【メーカーNEWS】ジャイアント「PROPEL」フルモデルチェンジ

ジャイアントのエアロロード「PROPEL」がモデルチェンジとなった。

エアロロードのジャンルを明確にリードする一台。今回のモデルチェンジももちろんエアロダイナミクスへの追及が最大のトピックスとなっている。各パイプ形状はトランケイティッド・エリプス形状と称する、昨今のトレンドを強化している。特に各社最大のテーマとなるヘッド周りから、ダウンチューブ、シートチューブを中心に、その形状はブラッシュアップしている。横方向から見るとシートチューブを中心にボリュームダウンさせることで、軽量化、そしてオールラウンド性の向上も大きなポイントとなる。

トライアスロンシーンにおけるロードの選択肢として、十分な期待が持てるモデルでもある。カデックスとともにジャイアントのエアロは進歩を見せ、明確にトライアスロンとはしていないが、そこへの影響は大きくなって来ている。

以下、メーカーNewsとなる。

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GIANT「PROPEL」がフルモデルチェンジ

〜 3シリーズ7製品、および新型ホイール、ハンドル、ステムなどを発表 〜

GIANTはこの度、2022ツール・ド・フランスでそのヴェールを脱ぎ、ステージ優勝2回の活躍を見せた新型エアロロードバイク「PROPEL(プロペル)」シリーズを2023モデルとして発表いたします。

新型PROPELシリーズは前世代と比較し、さらに改善されたエアロダイナミクスと効率性、ポジション調整の容易さを兼ね備えたカーボンフレームによって構成されており、パフォーマンス志向のロードライダーにとって、より用途が広く、非常に能力の高い選択肢となります。

株式会社ジャイアントは、「PROPEL ADVANCED SL(2製品)」、「PROPEL ADVANCED PRO(3製品)」、「PROPEL ADVANCED(2製品)」の計3シリーズ7製品を、8月下旬より販売開始いたします。

また、今回の完成車が採用する新型のホイールやハンドル、ステムなども同時に発表いたします。

  • 製品紹介ウェブサイト  https://www.giant.co.jp/
  • 問い合わせ先  株式会社ジャイアント 044-738-2200

 

Mende – France – cycling – Michael Matthews (Australia / Team BikeExchange Jayco) pictured during 109th Tour de France (2.UWT) stage 14 Saint-Etienne > Mende (195KM) – Photo: Dion Kerckhoffs/Cor Vos ゥ 2022

新型PROPELの旗艦モデルである「PROPEL ADVANCED SL」は、風洞実験施設とリアルな道路における数年間もの開発とテストを経て、2022ツール・ド・フランスでチーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコのメインバイクとして初披露されました。早速、スプリンターのディラン・フルーネウェーヘンが第3ステージで優勝。さらに、過酷なアップダウンが続く第14ステージで、マイケル・マシューズが単独アタックによる劇的な勝利を収めたことによって、新型PROPELは単なるスプリント専用機ではないことを証明しました。フルーネウェーヘン、マシューズのようなスプリンターの勝敗を分けるのは、位置取り、追走、アタックなどが激しく起こる最後の数キロです。肘のぶつかり合い、大きく体を傾けて曲がるテクニカルなコーナー、前方で受ける突風。新型PROPELは、このような状況下で他に一歩先んじることができるのです。

新型PROPELは、完成車状態での風洞実験における高速性能の測定値では前世代との有意差を示し、フレーム単体でも、やはり前世代より非常に軽量かつ高剛性です。さらに、新型PROPELは、滑らかな舗装路、荒れた道、厳しい登坂路、高速の下り坂まで、様々な状況で卓越したコントロール性能を発揮し、ダイナミックなライドクオリティを実現します。その進化はエアロダイナミクスにとどまりません。スリムになったシートステイも、新形状のベクターシートポストも、ライドクオリティ向上のために完全新設計となっているのです。

なお、ベクターシートポストは、「PROPEL ADVANCED SL」グレードが採用するフレーム一体型と、「ADVANCED PRO」および「ADVANCED」グレードが採用する一般的な別体式ポストの2種類です。

そして、新型PROPELは、プロロードレーサーはもとより、他の競技者にまで幅広く適応します。その理由は3つの重要なパフォーマンス要因に分けることで明確になります。下記以降をご覧ください。

1. INTEGRATED AERODYNAMICS

新型PROPELの設計指針は「エアロシステム・シェーピング・テクノロジー」です。エンジニアリングチームはまず、チューブの形状と角度、接合部を開発するために数値流体力学 (CFD) と呼ばれる気流のシミュレーションソフトを使用します。このシミュレーションによって、ヘッドチューブとダウンチューブ、シートチューブを含むフレームのキーとなる箇所に、トランケイティッド・エリプス(楕円の後部を切り落とした新しい翼型)形状を採用することになりました。

開発チームはそこから、物理的な形状を作り上げます。現実世界における乗車時の条件を高い精度でシミュレートするため、エンジニアたちはドイツのインメンシュタットにあるGST風洞設備で高度な空気力学の専門家と協力し、動的マネキンを使用して、バイクだけでなくライダーとバイク全体の空気力学的要因を分析しました。(※)

エアロダイナミクスが重要となるフレーム前部には、彫刻されたようなラインと空気抵抗を最少化するトランケイティッド・エリプス形状を採用しています。この総合的なアプローチの一環として、空気抵抗を最少化するためにダウンチューブとシートチューブのそれぞれにエアロダイナミクスに最適化された専用のボトルケージも開発されました。

エアロ性能の向上に関して、フレーム自体はストーリーの一部にすぎず、すべてではありません。独自開発の新型「CONTACT SLR AERO」ハンドルバー&ステムや、50mmハイトの新型エアロホイールも同様に空気抵抗を低減します。新型「PROPEL ADVANCED SL」は前世代と比較して空気抵抗を6.21w低減しますが、これは時速40km/hで40kmの距離を走行した場合に27秒短縮することに相当します。

(※)10年以上前にGIANTが初代PROPEL開発で開拓したプロセス。多くの自転車メーカーは通常、静的マネキンを使用しますが、GIANTは、様々な風速や角度の中でライダーがペダリングする効果を最も正確に再現できるのは、同じ位置で正確に脚の動作を維持することができる動的マネキンだけであると結論づけています。

2. RACE-WINNING EFFICIENCY

競技者にとって、パワーウエイトレシオ以上に重要なことはありません。そのため、新型PROPELをより高剛性で軽量にすることが必要不可欠でした。テストの結果、新しいフレームは前世代よりも9.9%高いフレーム剛性を備えていることが明らかになりました。ペダリングの剛性は7.5%向上し、フレームとフォークを含むフレームセット全体の剛性は9.2%高くなっています。

これらの数値をフレームセット全体の重量と組み合わせると、全体の効率、もしくは重量に対する剛性を明らかにする数値が得られます。新型「PROPEL ADVANCED SL」の場合、軽量化と剛性の向上により全体的な効率が26.4%向上しています。

剛性アップのほとんどは、ヘッドチューブ、ダウンチューブ、ボトムブラケット周辺の改良によってもたらされます。しかし、フレームセットを超高剛性にするだけでは必ずしも速くなるとは限りません。現実世界の条件で全体的なパフォーマンスを最適化するには、柔軟性とコントロール性も重要な要素です。そのため、新型PROPELのリアフレームは、よりスムースな乗り心地を実現するために再設計され、さらに高性能なオールラウンダーになっています。

シートチューブ、チェーンステイ、ISPはすべて再設計され、前世代の「PROPEL ADVANCED SL」と比較して細径のチューブを採用しています。この新しいデザインは軽量化にも貢献し、ハンドリングも向上しています。新型「PROPEL ADVANCED SL」は、リアエンドからISP上部までの柔軟性について前世代対比で85%も向上しており、長時間ライドでも疲労を最小限に抑えます。また、フレームとフォークのクリアランスを拡大したことで、最大30mm幅のタイヤの装着を可能にし、よりスムースなライディングを実現します。

3. EASIER ADJUSTABILITY

革新的な新デザインの2ピース型「CONTACT SLR AERO」ハンドルバー&ステムのコックピットは、個別の部品交換を可能にし、より正確なフィッティングが容易になります。また、すべての新型PROPELが採用する新しい「OVERDRIVE AERO SYSTEM」は、D型断面のステアリングコラムとエアロダイナミクスに優れる専用スペーサーをその特徴とし、ケーブルとホースを完全に内装して空気抵抗の軽減と調整の容易さを両立。近年のエアロロードバイクが採用する一体型ハンドルバー&ステムの短所を補っています。前世代のPROPELではステム上部からステアリングコラムの後ろを通ってフレームに内装されていたケーブルが、新型PROPELでは、ハンドルバーの中を通り、新たに広い通路を設けたステムから、独自のD型形状フォークコラムの前を通ってフレームに内装されます。

新しい「CONTACT SLR AERO」カーボンハンドルバーは、エアロ効率と手を置いた際の快適性を高めるフラットトップ形状を採用しています。また、スプリント、コーナリング、下りでのコントロールに最適なドロップを備えています。

チーム・バイクエスチェンジ・ジェイコのプロレーサーから、オリンピックやスプリントディスタンスの大会でPROPELを使用するクリスティアン・ブルメンフェルトのようなワールドクラスのオリンピック金メダリスト、さらにアイアンマン70.32度制したグスタフ・アイデンまで、新型PROPELは勝利のためのアドバンテージを提供します。スプリント、単独の逃げ、あるいは自己ベストの更新、新型PROPELは究極のスピードを実現します。

[Data Sheet]

 

 

 

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka