vol.70 LUMINA No.27 ~KONA 2013~

ちょうど良いタイミングだった。11月末日、WEBアップもVol.70。今号は、「ハワイ特集」なのだ。

1996年からハワイの取材を始め18年目となる。また2000年のから、専門誌のハワイアイアンマン機材関連の記事を書いている。トライアスロンジャパン、トライアスロントリップ、そしてこのトライアスロンルミナと三誌に渡り、14年「トラモノ」を追いかけて来た。

バイクも様変わりした。90年代は、アルミフレームと26インチ、2000年代は、カーボン製のフレームとパーツ、そして700Cに切り替わった。2010年代は、完全に「専用トライアスロンバイク化」と進化してきた。単純に10年単位では切れないが、大きな流れはほぼその通りだと思う。現場にいて感じる、最大の動きは、2006~2008年だった。「専用トライアスロンバイク化3ヵ年」と言った感じで、2005年のサーベロP3カーボンに端を発し、2006年では、「先取り」、2007年では、「標準」、2008年では、「遅い」。そんなトレンドの流れを感じていた。

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90年代は、まだフルカーボンのトライアスロンバイクは少なかった。当時トライアスロンと言えば、キャノンデール、トレック、ケストレルがトップ3で、93年デビューのキャノンデールR700は一世風靡、トライアスロンバイクを造っていなかったトレックは92年デビューのOCLVフレームがローディからトライアスリートまで幅ひろく支持された。そして、もっともトライアスロン色の強いケストレルは、当時、世界初の特許を数々持ち、アイアンマンたちの人気を集めていた。その人気を決定付けたのは、シートチューブのない「オープントライアングル」構造の「ケストレル500sci」。現在のP3のような、憧れのバイクだった。ただ、今思えば、大人しいデザインのトライアスロンバイクたちだったが、ケストレルも1999年にシートチューブのある「KM40」を進化させ、オープントライアングルの「KM40 AirFoil」をデビューさせた。初お披露目は、まさに、ハワイのブース展示が世界初だった。各所にこだわりを持つ美しいフレームで、「走る芸術品」とまで称された。「軽量性と剛性」があれば今でも残っていたかもしれない。当時はまだまだ、各メーカーが得意とすることを独自に提案していた。

2000年に入り、まず話題となったのが、トレックTTだった。当時ランスアームストロングも使用していたモデルで、フレーム価格は60万近い。今なら、P5やスピードコンセプトなど高価なフレームは珍しくなくなったが、当時は破格、「速くないと乗れない」と言われていた。その後、話題となったのが、クウォータのカリバーで、軽量、快適、デザイン、質感、すべてにおいて「高品質」なバイクがリリースされたが、実績がなかったが、2004~2006年の「ベストサイクリスト時代」に、ノーマンスタッドラーが、2度の優勝により、クウォータの「レーシングバイクの証明」を果たしたのだった。ただ、まだまだ大きな動きではなかった。その後、ツールドフランスにおいてプロサイクリングチーム「CSC」が、サーベロP3にZIPPという、組合せが、そのまま「トライアスロン」だったのだ。2006年に国内でもデリバリーが始まった。まだ、少量だったが、確実に話題となり、翌2007年には、人気急上昇。2008年に、ツールドフランスにおいて個人総合、チーム総合、新人賞の完全制覇、同年ハワイアイアンマンにおいて初の「400台オーバー」となった。その後は周知の通り今年で、6年連続の400台オーバーを記録している。

2010年代に入り、タイムトライアルバイクではなく、「トライアスロン専用バイク」として、各社のトライアスロンへの徹底注力が激化したのだった。サーベロP5、トレックスピードコンセプト、スペシャライズドSHIV、そしてフェルトIAなど。電動シフト、油圧ブレーキ、フレーム内蔵ハイドレーションなど、大きな動きとなった。これらの「F1」とも言えるモンスターマシンは、昨今の開発ラッシュの賜物でもあった。そして、課題も多く残す傾向であり、「次世代」から「新世代」として、定着しつつある「トライアスロン専用バイク」は、やや機材先行型となり、乗り手を選ぶバイクともなっている。例えば、サーベロP2なども近いうちにモデルチェンジとなるだろう。今までのP2は幅ひろいユーザーに支持されてきたが、新型はどうなるのだろうか。アイアンマンはプロだけの世界ではない、むしろエイジ選手で支えられているスポーツだ。プロ並みのエイジ選手もいるが、すべてではない。ポジションは、トライアスロンである以上極める必要がある。ロードで言うところの「コンフォート」は必要ない。ただ、過度の「剛性とエアロダイナミクス」は必要ない。ここで、より「快適性」を追求した「アイアンマンバイク」のリリースを期待したい。

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そして、今回はダブルトピックス。

チーム・Y青木選手が取材を受けている。

青木選手はチーム・Yの「顔」でもある。

《関連記事》 http://triathlon-geronimo.com/?p=533

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

vol.69 Magra

油圧のブレーキが拡がりつつある。

シマノもロード用油圧ディスクブレーキを発表しているが、今後どうなるのだろうか。

マグラはサーベロと共同開発で、RT8 TTをリリース、P5のためのブレーキとして、完全ビルトインのデザインをとった。エアロダイナミクスの頂点のメーカーとして、次世代への提案として、一石を投じたのだ。シフトが電動化する中、ブレーキは油圧化と、世代が変わりつつある。

現時点では、P5はブレーキを選べず、専用となっているため、電動のメリットを生かしたブルホーンでの変速ができない。これは今後の課題でもあるが、バイクの性格上、絶対条件とは言えない。

そして、ついに他社までこのブレーキが採用されている。スペシャライズドのSHIVもアダプターを介するかたちで、写真のように設定している。ただ、今年の大会では、プロを含め、選手の使用が確認できなかった。

まだ、これからのブレーキだが、引きの軽さは抜群、不安定なブルホーンでのブレーキングには、最大の効果を発揮する。

今後の発展に注目したい。

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

vol.68 NEWTON限定モデル

ニュートンも限定モデルがあった。

アイアンマンのオフィシャルスポンサーでもあるニュートンが、「IRONMAN」ロゴをあしらった、米国限定モデルを出していた。

実際にレースでは、3回優勝のグレイグ・アレキサンダー、今年女子2位のレーチェルジョイスなどが使用していた。

アイアンマンマニア、ニュートンファンにはたまらないアイテムだろう。

モデル名も「IRONMAN ELITE」。

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

vol.66 TREK SpeedConcept 9 ~スピードストレージ2パックエアロ~

新型スピードコンセプトのテーマの一つは、「ストレージ」。

8月の国内の展示会でも現物が確認できなかった、サドルケージ、2パックエアロが装着されたバイクが展示されていた。まず、第一印象は、「大きい」という感じで、収納スペースは十分なものがあった。収納スペースはフタが付いていて簡単に開閉できた。これはもちろん、走行時に開閉するようなものではないので、補給食などではなく、メンテナンスグッズが最適、下にあるドラフトボックスと同じ役割となるだろう。また、ボトルの出し入れをしてみたが、十分なホールド力があるので、抜け落ちることはないだろう。逆に固過ぎるのではないだろうか。

いずれにせよ、ハワイだけ見れる最新情報だった。

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka

vol.65 COMPRESPORT限定モデル

アイアンマン3回優勝のクリシーウェリントン、今年総合優勝のフレデリックバンリルデが使用しているコンプレスポーツ。

アイテムとしては、圧倒的にカーフ用のR2に集中する。乳酸を抑え、振動吸収を高め、血流を促進するなど、疲労の軽減及び回復に効果のある流行のアイテムだ。コンプレスポーツの特徴はメーカー設定に基くと、まず、コンプレッションの圧力が高く感じる、そして、アジア人にとって、長めでフィッティング時のフィーリングが良い。

そんなコンプレスポーツも、ノベルティで「ハワイ限定」は出していたが、今年は「オレンジ」のマニアアイテムがあった。「IRONMAN」と、表現はできないため、「IM」ではなく、「I’M」で、うまくまとめている。

これは、是非ゲットしたいアイテムだ。もちろんバイザーもセットで。

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vol.64 2XU限定モデル

2XUのハワイ限定モデルがあった。

2XUはあまり知られていないが、「オーダージャージ」を作っている。昨年もそのサンプルを展示してあったので、選手は気が付いたと思う。それもあり、昨年同様のサンプルかに見えたが、これは市販用で、現地でも人気となり、それを来て参加していた選手もいた。

ターコイズのブルーに「KONA2013」と入った、まさに限定モデルで、トライジャージとトライショーツが存在する。また、ハワイらしいカラフルなカーフガードがあり、そのオレンジを組み合わせたのが、写真の通りだ。ベストコーディネートだった。

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vol.63 ZooT限定モデル

ハワイのトライアスロンウエアのズートは今年で30周年となった。

それを記念した、オリジナルロゴをあしらったウエアがこのカラフルなマルチカラーのウエアだ。元々はシンプルなカラーだったズートは、途中2カラー系となり、近年シューズのリリースとともにカラフルになって来た。そのシューズが今、人気急上昇で、ハワイ&トライアスロの独特な雰囲気がうけている。シューズはややタイトながら、包み込む感触がグッド。トライアスリート系ランシューズとして定着した。

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vol.62 37回目の大会

アイアンマンは35周年を迎えた。

ただ、今年の大会を入れれば36回目に当たる。そして、1982年には、2月と10月の2回開催しているのだ。そのため、当年を含めると37回目の大会となる。98年に20周年、03年が25周年、08年が30周年、そして、今年が35周年となる。3か8の年が節目の年となるのだ。25周年は盛大だった。次に盛大となるのは、アイアンマンが誕生し最高のタイミングとなるのが、15年後の50周年の時だろう。きっと凄いことになっているはず。

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vol.61 TIMEX限定モデル

ハワイアイアンマンのオフィシャルタイマーを務めるタイメックス。

トライアスリートの証とも言える、必須アイテムとなってる。そのタイメックスは、毎年ハワイで限定モデルをリリースして人気となっているが、特に人気となっているのはここ3年。2011年のオレンジ、2012年のブルー、そして今年のレッド。スリーク50LAPをベースにカラー、デザイン、刻印など、アイアンマンフリークをうならせるものだ。

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   今年のレッド。「KONA35」と入る。

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   2012年はブルー。

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   2011年はオレンジ。

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vol.60 BMCの2014モデル

「旬なトライアスロンバイク」のTM01。ハワイ前には日本国内にも入荷していたが、ハワイ現地では、TM01の2014年モデルを確認することはできなかった。プロサポート選手は昨年のカラー「アロハ」に継続で乗っていた。残念ながら「新鮮味」には欠けていた。恐らく海外でもデリバリーが遅れていたのだろう。バイクチェックインすべて見ていたが、なかったはずだ。

そして、TM01の廉価版にあたるTM02の2014年モデルが1台確認できた。フレームは変わっていないので、単にカラーだけの話だが、2014年も変わらず人気のTMについては、随時触れていきたい。実は、今までTMと言えば、「01」だったが、この「02」のカラーは人気があるのだ。

《TM01関連記事》 http://triathlon-geronimo.com/?p=829

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