石垣島トライアスロン2021 GERONIMO Count

様々なハードルの中で石垣島大会に出場した選手のバイクから見えるトレンドはあったのだろうか。

GERONIMO Countは2015年からスタートし、7年目に入る。昨年は、全く活動出来なかったが。元々コナで30年以上行われていた「バイクカウント」で、2019年では、約2400台のバイクを7時間近くをかけてカウントしている。ブランド別の使用率は、毎年話題となり、各メーカーがトライアスロンバイクの開発ターゲットと位置付ける大会として、重要な意味があった。ただ、日本国内では、選手層、練習環境、レースのコース、ディスタンスなどから、必ずしもそのままのトレンドではなかったが、一つの指標であったことは間違いない。

機材の10年を振り返ると、まず、前半5年と後半5年に分かれるだろう。概ね5年程度で動きを見せている。前半はフューエル&ストレージを中心に「新世代」のトライアスロンバイクが提案された。それまでのバイクが洗練、機能性が大幅にアップデートされ、完成の域を本気で目指した。そして、後半5年は、それらのバイクがブラッシュアップされた。「ディスクブレーキ」という新たな課題が追加される中、エアロダイナミクスは必須として、フューエル&ストレージの完成、フィット性も含めたユーザビリティ、そして、軽量性など、特化したバイクであることは確かだが、多くのポイントに対し、高次元な融合がなされ、一長一短ではなく、全体的な完成度が高くなってきている。

また、機材を扱う選手が大きな鍵を握っているわけだが、まず、年齢層は高い。30年前始める人の年齢は20代後半が多かった。2000年に入り30代前半、2000年半ばでアラフォー、2010年以降は40代が増え、2018年の宮古島では、40~54歳までの3カテゴリーで58.4%を占めている。そして、今回の石垣島も同様の年齢層で、特にアラフィフが大きく占める結果となっている。トライアスロンバイクとロードバイクでは「想定」しているポジション出しの範囲が大きく異なる。見た目で人気となるトライアスロンバイクだが、必ずしも良いフィッティングができるわけではない。

そして、機会としては、あまり良い状況ではない。コロナ禍の影響で、各メーカーのデリバリーが遅れている。シマノパーツなども遅れているため、早めにに動きたい。今回に向けて新調を予定していた選手も間に合わなかったケースもあったようだ。そんな状況の中で、どんな結果となったのか。

あくまでも、使用されているバイク台数からの仮設に過ぎない。

 

Island-ISHIGAKI Bike Top10

第1位 SPECIALIZED 127台

第2位 cervelo 95台

第3位 TREK 94台

第4位 ceepo 57台

第5位 FELT 51台

同率第5位 GIANT/Liv 51台

第7位 cannondale 43台

第8位 PINARELLO 34台

第9位 ANCHOR 22台

第10位 BIANCHI 21台

 

石垣島トライアスロン2021 バイク使用台数

順位 ブランド 台数 使用率
1 SPECIALIZED 127 15.4%
2 cervelo 95 11.5%
3 TREK 94 11.4%
4 ceepo 56 6.8%
5 FELT 51 6.2%
5 GIANT/Liv 51 6.2%
7 cannondale 43 5.2%
8 PINARELLO 34 4.1%
9 ANCHOR 22 2.7%
10 BIANCHI 21 2.5%
その他合計 222 26.9%
不明 8 1.0%
未確認 0 0.0%
76 824 100.0%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

ダントツの使用率でスペシャライズドが1位だった。トライアスロンバイクのSHIVを筆頭にロードバイクのバリエーションは軽量性から女性向けまで幅広く対応できるモデルをラインナップしている。また、いち早くディスクブレーキに注力してきたスペシャライズドは、ディスクブレーキ比率も40.9%で、ダントツに新型モデル比率が高いと考えることができる。2位のサーヴェロは、コナでは、2019年まで15年連続No.1の使用率を誇る不動のトップブランドだが、今回は2位となっている。P-seriesの105仕様など価格帯も幅広いため、巻き返しは大いに期待できるだろう。3位のトレックは新型レースから外れているが、完成度の高いバイクをリリースするパーフェクトメーカーだけに「新型Speedconcept」への期待は極めて大きい。現行モデルとロードバイクのバリエーションで繋いでいる。

ブランド 使用台数 使用率
TOP10 594 72.1%

そして、この TOP10ブランドで7割を占めている。コナと違い、トライアスロンが得意なブランド、ロードが得意なブランドが入り、まさに国内トライアスロンの選ばれしトライアスロンブランドと言っても良いだろう。

あくまでも今年の石垣島トライアスロンにおけるバイクシェアの結果となる。

新型の象徴、キャニオンSpeedmaxも3台確認

今回最も注目していたのが、「ディスクブレーキ比率」と、そこからの仮説として新型モデル比率だった。コロナ禍の中で、開催されるのか、中止となるのか分からない大会に向けて、練習ができたのか。そんな振れがちなモチベーションの中で、更に機材なども準備できていたのか。機材から占うのもやや乱暴かもしれないが、傾向が現れているかもしれないという、僅かな期待から始まっている。

今回は、「ディスクブレーキ」をもって新型とし、そのカウントを行なっている。ディスクブレーキは、概ね2016年頃から、リリースされ、早いメーカーでは2018年モデルをもって切り替わっている。全体的には18年、19年、20年モデルが、普及3カ年のイメージとなる。但し、トライアスロンモデルについては、ディスクブレーキありきではないため、少しずれが出ている。いずれにしても、「ディスクブレーキ=標準」と言っても良い段階に入っているということなのだ。

総数 Disc   比率 Rim   比率
Tri Road Tri Road
824 53 96 149 18.1% 201 474 675 81.9%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

結果は、18.1%の選手がディスクブレーキモデルを使用していた。多いとは言えないが、この一年のブランクを考慮すると、悪くない結果だと考えている。それは機材ありきではなく、選手のモチベーションが機材に現れてくるからだ。前述もしたが、スペシャライズドは同社の使用台数に対しディスクブレーキ仕様は40.9%で、大きく貢献している。そして、各メーカーのディスクブレーキ化は完了、または、進んでいるため、今後は一気に増えてくることになるだろう。

最後に、選手層を占うデータとして、トライアスロンとロード比率がある。同じオリンピックディスタンスの木更津と比較している。

大会 年度 台数 Triathlon 使用率 Road 使用率
木更津 2017 1557 277 17.8% 1280 82.2%
石垣島 2021 824 254 30.8% 570 69.2%

※ Counted by Triathlon GERONIMO

まず、初心者の多いと思われる石垣島としては、トライアスロンバイクの比率が高かったと思われる。宮古島で50%程度、セントレアで40%程度となるからだ。バイクカウントはコナからのイメージが強かったため「トライアスロンバイク」の比率が高まることを期待している面もあったが、これから始める人が増え、同時にベテランの盛り上がりも合わせると、この「30%」程度が、ODとしてはちょうど良いのかもしれない。その点では、2017年のデータにはなるが、木更津のデータは大きな可能性があることになる。いずれにしても、競技レベル、身体的制限や条件などを十分に考慮したバイク選びが必要ということになる。

 

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=34064

「石垣島のコースを攻めるなら、一般論としてトライアスロンバイクだが、選択は慎重に。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka