P3の系譜

トライアスロンバイクの頂点に位置するのがサーベロ。

サーベロと言えば、イコールP3だ。2001年にリリースされた、初代P3から始まった。その後の2代目P3の原型となるモデルで当時はやや滑稽に感じる形状をしていた。そして、2005年2代目P3が誕生、プロサイクリングチームCSCが使用し、話題となった。2006年に市販モデルとなった2代目P3は当時「P3C」というネーミングで発売された。Cはもちろんカーボンのこと。2006年では供給量が少なかったが、2007年モデルから一気に人気急上昇となった。翌2008年には、CSCがツールドフランスにおいて、個人総合、チーム総合、新人賞とタイトル総ナメにし、同年ハワイアイアンマンにおいて400台オーバーのシェアNo.1となった。「自転車界完全制覇」を成し遂げたのだ。その後は、「サーベロ時代」突入、昨年2012年大会まで5連連続400台オーバーのシェアNo.1となる伝説を作り上げた。その記録に大きく貢献しているのが半数以上を占める「P3」だった。サーベロの顔であり、アイアンマンバイクの代名詞であり、トライアスロン35年史において、もっとも記録と記憶に残るスーパーバイクとなった。2台目P3は「改良」を繰り返しながらも外観上は、モデルチェンジをせず、今年で8年目となるロングセラーは自転車界においても極めて珍しいモデルとして知られている。特徴的なシートチューブは、現時点でも「トライアスロンバイクのスタンダード」となり、不動の地位を築いた。そんなレジェンドP3が満を持してついにフルモデルチェンジとなった。特徴的なシートチューブは無くなったが、単にP5の下位グレードではない、「新しいP3」として生まれ変わった。形状的にはヘッド周りはP5、シート周りはS5の流れを汲むデザインとなって、ロング中心ながらもオールラウンド性の高い、「新提案」が盛り込まれた「次世代」と言えるのが、この3代目P3なのだ。ブレーキも現在のスタンダードに反する、シートステー上のオープン型となっている。エアロダイナミクスのみ固執するのではなく、ブレーキの制動力とメンテナンス性も特長としている。ただ、ユーザーにより、位置づけ、意味合いは変わり、対象レースや好みによって分かれるところ。大塚個人としては、「ハワイを獲るためのバイク」と位置づけた。

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2001年からこの形状を造っていた。先進性のあるメーカーだ。ダウンチューブは、極めて鋭い形状で、当時のC社、T社とは全く違う形状をしていた。ただ、当時は人気もなく、現在のような活躍は、想像できなかった。

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サーベロ=P3、3代目は2代目を超えられるのか。今思えば、2代目は「保存版」だ。型落ちでもサーベロの歴史そのものだから。いずれにせよ、今後もトライアスロン界をリードするブランドがサーベロだ。

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さて、今年のハワイではどうなるのか?

BOSS1smallTriathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka