4/11(日)沖縄県石垣市で「石垣島トライアスロン大会2021 / 第7回八重山郡トライアスロン大会」(石垣島トライアスロン大会2021実行委員会主催)が開催された。
■気象(10:00時点):天候 晴れ / 気温 25.9℃ / 湿度 73% / 風速 7.6m 東 ※石垣島地方気象台による
■スタート数:814名
当日は、天候に恵まれ、多くのトライアスリートが南の島のトライアスロンを楽しんだ。2021年皮切りでもあるこの大会は最高のコンディションの中での開催となった。そして、コロナ禍において1000名規模の大きな大会が無事開催されたことも含め、今シーズンの順調なスタートとなった。ただ、のんびりとした南国のリゾートトライアスロンと思いきや、スイムは波、バイクは風、ランは暑さが立ちはだかったタフな大会となった。
サイトに投稿された1週間前の情報として「気温29℃、湿度84%」であったため、ある程度の予想はしていただろう。ウエアもバイクコース及び主流の袖付きではなく、袖無しが目立っていたのはそのせいかもしれない。南国の楽しさと厳しさを感じる大会となったようだ。
石垣島は、宮古島と並ぶ国内屈指のリゾートで、八重山列島の政治・経済の中心となる。台湾とは270kmしか離れておらず、本州よりも近く位置している南の島だ。年間の一日の平均気温は23.8℃で、最も低い1月、2月でも18℃以上となる、トライアスリート天国でもある。
石垣島トライアスロンは、伝統の老舗大会で、「石垣島ファミリートライアスロン」として始まったのは1987年。ロングの宮古島に対し、誰でも挑戦できるショートの南国トライアスロンとして誕生している。1996年にはワールドカップを招致し、石垣島トライアスロンはメジャーとなり、2013年まで連続18回開催された。歴史の長い石垣島だが、途中ではコース等見直しや、2018年の悪天候、2020年のコロナ禍により4度中止となっている。今年の開催で31回目を迎えたのだった。また、JTUエイジグループランキング対象大会でもある。
オリンピックディスタンスは、全国各地で開催されている。石垣島でなくても出場することはできるが、スイム、バイク、ランをどんなロケーションでやるのか、またシーズンいち早く開催することなど、魅力あるODの大会となっている。
【Swim】岸壁に囲われた安心コース。
石垣港南側にある人工島「南ぬ浜町」の人工ビーチで行われる。反時計回りに750mを2周回するコースで、一度上陸する設定となっている。岸壁に囲われているため、見るからに安心感のあるコースで、人工ではあるが、白砂の綺麗なビーチとなっている。スタートはシード20名のみが一斉となり、その後は、10名づつ10秒間隔でのローリングスタートとなっている。昨今大会によっては、コロナ前から行われているスタート方式だが、石垣島では、コロナ対策の一環として導入している。
当日は風、そして、流れもあり、やや波が立っていた。見た目のイメージとは異なり、沖からビーチへ戻るコースがきつかったようだ。選手によっては、リタイヤも過ったとのこと。軒並みスイムタイムも悪く、波乱のスタートとなった。レースは、地元の梅田裕也選手(八重山竹富町)が19’32″のトップでスイムアップしている。久保埜一輝選手は僅か5秒遅れの3位でフィニッシュしている。
制限時間:60分
【Bike】ダイナミックなコース
石垣島トライアスロンのリピーターが多い理由の一つと言えるバイクコースだ。上図のように大きく周るワンループのコースでDHのフラットからテクニカルなアップダウンまで、ロングのバイクを凝縮したようなコースで、バイク好きには最高に楽しめるだろう。まず、10km前後で最初の篩となるフラットも含みながらの上り基調だ。その後、20km地点で最大勾配、そこをクリアすれば、しばらく下り基調となる。そして、35km地点では新たな局面として、上りに入る。20km地点ほどではないが、終盤の上りとして、明暗を分ける最後の篩となる。このコースは、「DHポジション」でいかにペースをキープして走しることができるかが、重要なポイントと言えるだろう。路面も極めて良好、DHでも安心して飛ばせるコースで、トップ選手のDHポジション比率は90%程度となっている。一般選手でも70%以上と感じている選手が多かった。
当日は風があり、10時時点で7.6m東の風となっていた。序盤から向かい風となり、選手を苦しめた。中盤はアップダウンはあるものの、風の影響を受けないところもあった。そして、終盤では、一部追い風もあったが、やはり、向かい風に苦しんだ選手が多かったようだ。レースは、トランジットから久保埜一輝選手がトップに立ち、そのままキープでフィニッシュとなっている。
制限時間:スタート後、3時間15分
【Run】オールフラットの周回コース。
オールフラットを5km2周回するコースで、常に往路、復路で選手がすれ違うようになっている。上位選手は距離差などが明確に分かり、一般選手は、お互いの頑張る姿に刺激されながら走れるコースだ。また、仲間と参加している選手は、より一層楽しみながら走ることができる。2019年までは、市内の目抜き通りを往復するコースで市民からの応援なども盛り上がりを見せていたが、やはりコロナ対策として、人工島内でのコースを選択している。エイドステーションは2箇所設置している。
当日は、暑さに苦しめられた。遮るものが何もない人工島でのランは、我慢のランとなった。特に冬場からの急な季節変化で、身体への負担もそれなりにあったはずだ。選手たちも口々に暑さを訴えていた。久保埜一輝選手もその暑さには影響を受けたとのこと。ただ、2018年の悪天候での中止を考えれば、まずは晴れたことを良しとしなければならないだろう。そして、レースは久保埜選手がバイクからトップをキープし優勝している。
制限時間:スタート後、4時間45分
レース後爽やかな笑顔を見せてくれた久保埜一輝選手。スイムをトップグループで終え、バイクからトップをキープし、2時間09分02秒で2位と15秒差で優勝している。
昨年は、コロナ禍により、中止となったため、2年ぶりの開催となった。また、今回も本当に開催されるのか、否かなど問い合わせも多かったようだ。例年通りの完全な開催は難しい。では、どのように開催するのか。新規大会では難しいが、老舗の石垣島大会だからこそ、長年の地元の理解も含め、様々な工夫と努力で開催に漕ぎ着けているのだろう。
前述の通り、石垣島大会は、2021年皮切りの大会だけに、選手からも関係者からも開催の期待は大きかっただろう。マラソンやその他の大規模スポーツから見れば一桁少ない人数規模だが、だからこそ気持ちの緩みも出る可能性があり、開催は簡単ではない。人数の大小ではなく、大会側の仕組み作りと選手への「意識付け」の徹底こそが成功への鍵となるのかもしれない。
コロナ対策も様々な対応がなされていた。プログラムには「新型コロナウィルス感染症予防対策ガイドライン」として2ページに渡り明記されている。選手の健康管理として大会まで2週間の体温チェック及び、説明会のWEBテストのために『QRチェックインシステム』を導入し、事前対策や非接触を積極的に行っている。また、朝の入場は、サーモグラフィーによる検温、ゼッケン及びその偶数または奇数での時間差とし、1時間15分をかけて密回避対策としている。そして、直前までマスク着用義務、スイムもローリングスタートとし、10名づつ、10秒間隔で行い、フィニッシュ後には、即マスク配布などの感染予防対策も行なっていた。
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【Result】
総参加者数 / 最終出走者数 993 / 814名
完走者数 / 率 742名 / 91.2%
■石垣島大会総合男子
1.久保埜 一輝 15 クボノ カズキ
2.大畑 亮介 23 オオハタ リョウスケ
3.池 隆礼 18 イケ タカユキ
■石垣島大会総合女子
1.川﨑 由理奈 21 カワサキ ユリナ
2.太田 麻衣子 16 オオタ マイコ
3.松本 文佳 14 マツモト フミカ
■八重山郡大会男子
1.梅田 裕也 4 ウメダ ユウヤ
2.富崎 義明 35 トミザキ ヨシアキ
3.阿部 知史 6 アベ トモフミ
■八重山郡大会女子
1.江村 彩 7 エムラ アヤ
2.金城 ちせ 542 キンジョウ チセ
3.Seow Giinfeng 978 ショウ ギーンフェン
※全てのデータ:https://ishigaki-triathlon.jp/石垣島トライアスロン大会2021リザルト/
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その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=34064
「Congratulations ! 2021年が始まった。」