KONA 2017 Bike Story ~ QR PRSIX DISC ~

QRのPRSIXにディスクブレーキモデルが追加された。

QRは、1987年創業のトライアスロン専門ブランドだ。ウェットスーツから始まり、26インチホイール&78°シートアングルなど、常にトレンドを引っ張って来たメーカーでもある。昨今は「トライアスロンモデル」が各社からリリースされ、鎬を削る中、独自性の高いバイクを提案している。同社のCDシリーズなど、コンパクトなトライアスロンモデルもQRの特徴で、女性トライアスリートからの支持も得ている。

このPRSIXもその一つだ。左右非対称のチェーンステーの考え方は、QRも長く提案している。特に今回ディスク仕様が追加されたPRSIXとしては、この非対称のノウハウは好都合な設計となっている。片側にしか付かないディスクローターによる、フレーム後部の剛性バランスは、再設計においてし易い構造となっているからだ。フロントに対しては、完全な再設計が必要だが、左右バランスについては、QRが最も得意とすることだけけに問題のない仕上がりとなっているだろう。

ルック型フォーク、サーヴェロ型ピラー、トレック型ストレージなど良いとこ取りは、継続の仕様となっている。また、ステムはより低いセッティングが可能となっている。

 

 

「元祖トライアスロン専門ブランド!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

KONA 2017 ~ Big Saturday ① ~

世界最速のアイアンマン決めるレースがスタートした。

トライアスロンのスタートは他の競技にはない「緊張感」がある。やはりスイムは特別な種目なのだ。スタート前、握手をし、ハグをして、お互いの健闘を祈り、その瞬間を待つ。選手だけではなく、観衆も緊張している。今回のコンディションは極めて泳ぎ易いフラットだ。好タイムが期待できる。

アイアンマンのスイムでは、バイク、ランに比べ、距離的なウェイトが少ないため、スイムが直接的に勝敗に関わることはない。ただ、どの選手とどこの集団でバイクを走るかは、大きく影響する。そのためのコントロールの効くスイムの力が必要となる。事実、女子のダニエラリフは、ルーシーチャールズにスイムで5分という大差を付けられ、バイクで追い付くことができず、メンタルでは大きく揺さぶれている。そして、苦しいランとなったのだ。

いずれにしても長い一日が始まった。

 

 

 

「続く」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

KONA 2017 Bike Story ~ cannondale SUPER SLICE ~

キャノンデール新型トライアスロンバイク、その名もスーパースライス。

このアイアンマンで期待していたバイクの一台だ。2018年モデルは「ディスク化」が急速にスタンダード化の方向となっていることから、トライアスロンバイクも時間の問題となっていた。

メジャーブランドのディスクブレーキモデルとしては、サーヴェロに続く第二弾とも言えるだろうか。昨年からすでに用意されていたモデルだが、今年3月のティレーノ・アドリアティコでキャノンデール・ドラパックが使用し、その姿がお披露目となった。

そして、トライアスロンとしては、今回のアイアンマンハワイで実車を確認することが出来た。アンディポッツやヘザージャクソンなどが使用していた。このモデルは、現行モデルのスライスとは別に作られたモデルで、フレーム形状は似ているが、専用設計となるもので、ジオメトリーなど廃盤となったスライスRSに近いものとなっている。細いシートピラーなど、エアロダイナミクスに対する「独自性」にこだわり、同時に快適性を追求している。

ディスクの仕様はSRAMのフルオイルライン、160mmローター、前後スルーアクスルとなっている。

 

 

 

 

「ついに出たディスクブレーキ仕様!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

KONA 2017 ~ IRONMAN SUNDAY ~

アイアンマンレースは、土曜日開催、一夜明け、選手も町もその緊張から解放された静かな日曜日だ。

夕方のアワードパーティーで全てのスケジュールが終わる。それまでは、選手も最後のコナを楽しんでいる。ここはハワイ、レースはどこでもできるが、やはり南国のロケーションは最高だ。

ドトールコーヒー「MAUKA MEADOWS」。ここを訪れ15年が経った。ドトールの美味しいコナコーヒー、インストルメンタルのハワイアンBGM、標高の高さによる低めの気温、そして、優しい至福の風が吹いている。特に選手にとっては、心身ともに癒されるひと時となる。

2003年当時$60で植樹できたコーヒーの木は、チームの木として、また来年もみんなで来られるよう祈っている。

18時から始まるアワードだが、30分前には長蛇の列となる。やはり良い席を取るために並ぶのだ。今年は、「ATHLETE」という枠がなくなっていて、VIP以外は、全員「GENERAL」で入場となっていた。

今回のレースでは、記録更新や好タイムのラッシュで、一つの話題であるとMCもその盛り上がりを伝えている。ルーシーのスイム、ワーフのバイク、ランゲのランなど、より「高速化」したアイアンマンは、特に2015年フロデノの優勝以降、その進化は著しい。

リフの走りは、安定し、盤石に見えていたが、そうではなかった。「コンディションは、ローラーコースターのような状態で負けそうになりながらも、諦めず耐え、勝利できた。」と喜んでいた。そして、「フロデノが不調でも諦めず、最後まで走り切ったことは励みになった。」と讃えていた。

常に感謝し、謙虚なランゲは、他者の記録を破るたびに謝ってしまう、そんな心優しい好青年だ。昨年は、マークアレンのランコースレコードを破り、今回も2011年のアレキサンダーのコースレコードを6年ぶりに更新している。「夢がかなった、レースの全ての瞬間を楽しんだ。」と喜びを語っていた。スピーチ全体もレースのことより、関係した全ての人に対して感謝の気持ちでいっぱいだった。

これで、2017年のアイアンマンワールドチャンピオンシップが幕を閉じた。

 

 

「See You Next Year KONA 2018!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

KONA 2017 ~ Race Result ~

2017年のアイアンマンワールドチャンピオンシップが終わった。(KAILUA-KONA、Hawai’i)

パトリックランゲとダニエラリフが優勝となった。ランゲは6年ぶりのコースレコードとなる8:01:40(11年のアレキサンダーによる8:03:56)のパフォーマンスで一時は「SUB8」の可能性も見えるほどだった。リフは、史上6人目の三連覇となった。(デイブスコット、マークアレン、ポーラニュービーフレジャー、ナターシャバドマン、クリシーウエリントンに次ぐ。)6大陸、66の国と地域から2350人以上の選手が参加し、世界最速のアイアンマンたちが戦った。

レースは全パートでハイペースとなった。スイムも48分台の争いとなり、トップ中のトップが、ダントツに先頭、第2集団を形成し、バイクに移った。バイクではキャメロンワーフが、11年ぶりとなる4:12:54で、2006年のノーマンスタッドラーが出した4:18:23を更新している。次いでライオネルサンダースの4:14:19、キーンレの4:14:57と三人が更新するハイペースな展開だった。

ワーフがバイクをトップでフィニッシュ、その後ランスタートしたが、バイク2位フィニッシュのサンダースが、アリイドライブでラン折り返し、会場近くとなる15km通過時点ではトップを走っていた。約5分遅れをキンーレが猛追している。その時点では、サンダースとキーンレの優勝争いと見られたが、11位ランスタートしたランゲがハーフポイントでは、3位まで上がって来ていたのだ。そして、ラスト3マイル地点で脚を引きずるように走っていたトップのサンダースを圧倒的なスピードで抜き去った。その後は、ランゲの世界だった。優勝を確信した堂々たるフォームでスピードを落とすことなく、ゴールに飛び込んできた。ランタイムは、昨年、自身出したコースレコードとほぼ同じとなる、2:39:59という驚異的なパフォーマンスだった。

期待のかかった、ディフェンディングチャンピオンのヤンフロデノは、背中の痙攣がブレーキとなり、失速したが、その後ペースを上げ、フィニッシュしている。パーフェクトなフロデノも簡単ではないIRONMANなのだ。

SWIM BIKE RUN FINISH
1. Patrick Lange DEU 00:48:45 04:28:53 02:39:59 08:01:40
2. Lionel Sanders CAN 00:53:41 04:14:19 02:51:53 08:04:07
3. David McNamee GBR 00:48:40 04:28:55 02:45:30 08:07:11
4. Sebastian Kienle DEU 00:53:44 04:14:57 02:57:12 08:09:59
5. James Cunnama ZAF 00:49:09 04:21:03 02:56:46 08:11:24
6. Terenzo Bozzone NZL 00:48:41 04:26:20 02:53:48 08:13:06
7. Andy Potts USA 00:49:01 04:31:02 02:50:27 08:14:43
8. Patrik Nilsson SWE 00:48:34 04:29:01 02:55:51 08:18:21
9. Ben Hoffman USA 00:48:52 04:22:00 03:04:16 08:19:26
10. Boris Stein DEU 00:53:48 04:23:59 03:00:42 08:22:24

女子は、ルーシーチャールズのアット的なスイム48分で5分以上のリードを広げていた。しかし、リフはバイクで追い上げ、トップでランスタートとなった。終始トップをキープし、三連覇となった。ランタイムが3:00:02だったが、これも優勝を確信したかのような安定した走りで、15km地点では優勝が決まったかのように思えた。

2位に入ったコナルーキーのルーシーは、今後の注目株と言えるだろう。3位クローリーも2度目だが、ラン次第では、更に上を狙える選手だ。また、すでにコナの人気者となっているジャクソンはその力を伸ばしてきている。明らかに上位に食い込む力を持っていることが今回証明されている。そして、5位のサリも切れのあるランで今後も、コナを沸かせることになるだろう。

SWIM BIKE RUN FINISH
1. Daniela Ryf CHE 00:53:10 04:53:10 03:00:02 08:50:47
2. Lucy Charles GBR 00:48:48 04:58:19 03:08:09 08:59:38
3. Sarah Crowley AUS 00:53:07 04:57:51 03:05:37 09:01:38
4. Heather Jackson USA 00:57:58 04:53:55 03:06:19 09:02:29
5. Kaisa Sali FIN 00:57:53 04:59:50 03:01:34 09:04:40
6. Susie Cheetham GBR 00:57:54 05:03:28 03:09:26 09:16:00
7. Carrie Lester AUS 00:57:51 05:00:32 03:16:35 09:19:49
8. Liz Lyles USA 01:00:08 05:04:10 03:11:21 09:20:31
9. Annabel Luxford AUS 00:53:02 04:59:15 03:24:07 09:20:58
10. Jocelyn McCauley USA 00:54:31 05:04:34 03:16:42 09:21:08

 

 

※この模様はアメリカ時間12/9 14:30にNBCにてオンエア予定

「2017のコナが終わった。そして、2018をどうするのか!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

KONA 2017 ~ Team JAPAN Bike Check in ~

本日は、バイクチェックインでした。

例年より早いオープンとなる11:30スタート、実際は、11:15からプロが入っていました。最終は、18:15となり、この20年で最長の7時間チェックインでした。

Team JAPAN も緊張が見える選手、気合いを感じる選手、いずれにしても笑顔でチェックインしていました。いよいよ明日に迫ったアイアンマンワールドチャンピオンシップ。様々な想いでここまで来と思います。しっかり出し切って、悔いのないレースになることを祈念しています。

取り急ぎのPhotoレポートです。

 

 

 

「撮れなかった方、ゴメンナサイ!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka

KONA 2017 ~ UPR ~

アイアンマンの恒例となった「アンダーパンツラン」。オフィシャルホテルからメイン通りを走る真面目なお祭りだ。

本戦前も真剣に楽しむのがKONAトライアスリートなのだろう。文字通り、アンダーパンツからトライウエア、そして、造り込みもされたオリジナルコスチュームなど、思い思いの恰好で走る。そんな中、一際目を引くのが、これも恒例となった日本人選手による「フンドシ」だ。チームの連携も良く、かたまって走るため更に目立つ。

今回はスタート時からペースが早く、途中で止まらず走ったため、一瞬で終わってしまったように感じた。いずれにしても各選手たちの笑顔が、ここ数日では最高の天候に恵まれた今朝のコナに最高の花を添えた。

 

 

 

「準備は出来た!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

 

KONA 2017 Bike Story ~ DIAMOND BACK ANDEAN ~

アイアンマンバイク、ダイアモンドバックANDEAN。

今年はエキスポにブース出展もしていた。昨年、鮮烈デビューとなった未知数のモンスターバイクだ。エアロダイナミクス、ストレージ、快適性を融合、そして、ディスクブレーキ仕様など、「これから」のバイクとして、リリースされた。昨年のレースでは1台のみが確認されている。ハンドル周りの汎用性、ブレーキのユーザビリティ、ハンドル高などポジション調整幅も考慮されている。

シートステーのみレスとなったこのフレームデザインは、第二次異形バイクのグループにも属さない新たなフレームデザインとなっている。シートチューブ後部のストレージは一体化、ダウンチューブ下のストレージの収まりは絶妙な仕上がりとなっている。ダウンチューブ下は風洞実験上「支障」のない位置とされ、P5X同様大胆なストレージデザインとなっているのだ。

昨今のトレンドをフルに網羅したバイクの一台として、ここコナでどこまで戦えるのか注目となるだろう。

 

 

 

 

「結果を残せるか!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

【取材予定】 アイアンマン・ワールドチャンピオンシップ ~10月から始まり10月で終わる~

トライアスロンの最高峰、IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP まで、1ヶ月となった。

トライアスロンは、10月から始まり、10月で終わる。今年で38周年目となるアイアンマンは、プロ選手とトップエイジが出場できるアイアンマントライアスリートにとって最高峰のレースとなる。現在、世界で40の予選レースがあり、僅かなスロットを賭け、上位入賞者のみが出場できるハワイは、全トライアスリートとって憬れであり、「頂点」のレースなのだ。そのレースで走ることで今の自分が「世界のどこにいるのか」それを確認するためにハワイに集まってくる。プロだけではない、エイジ選手も全てを費やしスタートラインに立つ。そんなエキサイティングなレースが、アイアンマンワールドチャンピオンシップなのだ。プロ選手は誰が勝ってもおかしくない、天候によっては、大きくレース展開が変わる。その天候が、その時、その瞬間まで分からない。選手を苦しめる強風と灼熱の太陽。己に勝った者が「勝者」となる。

 

【大会情報】

■開催日 2017/10/14(土)ハワイ現地時間

■競技 スイム2.4mile / バイク112mile / ラン26.2mile

※詳しくは、下記HPへ http://ap.ironman.com/triathlon/events/americas/ironman/world-championship.aspx#axzz3eVo5aNf8

 

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昨年のレポート: http://triathlon-geronimo.com/?cat=38

「トライアスロンは10月で始まり、10月で終わる。つまりコナが全てなのだ。今年も全力取材!」
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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka