BRAINBIKE JAPAN

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昨日、本日と2日間で開催されたブレインバイクジャパンのレポートをお届けしよう。
規模は、過去最大であり、サーヴェロの歴史、企業理念、技術についてのセミナーと最新モデルを含むフルラインナップの試乗会を合わせたサーヴェロディーラー向けのイベントだ。そして、その豪華さが伺えるのが、サーヴェロ社のスタッフたちだった。創設者であり、現社長でもあるPhil White氏を含む、5名ものスタッフが来日し、サーヴェロの魅力をあらためて確認することができ、大いに盛り上がっていた。
Phil White 社長(中央)
Antoine Ballon マーケティングディレクター(右から2番目)
Robert De Jonge アジア地区コマーシャルディレクター(左から2番目)
Graham Shirive チーフエンジニア(左)
Brett Kane アカウントマネージャー(右)
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まず、サーヴェロというブランドについて。
写真(上)のPhil Whiteと Gérard Vroomenの二人によって1995年に創設されたカナダブランドだ。トライアスロン、ロード、トラックのレーシングバイクを専門にリリースしている。車に例えれば「F1」のみを製作する超スペシャルブランドと言えるだろう。そして、サーヴェロと言えば、「アイアンマン」を頂点とするトライアスロンでのシェアが極めて高い人気ブランドでもある。その人気のバロメーターとなる「アイアンマン世界選手権」において、2005年から2015年まで11年連続トップシェアを誇り、2008年からはその台数も400台以上を維持し、昨年は、ついに500台の大台に突入した。(最終出走約2200名)4人に1人は、サーヴェロに乗っていることになる。もちろん、ロードとしての基本ポテンシャルとしても高く、現在、UCIプロコンチネンタルチームもサポートしている。
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次に、座学セミナーは、サーヴェロの歴史やこだわりから、新型モデルCシリーズやR3ディスクの開発ストーリー、現在のプロダクトにカラーリングに対するマーケティングまで、サーヴェロの「今」を伝える内容だった。
2003年のCSCサポートや2005年のP3carbonのリリース、その後のアイアンマンでのシェア拡大など、2000年半ばから大きな動きが出てきたようだ。特に「初代のカーボン製P3」は、各ライバルメーカーに大きな影響を与えたモデルであり、トライアスロンの世界で「レジェンド」となったモデルである。
まず、ビッグニュースとして、画像をアップすることはできないが「2016NEW」が異例の発表となったのだ。今回のCシリーズなども含み、「S3ディスク」「P5ディスク」のリリース予定が発表されている。ここでもまた「ディスク」なのだ。サーヴェロとしては、今後「ディスク化」は必至のことと捉えている。「例えるなら、MTBの26インチがなくなり、29インチに移行したようなことと同じだよ。」と言っている。ホイールのアフターマーケットも含め、今後の急速な展開が予想されるのだ。
そして、「Sシリーズ」や「Pシリーズ」のディスク化は、CシリーズやRシリーズのそれとは、求めているものが違うことになるのだろう。このあたりは、これからのリリースとなるため、想像の域とはなるのだが、特にトライアスロンのPシリーズとなると、ロードでの集団走行などとは、そのシーンが大きく異なる中で、「必要性」の話まで出ることになる。ただ、エアロダイナミクスという点においては、ハンドル下にブレーキが設置されないことで、その周辺の簡素化が可能となり、エアロダイナミクスを追求する中での「フレームデザイン」がし易くなるのだ。また、トライアスロン特有の「決戦ホイール」として、「カーボン×ハイトの高いディープリム」に対しても、より軽量化や熱対策も可能となる。
したがって、「ディスク化」も様々なメリットが、多用な目的に対し期待が高いということなのだろう。
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Cervelo C5
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新製品としては、この「Cシリーズ」となる。昨年12月に発表のあったモデルで、国内初お披露目となる。http://triathlon-geronimo.com/?p=6020
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From Concrete to Countryside.
It’s all about Confidence.
It’s about rider Comfort.
Engineered by Cervelo.
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そして、Introducing the C series. となった。
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まずは、外観が極めて特徴的と言えるだろう。長めのヘッドチューブ、短めのリーチ、湾曲したシートステー、下がったBBハイト、そして、「プロジェクトカリフォルニア」(カリフォルニアのラボで造られた)のオイルライン内蔵フォークなどによって、「快適性」が生み出されているのだ。また、フレーム重量は、約850gと、この数値も完成度の高さを物語っている。そして、BBハイトの低さと長めのヘッドチューブにより、アップライトなポジションを可能している。そして、ディスクブレーキ専用に設計された、リアトライアングルは、軽量性と剛性バランスの良い仕上がりとなっている。フロントディレーラー台座が、チェーンキャッチャーも兼ねているなど、悪路対策も十分だ。
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Cervelo C3
このモデルは、C5の次にリリースされたモデルで先週のタイペイショーでお披露目となっていた。C5より「ダンピング効果」が高いとのことだ。したがって、「快適性」も高いことになる。C5との違いは、軽量性やプロジェクトカリフォルニアのフォークなどがあるが、目的によっては、このC3が有効的となるだろう。
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そして、試乗は70台近くのバイクが用意され、各タイプ(P,S,R,C)と各グレード(5,3,2)、そして、その各サイズが揃い思う存分に試すことができた。当日は、風が徐々に強くなり、エアロダイナミクスへの「メリット、デメリット」も実感することができたと思う。
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コースは、千葉県成田市の下総運動公園(フレンドリーパーク)内のサイクルコース(一周1.5km)を使用し行われた。ほぼフラットで、一部上り、下りがあるコースだ。道幅も広いところでは、11mあり「DHポジション」でもしっかりと走れるコースだ。
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試乗したいくつかのバイクをご紹介しよう。
まずは、今回の「目玉」と言える「Cシリーズ」だが、やはり、評判通り「快適性」の高さに驚いた。このモデルの製作は、ディスクあっての完成となるモデルで、シートステーでの過度な剛性が不要となるために実現した乗り味なのだろう。昨今、「ディスク」が話題となるが、車種、タイプによりその求める性能が違ってくるからだ。同様に「R3ディスク」は、オールラウンドバイクとして、「制動力」は、もちろん求められる中で、やはり、快適性の向上も実現できている。もちろん、「R5」の軽量性や加速性などの瞬発力も魅力だが、その「用途」により選択するようになるのだ。基本は、2→3→5と上位グレードになるが、その目的によって必ずしも、「5」が一番とは限らないということだ。その点では、「S5」と「S3」の違いが顕著に現われているかもしれない。S5は、瞬発力も十分だが、乗り心地では、S3が勝っていた。いずれにせよ、「2,3,5」が重要なのではなく、どのような走りを求めているのか、ということになる。

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最後に。
サーヴェロの真髄を語ってくれたスタッフたち。こだわりの製品だけを造る数少ないメーカーだ。そのためにリリースが遅れている「NEW P5」。先週の台北ショーでも大きな動きはなかったが、直接その想いを聞くことができ、より一層リリースが楽しみであり、待ち遠しい。コナでは発表をしたい、そのために今動いている、と強く語ってくれた。http://triathlon-geronimo.com/?p=8886
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“ We belive we can make every rider faster. ”
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「楽しみ~」
BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka