絶対完走!

9/1(日)新潟県佐渡市で「第31回佐渡国際トライアスロン大会」(佐渡市など主催)が開催された。

■気象(12:00時点):天候 晴れ / 気温 26.6℃ / 湿度 70% / 風速 3.3m 西北西 / 水温 24℃(7:00時点)

■スタート数:Aタイプ1008名 / Bタイプ760名 / Rタイプ78チーム / 日本選手権22名

まず、今年の佐渡と言えば。。。各種目全体での完走率は、昨年の88.4%から81.7%まで落ちた。そして、佐渡Aタイプにおいては、昨年の80.6%から72.8%という厳しい結果となった。単純な比較は難しいが、優勝タイムで17分、100位で30分落ちている。(全体的には、逆に15~20分程度のタイム落ちとなっていた。)その原因は、スイム時の波と流れ、そしてバイクでの風に見舞われたことだった。

佐渡大会は、昨年30周年を迎えた老舗大会だ。国内で開催されている4つのロングディスタンスの中でも最も長いレースとなる。その長さはバイクが190kmという設定になっていることにある。20年ほど前に一度バイクを180kmに設定したことがあったが、やはり佐渡はその島をトレースするフルコースが醍醐味と言えるのだろう。レースではあるが、その地を走ることの意味を感じながらのバイクライドこそが、佐渡がここまで来た理由ではないだろうか。

また、ロケーションとともに、「ボランティア」のサポートが熱い。約3000人がそのサポートにつき、早朝から遅くまで選手をいろいろなカタチで応援してくれる。そして、佐渡大会は、ロングのAタイプとミドルのBタイプが併催していることも大きな特長と言えるだろう。始めて1年から2年目の選手が「初ミドル」として、時期、コース、制限時間などトータルで人気のレースと言えるだろう。また、選手として参加すると同時に、Aタイプに挑戦している選手を目の当たりにして、感動を受け、「次」に繋がっている。

30年続いた佐渡大会だが、2000年代ではトライアスロン人気も落ち込み、申込者数も大きく減った。それでも続けたきたからこそ、今があるのだろう。2009年頃からの第二次トライアスロンブームで佐渡大会も完全復活となった。2011年のTV放映の影響も大きく関わった。ただ、そこを境に出場の選考が抽選となってしまったために、まず、スタートラインに立つための「運」が必要となったのだ。佐渡大会完走のためには9か月から12か月の練習など準備が必要となる。以前の「先着」に戻ればより集中することもできるのだが。

いずれにしても「覚悟」をもって臨む大会が佐渡だ。

大会当日の天候は、昨年のような不安定さはなく、蒸し暑さはあるものの気温はやや低めで楽観視していた。一つ気になっていたのが、前日の試泳の時から波が立ち、水は濁っていたことだ。その時は、「明日はおさまるだろう」「沖の透明度は大丈夫だろう」と思っていたのだが。。。

ここでは主に「佐渡A」を中心にレポートしている。

午前4時半、ナンバリングに多くの選手が集まってくる。口数は少ない。笑顔の中にも緊張感が伝わってくる。無事に完走したい。そんな想いでいっぱいなのかもしれない。声をかけても気がつかない。間違ったナンバーの列に並んでしまっている選手もいる。落ち着いて行こう。「そんなに冷静にはなれないよ。そんなレースがこれから始まるんだ。」と言わんばかり。やるだけやってきたからこそ、緊張と興奮が高まる。

間もなくスタートとなる。

スタートは6時、制限時間は、21時までの15時間半だ。まず、スイムは、沖に向かい泳ぎ始める。第1ブイを右へ曲がり横へ泳ぐ。200mほど泳ぎ、第2ブイを右へ曲がり、岸へ戻るというコースだ。これを2周回する。コースの特徴として、岸近くは「遠浅」であるということだ。佐渡ならではの光景となるが、スタート後、しばらく、海を歩く選手たちの姿が見られる。例年比較的穏やかな海なのだが。

バイクは、まさに佐渡大会の「醍醐味」と言える、島の外周をトレースするダイナミックなコースとなっている。大きく3つに分けられるかもしれない。序盤は、最北端ASの鷲崎までの72kmで、相川地区、大野亀、二ツ亀などアップダウンの多いコースだ。中盤は、161km地点の小木までで、本州側のフラットコースとなる。そして、終盤として、「小木の坂」を含めた30kmとなる。距離は短いが、それまでの消耗があるため、体力的にも精神的にも厳しい。

そして、ランは、日陰のないコースを2周回する。9km地点では、上りもあるが、全体的には、フラットなコースとなる。

いよいよスタートとなる。積み上げたものを出し切れるだろか。波は収まらなかった。水も濁り、コンディションは良くない。風も吹いている。ただ、ロングはアドベンチャーだ。レース中にも天候などの条件が刻々と変わる。その環境にも対応していかなければいけいない、そんなレースだ。コースエリアが広いため、強い風が吹いたり、風向きも変わる。どこで頑張り、どこで我慢するのか、そんな戦略も重要となる。

6時、Aタイプがスタートした。長い一日の始まりだ。まずは、4kmのスイムを完泳をしなければいけない。

スタート後、遠浅のため、すぐ泳げない。100mは足がつく水深だ。海を歩く選手、走る選手、少しでも早く泳ぎ出したい。

波に見え隠れする選手。

第1ブイをトップで通過する西内選手。

コースは2周回。一度、上陸し、また泳ぎ始める。選手たちは、声援を受け、海に向かう。2周目では更に波が高くなり、選手を苦しめた。

1周目のスイムアップ。歩き、走り、上がってくる。選手から好みは分かれるようだが、一度上がれることに安心感を感じる選手も少なくない。

今回は、波の影響もあり、トップでも1時間を切ることができなかった。

やはり、バイクスタートは、「もう一つのスタート」だ。

ここからが佐渡の本番だ。そんな覚悟でバイクにトランジットする。体調、機材のトラブルなく、190kmを走り切れるか。風も吹くな、そして、できることなコースも楽しみたい。様々な想いの中でスタートする。スイムの遅れがバイクスタートを全体的に遅らせている。スイムで1時間30分以上かかった選手は、特に大きく遅れている。2時間以上かかっている選手も100名近くいた。(昨年は26名)通常、ロングの場合、スイムの遅れは大きく左右はしないが、スイムでの消耗が激しい中でのバイクスタートとなった選手も少なくなった。

前述の通り、コース戦略としてエリアは3つに分けられるが、ポイントは、鷲崎ASから小木ASまでの90kmのアベレージをいかに上げられるかだろう。そこのポイントを絞っていた選手も少なくないだろう。前半の両津までは追い風に乗ってハイペースで走れたのだが、問題は後半の両津から小木までだった。この後半の向かい風がそれまでの「貯金」を使い果たしてしまった。小木ASの関門は、15時15分、坂を上る前にあるが、2段階になっている最初の坂を上ったあたりで14時30分までに通過するペースでないと、ランに影響が出てくるが、全体的に遅くなっていた。スイムの遅れ、向かい風など、厳しい終盤のバイクとなった。ただ、すべてが逆境ではなかった。真野湾に出てからは向かい風になることが多いのだが、今回は、「追い風」だった。それまでの遅れを取り戻すかのようにバイクラスト10kmを飛ばしていた。

今回のバイクでは、概ね30分~60分落ちだったようだ。選手によっては、追い風と向かい風で合わせると大して変わらないと感じている選手もいた。また、完走ギリギリとなる選手においては、向かい風でのロスタイムも大きく、時間とともに、「脚」が売り切れてしまったのだ。

小木の坂まで160km以上を走って来た。このコースで最も標高が高いところでもある。余裕はないはずだが、「笑顔」で応えてくれる選手に感動する。

スイムもバイクも大変だった。そして、最後のランは、ここまでやってきた自分を信じて走るしかない。

気温より湿度が気になる蒸し暑さの中でのランとなった。ランはほぼフラットのコースを2周回となる。周回コースは、ペースを掴みやすいが、集中力をキープするのは簡単ではない。折り返し手前では坂もある。特に2周目の坂はきつい。

ロングのランはバイクの走りと大きく関係している。バイクで無理をすれば、ランで落ちる。逆にバイクでセーブできれば、ランで走れる。そのバランスがロングの「極意」と言えるだろう。理論的には、ハートレート、バイクならパワーを設定し、日々行うトレーニングの中で「仮説と検証」を繰り返し、想定は可能だ。またリアルな検証のために「予備レース」も入れてその「仕上り」を確認する。したがって、上位の選手はある程度結果も見えているはずだ。ただ、それを思ったようにできないのが、アドベンチャーでもあるロングのトライアスロンなのだ。

冒頭から述べているように、天候があり、体調もある。メカトラブルなど「運」も関係してくる。そんな「やってみないと分からない」という面も多分にあるのだが、この最後のランは、今までのトレーニングに加えて「あきらめない」という気持ちが極めて重要となる。フルマラソンとなる長いランの中では、身体は動いても気持ちが上がらない、その逆もある。そんな長旅に耐えた選手のみが完走できる。

1周目は、まだ陽も高く、元気に走っている。応援に応える選手も多いが、2周目からはその表情にも変化が出てくる。徐々に陽も落ち始め、佐渡の「正念場」を迎える。

2周目に入ったからと言っても完走の「保障」は一切ない。走るのを止めたら終わりだ。そして、暗くなってからは、時間との勝負になる。佐渡大会は、細かく関門が設けられているため、その時間との闘いとなる選手も少なくない。ランのペースが安定しない選手にとっては、厳しい関門となり、苦しいレースとなる。

暗闇の中からタスキのリフレクターが時折光る。「走っている」。静まり返った真っ暗なコース上を淡々と走っている。コース上を明るくする投光器の工事現場のような音だけが響き渡る中を走っている。

その走る姿は、「気力」のみだった。今まさに完走のために「必死」に走っている。そんな光景を目の当たりにする。とにかく、前に進んでほしい。あきらめなければ必ずゴールできる。

最後まであきらめない姿に感動する。

今年も夏の終わりを佐渡の花火が彩ってくれた。

21時30分、制限時間を迎えてレースは終了した。と同時に佐渡大会名物の花火が上がる。長い一日を頑張って来た選手たちを讃えているかのように見える。そして、大会の終わりと、夏の終わりを告げた。

今年は大きく完走率を落とした厳しい佐渡だった。完走した選手とともに、来年に向け、気持ちを切り替えている選手も同じく素晴らしい。また来年、必ず挑みたい。佐渡への挑戦は9~12か月はかかるだろう。少し休んだら、また走り始める。

そして、次は絶対完走だ。

今回も松田丈志さんがBタイプに参加していた。

当初、目標を6時間15分、100番以内と公言していたが、結果は、6時間14分05秒で堂々の74位だった。見事に達成した。さすがの身体能力だ。Bタイプでは、6時間がショートの2時間半程度ではないだろうか。多忙な中でそれに近いタイムを出している。もう立派な「トライアスリート」だった。昨年のタイム6時間45分30秒に対し、30分以上の短縮であり、波や風を考えるとそれ以上のパワーアップと言える。その中味を見ると、バイク、ランの短縮が大きいのだが、得意のスイムは昨年より、1分28秒遅れている。松田さんにとっても楽なスイムではなかった。

最後のセレモニーでも「来年こそはAタイプに出るんだろうと言われていますが。。。もう少し考えさせて下さい。(笑)」あとはご本人次第だ。

Aタイプを完走するためには、Bタイプを目安にすると7時間から7時間半程度の完走が必要だろう。松田さんなら十分に完走できる。是非、来年Aタイプに出場し、「真のトライアスロン」の魅力を伝えてほしい。

日本のロングディスタンスは険しい。

宮古島は、少し距離は短いが制限時間が厳しい。長崎は、アイアンマンディスタンスで15時間、皆生のバイクは、半分以上アップダウンで、灼熱のラン、そして、佐渡は、アイアンマン以上の距離で15時間30分だ。海外ではフラットコースで17時間のアイアンマンがある。ランで半分歩いても「完走」となるが、国内のロングはどの大会も厳しい。それだけにステイタスがあり、特に佐渡の距離と制限時間は、とても険しいのだ。簡単には完走させてくれない。そんなチャレンジングなレースだからこそ、そのゴール目指したくなる。

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【Result】

総参加者数 2127組(2285名)※A,B,Rタイプ、日本選手権、ジュニア

最終出走者 1868組(Aタイプ1008名/ Bタイプ760名/ Rタイプ78組/ 日本選手権22名)※ジュニア除く

完走率 Aタイプ:72.8% / Bタイプ:91.8% / Rタイプ:91.0% / 日本選手権:95.5%

Aタイプ優勝 男子:西内 洋行 / 女子:安曇 樹香

Bタイプ優勝 男子:久保埜 一輝 / 女子:小川 純子

Rタイプ優勝 Team Watson

日本選手権 男子:北條 巧 / 女子:西岡 真紀

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「長い一日お疲れ様でした」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】佐渡国際トライアスロン大会

夏のメインイベント、佐渡国際トライアスロン大会が迫って来た。

佐渡は、国内ロング大会の最終戦となる。ロングであること、バイク190km、そして、暑さが話題となる。アイアンマンよりも長いバイクを走り切り、更にその後のランのために脚も残さなければいけない過酷なレースだ。もちろん、そのために一年間練習をしてきている。

佐渡大会は、昨年30周年を迎えた老舗のロング大会であり、人気が高く、抽選によって選考される。ロングのAタイプの他に、ミドルのBタイプも併催され、幅広く選手が集まり、盛り上がっている。スイムは真野湾を泳ぐが、例年落ち着いていて泳ぎやすいだろう。そして、前述の通り、ハードなバイクコースだが、そこへの挑戦として人気があり、「佐渡対策」として、バイク練習を中心に臨む大会だ。ランの頃には最も陽射しが強く、日陰がほとんどないコースを走らなければいけない。ランを走り切るための「集中力」が勝負の分かれ目となる。

今年の佐渡はどのような展開となるのだろうか。まずは、天候には恵まれてほしい。暑さや風は皆同じ条件だが、雨による落車などは避けたい。今から考えても仕方ないことだが、無事に開催されることが何よりだ。

積み上げたものを出し切ってほしい。

 

昨年レポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=28053

■開催日 2019/9/1(日)

■競技

Aタイプ:スイム4km / バイク190km / ラン42.2km

Bタイプ:スイム2km / バイク108km / ラン21.1km

※詳しくは、http://www.scsf.jp/triathlon/

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「日本のロングは、時間との闘いだ。」
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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Tokyo OQE

■Contents

・【GERONIMO COUNT 】バイクトレンド(準備中)

・エリート男子 Photo

・エリート女子 Photo

・【取材予定】2019 Tokyo ITU World Olympic Qualification Event

エリート男子 Photo

エリート女子 Photo

【取材予定】2019 Tokyo ITU World Olympic Qualification Event

Tokyo OQE ELITE MEN Photo

2019 Tokyo ITU World Olympic Qualification Event、エリートMENが開催された。

本日は、曇天、たまに小雨というあいにくの天候ではあったが、昨日ほどの暑さはなく、風も涼しい。ランも10km開催で決定している。エリート男子の白熱した展開に期待がかかる。

イギリスのジョナサン・ブラウンリーの実績、経験から期待が高まるが、若手の追い上げをどう逃げ切るか、余裕はないだろう。「絶対」という選手が不在の中での展開が始まった。

スイムはスクーマンがトップで2ラップ目に入る。スイムは2ラップとなるが、2ラップ目のダイブは、助走が長いため、飛距離の長く、スピーディで迫力のあるシーンが見れた。その後、スクーマンが終始トップをキープし、トランジットの入ったが、タイム差は拮抗しているため、バイクでは、すぐに大きなパックが3つ形成されている。牽制しつつもハイスピードな展開となっている。ドイツのヨーナス・ショームブルクは、積極的にバイクで攻め、揺さぶりをかけるが、協調されず、吸収。2周目では早々に約40名の大集団となっている。安定しているかには見えたが、その後、徐々にふるいにかかり、ランスタート時は30名程度となっていた。その中から抜け出したのは、ミスローチャック、ストールネス、ワイルド、ショームブルク、ジーンの5選手、それを追いかけるのが、ブラウンリー、イデン、スクーマンだった。ワイルドが積極的な走りを見せ、ミスローチャック、ストールネスとともに、終始トップグループをキープし、最後のゴールスプリントを制したのは、カナダのテイラー・ミスローチャックとなった。日本人最高位は、古谷の35位で終わった。

レース後の表彰式では、前日の女子の表彰式の執り行われた。女子は、1,2位が手を繋ぎゴールし失格となり、3、4、5位の選手が繰り上がり入賞となった。後味の悪いレース結果となったが、決められた厳正なルールの元に大会は行われている。

さて、明日はパラトライアスロン、そして、明後日はいよいよミックリレーだ。スイム300m、バイク7.4km、ラン2km、合計9.7kmを4選手がリレーする、スーパースプリントレースよりスピードレースだ。スピーディな展開が見どころだろう。

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=31177

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Tokyo OQE ELITE WOMEN Photo

2019 Tokyo ITU World Olympic Qualification Eventが始まった。

本日はエリート女子のレースが開催された。選手も初めてのコースとこの時期の気候など様々な確認も含めたレースだ。もちろんレース運営としても確認事項も多いだろう。

今回気温が高いため、ランは5kmに短縮されている。選手ばかりでなく、スタッフや観戦者も含めた対応だ。朝から気温も高く、湿度も高い。幸いにして曇りがちで場所によっては風が吹いていた。ただ選手には関係ないレベルだが。

バイクから積極的な展開となり、最終的には6名の第1パックによる優勝争いとなった。優勝筆頭候補のダフィーを含めたパックは順調に後続を引き離し、ラン勝負となったが、「5km」という短い距離も選手によっては、想定内だったかもしれない。レースは、リアマンスとテイラーブラウンがトップをキープし終わったのだが。

レース結果だが、「審議」として終わった。ワンツーフィニッシュの選手のゴールがその対象となっている。明日の男子と一緒に表彰式も開催される予定となっている。日本人トップは高橋が25位(暫定)となっている。

明日は男子だ。よりスピードレースとしての様相だが、暑さはどうなるのか、ランは10kmを見てみたい。

 

 

 

その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=31177

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】2019 Tokyo ITU World Olympic Qualification Event

オリンピックのプレイベントがお台場で開催される

2013年9月、東京オリンピックの開催が決定した。夏のオリンピックとして1964年以来、56年振りの開催となる。そして、いよいよ2020年の東京オリンピック開催まで一年を切った。

そのオリンピックのプレイベントであり、出場選手も最高レベルとなる。オリンピックのためのテストレースとして、各選手も様々なレース戦略を確認するイベントでもある。また、当初より懸念されている気温なども重要なチェック項目となるだろう。そして、各国においては、オリンピックの代表選考にも関わる重要な位置づけとなる。もちろん、運営サイドも「本番さながら」の体制で臨むことになるだろう。

選手はスタートリストで発表されているが、オリンピック前哨戦にふさわしい顔ぶれとなっている。5月の世界トライアスロンシリーズ横浜大会でもお馴染みの選手も多いが、「オリンピックコース」での戦略をどのように立てているのだろうか。もちろん、スイムアップでのポジションが重要となるが、極めてテクニカルとなるバイクコースでは、「集中力」を高めてスキルも必要となる。そして、ランでは「灼熱」との闘いとなるだろう。

この上ない「観る」レースを楽しんでほしい。

■開催日 2019/8/15(木)~18(日)

■競技

15日(木):エリート女子

16日(金):エリート男子

17日(土):エリートパラ

18日(日):ミックスリレー

※詳しくは、https://triathlon-tokyo-2019.org/

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「いち早く観られるオリンピックだ!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

KAIKE 2019

■Contents

  • GERONIMO COUNT 皆生2019バイクトレンド
  • Race Photo Report
  • Triathlon GERONIMO 皆生大会選手レポート ~少しの運も大事~
  • Triathlon GERONIMO 皆生大会選手レポート ~笑顔で走ること~
  • 【取材予定】全日本トライアスロン皆生大会

Race Photo Report

Triathlon GERONIMO 皆生大会選手レポート ~少しの運も大事~

Triathlon GERONIMO 皆生大会選手レポート ~笑顔で走ること~

【取材予定】全日本トライアスロン皆生大会

BRAVE & TRUE

7/14(日)鳥取県米子市他で「第39回全日本トライアスロン皆生大会」(皆生トライアスロン協会など主催、スポーツ振興くじ助成事業)が開催された。

今回で3年連続3回目の取材となった。皆生と言えば、灼熱の中のレース、または大雨で途中で中止になったこともある、過酷なレースとして知られている。17年は暑かったが、昨年は過去最高に暑かった。今年も暑いのか、はたまた、雨の中のレースとなるのか、まさに一年間の取材の中で最も「戦々恐々」と身構えてしまう大会でもあるのだ。

過酷な環境の中で行われる皆生は、日本トライアスロンの歴史そのものだ。来年40回目を迎えるが、現在、参加選手は1000名を越えている。但し、厳正な「書類選考」の元、選ばれている1000名であり、基本的には実績のある選手たちだ。そんな選手たちでも完走率は高くない。それほどのチャレンジングなレースでもある。元祖鉄人レースとしては、簡単には完走させてくれないのだ。ただ、だからこそ憧れの「鉄人」を目指すのだろう。

金曜日に現地入りをしてからも不安定な天候が続き、時折晴れ間も出るが、目まぐるしく変わっている。当日もスタート直前まで気になっていた天候だが、今年は「最高」だった。7時の気温は21.3℃、水温は22.5℃だった。昨年は水温も高く28℃あったので、「絶好」のコンディションと言えるだろう。午前中11時頃までは、小雨が降ることはあったが、バイクに大きな影響のない程度だった。そして、その後は曇ながらも空は明るくなってきた。もちろん、暑さも心配されたが、いつのようにはならなかったのだ。14時頃には少し蒸し暑さを感じたが、いつもとは違った。その結果として、優勝タイムは昨年より37分も更新され、100番でも43分の短縮となった。そして、全体の完走率が昨年の83%から、今年は93%となった。「皆生」らしくないという声も聞いたが、ロングはアドベンチャー、その時、その瞬間まで分からない “ 気分屋 ” も皆生らしさかもしれない。

当日朝4時、僅かに小雨が降っている。ランの時なら選手は助かるだろう、これ以上降るとバイクのペースは抑えざるを得ない。当日の朝も不安定な空を見上げながら、間もなく始まるレースに備えた。

スイム会場はいつもと違う様子だった。波打ち際では、大きく波が巻いている。スタート地点や、沖は問題なく見えるが、波打ち際では、脚をすくわれている選手もいる。過去2年は穏やかだったが、この波で止めてしまっている選手もいた。

Team BRAVE八尾監督の「バトルのない優しいスイムを」で一斉スタートとなる。

■スタート、スイム3km

7時、長い一日が始まった。全員無事に完走してほしい。

フローティングスタートとなる。一度沖に向かうがほどなく左折となるため、やはり「バトル」はある。ただ、「それほど厳しくなかったよ」と選手は言う。全てではないかもしれないが、「優しいスイム」だったのかもしれない。その想いが通じているのだろう。

皆生のスイムコースは一度沖に出てから、岸と並行するように左方向に泳ぐ。1.5kmで一度上陸し、戻ってくるコースとなっている。

波打ち際では、波が立ち足が取られる。

■いよいよバイクが始まる

皆生の名物とも言える、アップダウンの多い難コース。

バイクトランジットでは、皆生ならではのボランティアの手厚いサポートと応援で送り出してくれる。皆生のボランティアは4000名を越えている。選手一人当たり4名でサポートしてくれていることになる。世界的にも珍しいだろう。それだけ、「発祥」を大事にして、この大会を守る意識が高いのだ。

ちなみに鳥取県は、スイカの名産地トップ5に入る。「スイカ美味しいよ~」と選手に声をかけてくれる。

■バイク140km

皆生の象徴「大山」を上り、アップダウンを繰り返す、テクニカルコース。

皆生の醍醐味はやはりバイクコースだろう。中盤に控える「大山」やジェットコースターと言われるアップダウンが選手を苦しめる。確かにハードなコースだが、だからこそ選手が集まってくる。このコースをクリアすることが、皆生を楽しむということなのだ。アップダウンとともにテクニカルであり、山の中を駆け巡るこのコースは、本当にバイクのトレーニングを積んできた選手にとっては「楽しいコース」と言えると思う。

皆生名物「ジェットコースター」に入る。皆生のバイクコースで最も楽しめるエリアとなるが、狭い箇所もあるので、慎重に進まなければいけない。

■ラン42.195km

ほぼフラットとなるランコース。単調なコースには「集中力」が重要となる。

ランでも例年の暑さがないため、選手は軒並み「自己ベスト」となっている。歩道橋などを除けば、ほぼフラットなコースとなっている。ただ、極めて短調なため「集中力」がカギとなるだろう。コースはフラットで良いのだが、路面、道幅、また段差などには気をつけなければいけない。

■鉄人になる

このゴールを目指して走って来た。最高の笑顔でゴールだ。

このゴールシーンも皆生大会を最も象徴していると言えるだろう。アットホームで大勢の家族、友人、仲間との同伴ゴールは皆生ならではと言えるだろう。レースの厳しさを忘れてしまうような、笑顔と和やかな空気に癒される瞬間だ。

いつまで見ていても、それぞれのゴールがあるので飽きない。一日戦った「勇者」の喜びとそれを讃える人たちが最高の場を作っている。

競技レベルの高い皆生に出場する選手は、レース以外でも意識は高い。多くのボランティア、スタッフに支えられていることを理解している。このように一礼する選手は少なくない。清々しい光景だ。

今年の皆生が終わった。

天候には恵まれた今年の皆生だった。これ以上のコンディションは今後もないだろう。来年はきっと暑くなる。暑さの中でも十分なパフォーマンスを発揮できるトレーニングが必要となる。来年の「灼熱皆生」に対抗するための時間は長くはない。

来年はついに40回目の大会を迎える。皆生の歴史は、日本トライアスロンの歴史だ。まずは、皆生が「トライアスロン発祥の地」であることをあらためて知ってほしい。

元祖「鉄人レース」となる皆生は、アイアンマン、宮古島ストロングマン、佐渡アストロマンのような「称号」はないのか。皆生は1981年に国内初のトライアスロンとして始まったわけだが、当時はこのレースを開催するため、「IRONMAN」のマニュアルを元に試行錯誤され、53名の選手で始まっている。そのため、和訳され「鉄人レース」と呼ばれ、「日本版アイアンマン」と言うことができる。したがって、皆生の称号は、「鉄人」ということなのだ。その後、20年ほど前に英語のイメージコピーとして「BRAVE & TRUE」が付けられた。その他の案や○○マンももちろん検討されたようだが、元祖としての「皆生らしさ」を象徴するイメージから選ばれた。

 

★皆生大会関連情報(来年のランコースになると良いですね。)

鉄人と野人 トライアスロン発祥の地 全緑プロジェクト実行委員会

「鉄人野人 全緑挑戦 トライアスロン聖地 米子/境港 に芝生広場を」

https://readyfor.jp/projects/tetsujin-yajin

 

 

2019その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=31049

2018レポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=27306

「来年は40回大会、皆生の歴史は、日本の歴史だ。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Triathlon GERONIMO 皆生大会選手レポート ~少しの運も大事~

7/14(日)開催された全日本トライアスロン皆生大会を参加選手にTriathlon GERONIMOレポーターとして振り返って頂きました。
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≪絶好のトライアスロン日和≫
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皆生トライアスロンに出場するにはロングディスタンスの完走実績が必要と聞いていました。実際、ミドルの実績しかなかった昨年は落選。今年は宮古島と佐渡を完走し満を持しての参戦となりました。参加出来るだけでも誇らしい気持ちになります。 私は、所属するチームを主宰する大塚さんとチームメイトの生井さん、トライアスロン仲間の半田さんの4人のツアーで初めての皆生を訪れました。
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金曜日に現地入りし、レース前日の土曜日にスイムコースの試泳、バスでバイクコースの下見に行きました。聞きしに勝るハードな道のりですが、風光明媚な景色が広がる美しいコースです。俄然テンションが上がります。前日の天気は雨で最高気温は26°、蒸してはいますが前年のような猛暑ではありません。レース当日の予報も雨のち曇り、最高気温27°、この予報どおりなら絶好のトライアスロン日和になると期待しました。 一旦宿に戻りドラどらパーク(ドラマチックどら焼き?)に移動し開会式と説明会に参加。開会式ではチームブレイブの代表の八尾さんが恒例(らしい)の「ノーバトル」宣言。スイムが絶望的な私はドラフティングを狙って集団の中からスタートするのでありがたい限りです。 しっかりと寝てレース当日。小雨の中仲間と共にスイムスタート会場へ。長い一日の始まりです。.

【スイム】
前述の通り、集団の中からスタート。宣言があったためか、バトルは優しめ。1時間15分の目標に対してタイムは1時間14分。まずまずの出来です。
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【バイク】
前日の下見の通りハードなコース。大山を登る頃にシャワーのような雨が降りしきる。橋を渡るところで大塚さんの声援を受ける。背中を押されて大山の坂を登り下りしたところに救急車が…落車事故か。雨で路面が悪いので絶対にコケないように慎重に下りを走る。 また、3週間前の五島長崎の大会で補給に失敗してしまったのでしっかり補給してランパートに脚を残すようにコーディネートしながら淡々と漕ぐ。ジェットコースターコースを必死に漕ぐ中、生井さんとすれ違う。さすがだなあと感心しつつひたすら漕ぐ。折り返して必死に漕ぎ続けて、下を見続けてたところ、再び大塚さんの声がして頭を上げる。カメラに向かって笑顔で答えて再び漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ。少し慎重になり過ぎたか、目標5時間30分に対して5時間44分でフィニッシュ。
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【ラン】
雨は完全に上がりましたが湿度100% 前回の五島長崎で大失敗したので、最後まで絶対に歩かないと心に決めてスタート。 皆生のランは交通規制がなく信号で止まるシステム。聞いて知っていたものの、実際に始まるとなかなか斬新。信号機を見ながら、捕まりそうならゆっくり行き、間に合いそうならダッシュで走る。駆け引きしながらの楽しいラン。仲間とすれ違うたびエールをやり取りしてハイタッチ。まずはトライアスロン仲間の安藤さんめっちゃ速くてびっくり。その後、安定の生井さん。さすがに速い。折り返して半田さん。元気な笑顔。大丈夫、絶対完走できる。 バイクの時にしっかり補給したのでハンガーノックにならず、最後まで走りきりました。 ラン最後のエイドで、前を走る人が「ボランティアの皆さん今日は一日ありがとうございました!また来年もよろしくお願いします!」と大声で叫び、拍手で見送られていました。 その光景を見ながら、ホントに良い大会だなあと改めて思いました。 目標5時間15分に対して5時間7分、上出来です。
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総合タイムは12時間26分36秒 目標タイムは12時間15分00秒 目標には及ばなかったもののまずまずのタイムです。 私はトライアスロンを始めて6シーズン目です。昨シーズンからロングディスタンスの大会に挑戦し宮古島、佐渡を完走。今年、五島長崎と皆生を完走し、現在日本で行われているロングディスタンスの大会を全て完走しました。その上で思うこと。 ロングディスタンスの大会は天候や体調、あと少しの運に左右されるということ。それら全部を攻略して初めて完走できる。だからこそ面白いのだと思います。 皆生トライアスロンは猛暑の中レースで有名ですが、今年は雨が降って湿度が高かったものの暑すぎず、絶好のトライアスロン日和でした。とても運が良かったと思いますが、猛暑のレースも経験してみたかったとも思います。
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最後に、この大会はボランティアの皆さんがとても優しくて心地良かったです。また、沿道の皆さんの暖かい応援にも背中を押されました。是非ともまた参加したい、そう思いました。
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Reported by  Naoto Kataoka
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「おめでとうございます。幸運で何よりです。」

BOSS-N1-S
Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

Triathlon GERONIMO 皆生大会選手レポート ~笑顔で走ること~

7/14(日)開催された全日本トライアスロン皆生大会を参加選手にTriathlon GERONIMOレポーターとして振り返って頂きました。

 

<<憧れの皆生大会で完走を目指して>>

6年前、私は皆生に応援に来た。大会側が用意してくれた応援バスに乗ったのだが、応援者にとっても厳しい暑さのなか、複雑なバイクコースを効率的に回り、少しでも涼しい場所で観戦できるよう配慮していただいたほか、お弁当や冷たい飲み物もたくさんいただいた。ゴール後に選手の疲れ果てた姿、でも溢れ出る達成感。他の大会では感じたことのない雰囲気を目の当たりにしてから、皆生は私の憧れとなった。

本大会では出場するにあたって、一人一人の過去の実績と皆生に対する熱意が厳しく審査される。出場人数も他の国内ロング大会より少なく、出場するまでのハードルが既に高い。大会のホームページにも「トライアスリートは灼熱のなかで厳しいコースを競技することを前提に練習を積んでいるはずである。」という旨の記載があり、コースと環境に対する主催者の自負を感じる硬派な大会である。

 [昨年も挑戦したが。。。]

【昨年は熱中症でリタイア、今年は一転涼しい天候に】

猛烈な蒸し暑さとバイクコースの厳しいアップダウンが有名なコースで、昨年の本大会で私は熱中症になり、ランの序盤でリタイアした。今年は再チャレンジのための申し込みをするときから勇気が必要だったが、人気大会の貴重な出場枠を一ついただき、リベンジさせていただけることになった。身の引き締まる思いで皆生のバイクコースを想定した練習を積んできた。

灼熱地獄を恐れていたものの、今年は一転、梅雨前線が停滞し涼しい天候となった。「水温が低いのではないか。」「バイクコースの路面が濡れて落車のリスクが増える。」「夜のランでは体が冷えるかもしれない。」といった、皆生らしくないことを心配してのレースとなったが、このような絶好の好機を逃す訳にはいかない。今年完走できなければ、一生、皆生を完走できることはできない。

【スイム】

スイムのスタート会場は佐渡や宮古島に比べるとこぢんまりとしているが、大会当日は応援者でにぎわっており、否が応でも高揚感、緊張感が高まる。レース後に仲間から聞けば、不安感から私は早口になり、仲間を置いて試泳会場に行ってしまうなど、相当テンパっていたそうである。

速い選手は前方でフローティングスタートを選択するが、あくまで完走目的の私は後方の浜辺から安全にスタートすることを選択。事前情報では「沖に出る最初の数百メートルの波がやや高い」とのことだったが、個人的にはさほど波が高いとは思わなかった。スイムコースは浜辺に沿ってほぼ直線に1.5km泳ぎ、中間地点で一度浜辺に上がってから再び帰ってくる単純なコース。往路は向い潮のなか、後方からスタートしたためドラフティング効果が得られず、去年より時間がかかった。しかしながら、今日一日は長い!!焦らず、慌てないことを肝に銘じた。復路は追い潮に転じるなかで少しずつだが追い付いて、落ち着いてスイムアップ。

【T1】

本大会に参戦している友人数人と会話することができ、ホッとした。バイクスタート直前のエイドではボランティアの方が私の名前を呼んでくれ、「おにぎり、温かいお茶がありますよ」と勧めてくれる。「ここで一分、一秒を争ってもしょうがないし、胃腸が元気なうちに少しでも食べなければ」といただいた。それにしても温かいお茶がありがたいなんて、例年の皆生では考えられないことだ。

【バイク】

最初の40kmくらいは平坦であるが、その後名物のヒルクライム、厳しいアップダウンを経て、最後の30kmくらいがまた平坦となるコース。選手全体ではTTやロードバイクにDHバーを装着した自転車が多かったように思うが、長い坂を少しでも軽く登りたいとの考えから、私はDHバーを着けないロードバイクを選択。昨年は灼熱地獄のなか、ヒルクライムの中盤の50km地点で熱中症のために嘔吐してしまった。今年は涼しく、順調に登れることが嬉しい。雨が降る山中では合羽を着たたくさんのボランティアさんが支えてくださる。エイドをお手伝いする子供たちは元気いっぱいで、こちらが元気をもらう。頑張らせてもらえる環境に感謝した。やはりこの恵まれた天候を完走につなげなければ!

補給は猛暑を懸念してボトルを3本携行できる準備を整えていたものの、今年は2本で充分であった。コース上では自分がかなり後方にいることは分かっていた。しかし自分が目指すのはタイムや順位ではなく、あくまで完走。「バイクの制限時間に間に合えば、ランには6時間もらえる。今日の涼しい天候ならば、6時間あればランも走りきれる。」と考え、登り坂でも平坦でもやはり慌てず、軽いギアを回すことに専念した。そして天候が見方した今年は、去年から30分ほど短縮してバイクアップ。

【T2】

去年も感じたことだが、T2で見守ってくださる女性マーシャルがとても温かい。去年はあまりの暑さに、思わず「走れない、つらい。」ともらしたところ、女性のマーシャルが「取り敢えず、少し行ってらっしゃい。そうすれば案外、楽になるかもしれないし。」と優しく言葉をかけてくださった。今年の私は弱音を吐くことはなかったものの、その場にいた女性マーシャルの選手を見守る温かいまなざしはしっかりと感じ取ることができた。

【ラン】

去年はランの序盤でリタイアした。今年、私にとってはここからが本当のレースである。ランは皆生温泉から大きな街道沿いの商業地区を抜け、米子空港を経て境港まで行って帰ってくる平坦なコース。交通規制を守るため信号で止まることや、歩道橋を渡ることは有名である。

ランで自分で決めたことは、「笑顔で走ること」、「仲間とすれちがったらエールを送ること」の2点。確かにこれまで8時間近く動き続いているのだから、疲れていないはずはない。でも去年リタイアを申し出たエイドを過ぎ、去年は渡れなかった横断歩道、渡れなかった歩道橋、見られなかった米子空港や境港、全てが嬉しくて笑顔しか出てこなかった。頑張っている仲間を見られれば、こちらが元気をもらえる。エイドステーションではたくさんのボランティアさんが自分の名前を呼んで応援してくれ、中高生がスペシャルニーズを首尾よく用意してくれる。さすがにランも後半を過ぎると体のダメージが大きくなったが、真っ暗になっても全ての交差点でボランティアさんが安全を守ってくれ、沿道のお店のお客さん達もコースに出てきて「あと少し頑張って。」「お帰りなさい。」と声を掛けてくれる。やはり笑顔しか出てこない。最後の歩道橋を渡り、高架下をくぐり、ゴールとなる競技場に入ったときは「あぁ、一年間この景色が見たかったんだ。」と感無量になった。

冒頭に記したとおり、皆生大会は灼熱のイメージとタフなコース設定から硬派な大会と思われているが、私にとっては大会関係者のみなさんと4,200人のボランティアさん(参加選手数に対するその人数は日本屈指なものとのこと)、沿道で途切れることのない応援のみなさんが支えてくださるとてもアットホームな大会だった。

Reported By  Tomomi Handa

 

 

KAIKE2019:http://triathlon-geronimo.com/?p=31049

「おめでとうございます。笑顔で走れましたね。」

BOSS-N1-S
Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka