今年もIRONMAN70.3セントレア知多半島ジャパンが開催された。
【Race & Result】
天候が不安定な中でスタートした。スイムは、15分間隔のウェーブスタートで、ほぼフラットなスイムコンディションに見えたが、昨年のトップタイムより3~4分も遅くなっていた。バイクでは、前半の周回コースでのペースキープが重要となる中、トップバイクスタート直後に雨が振り出し、「落車」が心配されたが、幸いにして1時間程度で雨も上がり、路面も乾き始めて来た。バイクは、やや「接近戦」となるコースだけに慎重なレース展開が必要となる。全体的には、高速コースでもあり、「トライアスロンバイク」の優位性が高く、ディスクをセッティングしている選手も少なくなかった。特に、選手によっては、ミドルの踏み切りコースとしてハイペースの展開もあった。そして、今回の「山場」となったのが、バイク後半のアップダウンからラン前半のアップダウンだった。ここが実力の見せどころでもあったが、いずれにしても、苦しめられた選手が多かったようだ。コース全体としては、フラットからアップダウンまであり、ミドルディスタンスとして、「走り応え」のあるコースにそれぞれのレベルで楽しむことができたのではないだろうか。
1395名(内リレー101組)出場 完走1345名、完走率96.4%
【Pro Triathlete】
総合優勝となったのは昨年に続きオーストラリアのミッチェルロビンズだった。スイム、バイク、ランをバランス良くこなしている。スイムをトップグループで上がり、バイクで飛ばしていたガイクロフォードに惑わされず、安定したクレバーな走りが勝因だろう。タイムは平凡だったが、他にも強い選手がいる中での優勝だった。5位に入っているフレデリッククロネボルグは、KPR、70.3KPRともにトップ50に入る強豪選手だ。
一方、女子優勝のアンナベルラックスフォードは、予想通りの展開だったと言えるだろう。下記の通り、アイアンマンも70.3も上位にランキングする選手だ。そして、健闘したのが、田中敬子だ。2位のケイトは、70.3をメインとする強豪、4位のシャオユーリーは、昨年の優勝者であり、アイアンマンジャパン3連覇の選手だ。3位に入れたことは大きな成果なのだ。レース後のインタビューでの「笑顔」が印象的だった。
■総合優勝 Mitchell Robins 04:01:49
KONA POINT RANKING 119位
70.3 POINT RANKING 40位
■女子優勝 Annabel Luxford 04:24:05
KONA POINT RANKING 11位
70.3 POINT RANKING 6位
【IRONMAN70.3】
この大会は、トライアスロンの最高峰、アイアンマンのミドルディスタンスで人気のシリーズとなっている。プロの世界では、アイアンマンのための「ステップ」として、スピードとディスタンスの実力を試すレースとなり、アイアンマンの「バイク&ラン」を確実にレベルアップさせている「通過点」なのだ。エイジ選手にとっては、ロングの「シミュレーション」として、利用する選手も多い。日本国内では、唯一のアイアンマンシリーズでもある。セントレアは今年で7回目を迎え、国内のミドルレースとして定番となった。
【DISTANCE】
現在、ミドルディスタンスは、最も重要な大会と位置づけられるだろう。ショートを何戦か出て、初ミドル挑戦からロング志向の調整レースまで、幅広いトライアスリート層となる。またミドルと言っても簡単に完走できる距離ではない。それなりにトレーニングを積む必要がある。トライアスロンを「真面目に楽しむ」という人たちの集まりでもあり、ファッションから文化へ変換される大会でもあるのだ。完走タイムを見るとプロの4時間からエイジの8時間までと、この点でも様子が伺えるだろう。また、大会演出においてもこの大会は、「IRONMANシリーズ」なのだ。ロング志向の選手に混ざり、ファントライアスロンの選手もメジャーを十分堪能できることも人気の理由の一つになる。
Congratulations !