第40回全日本トライアスロン皆生大会 Athlete Report(Ando)

選手目線でのレポートを書いて頂きました。

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全日本トライアスロン皆生大会参戦記「3年ぶりのロングレースを終えて」

安藤友久

 ついに3年ぶりのロングレースに出場できることになった。この間、ショート2レース、ミドル3レースに出場してきたが、ロングのレースはコロナが始まってからすべて中止。6月に予定していたアイアンマンケアンズも直行便の運航中止により出場断念。ロングレースを主目標にしてきた自分にはレースの予定が立たないので心折れそうになる時もあったが、スイム、バイク、ランそれぞれに練習仲間がいてくれたお陰でなんとか練習が継続できていた。

 ただ、6月のバラモンキングが直前に中止になったので、皆生も直前まで開催できるのだろうか不安がよぎったが、前々日のTETSUJIN皆生通信(皆生トライアスロンのメルマガ)で大会会長の米子市長から「中止という選択肢はない」とのメッセージがあり、皆生スタッフの心意気に俄然やる気がわいてくる。

【レース前】

 前日の開会式と競技説明会にトラ仲間と参加、コロナ以降の競技説明会はWEBで開催が主流になっているが、さすが皆生は参加必須。バイク預託は前日と当日であったが雨がひどいので、当日行うことにする。今回はコロナの影響でバイク25キロ、ラン12キロ短縮されるので、距離的にはミドルとロングの中間ぐらいとなり、いつもよりレースは楽かと余裕があったが、後でその期待はみごとに裏切られ、いつも通りの過酷なレースとなる。

 そして当日朝はピーカンのいい天気、5時起床して駅前ホテルから自走で会場に到着。かつてのスイム仲間がいたので声をかけると衝撃の一言が、「安藤さんスイム中止ですって、代わりにファーストランです」え~、このいい天気にうそでしょ! 少し気が動転して信じられなかったが、海のうねりと波が高くて危険とのこと、スイムは生命にかかわるので主催者判断でやむなく納得。1stランの準備をすることになる。

【1stラン】

 レースでスイム中止になって1stランになるのは初めての経験なので、どのくらいのペース6.9キロ走ればいいのかわからず、とりあえず前のほうでスタート。コロナ対策でスイムは10人づつのローリングスタートの予定だったが、1stランは1000人がかなり密な状態でのスタートとなる。

 とにかく周りのペースが速く、流れに乗ろうと最初の2キロはキロ4分を切るペース、これはまずいとややペースダウンして、抜かれても自分のペース維持に注力、折り返しからは陽射しが強く暑さでだんだんペースも遅くなってきたが、全体83位、キロ4:15平均で1stランを終了。

【バイク】

 1stランから心拍160超えでバイクに突入、いつものスイムからのバイクだと終盤楽に泳いで心拍抑えめでバイクなのが、最初から心拍Maxで始まったので息が切れてなかなかスピードに乗れない。10キロぐらいまではどんどん抜かれて焦るが心拍が落ち着くまでは我慢と自分に言い聞かせて、「お先にどうぞ」と心の中でつぶやいていた。20キロ過ぎたあたりからようやく調子がでてきて抜かれることがなくなって、前方を走る選手と同じぐらいのスピードでアップダウンの連続コースにはいっていく。

 ところがあと50キロの折り返しの中山温泉ASでアクシデント発生。給水して出ようとするとシャカシャカの異音が、チェーンが外れてからまってるではないか、焦って素手でチェーンを鷲掴みして直そうとしたら右手が何か所も切れて出血で手が血だらけになっている。これでは走れないのでASの救護所に駆け込み出血の治療をしてもらう。何分ロスしたかはわからないが、チェーンも直して再出発。結局バイクは4:05:20で終了時109位。26人に抜かれたことになる。

【ラン】

 ランはいつもとコースが違い、途中まで海岸沿いのサイクリングコースを走ることになったので、皆生名物の信号停止がなくなり、25キロまでノンストップで走ることになる。気温も上昇してきて、海岸沿いで何も陽射しを遮るものがないので、暑さでここから過酷なレースが始まった。すべてのエイドでスポンジで頭から水をかけ、氷を帽子の中とトライウエアの中に入れるいつもの暑さ対策を行い、とにかく身体を冷やしてペースを維持。他の選手もかなり苦しそうに見え、一人また一人と地味に抜いていく。

折り返し地点少し前で大塚さんにトラ仲間の土屋さんより5分遅れていると激励され力を振り絞る。ようやく折り返し地点を通過するが、暑さと疲労で大幅にペースダウンし横腹も痛くなってきて歩きたいという気持ちと葛藤、歩いたらそこでレースが終わってしまうので、ゆっくりでもいいから走ろうと決める。サイクリングロードが終了して海岸沿いを離れ一般道に出ると、暑さが和らいだのか疲労困憊してはいるがペースが少し戻ってくる。長いレースもあと4キロぐらいになり、電車の踏切で走行を止められている土屋さんに追いつく。踏切が開いて走り始め、いったんは土屋さんを追い越すがそのあとまた抜かれ、足の爪も痛くなり、もう追いかける脚力が残っていなかった。

苦しかったがランは32キロを3:01:25で走り36人抜いて73位でゴールできた。やっぱりロングは過酷だった、久しぶり過ぎてレース途中で過酷だったことを思い出したほど、しかしゴールして達成感もショートやミドルとは比べようもないことを思い出した。

 このコロナ禍で大会を開催して下さった大会関係者や多くのボランティアの方々に御礼を申し上げます。また日頃いっしょに練習をしてくれるトライアスロン仲間、気持ちよくレースに送り出してくれる家族に感謝です。

 今シーズンはあと9月の佐渡トライアスロンがあります。コロナで開催が危ぶまれますが開催されれば全力で頑張っていきたいですね。

【結果】

距離: 1stラン6.9km  バイク115km  ラン32km

成績: タイム7:35:45  総合73位  年代別5位

  •      1stラン    0:29:00(83)
  •      バイク   4:05:20(122)
  •      ラ ン   3:01:25(60)

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=41470

 

 

「お疲れ様でした。激戦のエイジグループの中で頑張りましたね。」
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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka