていた選手もいる。折り返しの夢みなと公園が遠くにずっと見えていることも、良し悪しあったようだ。比較すると個人個人の意見があると思うが、コースとしては、間違いなく「改善」となっている。





























【Finish Line】

これも皆生らしさが溢れたシーンとなる。
皆生ならではということはいくつもあるが、特にゴールシーンは清々しいものを感じさせてくれる。選手同士、仲間、そして、家族との同伴ゴール。トライアスロンの原点とも言える光景が広がっている。
今回は、コロナ禍ということもあり、同伴の人数制限とゴールテープは無しとなっているが、いつもと変わらない空気感に包まれたゴールエリアだった。まずは頑張った選手に拍手を送りたい。今回距離は短くなっているが、「灼熱皆生」は変わっていない。その中で走り切った選手たちは最高の達成感と安堵感でゴールしている。
そして、この感動は選手だけではなし得ない。大会スタッフ、ボランティア、多くの人々に支えられてみんなで作り上げた最高の瞬間なのだろう。





























Congratulations !
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《参加選手》※個人の部
総エントリー数 / 最終出走者数 940/925名
完走者数 / 率 835名 / 90.3%
《総合男子》
1位 井邊 弘貴 No.005 6:05:34(R23:47/B3:18:12/R2:23:35)※連覇
2位 久山 司 No511 6:16:45(R24:09/B3:20:30/R2:32:06)
3位 森 信弥 No.912 6:22:13(R27:00/B3:19:29/R2:35:44)
《総合女子》
1位 髙橋 真紀 No.007 7:20:11(R28:01/B3:54:21/R2:57:49)※連覇
2位 宇治 公子 No.008 7:22:46(R30:07/B4:00:58/R2:51:41)
3位 寺木 佐和子 No.012 7:27:52(R29:54/B4:01:36/R2:56:22)
全ての記録:http://www.kaike-triathlon.com/record/record40.htm
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その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=41470
「皆生は、2023年に向けスタートしている!」

選手目線でのレポートを書いて頂きました。
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全日本トライアスロン皆生大会参戦記「3年ぶりのロングレースを終えて」
安藤友久
ついに3年ぶりのロングレースに出場できることになった。この間、ショート2レース、ミドル3レースに出場してきたが、ロングのレースはコロナが始まってからすべて中止。6月に予定していたアイアンマンケアンズも直行便の運航中止により出場断念。ロングレースを主目標にしてきた自分にはレースの予定が立たないので心折れそうになる時もあったが、スイム、バイク、ランそれぞれに練習仲間がいてくれたお陰でなんとか練習が継続できていた。
ただ、6月のバラモンキングが直前に中止になったので、皆生も直前まで開催できるのだろうか不安がよぎったが、前々日のTETSUJIN皆生通信(皆生トライアスロンのメルマガ)で大会会長の米子市長から「中止という選択肢はない」とのメッセージがあり、皆生スタッフの心意気に俄然やる気がわいてくる。

前日の開会式と競技説明会にトラ仲間と参加、コロナ以降の競技説明会はWEBで開催が主流になっているが、さすが皆生は参加必須。バイク預託は前日と当日であったが雨がひどいので、当日行うことにする。今回はコロナの影響でバイク25キロ、ラン12キロ短縮されるので、距離的にはミドルとロングの中間ぐらいとなり、いつもよりレースは楽かと余裕があったが、後でその期待はみごとに裏切られ、いつも通りの過酷なレースとなる。
そして当日朝はピーカンのいい天気、5時起床して駅前ホテルから自走で会場に到着。かつてのスイム仲間がいたので声をかけると衝撃の一言が、「安藤さんスイム中止ですって、代わりにファーストランです」え~、このいい天気にうそでしょ! 少し気が動転して信じられなかったが、海のうねりと波が高くて危険とのこと、スイムは生命にかかわるので主催者判断でやむなく納得。1stランの準備をすることになる。

レースでスイム中止になって1stランになるのは初めての経験なので、どのくらいのペース6.9キロ走ればいいのかわからず、とりあえず前のほうでスタート。コロナ対策でスイムは10人づつのローリングスタートの予定だったが、1stランは1000人がかなり密な状態でのスタートとなる。
とにかく周りのペースが速く、流れに乗ろうと最初の2キロはキロ4分を切るペース、これはまずいとややペースダウンして、抜かれても自分のペース維持に注力、折り返しからは陽射しが強く暑さでだんだんペースも遅くなってきたが、全体83位、キロ4:15平均で1stランを終了。

1stランから心拍160超えでバイクに突入、いつものスイムからのバイクだと終盤楽に泳いで心拍抑えめでバイクなのが、最初から心拍Maxで始まったので息が切れてなかなかスピードに乗れない。10キロぐらいまではどんどん抜かれて焦るが心拍が落ち着くまでは我慢と自分に言い聞かせて、「お先にどうぞ」と心の中でつぶやいていた。20キロ過ぎたあたりからようやく調子がでてきて抜かれることがなくなって、前方を走る選手と同じぐらいのスピードでアップダウンの連続コースにはいっていく。
ところがあと50キロの折り返しの中山温泉ASでアクシデント発生。給水して出ようとするとシャカシャカの異音が、チェーンが外れてからまってるではないか、焦って素手でチェーンを鷲掴みして直そうとしたら右手が何か所も切れて出血で手が血だらけになっている。これでは走れないのでASの救護所に駆け込み出血の治療をしてもらう。何分ロスしたかはわからないが、チェーンも直して再出発。結局バイクは4:05:20で終了時109位。26人に抜かれたことになる。

ランはいつもとコースが違い、途中まで海岸沿いのサイクリングコースを走ることになったので、皆生名物の信号停止がなくなり、25キロまでノンストップで走ることになる。気温も上昇してきて、海岸沿いで何も陽射しを遮るものがないので、暑さでここから過酷なレースが始まった。すべてのエイドでスポンジで頭から水をかけ、氷を帽子の中とトライウエアの中に入れるいつもの暑さ対策を行い、とにかく身体を冷やしてペースを維持。他の選手もかなり苦しそうに見え、一人また一人と地味に抜いていく。
折り返し地点少し前で大塚さんにトラ仲間の土屋さんより5分遅れていると激励され力を振り絞る。ようやく折り返し地点を通過するが、暑さと疲労で大幅にペースダウンし横腹も痛くなってきて歩きたいという気持ちと葛藤、歩いたらそこでレースが終わってしまうので、ゆっくりでもいいから走ろうと決める。サイクリングロードが終了して海岸沿いを離れ一般道に出ると、暑さが和らいだのか疲労困憊してはいるがペースが少し戻ってくる。長いレースもあと4キロぐらいになり、電車の踏切で走行を止められている土屋さんに追いつく。踏切が開いて走り始め、いったんは土屋さんを追い越すがそのあとまた抜かれ、足の爪も痛くなり、もう追いかける脚力が残っていなかった。
苦しかったがランは32キロを3:01:25で走り36人抜いて73位でゴールできた。やっぱりロングは過酷だった、久しぶり過ぎてレース途中で過酷だったことを思い出したほど、しかしゴールして達成感もショートやミドルとは比べようもないことを思い出した。

このコロナ禍で大会を開催して下さった大会関係者や多くのボランティアの方々に御礼を申し上げます。また日頃いっしょに練習をしてくれるトライアスロン仲間、気持ちよくレースに送り出してくれる家族に感謝です。
今シーズンはあと9月の佐渡トライアスロンがあります。コロナで開催が危ぶまれますが開催されれば全力で頑張っていきたいですね。
距離: 1stラン6.9km バイク115km ラン32km
成績: タイム7:35:45 総合73位 年代別5位
その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=41470
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka

選手目線でのレポートを書いて頂きました。
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初めてロングのトライアスロンに出場したのは2015年宮古島大会でした。
美しい景色、沿道の応援、そしてゴールの感動、以来すっかりトライアスロンの虜になりました。トライアスロンを通して知り合った友人から「皆生はいいよ」と聞き、2度エントリーするも、いずれも落選。縁がないとあきらめていたところ、2021年大会の出場機会をいただくことができました。念願の出場に向けてトレーニングを積んでいましたが、コロナが収束せず大会の1年延期が決定。その後2022年に入り、職場、家族など公私に大きな変化が続き、十分にトレーニングができない日々が続きました。焦る気持ちとはうらはらに、大会まであと6カ月、3カ月、1カ月と近づき、そして不安な気持ちのまま当日を迎えることとなりました。
今回の目標は「完走」。トレーニング不足でしたが、天気予報は曇りとコンディションはまずまず、距離が短縮されたこともあり、合計9時間30分(スイム1時間、バイク4時間30分、ラン3時間30分+α)を目標にゴールを目指すことにしました。

当日朝、FBグルーブに書き込みがありスイム中止を知る。「こんなにいい天気なのに?」半信半疑のまま旅館を出てスイム会場に向かってみると、納得の高波とうねり。そこからスタートまでの2時間あまりをバイクのセッティングや柔軟をしながら過ごす。待つ間にも太陽はジリジリと照り付け、汗が流れる。すでに臨戦態勢の選手もいるが、私は「安全第一で完走」と自分に言い聞かせながら日陰で横になりスタートまで体を休める。

海沿いの細い道に選手の長い列ができる。まだ8時過ぎだというのに気温は上昇。今日は暑い一日になると覚悟を決め、マスクを外してランスタート。私のスタート位置はちょうど列の真ん中、それでも周りのペースは思ったより速い。まだまだ先は長いので無理せず、マイペースを心掛けるも汗が止まらない。汗だくになりながらランフィニッシュ。

バイクのスタート準備をしていると「時實さん!」の声。振り向くとクラブジェロニモの吉田さんだった。ここからゴールまで彼女と抜きつ抜かれつの旅となるとはこの時点では予想もしなかった。
今回のバイクコースは一番きついといわれる大山のコースがカットされ、距離も短縮されている。最初の40キロはフラットで風もなく、順調に先行する選手を抜いていく。道を間違えそうな分岐点には必ずボランティアの方が立っているので、コースに迷うこともない。スタートして感じたことは「今時のバイクが少ない」ということ。昔から出ている常連の選手が多いせいか、古いタイプのバイクが多いという印象。それだけ歴史のある大会なのだと改めて実感。そんなことを考えているとアップダウンの区間に突入。
もう何百回も聞いている「上半身リラックス」「回転数優先」を心掛け、ギアを軽めにして足への負担を減らすが、ここで誤算。日ごろ使っているローラー台のパワーメーターとバイクに取り付けているパワーメーターとでは表示されるワット数がずれるのだ。これまで実走はほとんどせず、インドア中心のバイクトレーニングだったことが裏目に出た。表示されるワット数を頭の中で修正しながら、負荷が一定になるようペダルを回す。
折り返しを過ぎたところでカメラを構えていた大塚さんから「1分前に吉田さんが通ったよ」と教えてもらう。先行していたつもりがいつの間にか抜かれていた。1分差だったら追いつけるかもしれないと、そこからスピードアップ。なかなか姿が見えてこないが、ターゲットが設定できたおかげで後半の集中力を保つことができました。残り20キロ地点の坂を下ったところでようやく発見。「ランで勝負だね」と声をかけて追い抜くもすぐに抜き返され、あっという間に見えなくなってしまう。ずいぶん調子がよさそうだ。結局再び追いつくことが出来ないまま、バイクフィニッシュ。

バイクラックにはすでに半分くらいのバイクが戻っていた。ここからランで順位を上げれば、上位3分の1くらいに入れるかもと気合を入れなおす。
トランジットでウエア、ソックスを全て着替え、デオドラントシートで全身を拭く。タイムロスだとは分かっているが、ロングのレースでは必ず行うことにしている。気持ちがいったんリセットされるので、トータルではロスにはなっていないと自分では思っている。
ランスタート後、アンクルサポーターをつけ忘れたことに気づく。足がつりやすい私にとってふくらはぎを適度に圧迫してくれるサポーターはレースの必需品だ。引き返すのも面倒だし、今回は32キロなので何とかなるだろうと考え、そのまま前へ進む。スタートして5キロで再び吉田さんに追いつく。「また後で」と声をかけて再び前へ出る。調子が良さそうなので、また抜き返されるだろう。
折り返し地点のタワーがはるか遠くに見えるが、とにかくあそこまでは今のペースで行きたい。足は意外と軽いが、事前に聞いていた通りコースに日陰がなく、とにかく暑い。しばらくして復路の土屋さん、安藤さん、生井さんとすれ違い。3人とも辛そうだ。つらい時間帯に仲間の顔が見れるのはありがたい。速い選手も遅い選手も条件は同じ、みな頑張っているのだからと自分に言い聞かせる。
折り返しを過ぎたところで急に両足が固まり、つったような状態となり立ち止まってします。アンクルサポーターを忘れたことを後悔する。往路で抜いた選手が次々に追い抜いていく。時間はまだまだ余裕がある。焦っても仕方ないので、足の回復を待ち、歩いては走り、つりそうになるとまた歩くを繰り返す。残り7キロ地点で「ようやく追いついた」と再び吉田さんに声を掛けられ、しばらく並走する。もっと早く追いつかれると思っていたが、彼女も相当苦戦しているようだ。残り3キロのエイドまで抜いたり、抜かれたりを繰り返す。そしてついに競技場が見えてきた。もう最後は歩かないと決めて前に出る。暑くて長い一日がようやく終わった。

今回のレースは練習不足もあり、課題が多いレースでした。これだけレース中に歩いたのは初めてで、距離短縮がなければ、完走は難しかったかも知れません。レース前は正直「皆生が終わったら、少しトライアスロンを休憩しようか」とも考えていました。しかし、皆生に出て改めて「トライアスロンが好き」ということを実感しました。
トライアスリートは皆、仕事、家族など様々な個々の事情を抱えながら、トレーニング時間を確保し競技を楽しんでいます。私も生活の一部にトライアスロンを取り入れながら、これからも長く競技を楽しんでいきたいと思います。そしてまた皆生に戻り、今度は納得ができるレースをしたいと思います。
最後になりますが、一緒に出場しレース中も励ましあえたクラブジェロニモの仲間、そして何よりも大変な状況下で開催していただいた大会関係者、ボランティアの皆様に感謝します。ありがとうございました。
1stRUN 39:47(591位)、BIKE 4:44:38(434位)、RUN 4:18:55(451位)、Total 9:43:20(444位)
その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=41470
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka

第40回全日本トライアスロン皆生大会が開催された。
国内トライアスロン発祥の大会皆生。3年ぶりの開催となった。昨年も8月に順延し、開催に挑んだが、叶わなかった。今年こそはと期待が高まっていた。そんな中で無事開催となった皆生大会は、「ロングの再開」でもあった。2020年4月の宮古島が中止となり、それ以降、長崎、佐渡も含め、国内ロング四大会は止まっていた。
ロングとなれば時間がかかる。ボランティアや医療班の体制を整えるのことが極めて大きな負担となってくる。国内トライアスロンにおいてロング再開は希望の光でもあった。2022年こそ復活の年と期待していたが、中止や定員割れなどの少なくない。そんな情報が入って来る中で、皆生大会は変わらずの人気を誇っていた。
「発祥」と言うだけで長く続けることはできない。やはり、鳥取の宝として、地元の人に守られ続けて来た大会だった。KONAのアイアンマンは2018年に40周年となっているが、皆生もさほど変わらない歴史を持っている元祖「日本の鉄人レース」なのだ。
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以下、リキャップとなる。今年も忘れられない大会となった。Photoレポートは後日あらためて。

再開の皆生大会は節目となる40回目の開催だった。第1回は1981年、ホノルルで開催されたアイアンマンのマニュアルを取り寄せ、国内初のトライアスロンが53名の勇者によって開催されたのだった。当時の距離は短く、スイム2.5km、バイク63.2km、ラン36.5kmで開催されている。現在では、ミドルに近いものではあったが、当時は、3種目連続で行うだけでも鉄人だったのだ。現在に近い距離となったのは、1986年第6回大会以降となる。
そして、第1回の優勝者である「高石ともや」がスペシャルゲストとして、40年前を振り返りながら、楽しいトークと変わらない優しい歌声を披露してくれた。現在、80歳の高石さんは、第1回出場時39歳、長くトライアスロンやマラソンを愛する歌うトライアスリートで、ミスター皆生とも言えるレジェンドだ。

今回、距離設定が短くなった。スイム3km、バイク115km、ラン32kmでの開催となった。例年は、バイク140kmにフルマラソンとなる。もちろん、例年通りを希望する選手も声も聞こえてきていたが、昨今の事情の中での止むを得ない判断をしている。
大会は三位一体で成り立つ。選手、スタッフ、そして、ボランティアだ。例年4000名を超えるボランティアが特長の皆生大会で、多い時は4400名程度となっている。選手1名につき4名のボランティアとなる計算だ。そんなボランティアの多さは皆生の名物であり、「優しさ」でもある。
今回のボランティアは半数となったため、コースを短縮を余儀なくされてしまった。エイドステーションの数も減らし、選手との接触も極力避けるように運営されていた。本来の「皆生流」からすれば歯痒いところだろう。地元のホットなサポートこそが、選手へのおもてなしでもあったからだ。
「今」できるカタチでの開催となった。

今回の大きな変更点となったランコース。信号が無くなったため、走り易くなった。以前は、信号遵守で、ストップが多かったため、信号に合わせたペースダウン、歩きなど「一定走」ができない箇所もあった。また、狭い歩道部分もあり、段差、傾斜面、路面の凹凸などもあったが、ご覧の下り、極めて良好なコースとなっている。大きな見方では以前も海に近かったのだが、今回は完全にシーサイドとなる。全てではなく、防砂林の内側を走る部分もあるが、ノンストップで気持ち良く走ることができる。何よりも最高の景色ではあるが、楽しむ余裕があったかどうか。
バイクコースは、名所「大山」がカットされたコースとなった。大山は鳥取県の富士山で象徴だが、運営上カットの対象となった。ただ、25km短くなったとは言え、そのハードさは変わらない。基本的にアップダウンとなるコースは、今回の「115km」だったので完走できたのではないか、と言うような声も聞いた。
そして、スイムは後述の通りとなる。

朝5時スイムの中止が決定した。ご覧の通りだが、ここは日本海であり、冬場は特別な光景ではないとのこと。10分に1回程度このクラスの波がやって来る。選手の安全を考慮し、中止となった。スタートの8時にはやや収まったが、これは管理上致し方ないことだ。ちなみにスイム中止は40年の歴史で、今回6回目となる。
選手は一様に驚いていた。天候は朝から晴れ、風もなく、穏やかだったからだ。海だけが荒れていた。決定は5時、受付は5時半のため、HPを見ずに来た選手も少なく無かった。スタートまで3時間以上あり、「嫌な時間だな」と口を揃える選手たちだった。
当日の天候は、スタート時8時半の気温は25.3℃で、湿度は86%。そして、最高気温を記録したのは16:12の31℃。ランの後半で苦しんでいる時に出ている。やはり皆生の夏は手強かった。

過去5回スイムが中止になっているが、3回目からは「1stラン」をスイムの代替としている。今回の1stランは、6.9kmとなっている。過去の3回は7.8kmや8.3kmの設定だったので、少し短くなったことになる。この1stランは明暗を分けた。スイム時より30分遅らせ8:30スタートとなったが、トップ選手の折り返し通過が、なんと8:40。キロ3分を切る選手から、マイペースの選手までバイクスタートに40分近くの差があった。
スタートラインが敷かれ、ランの猛者が前を陣取る。スタート前の緊張感で重い空気だったが、スタート直前ではご覧の通り、覚悟を決めて、笑顔も見ることができた。

《参加選手》※個人の部
総エントリー数 / 最終出走者数 940/925名
完走者数 / 率 835名 / 90.3%
《総合男子》
1位 井邊 弘貴 No.005 6:05:34(R23:47/B3:18:12/R2:23:35)※連覇
2位 久山 司 No511 6:16:45(R24:09/B3:20:30/R2:32:06)
3位 森 信弥 No.912 6:22:13(R27:00/B3:19:29/R2:35:44)
《総合女子》
1位 髙橋 真紀 No.007 7:20:11(R28:01/B3:54:21/R2:57:49)※連覇
2位 宇治 公子 No.008 7:22:46(R30:07/B4:00:58/R2:51:41)
3位 寺木 佐和子 No.012 7:27:52(R29:54/B4:01:36/R2:56:22)
全ての記録:http://www.kaike-triathlon.com/record/record40.htm
その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=41470
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka

ついに3年ぶりの皆生大会が開催される。国内初の「鉄人レース」を開催した大会は今年で40回を迎える。
2020年は、さすがに開催は難しかった。昨年は8月に日程を順延としたが、タイミングが悪かった。そして、10月開催も検討されたが、水温、波など日本海での開催は簡単ではなかった。
皆生は、日本のトライアスロンの歴史を紐解く大会でもある。オアフ島で開催していたアイアンマンの運営マニュアルを取り寄せ、開催された「日本のアイアンマン」でもあるのだ。そんな歴史を感じさせてくれる最古の大会は、レベルが高い。安全第一の中で選手の実力が大きく関係してくるため、抽選ではない。厳正な書類選考の元、出場権を獲得することができる。1980年代の国内創成期の感覚が残る唯一の大会と言っても良いだろう。
今年の変更点は大きく2点。まずは距離が短くなっている。スイムは変更無く3kmだが、従来の一斉スタートではなく、グループ分けのローリングスタートとなる。バイクは大山をカットし、140kmから115kmへ。ランは42.195kmから32kmとなる。そして、ランのコースが変更され、弓ヶ浜サイクリングコースを使って、シーサイドを走るコースとなる。
いづれにしても「灼熱皆生」はサバイバルの様相となるだろう。
前回(2019年)レポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=31049

■開催日 2022/7/17(日)
■競技
スイム3km / バイク115km / ラン32km
※詳しくは、http://www.kaike-triathlon.com/
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Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka

WTS横浜2022におけるバイクデータとなる。
2015年からの定点観測となる横浜のバイクカウントは8年目となった。トライアスロンバイクではないので、劇的な変化はないのだが、「Sign / Trend / Standard」の3段階では動いている。また、ここでは、「エリート」のカウントとなるため、エイジグループのような「人気ランキング」ではなく、プロ及びプロに準ずる選手、そして、メーカーの動きとなる。
トライアスロンへ注力するメーカーはどこなのか、もちろんバイクメーカーだけではない。各パーツメーカーも特徴が出ている。国内でトライアスロンが始まって42年、オリンピックでの正式種目となって6回、今や自転車系競技としてのメーカー注目度も高く、安定していて、開発にも繋がっている。そんな「メーカー色」はどのように表れていたのだろうか。
いずれにしても限られた「92名」の選手のバイクからの分析であることを前提にしつつも、オリンピックに次ぐWT(ワールドトライアスロン)最高峰のシリーズ戦としての結果でもある。
まずは、ウィナーズバイクをチェック。エリート男子はTREK、エリート女子は今年もSPECIALIZEDとなった。

エリート男子のウィナーズバイクは、アレックス イー選手が使用したトレックEMONDAだった。トレックにはエアロロードMADONEがあるが、チャンプの選んだバイクは、オールラウンドのEMONDAだった。一方で、DHバーは装着し、フロントギアはワンバイ仕様となるなど、こだわりを見せている。リムハイトは47mmを使用し、後述にも出るが、ややトレンドから外れたハイトを使用していた。ランで勝負をするイーのスタイルが随所に出ている仕様だが、エイジ選手にも参考となる仕様だろう。

エリート女子のウィナーズバイクは、ジョージア テイラー ブラウン選手が使用するスペシャライズドS-WORKS TARMACだった。「The WTS横浜」と言えるバイクだ。2015年のGERONIMO COUNT開始からの確認となるが、常にトップシェアとなっている。テイラーブラウンのバイクは、DHバー無し、その他も特徴的な仕様ではない、オーソドックスだが、ホイールはスペシャライズドの新コンセプトであり、ハイトのトレンドでもあるRAPIDEのフロント51mm、リア60mmをセッティングしていた。

次にバイクシェアは下記の結果となった。
スペシャライズドの使用率の高さは想定内の結果だった。自転車競技も含め、グローバルにその頂点を極めるメーカーの存在感は大きい。ただし、昨年の22.6%と比較すると「ダントツ感」のイメージは無くなっていた。昨年は女子選手だけで17台使用されていたので、そこが減っているようだ。使用されているモデルは、男子でTarmac7台、Venge3台、女子は全員Tarmacとなっている。昨年まで、女子選手ではAmiraなども使用されていたが、全てTarmacとなった。Tarmacは、今やオールラウンドの代表格とも言える人気モデルで、女子選手にも一本化したことで、幅広く、かつ完成度の高さが、そのイメージとなった。
一方、追随するメーカーも気になるところだ。2位ジャイアント/リブは昨年は別々にカウントしていたが、それでも7台から伸ばしている。横浜の1週間前にアイアンマンチャンピオンとなったブルンメンフェルトやイデンも参戦していれば更に増えていたことだろう。そして、同率2位のトレックも不動のメーカー、昨年と同数をキープしている。スペシャライズドとはコンセプトを画し、「エアロロード」MADONEへの注力度は高いが、ウィナーズバイクはEMONDAなっている。男子は4名がMADONE、2名がEMONDA、女子は半々となっていた。
トップ3ブランドで39.1%を占めている。スペシャライズド、トレックは、 KONAでもメジャーブランドだが、ジャイアントは「二刀流」ブルンメンフェルトの大活躍により、トライアスロンへのイメージが急上昇している。現行トライアスロンバイクのTrinityの新型化が遅れていたかと思えば、グループブランドCADEXであえて異形に取り組み、発表と同時に実績を上げるセンセーショナルな動きも極めて面白い傾向だ。
今後も機材バトルに大いに期待したい。
| 順位 | ブランド | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 1 | SPECIALIZED | 10 | 6 | 16 | 17.4% |
| 2 | GIANT/Liv | 4 | 6 | 10 | 10.9% |
| 2 | TREK | 6 | 4 | 10 | 10.9% |
| 4 | BMC | 3 | 3 | 6 | 6.5% |
| 4 | LAPIERRE | 2 | 4 | 6 | 6.5% |
| 4 | SCOTT | 2 | 4 | 6 | 6.5% |
| 7 | CANYON | 4 | 1 | 5 | 5.4% |
| 7 | cervelo | 3 | 2 | 5 | 5.4% |
| 7 | VENTUM | 3 | 2 | 5 | 5.4% |
| 10 | FACTOR | 2 | 1 | 3 | 3.3% |
| 11 | BH | 2 | 0 | 2 | 2.2% |
| 11 | cannondale | 2 | 0 | 2 | 2.2% |
| 11 | FELT | 1 | 1 | 2 | 2.2% |
| 11 | ROSE | 0 | 2 | 2 | 2.2% |
| 15 | ARGON 18 | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | Bianchi | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | CIPOLLINI | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | DOLAN | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | FOCUS | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | ORBEA | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | LEON | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | PINARELLO | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | STEVENS | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | TIME | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | VITUS | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | RIDLEY | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 26 | 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
各ポイントについて分析している。つまり「仕様」となるわけだが、言い方を変えれば各選手の「好み」ということも言える。まずは、「トライアスロン」で使用するバイクの主な特性について、その動きを見てみた。
下記の3点は、「エアロダイナミクス」に関わるファクターとなるが、ドラフティングレースとなるWTS横浜では、「ロードレース」に近いため、必ずしも絶対条件ではない。ただ昨今「バイクの重要性」に注目が集まる中で、単なるロードレース化ではないため、選手の対応が機材面のバイクという形となって表れている。
下記の3点は、トレンドからスタンダードへ移行している。電動変速システムは、完全普及となったのだろうか。また、ディスクブレーキは、バイク本体の新型化との関係性が大きいため増えていることが予想される。そして、パワーメーターは、一般的には高価なイメージがあるが、今や「絶対アイテム」だけに、その使用は必須だろう。
下記の2点は、流行りも含めスペシャルパーツの動きとなる。ビッグプーリーも話題としては久しいが、現在どうなっているのか。そして、18年からスラムのワンバイをきっかけとして、コナでは確実に伸びを見せているフロントシングルは、昨年確認され、今年は増えているのだろうか。
前提として、WTS横浜2022の92選手の結果であり、全てを計るものではないが、概ね、方向性について大いに参考になると考えている。

【エアロロード】
今や馴染みとなったエアロロードは、2010年のスペシャライズドVENGEがその起点と言っても良いが、10年以上経ち、ややメーカーのスタンスに差が出ている。VENGEもそのエアロダイナミクスをTARMACに託し、統合された。ピナレロのように当初よりエアロロードという位置付けにはしていないが、十分なエアロダイナミクスがあったりと、明確にモデルを分けていないメーカーもある。ここでは、オールラウンド以外に「エアロロード」と明確に設定しているメーカーの使用率であり、エアロダイナミクスの優劣ではない。
| フレーム | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| エアロ | 27 | 13 | 40 | 43.5% |
| 非エアロ | 23 | 29 | 52 | 56.5% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
結果は全く同数値となる43.5%だった。昨年もそうだったが、減少傾向が見て取れる。2015年は38.7%、2018年では50.0%だったが、前述の通り、「カテゴリー分け」をしない傾向が伸びれば、今後も減っていくことになるが、むしろより強化されたオールラウンド性の中のエアロダイナミクスとして注目されて行くのかもしれない。
メーカーもカテゴリーを増やすことは簡単ではない。スペシャライズドのTARMACの流れが他社にも影響は少なからずあるだろう。ただ、ここではトライアスロンであり、エリートレースから見る「エイジ」へのフィードバックの期待を探れないのか、ということに尽きる。トライアスロンバイクでもなく、単なるロードでもない、「トライアスロン適正」の高いロードバイクの一環としてこのエアロロードに期待していた。もしそこが減ってしまうのであれば良い流れとは言えなくなるだろう。
トライアスロンバイクとロードバイクは難易度の違いではない。もちろん、ある程度の経験があることが前提となる話だが、ターゲットとしたレースや身体の制限などから総合的に判断、選択するものとなる。そんな中で、トライアスロン特性の象徴でもあるエアロダイナミクスに特化したロードバイクは、やはり期待の大きなカテゴリーとなる。ロードバイクの代用ではなく、「トライアスロン専用ロードバイク」があれば最高ということだ。
究極であり、理想であるトライアスロンバイクで、「最高のデータ」を得ることも必要だと思う。ただ、現実的な次元でのロードバイクの開発に期待したい。簡単なことではないが。
| 順位 | ブランド | モデル | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 1 | TREK | MADONE | 4 | 2 | 6 | 15.0% |
| 2 | CANYON | AEROAD CF | 3 | 1 | 4 | 10.0% |
| 3 | LAPIERRE | AIRCODE DRS | 2 | 1 | 3 | 7.5% |
| 3 | Liv | ENVILIV | 0 | 3 | 3 | 7.5% |
| 5 | BMC | Time Machine R | 2 | 0 | 2 | 5.0% |
| 5 | cannondale | SystemSix | 2 | 0 | 2 | 5.0% |
| 5 | cervelo | S5 | 2 | 0 | 2 | 5.0% |
| 5 | FACTOR | OSTRO VAM | 1 | 1 | 2 | 5.0% |
| 5 | FELT | AR FRD | 1 | 1 | 2 | 5.0% |
| 5 | SCOTT | FOIL | 2 | 0 | 2 | 5.0% |
| 5 | SPECIALIZED | S-WORKS VENGE | 2 | 0 | 2 | 5.0% |
| 12 | BH | AEROLIGHT | 1 | 0 | 1 | 2.5% |
| 12 | Bianchi | OLTRE XR4 | 1 | 0 | 1 | 2.5% |
| 12 | cervelo | S3 | 0 | 1 | 1 | 2.5% |
| 12 | CIPOLLINI | NK1K | 1 | 0 | 1 | 2.5% |
| 12 | DOLAN | REBUS | 1 | 0 | 1 | 2.5% |
| 12 | FACTOR | ONE | 1 | 0 | 1 | 2.5% |
| 12 | GIANT | PROPEL | 0 | 1 | 1 | 2.5% |
| 12 | ORBEA | ORCA AERO M11e | 1 | 0 | 1 | 2.5% |
| 12 | TIME | SCYLON AKTIV | 0 | 1 | 1 | 2.5% |
| 12 | VITUS | ZX-1 EVO | 0 | 1 | 1 | 2.5% |
| 22 | 27 | 13 | 40 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
エアロロード全40台の中で、最も多く使われているモデルは、今年もトレックMADONEだった。そのMADONEは、7月に第7世代としてフルモデルチェンジしている。ツールドフランスで投入され一躍脚光を浴びることとなった。トレックの「エアロロード」にはトライアスロンの観点からも期待したい。現在のベースとなった2015年ローンチの第5世代から人気の高いモデルで、流れとしてはロングセラーのシリーズと言えるだろう。
KONAで不動のサーヴェロは、WTS横浜では影を潜めてしまっているが、「エアロロード」というカテゴリーができる以前からエアロダイナミクスにこだわるメーカーとしてはパイオニア的な存在でもある。ツールドフランスでも新型が使用され、やはり、期待がかかっている。ちなみに今回確認されている1台は旧モデルとなるS3で、塗装も変えられていて「Cervelo」とは表記されていない。
エアロロードが新規追加されることは朗報だ。ただ、ロングライドとなるトライアスロンでの適正は個々のバイクと乗り手により、向き不向きがあるだろう。エアロロードの剛性の高さがその選手、そのレースに合っているのか、慎重に選ぶ必要があることは言うまでもない。見た目は「トライアスロン風」だが、中身が異なる性格を持つ場合もある。やはり、ロードバイクであることには変わりがないからだ。
※繰り返しになるが、エアロダイナミクスの性能差ではなく、メーカーのカテゴリー分けからカウントしている。

ホイールのイメージは、まず、フレーム形状と同様に、トライアスロン特有の「エアロダイナミクス」が挙げられるが、その目的は前後により異なる。
フロントは、エアロダイナミクスと、横風などの影響からハンドリングを考慮したチョイスとなる。概ね50mmを超えてくると、ハンドルを切った時に重さ(空気抵抗)を感じるくらいとなるが、各社1~3mm程度のハイト差でシビアなコントロールをしている。また、リアは、エアロダイナミクスとともに更に重要となるのは、「高速巡航性」となる。これはホイールの縦剛性と大きく関係してくる。レースコンディションにもよるが、リアにディスクホイールを使用するのはそのためだ。ただ、その反面として、剛性が高過ぎれば、脚への負担も大きくなる。その辺りのバランスを見ながら、選手たちはホイールを決定する。
このハイトだけで述べるのはやや乱暴ではあるが、概ね傾向は出ている。本来ならば、メーカー間の「重量剛性比」など更に掘り下げる中で、カウントの精度は高まるのだろう。また、一般選手において、エアロダイナミクスはある程度走る力が必要だが、剛性による高速巡航性は誰でも体感できる。一定の速度で走り続け易くなるということだ。そんな極めて重要な武器がホイールだ。
| 男子 | ||||
| リムハイト | フロント | 使用率 | リア | 使用率 |
| 55mm以上 | 22 | 44.0% | 30 | 60.0% |
| 50~54mm | 14 | 28.0% | 6 | 12.0% |
| 40~49mm | 12 | 24.0% | 12 | 24.0% |
| 30~39mm | 2 | 4.0% | 2 | 4.0% |
| 29mm以下 | 0 | 0.0% | 0 | 0.0% |
| 合計 | 50 | 100.0% | 50 | 100.0% |
| 女子 | ||||
| リムハイト | フロント | 使用率 | リア | 使用率 |
| 55mm以上 | 11 | 26.8% | 16 | 39.0% |
| 50~54mm | 8 | 19.5% | 4 | 9.8% |
| 40~49mm | 11 | 26.8% | 12 | 29.3% |
| 30~39mm | 10 | 24.4% | 8 | 19.5% |
| 29mm以下 | 1 | 2.4% | 1 | 2.4% |
| 合計 | 41 | 100.0% | 41 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
この結果は昨年と明らかに変化があった。結論から言えば、男女ともに高ハイトの傾向が強くなって来ている。フロントは分かれる傾向があるが、データ上は上表の通りだ。昨年は、男女ともに40~49mmが最多だった。そして、女子のリアホイールも40~49mmが最多となっていたが、より高ハイト化していた。尚、ZIPPやPRINSTONなどリムハイトが一定でないものは高い方の数値で分類している。
そして、ホイールメーカーの使用率は、下記の通りの結果だった。
| 順位 | ブランド | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 1 | DT SWISS | 11 | 8 | 19 | 20.7% |
| 2 | ROVAL | 9 | 5 | 14 | 15.2% |
| 3 | BONTAGER | 5 | 3 | 8 | 8.7% |
| 4 | CADEX/GIANT | 4 | 2 | 6 | 6.5% |
| 4 | MAVIC | 1 | 5 | 6 | 6.5% |
| 6 | SHIMANO | 3 | 2 | 5 | 5.4% |
| 7 | PRINCETON | 4 | 0 | 4 | 4.3% |
| 7 | ZIPP | 3 | 1 | 4 | 4.3% |
| 9 | Dedaelementi | 1 | 2 | 3 | 3.3% |
| 9 | ENVE | 1 | 2 | 3 | 3.3% |
| 9 | HED | 2 | 1 | 3 | 3.3% |
| 12 | FFWD | 0 | 2 | 2 | 2.2% |
| 12 | HUNT | 1 | 1 | 2 | 2.2% |
| 12 | RESERVE | 2 | 0 | 2 | 2.2% |
| 15 | BOYD | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | campagnolo | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | EASTON | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | GOKISO | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | HOLLOWGRAM | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | PRIME | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | REYNOLDS | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 15 | ROSE | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | SCOPE | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 15 | VISION | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 不明 | 0 | 1 | 1 | 1.1% | |
| 24 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
ついにDTスイスがトップシェアとなった。昨年は2位で大躍進としたが、今年は更に伸ばし、トップとなった。2018年では、僅か3台の使用だったが、大躍進の結果となった。DTはスイスの老舗ブランドで、現在では、「ハブ」が有名なメーカーだ。他社のホイールにも多く採用され、そのホイールのランク付として「DTハブが使われている」などと表現される不動のメーカー。また、リム高のバリエーションも多くラインナップしている。
ロバール、ボントレガーなどバイク系ブランドは、バイクの台数に左右されるだろう。マビック、シマノ、ジップなどパーツ系ブランドは追随したいところだ。同じくパーツ系のプリンストンは昨年の1台から4台に増えているため、より存在感を感じさせた。イネオスも使用するホイールとして通っているが、アイアンマン世界選手権セントジョージでも増えて来ている。今後の注目ホイールであることは間違いない。

一般的にはDHバーが付いていればトライアスロンの証。そんなイメージがあるパーツだ。単独走行時に身体を狭め、低く構え、エアロダイナミクスを高めるためのパーツだ。ただ、一般レースやアイアンマンなどドラフティングのないレースで主に使用されているが、WTSのようなレースでも先頭を引く時には有効的な機材となるため、その可能性に対し、装着されている。ドラフティングのないレースでは、このバーを持ったポジションが標準であり、逆にWTCSのドラフティングレースでは、ドロップを持つことが標準となる。つまり、先頭を引いたり、レース展開を変え、勝負を決める時に使用される重要なパーツと言える。
| DHバー | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 使用 | 31 | 14 | 45 | 48.9% |
| 不使用 | 19 | 28 | 47 | 51.1% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
結果は減っていた。昨年53.0%まで伸ばしていたことで、トライアスロンの象徴復活を感じていたのだが、軒並み有力選手も使用していない。当初より雨予報でコースも変更されたこともあるため、外した選手もいたと思われる。当初は、ロードレースで装着しないのと同じようにドラフティングルールで必要性が低いと考えていた選手も少なくないだろう。事実2015年では35.7%だったが、バイクの強い選手も増え、バイクからの駆け引きも出て来ている。バイクがある程度引っ張れる選手こそ、勝機があるということだ。
いずれにしてもペースをコントロールし、レースの展開を変えられる選手にこそ意味のあるパーツだけに、そこへの可能性と自信も伺えることになる。もちろん、遅れて単独走行時にも有効ではあるが、ロングのように長時間のDHポジション走行はないため、各選手での考え方が分かれるようだ。

2012年のシマノULTEGRA Di2のリリースから11年目となる。完成車に設定されたモデルは安価ではないが、購入時には必ず検討する機能の一つであり、絶対条件と言えるかもしれない。電動ゆえに、変速スイッチをハンドルとDHバーに分岐し、2箇所から変速ができる。また、ワイヤー引きのバーコン仕様については、レバーが固かったが、スイッチボタンを押すだけの電動は、DHポジションのブレを抑え、抵抗の少ない理想的なライドも可能にしている。費用対効果としては申し分ない機能が、選ばれている理由だ。また、スラムの「ワイヤレス」も極めて画期的なパーツとして、イージーインストールなどから人気が出て、今や、Di2との選択肢にもなって来ている。
| 電動変速 | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 使用 | 48 | 39 | 87 | 94.6% |
| 不使用 | 2 | 3 | 5 | 5.4% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
結果は約95%。ほぼ完全普及と言って良いだろう。昨年は90.4%であり、まだ宣言はできなかった。エリートはある程度「時間の問題」として普及率は高まるが、一般選手においては常に一定層の非電動予想されるため、恐らく70%程度がゴールなのだろう。シマノからも三番手105の電動化もリリースされ、より手軽感は高まって来ているが、選択肢としての非電動は続くだろう。
今後のバイクの入り口が電動変速システムだろう。様々なアイテムがスマート化され、使い勝手が良くなっている。各デバイスとの連携が面白くなって来ているが、多少馴染みもあることだろう。難しく取られてしまう可能性もあるが、自転車に限らずの現在の進化が、より良い環境を整えてくれる。
| 順位 | ブランド | モデル | 男子 | 女子 | 使用台数 | 使用率 |
| 1 | SHMANO | DA Di2 | 21 | 17 | 38 | 41.3% |
| 2 | SHMANO | ULTEGRA Di2 | 11 | 10 | 21 | 22.8% |
| 3 | SRAM | RED eTap | 10 | 8 | 18 | 19.6% |
| 4 | SRAM | FORCE eTap | 5 | 3 | 8 | 8.7% |
| 5 | SHMANO | DA | 1 | 1 | 2 | 2.2% |
| 5 | SHMANO | ULT | 0 | 2 | 2 | 2.2% |
| 7 | campagnolo | SR EPS | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 7 | campagnolo | SR | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 7 | SRAM | Rival etap | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
これは例年予想通りの結果となる。ブランド見れば68.5%がシマノとなっている。ただ、減っていた。絶対数を多いが、昨年はDi2だけでも74.0%だった。スラム系が26.0から29.3%に上がっているためだ。
世界の圧倒的シェアを持つ「質実剛健」のシマノに対し、古くはDHバー先端変速システムの「グリップシフト」や軽量性など特徴を図り、変速機の電動ワイヤレスや小型バッテリー、肉抜率の高いディスクブレーキローターなどリスキーとも思われる「斬新さ」が特徴のスラムには「面白さ」を感じてしまう。昨今話題となる「ワンバイ」もスラムだ。大きな勢力図が変わることはないが、ライバルメーカーがいることで、更にシマノも進化する。今後の開発が楽しみな機材だ。

電動変速(Di2)普及元年の2012年で言えば、ディスクブレーキモデルが出揃ったのは2020年モデルからと言えだろう。早くはスペシャライズドは、2016年モデルもあるが、2020年でスタートラインに並んだと言って良いだろう。現時点でのディスクブレーキモデルはここ2~3年程度の「新型」となる。一般レースでは、リアルタイムの人気ランキングとも言える目安だ。
ディスクブレーキ普及の背景には、安全性が挙げられる。ディスクブレーキありきではなく、ワイド化されたホイール、チューブレスタイヤなど、足回りが強化され、同時に制動力向上も進められた来た。ある意味、安全面においては、電動変速やその他のパーツなどと比べられないくらいの重要性があった。
| Dブレーキ | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 仕様 | 46 | 35 | 81 | 88.0% |
| 非仕様 | 4 | 7 | 11 | 12.0% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
結果はデータの通り、昨年より2ポイント伸ばし、高い数値と言えるが、レースの特性上、すでに90%は軽く超えていることを予想していた。2018年の13.0%から昨年は一気に増えていたため、完全普及としたが、電動変速システムから見るともう少しといった感じだ。ツールドフランスなどプロサイクリストを見ていると「あえて」というチームもあったが、理由はそこではないだろう。2023年で完全普及となることを期待したい。
一方、一般選手では、Di2の普及時よりも速いのではないだろうか。安全面もあり、また廉価帯でも選択肢が増えて来ているため、スタンダード化が加速している。
| 順 | ブランド | モデル | 男 | 女 | 台数 | 率 |
| 1 | SPECIALIZED | SW TARMAC | 7 | 6 | 13 | 16.0% |
| 2 | TREK | MADONE SLR | 4 | 2 | 6 | 7.4% |
| 3 | GIANT | TCR ADV SL | 3 | 2 | 5 | 6.2% |
| 3 | VENTUM | NS1 | 3 | 2 | 5 | 6.2% |
| 5 | TREK | EMONDA | 2 | 2 | 4 | 4.9% |
| 6 | BMC | Team Machine | 1 | 2 | 3 | 3.7% |
| 6 | CANYON | AEROAD CF SLX | 3 | 0 | 3 | 3.7% |
| 6 | LAPIERRE | AIRCODE DRS | 2 | 1 | 3 | 3.7% |
| 6 | LAPIERRE | XELIUS SL | 0 | 3 | 3 | 3.7% |
| 6 | Liv | ENVILIV | 0 | 3 | 3 | 3.7% |
| 6 | SCOTT | ADDICT | 0 | 3 | 3 | 3.7% |
| 6 | SPECIALIZED | VENGE | 3 | 0 | 3 | 3.7% |
| 13 | BMC | Time Machine R | 2 | 0 | 2 | 2.5% |
| 13 | cannondale | SystemSix | 2 | 0 | 2 | 2.5% |
| 13 | cervelo | S5 | 2 | 0 | 2 | 2.5% |
| 13 | FACTOR | OSTRO VAM | 1 | 1 | 2 | 2.5% |
| 13 | FELT | AR FRD | 1 | 1 | 2 | 2.5% |
| 13 | ROSE | X-LITE SIX DISC | 0 | 2 | 2 | 2.5% |
| 13 | SCOTT | FOIL | 2 | 0 | 2 | 2.5% |
| 20 | ARGON18 | SUM PRO | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | BH | AEROLIGHT | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | BH | ULTRELIGHT | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | Bianchi | OLTRE XR4 | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | CANYON | Ultimate CF SLX | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | cervelo | R5 | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | FOCUS | IZALCO MAX | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | GIANT | PROPEL | 0 | 1 | 1 | 1.2% |
| 20 | LEON | GENUS | 0 | 1 | 1 | 1.2% |
| 20 | ORBEA | ORCA AERO M11e | 1 | 0 | 1 | 1.2% |
| 20 | PINARELLO | DOGMA F12 | 0 | 1 | 1 | 1.2% |
| 20 | STEVENS | XENON | 0 | 1 | 1 | 1.2% |
| 20 | VITUS | ZX-1 EVO | 0 | 1 | 1 | 1.2% |
| 32 | 46 | 35 | 81 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
ここはやはり、スペシャライズドが獲った。使用台数が多いこともあるが、2016年からいち早く、ディスクブレーキに注力しているメーカーであることが大きい。また、MTBも含めた総合メーカーはディスクブレーキにも強く、シビアなカーボンコントロールが必要なロードバイクのディスクブレーキ化にもフィードバックが活かされている。
今や安全性向上は当然だが、エアロダイナミクスとの融合を期待しているメーカーも少なくない。もちろん、難しい開発とはなるが、ディスクブレーキありきではなく、総合的に進化させて来ている。

ノンドラフティングのトライアスロンの場合、レースでは、ほぼ「一定」のマイペースを刻んで走る。一定にすることが最も効率が良い走りとなるからだ。では、その一定とは「何」を一定にするのだろうか。もちろん、速度ではない。ハートレートが一般的だったが、リアルタイムでペースを一定にできるのが、パワーメーターなのだ。ロードレースでは、タイプによるが、速度の加減速もあり、駆け引きというタイミングもある。それに対し、トライアスロンでは、練習からレースまでフル活用が可能となるだろう。もちろん、距離、コースにも影響はされるが、概ね「コンスタント」な走りがベストパフォーマンスに繋がる。電動変速システムDi2もトライアスロンでの使用は、大きなメリットがあったが、同様にパワーメーターもトライアスリートにこそ、必要なアイテムと言えるだろう。
| Pメーター | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 使用 | 43 | 41 | 84 | 91.3% |
| 未確認 | 7 | 1 | 8 | 8.7% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
まずは使用率だが、これは恐らく100%と考えている。「未確認」としているのは装着の確認ができなかった台数だが、普段のトレーニング時に使用していないことは考えられないからだ。少なくともスマートトレーナーで確認はしているはずだ。また、レースの特性上、ペースが一定でないため、当日必要ないということも言えだるだろう。クランク型の場合はそのままとなるが、ペダルの場合は簡単に交換ができる。
| 順位 | ブランド | タイプ | 男子 | 女子 | 台数 | 使用率 |
| 1 | QUARQ | クランク | 12 | 8 | 20 | 21.7% |
| 2 | GARMIN | ペダル | 6 | 7 | 13 | 14.1% |
| 3 | SHIMANO | クランク | 7 | 5 | 12 | 13.0% |
| 4 | 4iiii | クランク | 5 | 2 | 7 | 7.6% |
| 4 | Favero | ペダル | 3 | 4 | 7 | 7.6% |
| 4 | SRM | クランク | 4 | 3 | 7 | 7.6% |
| 7 | PIONEER | クランク | 2 | 4 | 6 | 6.5% |
| 8 | ROTOR | クランク | 1 | 3 | 4 | 4.3% |
| 9 | POWER PRO | クランク | 1 | 2 | 3 | 3.3% |
| 9 | STAGES | クランク | 1 | 2 | 3 | 3.3% |
| 11 | INFOCRANK | クランク | 0 | 1 | 1 | 1.1% |
| 11 | SPECIALIZED | クランク | 1 | 0 | 1 | 1.1% |
| 未確認 | 7 | 1 | 8 | 8.7% | ||
| 12 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
結果は、クウォークがトップシェアとなった。2018年は16.7%で大きく伸ばしている。クウォークはスラムとの関係性が高いため、そのコンポーネントの使用率とも大きく関係してくる。逆に2位のガーミンや4位のファベロは完全後付けのペダル型のため、選ばれた可能性が高い。ペダル型を使用している選手の中にはクランクにも装着されているケースがあった。後からペダルを選択しているのだろう。

ビッグプーリーもトレンドと言われ久しいが、その後、動きはあったのだろうか。効果の大きさは、「体感」できる数少ないパーツでもある。回転時の抵抗が大きく軽減されることで、ペダリング効率を向上させている「アイデアパーツ」だ。ビッグプーリーは、チェーン、プーリーのベアリングの摩耗を抑え、最大の体感は、アウターローでの状態で確認できる。各社鎬を削りリリースしているが、プーリーケージ(本体)の剛性が大きなポイントとなるだろう。
| Bプーリー | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 使用 | 8 | 7 | 15 | 16.3% |
| 不使用 | 42 | 35 | 77 | 83.7% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
使用率は、昨年の14.8%から伸ばしていた。ただサンプル数が少ないため、何とも言えない結果であり、使用率が低迷していることは明らかだ。今後も大きく流行ることはないかもしれない。ものが悪いということではなく、コンポーネントメーカーとの契約なども関係しているだろう。また、専属メカニックなどが帯同する場合は良いが、調整がシビアであったり、輸送に気を使うなどから敬遠されていることもあるだろう。使用率が少ないから悪いということではない。むしろ良いパーツと考えている。
| 順位 | ブランド | 男子 | 女子 | 使用台数 | 使用率 |
| 1 | ceramicspeed | 5 | 4 | 9 | 60.0% |
| 2 | NOVA RIDE | 2 | 2 | 4 | 26.7% |
| 3 | KOGEL | 1 | 0 | 1 | 6.7% |
| 4 | RIDEA | 0 | 1 | 1 | 6.7% |
| 4 | 8 | 7 | 15 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
数量は少ない中での比較となるが、予想通りのセラミックスピードがシェアを獲っていた。ここで、GERONIMO COUNT上、初登場となったのがアメリカブランドのノバライドだ。ビッグプーリーに注目する中では、大きく目を惹いていた。

スラムの専売特許とも言える「ワンバイ」は2018年のコナで19台確認、翌年2019年では、63台に増えていた。その63台のうち20台はプロ選手の使用となる。このパーツが普及の兆しを見せているのは、スムースで単純な変速動作とそのデメリットが少ないことが挙げられる。ワンバイは単純にフロントをシングルにして、ディレーラーを外しただけではない。それをすればすぐにチェーンが脱落してしまう。スラムだからこそできているシステムとなる。チェーンとチェーンリングの噛み合いをX-syncという構造で極めてマッチングの高い造りとなっている。写真と同じ状態で使用する選手も多いが脱落防止パーツを取り付けることもできる。
現在、アイアンマンの世界ではこのシンプルな構造と見た目が新しいトライアスロンバイクの姿として注目を集めている。
| ワンバイ | 男子 | 女子 | 合計 | 使用率 |
| 使用 | 3 | 2 | 5 | 5.4% |
| 不使用 | 47 | 40 | 87 | 94.6% |
| 合計 | 50 | 42 | 92 | 100.0% |
※ Counted by Triathlon GERONIMO
結果は、昨年と同数の5台だったが、この中には男子優勝のイー、昨年のTOKYO2020チャンピオンで今回3位のダフィーも含まれている。KONAでは増加傾向にあるが、昨年初めて確認し驚いた。まだビッグプーリー同様、大きく伸びることはないがこれもスラムらしい面白い考え方であり、一般選手には大いに推奨できるシステムだ。明かにストレスフリーとなる変速動作が最大のメリットだ。

最後に。
やはり、トライアスロンに「近い」ロードバイクの開発に期待したい。エアロダイナミクスだけではなく、シートアングル、ヘッドレングス、剛性など。そして、昨今の定義でもあるストレージやパッキングなどのユーザビリティーも備えたバイクが必要だろう。トライアスロンで使用するロードバイクも次のステップに進めて欲しいものだ。
その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=39373
「自身に合ったバイクとは何だろうか。」
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka