本日は、デローザの新製品発表会が開催された。
デローザは、1953年創業の老舗でイタリアンを代表するロードブランドだ。老舗中の老舗と言っても過言ではない。60年以上の歴史は、重みを感じさせるイタリアンロードで、現在はプロチームのサポートなども活動的に行っている。ロードでは、メジャーだが、アイアンマンなどトライアスロンではほとんど使用されていない。ただ、国内のトライアスロンでは、そのイメージ以上に使用され、6月のアイアンマン70.3セントレアでは、全88ブランド中の17位だった。
デローザのラインナップの特徴は、カーボンフレームをメインとしながらも、伝統的なクロモリフレーム、金属系最高峰のチタンフレーム、そして、恐らくデローザのみとなったスカンジウムのアルミフレームなど、イタリアンの老舗ブランドとして、すべてのマテリアルで、こだわりのラインナップとなっているのだ。
そして、2017年デローザは、モールドの変更はなく、カラーチェンジのみとなる。SKピニンファリーナの特別仕様車やアイドルの完成車などが話題となる。また、デローザらしい各モデルのグラフィックが目を引いた。そして、11月に新型モデルが追加予定となっているようだ。Cristiano DeRosa氏によるプレゼンテーションもその魅力をあらためて感じることができた。
※ Photo by De Rosa
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SK Pininfarina – Luxary (caviale)
このスペシャルモデルの特徴は、こだわりの三層構造の塗装にある。ベースになるスペシャルブラックに、さし色は、サテン仕上げのブロンズ色、ロゴはマットカラーで縁取りにミラー仕上げとなっている。コンポはカンパニョーロスーパーレコードEPSV3。そして、カンパニョーロの協力を得た、ボーラのホイールは小さいロゴのみを付けて、反対側にはピニンファリーナの専用デーカルを貼られている。そして、この特別使用車はこの専用バイクケースで納品される。また、カステリ社製のワンピースのボディスーツがSKピニンファリーナデザインで付属する。
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SK pininfarina ¥348,000 + tax(フレーム)
昨年スーパーキングの後継モデルとしてリリースされたエアロロードのSKピニンファリーナ。ピニンファリーナ社とのコラボの製品でもありNIPPO-VINI FANTINIでも今期使用されたフレームだ。発砲ウレタンによるインナーモールド製法で、均一な加圧をかけ、本来の設計強度を出している。2017年は、モールド変わらず、継続カラー4カラーと「RedFuocoGlossy」と「BlackTerraMatt」の2カラーが追加された。そして、先述の通り、特別な完成車としてが発表となった。
SKピニンファリーナホイール ¥498,000 + tax
ベースはカンパニョーロのBORA ULTRA80チューブラーとなる。
これはカンパニョーロ社に特別発注をして小さなロゴだけ残し、ピニンファリーナ専用デカールを貼っている。このロゴカラーは各フレームカラーに合わせて造られている。国内30セット限定。
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SKピニンファリーナハンドル ¥101,000 + tax
ベースとなるのは、FSAのプラズマとなる。
これをSKピニンファリーナに合わせたカラーにしている。ハンドル幅、ステム長はプラズマの仕様と同様となる。
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KING XS ¥410,000 + tax(フレーム)
KING XS Special Model ¥620,000 + tax
歴代のキングの後継で、極めて総合力の高いモデルだ。2015~17継続モデルでモールドに変更はない。UCI公認で電動、メカニカル、コンパチのフレーム設計になっている。ただし、カラーは一新、ソリッドカラーにクラシックなパッチのグラフィックデザインに仕上げられている。このカラーは、マットなソリッド部分にパッチカラーの部分だけをグロッシーに、または、その色使いを逆にしたグラフィックデザインとなっている。カーボン素材は、T1000,T800,XN10を採用している。KING XSもスペシャルモデルとしてコストパフォーマンスの高い完成車が設定されている。
IDOL ¥268,000 + tax(フレーム)
IDOL Special Model ¥420,000 + tax
デローザのフレームの中でも一番人気で、2014にリリースし4年目となる。モールドの変更はなく、カラー変更のみとなっている。2017年度は、カラーを一新して比較的シンプルなデザインになっている。このデザインは、初代アイドルがリリースされた2007年当時のグラフィックを意識したものとのこと。4カラー展開となる。また、スペシャルモデル(写真:上)として、日本限定の完成車展開が決まった。コンポはカンパニョーロのポテンザ。ホイールはシロッコ。カラーは、1カラーのみとなる。
Nick完成車 ¥329,000 + tax
Nick Special Model ¥230,000 + tax(フレーム)
ニックは2017年継続でカラー含め変更はない。昨年リリースされたモデルで、フルカーボンフレームにコンポは105の完成車モデルだ。DEROSAのホイールデカールは継続で付属する。また、上の写真は「スペシャルモデル」となるニックのイタリアカラーだ。このカラーは、右側のレッドが左側ではグリーンとなり、この3色使いでイタリアをイメージしている。そして、後ろからのぞき込むとBB裏のところで「イタリアンフラッグカラー」となっているのだ。
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AVANT ¥277,000 + tax
アバントは継続2カラーに新色2カラー追加となる。新色は、KING XSのパッチデザインを一番エントリークラスに普及させたモデルだ。デローザのエントリーモデルとして人気モデルで、36.5サイズの設定があるため、小柄な人や女性にも人気となっている。
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Corum 予価¥368,000 + tax(フレーム)
コラムは、ティグ溶接のスチールフレーム。2017年コレクションで重要となる新しいグラフィックが、「REVO」になる。(上の写真)レヴォの他にも「クラシック」というバージョンが2カラー発売される。ホワイトベースにダークブルーのロゴとダークブルーにイエローロゴが入った2カラーとなる。
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「ユーゴデローザは1953年創業以来、鉄はデローザ社にとってとても重要な素材です。上の写真は、コラムレヴォの写真ですが、デローザの工場で撮ったものです。そして、その奥の壁に写っているのが、若かりし頃のウーゴデローザです。スチールフレームの職人がいつもウーゴの目が光っている元で働いている。そんな職場になっているのです。」Cristiano De Rosa氏
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SCANDIUM 予価¥460,000 + tax(フレーム)
スカンジウムは2017年も継続となる。スカンジウムは7000系アルミにレアメタルを1~2%が加えられている。強度は、40~50%増し、10%軽く、振動吸収性も高まる。スカンジウムもカスタムオーダーが可能で、ブラックレーベルの称号が与えられている。
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Age Luster 予価¥432,000 + tax(フレーム)
昨年デビューのアジェラスターはレトロモダンをコンセプトとしている。クラシカルなシルエットに斬新な仕上げが魅力だ。フィレットブレージング加工で、ラグを使用せずローを盛り固めてラグの機能を持たせたスチールモデル。ラグを使わないためロー盛りされた部分の仕上げに手間のかかる逸品だ。ネオプリマートと同じジオメトリーで造られている。
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NEOPRIMATO 予価¥275,000 + tax(フレーム)
ネオプリマートは、2015年に生産中止となったが、昨年から日本向けのみの生産となっている。ネオプリマートは根強い人気がある。30年以上同じ製法で造られ、ハンドメイドで仕上げられたデローザのフラグシップだ。また、63年間スチールフレームを造り続ける真意としては、フレーム製造の基本であり、デローザの集大成であるとのことだ。重量が気になるスチールフレームだが、走り出せばその印象は一変する。ペダリングのパワーロスはなく、コーナーリングの安定性も高い。素材はデダチャイのzerounoを使用している。カラー継続2カラー、追加2カラーとなっている。
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このモデルは、先述のSKピニンファリーナで2017年追加カラーモデルだが、リオディジャネイロオリンピックで加藤友里恵選手が使用するカラーだ。「Red Fuoco Glossy」というカラーネームが付いている。文字通りリオで完全燃焼してほしい。
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今年は、Cristiano De Rosa氏による直接プレゼンを聞くことができた。
イタリアミラノから始まったこだわりとプライドを感じる熱いトークはあらためてデローザの「自転車」だけではないブランドの価値を感じるものだった。特にBLACK LABELについて力説されていた。
「ブラックレーベルとは、デローザ社本社で造られるフレームに与えられる称号で、全ての素材でオーダーが可能です。もちろん、単に色が違うということではありません。各ユーザーさんに合わせたジオメトリーで造られるものです。
自転車のサイズは、S,M,L,XLと言ったサイジングで販売されていますが、ジャージを作っているわけではありません。1953年の創業以来、カスタムでも自転車を造るという伝統を守って来ました。これはイタリアの伝統であり、誇りであり、そして、イタリアの文化であるということなのです。
デローザのブラックレーベルは、自転車という製品をご購入して頂くというだけでなく、デローザの哲学をご購入して頂くということでもあるのです。」
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「ロードと言えば、イタリアン。イタリアンと言えば、デローザ。」