PEARL iZUMi 2023 SPRING / SUMMER

パールイズミ2023 SPRING / SUMMERが発表となった。

メーカーとしてのトピックスは、後述となるが、今回の新作の中から特に注目としたのは「更なる快適性の追求」だった。ウエアはバイクと違って、誰でもその違いを感じることができる。フィット性、通気性、身体の動かし易さ、そして、サドルからの圧迫感など、初めて着用する人でもそのフィーリングの良し悪し、合う合わないなどを感じることができる。

もちろん、その前にデザインや価格などから目を惹くことからはじまるとは思うが、身体の一部になってもらうバイクウエアとしては、「影」の快適性、機能性が極めて重要と言える。特にロングライドとなるトライアスロンでは、「快適性」の優先度は極めて高いと思う。例えば、エアロダイナミクスより、「通気性」は炎天下を考えると勝る要素ではないだろうか。選手の競技レベルや体感から絶対ではないが、今一度、何を優先させるのか、ウエア選びも慎重にしたい。

 

そんな快適性を求める、今回のトピックスの一つがこの「V型」パッドとなる。パッドの坐骨部が体型によって左右に広がるというものだ。個々で坐骨の幅も異なり、ペダリングも違う。この左右が独立したパッドで「個人差」への対応を考えて開発されたものだ。

現在、このパッドはコンフォータブル系のラインナップとなっているが、今後の展開に期待したい。トライショーツのパッドは薄いものと決まったままで良いのだろうか。ロングのバイクはフルに着替える選手も少なくない。最も種目に適したウエアが必要と理解しているからだ。一方で、着替えず、続けて使用できるトライアスロンウエアで可能な限りレースに臨みたい。この独立パッドで、ランに支障のないトライショーツの開発も可能性はあるのではないだろうか。

 

アンダーウエアはまさに「脇役」、ただ名脇役と言えるだろう。アンダーウエアの目的は「汗のコントロール」だ。この季節は、汗によって身体に張り付いたジャージに不快感を持ったことがあるとだろう。また、日陰では汗が冷え、涼しいを通り越し、寒く感じ、腹部を冷やし過ぎてしまうこともある。重ね着は暑いイメージがあると思うが、その効果は逆だ。

そんなアンダーだが、今回は「見せるアンダー」としてラインナップされている。これは着こなしと言えるが、ホワイトが覗いていると「下着感」があるが、このジオメトリックパターンであれば、違和感ないどころか、逆にハイセンスに見える。また、ジャージのトップスにも採用されているため、コーディネートも良い。

 

そして、これが「技あり」のパールイズミらしいソックスだ。足の甲の部分が厚くなっているのが分かるだろう。これは、昨今のダイヤル式固定となったバイクシューズの内側から足への圧迫を軽減させるために作られた高機能ソックスとなる。もちろん、ベルクロ式でも感じる圧迫を抑えてくれる優れものだ。

たかがソックスだが、各部位に合わせ、「編み分け」をしていることが特徴で、甲の部分だけ厚くしているのも専用の編機が必要になる。土踏まずから履き口にかけて段階的着圧も施されたサポート編みも機能性の高さの一つ。また、ペダリング時の角度やズレを抑えるヒールカップなど、随所にこだわりを感じさせる逸品に仕上がっている。

 

これも隠れた人気アイテムとなる。いわゆる昨今の流れの「ハイソックス」でスピードセンサーⅡを使用したエアロソックスとなる。サポート外の実業団チームでも使用されている逸品だ。今回はフィードバックなどから少し短くアップデートしている。

昨今、袖や裾、そしてソックスの丈は長くなっていることが主流。逆に襟、胴丈などは短くなっているのが「今」のウエアだ。ソックスの長さは脹脛下で収まるのが定番で、エアロダイナミクスとともに、間違いなくファッショナブルなアイテムとなっている。ソックスを変えるだけで、見た目の印象は大きく変わると言うことだ。

 

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パールイズミは、一昨年には創業70周年を迎えている日本の匠だ。一般サイクリストから全日本ナショナルチームまで、様々な用途に対応できる製品をリリースしている。やはり国内においては「基本形」とも言えるサイクルウェアブランドと言える。用途、体型、気温、そしてトレンドから、分かりやすく提案している。また、「適正価格」があってのクウォリティとして、そのバランスに重きを置いているメーカーでもある。そして、「職人」とも言えるパターンナーを自社スタッフに持つ、専門性の高さこそが、パールイズミの強さでもあるのだろう。

 

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今回のSPRING/SUMMERのテーマは、「よりシンプルに。直感的に。」となっている。

メーカーリリースのトピックスは以下の4点。

■TOPIC 1:よりシンプルに着やすくシャープで都会的なカラーも導入

ベーシックラインナップがさらに拡充

■TOPIC 2:体型を選ばない新型可変パッドが登場

さらに充実したパンツラインナップ

■TOPIC 3:トレンドのプレーンなデザインで半袖・長袖が登場

レディーストップスが充実

■TOPIC 4:待望の2つの女性専用新パッド登場

優しいはき心地も追求したレディースパンツがリニューアル

 

***************************  【TOPIC 1】  ****************************

よりシンプルに着やすくシャープで都会的なカラーも導入

ベーシックラインナップがさらに拡充

メインシリーズとなるBASIC。ベーシックフィットとし、幅広く多くのサイクリストに使用されているラインナップとなる。パールイズミの「スタンダード」で、レースフィットとは異なる適度なフィット感は、バタつきなどを抑えたバランスの良い着心地となっている。

基本となるBASICにはRACEシリーズと同じデザインを揃え、目的や体型に合わせメインデザインを選ぶことができる。その他、今回のデザインラインナップは。多様性を感じる多くのデザインが揃えられ、シンプルな単色などもリーズナブルな設定で人気となっている。

 

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体型を選ばない新型可変パッドが登場

さらに充実したパンツラインナップ

すでに前述の通りだが、パールイズミの真骨頂とも言えるパッドは常に進化している。サドルの形状のような新型パッドは、幅広い体型に対応させることを目的としている。そして、「パッドの歩行性」と言う表現になるのだろうか。V型になったことで違和感を軽減しているとのこと。このあたりがトライアスロンへのヒントになっていくのではないだろうか。

まずは、段階的なクッション性にこだわり、ウレタンフォームの部位ごとに圧力を変えてカットしている。また、ライディングフォームの解析から超立体形状により股ずれを抑えている。そして、後部のV型セパレート構造が最大の特徴となっている。サドルに幅があるように、また、溝や穴を開けるなど、進化が始まって久しいが、パッドも同様に対応が必要だった。サドル同様、終わりのないテーマとなっている。

 

***************************  【TOPIC 3】  ****************************

トレンドのプレーンなデザインで半袖・長袖が登場

レディーストップスが充実

定評のあるパールイズミのレディースライン。昨今レディースを作るメーカーが減る中で、パールイズミは逆に注力している。しかもラインナップを増やし、強化している。やはり日本のメーカーであり、昨今の事情や日本人体系を把握した上でベストな製品をリリースしている。

基本性能として、吸汗速乾性やUVカットは必須機能となるだろう。長袖もラインナップし、サイクリング楽しむ女性をサポートしている。また、気になるデザイン性も高く、その洗練されたデザインには定評がある。華やかなデザインは他社でもありがちだが、最も質感の表れるプレーンカラーは上品な仕上がりを見せている。

 

***************************  【TOPIC 4】  ****************************

待望の2つの女性専用新パッド登場

優しいはき心地も追求したレディースパンツがリニューアル

バイクパンツ及びそのパッドは永遠テーマだが、特に女性からは重要視されているだろう。パッドは厚い方が、イメージ通り、クッション性が高まり、痛み軽減などに繋がるが、単純に厚ければ良いと言うことではない。やはり、ペダリングのし易さや骨盤の安定性を損なわないようにするためには、厚みのコントロールと体重分散など、極めてシビアな仕組みが必要となることは言うまでもないだろう。

今回、2種類パッドが用意された。すでにメンズとしてはラインナップされている「3D-X」と「3D MEGAⅡ」のレディース専用版がリリースされたのだ。3D-Xは中長距離用としているもので、中級から上級者と設定している。3D MEGAⅡは、長距離用とし、幅広いサイクリストに使用が可能となっている。特に写真の3D MEGAⅡの厚みはパール史上最厚のもので、そのクッション性の高さが想像できるだろう。ただ、厚いだけではない。二層になったウレタンがそれぞれ違う役目を持っている。表面では、身体にフィットさせる柔らかいウレタンで、まずはそこで、身体を受け止めて、次に奥側のウレタンで圧力を分散させる構造となっている。やはりこれも技ありだった。

 

 

 

「快適性、当たり前のことだが、大切なこと。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka