FELT 2022

フェルトの2022年モデルの展示会が開催された。

と言っても22年モデルは、21年モデルの継続となったため、新型は発表されていない。昨今の様々な事情の中で影響を受けているメーカーは多い。概ね業界としては「23年モデル」として新型リリースをするところが多い。そのタイミングに現時点ではやや違和感を感じてしまうが仕方ないだろう。

22年モデルで期待されていたのが「IA」のフルモデルチェンジだった。「異形」も同時リリースの可能性があったり、各社内臓ハイドレーションに再び取組みを見せる中で、IAの再チャレンジにも期待したい。実は、現在のIAは13年の初期の発表では、ハイドレーションが収まっていた。そのため、ダウンチューブが初代SHIVのように極太になっているのは、その名残と言うことでもあるのだ。

1996 KONA

フェルトは、「ANSWER FELT」の時代からこだわりの血統は変わっていない。軽量性、エアロダイナミクス、そして、機能美と造形美は、フェルトが長く人気ブランドとなっている理由だ。フェルトの「顔」とも言えるバイクカテゴリーとして「トライアスロン」がある。そこで使用されるトライアスロンバイクはロードバイクと異なり、限られた選手、コースに使用される特殊なバイクだ。ロードバイクより遥かに少ない使用率の少数派バイクでもある。そのため、そこに注力できるこだわりを持ったメーカーは少ない。その代表格の一つがフェルトなのだ。後述のTK FRDもそう言うバイクの一台となる。

2018 KONA

アイアンマンでは、2013年から2018年まで女子の6連覇となる「アイアンマンバイク」で、一般エイジ選手の使用率も高い。前回は第3位となる使用台数が確認されている。更に2018年のSUB10のエリート選手が選んだバイクのモデル別使用ランキングでは、トライアスロンモデルの「IA」が第2位の使用率となっている。速い選手から選ばれているバイクということだ。参照:2018 KONA

IAは、2021年で8年目となるロングセラーモデルだ。2013年に僅かフレーム4本の入荷から始まり、2018年コナでディスクブレーキモデルが追加ローンチとなり現在に至っている。昨年中止になったコナでの「新型」ローンチの話もあり、今後も楽しみなバイクとなっている。現在、「細身」の設計が多い中で、ロングセラーとは言えボリューミーなダウン&シートチューブのデザインは人気が高い。

そんなフェルトだが、先月発表され、今回現物の展示となったのが、この「TK FRD」となる。ご覧の通り、トライアスロンでなければ、ロードでもないトラックバイクだ。ただ、トライアスロン同様に限られた選手が使用するバイクとして、フェルトらしい「こだわりバイク」がリリースされた。

トライアスロン以上に使用する選手は限られてくるだろう。そこへの注力はパッションそのものとなる。マラソンのIAから100m走のTKまで幅広いカテゴリーに注力するキーワードは「レース」。レースはフェルトの原動力でもある。その答えがこれらのバイクとなる。

またこのバイクは、「250ケイリン」に準拠したモデルでその競技における機材使用の認可も取得している。250ケイリンは、一般的な「競輪」とは異なり、国際規格となる一周250mの屋内木製バンクで開催される。(競輪は一周333~500m)また機材仕様も大きく異なり、競輪のスチールフレームに対し、カーボンフレームにディスクホイールとなる。

フレームやホイール、パーツなど「エアロダイナミクス」と言うキーワードの中で、トライアスロン、ロードからのフィードバック、または、双方向でのヒントなども開発過程では十分考えられる。すでにこのモデルは、ARからのフィードバックが活かされ、また、トラックとして基本性能を前モデルより大幅にパワーアップされている。フレームは、5%軽量、30%の剛性アップ、そして、快適性やポジション出しなどへのユーザビリティも向上させている。

FELT RACING DEVELOPMENT ” FRD ” の称号
ロードバイクARからのフィードバック
ノーマルステムによるユーザビリティ
シートステー径は25%ダウン
アメリカナショナルチームをサポート

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■TK FRD Ultimate Frame

¥698,000(税込¥767,800)
フォーク、専用シートポスト、シートクランプ、ヘッドセット、インテグレーテッドチェーンテンショナー付属
カラー:ホワイト
サイズ:51、55、58、60
参考重量:1.6 kg
フレーム:UHC Ultimate + TeXtreme カーボン、MMC、InsideOut、BSA 68mm スレッドBB
フォーク:Felt Aero Track 2.0 | UHC Ultimate + TeXtreme カーボン、モノコックコンストラクション

TK FRD メーカーサイト:https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/tk/

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「New IAはコナに間に合うか!」

BOSS-N1-STriathlon “ MONO ” Journalist   Nobutaka Otsuka