
今年の全日本チャンピオンが決まった。
総合優勝は昨年に続き、古谷純平選手(34)で6時間25分10秒、2位に25分以上の大差をつけ、期待に応えた。昨年も圧勝、半年前のアイアンマンにおいてSUB8のアジア人最速タイムを出し、国内アイアンマン史を26年ぶりに活気付け、大きな話題となっていただけに予想された結果だった。スイム、バイクのラップを獲り、終始トップでゴール。現在、国内最強のロングトライアスリートであり、通過点を難なくクリアしている。
女子も昨年に続き、平柳美月選手(33)で7時間32分13秒で連覇となった。プロ選手としての勢いと安定した走りを見せた。レベルアップに取り組んだスイム、得意ワザのバイク、そして、強豪ひしめく中でのランとなった。特にバイクは必見、微動だにしない安定したフォームは、正に世界レベルの「お手本」とも言える走りだ。レース後の記者会見でも言っていたが、その武器を更に生かすためバイクの距離が伸びることを望んでいた。






■ゴール直後の共同インタビュー

《男子総合優勝、古谷純平プロ》
圧倒的なパフォーマンス、まずは優勝報告を。
「この大会が僕の原点だと思っています。去年プロとして独立して、1年目初戦、この大会に出て初優勝することができました。今年2年目突入したばかりなのですが、原点ということで、この宮古島だけには絶対出場しようという思いで、そして、今年2連覇を絶対達成しようという思いで出場したので、2連覇できて嬉しいです。」
駆け抜けた後とは思えない落ち着きと冷静さにビックリ!
「割と余裕ありましたね。最後まで気持ち的にも、身体的にも余裕を持って最後まで楽しんで走ることが出来ました。」
2回目の宮古島大会、コースや沿道の雰囲気は?
「最高っすね!やっぱり宮古島にずっーと出たいと思っていた自分のイメージ通り、今日も美しい宮古島を思いっきり楽しく走ることが出来ました。やっぱり参加者のみなさんと声を掛け合って励まし合ってレースすることや、地元の方々がボランティアで給水や応援して下さったり、本当に僕の大好きなトライアスロンを、大好きな宮古島で思う存分楽しむことが出来ました。」
競技を振り返って。まずはスイム。
「実はコースミスをしました。第3ブイ回って第4ブイ目指していたら、コースが違うよ、と言われて引き返したんです。その時点で20秒くらいロスをしてしまったり、2周目上陸しようと思ったら間違った方向に誘導されかけて、そこは自分で修正できたので良かったですのですが。そんなトラブルもありましたが、気持ちに本当に余裕があったので、イライラするだとか、気持ち的に乱れたりすることなく、仕方ない、仕方ないと思いながら、冷静に落ち着いて最後まで対応できたと思います。
そのあたりは今まで積み重ねてきた経験?
「そうですね、今回は2連覇絶対しなければいけないという思いはあったのですが、気持ち的には余裕を持って、本当に純粋に楽しもうと思っていましたので、そう言う気持ちから、余裕が生まれたのかなと思います。」
今回はフルマラソンを控えてのバイク、かなり飛ばしているように見えたが。
「いや、バイクかなり抑えたんですよ。実は今大会に向けては、去年はプロ初戦、初ロングということで、バリバリ調整してここにピーキングしてレースに挑んだのですが、実は今回は水曜日まで、ギリギリいつも通り練習で追い込んでいてちょっと疲れが溜まっている中ではあったので、100%という状態ではありませんでした。更にバイクが唯一調子が悪かったので、落ち着いて走ろうと思っていたので、今日は割と抑えて、しっかりマラソン走れるようにという感じでした。」
距離が伸びたフルマラソンは?
「ランの走力が上がっていることは練習の感覚から分かっていて、今日は最初から最後までずーっとキロ4分ペースで淡々と刻めたので、多分2時間50分くらいだったと思います。去年は35kmでさえ自分にとって人生最長距離だったので、中々苦しんだ場面はあったのですが、今日は本当、最後の最後まで、それこそ参加者のみなさんとすれ違うたびに、200人くらいに声かけたかな、励まし合いながら最後まで楽しませて頂きました。」
トップを走る選手が自ら「頑張れー」とすれ違う選手に声をかけるのは珍しい?
「楽しみたいと思っていましたし、やはり、みなさん大好きでトライアスロンをやっていると思いますし、もちろんすれ違う選手から応援して下さる方もたくさんいらっしゃったので、この大好きなトライアスロンを競技レベル関係なく、ともに楽しめたら良いなという思いで、声を掛け合いながら、最後までレースができたと思います。」
そして、フィニッシュはお二人のお子さんと一緒。
「念願ですね。去年次女寝てたんですよ。今日も寝てたんですが無理やりでした。両腕に娘を抱えてゴールするというのが自分の夢でもありました。まだ次女が2歳半で記憶に残っているか分からないので、記憶に残るよう、来年も出場して3連覇して、両腕に抱えてゴールしたいです。それを一年後の楽しみしてトレーニング頑張りたいと思います。」
プロとして昨年の宮古島大会からロングに挑戦しているが目指すところは?
「去年プロ一年目だったのですが、120点だったという結果を残すことが出来ました。アイアンマンで日本人初の8時間切り、Sub8を去年12月に達成することが出来ました。その時の記録が7時間43分だったのですが、その記録が日本人のアイアンマンの記録を30分以上更新、アジア人の記録も15分以上更新して、9年ぶりとなるプロ男子のアイアンマン世界選手権の出場権を獲得することが出来ました。そして、今年の10月10日ハワイ島のコナで開催されるアイアンマン世界選手権に出場します。本来は今年そこへの出場権を獲得するということを目標に掲げていたのですが、去年出場権が獲得できたので、目標を上方修正して、今年はコナでトップ20を目指して、フルベットしてやって行きたいと思います。」
世界に羽ばたいても宮古島に戻る?
「もちろんです。さっき3連覇すると言ってしまったので。来なかったら嘘つきになってしまうので(笑)。宮古島に戻って3連覇したいと思います。」
最後に。宮古島のみなさんに、そして、応援してくれたみなさんに。
「あらためまして、沿道からのたくさんの応援、本当にありがとうございました。そして、今大会開催して頂けたこと、この40回大会という歴史を築き上げて下さったレジェンドのみなさま、本当にありがとうございます。みなさまのお陰で今の自分が輝くことが出来ていますので、感謝の気持ちを忘れずにこれからも自身の夢に向かって羽ばたいて行きたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。今日はみなさんありがとうございました。お疲れ様でした。」

《女子総合優勝、平柳美月プロ》
まずは優勝報告を。
「予定通りと言いますか、練習の成果をしっかり発揮することができて、特に苦手なスイムをこの半年くらい強化してきたのですが、やはり去年に比べてスイムで先頭の差を短く、バイクスタートの時点で2分差くらいでスタートできたので、かなり気持ちに余裕を持ってバイク、ランと進められたかなと思います。」
2連覇のプレッシャーは?
「あまり2連覇のプレッシャーと言うのは正直ありませんでした。今回ランが42kmに伸びたので、2連覇というよりは新しい宮古島に、新しい自分でまたチャレンジするという気持ち新たに挑むことが出来たので、去年よりもプレッシャーなく伸び伸びとプレーが出来たかなと思います。」
競技を振り返って。
「スイムは、星大輝選手をターゲットに追いかけると決めてスタートしたのですが、やはりスタートダッシュのハイパワーが自分には足りてなくて、最初揉まれて出遅れてしまいました。途中で星選手を見つけてなんとか修正することができて、2周目少し離れてしまったのですが、最終的に同じくらいのタイムで上がれて、目標通りにイケてるなと確認しながら終えました。」
「バイクは、チャレンジしようと、抜かされた男性選手に食い着いて行こうと決めていたのですが、スイムが成長したせいで、あまり男性選手に抜かされない展開になリました。ずーっと一人で走っていましたが、後半、3~4名で先頭交代しながら前を追うことが出来ました。」
「ランも自分の走れる強度は決まっているので、冷静に後ろも前もあまり気にせず、自分のペースで走りました。すれ違いで大西麻代選手に抜かされるかなと焦ったのですが、焦ってもしょうがないなと思い、自分のプレーに集中して、応援の方々との交流やレースを楽しもうと切り替えたことで、後ろを気にせず、マイペースで出来て、安定した走りに繋がったかなと思います。」
ランはかなり笑顔だったがその気持ちは?
「宮古島は本当に島民のみなさんの応援も多いですし、選手のすれ違いが楽しくて、折り返してからすれ違うタイミングでは、自分の辛さとか苦しさを忘れてみんなの笑顔を見て応援し合うことで、気持ちが前に向いて復路はあっという間に終わってもうゴールか、という感覚でした。」
今回の記録、総合18位という結果については?
「良かったです。20位以内を目標にしていて、ちょっと気温が低くて本来ならば暑くて潰れて行く男性陣だったかなと思っていたのですが、潰れずに速かったので難しいかと思いましたが、なんとか粘れて目標を達成できて良かったです。」
あらためて女子としてはトップで駆け抜けた宮古島大会のコースや雰囲気は?
「今回前々日にワイドーパーティーがあったこともあって、よりこの大会が島のみなさまに伝えられてことをあらためて実感してからスタートしたレースだったので、本当にスイムもバイクもランもボランティアの方や沿道で応援して下さっている方々に、本当にみなさんのお陰でレースができているんだなという感謝の気持ちが溢れながら温かいこの大会をまた元気に走らせて頂いてすごく感謝しています。ありがとうございます。」
そして、プロとしても一歩踏み出したこと、今後は?
「世界で戦うと考えるとまだまだ未熟なのですが、この宮古島に集まる男性のトップ選手たちはやはり女子の世界のトッププロと近しいレベルの方がすごく多いので、そう言った場で戦うことが出来て、また自分も一歩成長する場になったかなと思います。この宮古島をきっかけにまた次のアイアンマンやプロとしてもまた成長した姿を見せられるように頑張りたいと思います。」
最後に。宮古島のみなさんに、そして、応援してくれたみなさんに。
「今年も本当に温かい応援をたくさんありがとうございました。名前を覚えて下さって、ヒラメちゃんってすごく声をかけて下さった方がたくさんいらっしゃって本当に楽しく元気を頂きながらみなさんの力をもらってゴールすることが出来ました。本当に素晴らしいレースを開催して頂いて、協力して頂いて、ありがとうございました。」
■上位者一覧

「男女ともに順当な勝ち上がり、とにかくこれから、歴史を作ってほしい」

Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka