PI Style 2020 FW

パールイズミFALL/WINTER 2020が発表となった。

昨今、VISIONシリーズから象徴されるパールイズミ。そのクウォリティと開発方針は、ジャパンブランドならではのこだわりがある。ただ単に、高級路線を追求するだけではない。そこには適正価格があり、理想を追い続けながらも、現実的なモデルをリリースしていることにある。そして、フラッグシップのVISIONで培ったノウハウを下位グレードへの展開も積極的に行っている。今作もそのようなフィードバックが随所に光っていた。ナショナルチームもサポートするパールイズミは、記念すべき2020年、創業70周年を迎える。

今回のFALL/WINTERのテーマは、「着る人の個性を引き出すシンプルなデザイン。」「身体に五感に心地よくフィットするウエア。」としている。人それぞれのデザイン志向と着心地をどのように作り上げたのだろうか。

■TOPIC 1:トップスベーシックフィットにニューモデルも登場。ラインナップが大幅拡充。

■TOPIC 2:トップスレースフィットがストレッチ性と使い勝手を向上させ、さらに着やすくリニューアル。

■TOPIC 3:多くのサイクリストに支持されるシューズカバーが、さらに履きやすくなってフルモデルチェンジ。

主なトピックスは上記の3つとなる。その他、VISIONのニューカラーやトレンドとなるニット製のハイカットシューズカバーなども興味を引くアイテムだ。

 

***************************  【TOPIC 1】  ****************************

パールイズミの基本でもある文字通りのBASICシリーズ。フィットはゆったりタイプというよりは、バタつきを抑え、適度なフィット感としたラインとなる。また、各ラインナップも、デザインとそのカラーや質感、そして、温度帯などバリエーションを持たせ、より多くのライダーに対応している。細部にこだわった基本性能は、様々な工夫が施され、快適性を高めている。

ニューモデルとなる「キルトジャケット」だ。まず、最初に感じるのは、一見すると「カジュアルなジャケット」と見える、多様性に富んだデザインに仕上がっている。そして、キルトと聞くと着膨れするイメージがあるが、実物は全く違うものだった。極めて薄手で軽量性が高いのだが、裏地を起毛加工された面を内側に施すことで、空気の層を作り、保温性をを高めている。

バイクカラーも考慮しつつデザインされたプリントジャージの15℃対応のシリーズ。季節の変わり目となる時期にアウターとして使用。そのためのデザインは選ぶポイントとなる。このシリーズに採用されている、THERMODRESS NEOは、ストレッチ性の高い着心地で、外側は、外気を抑える機能、内側は、起毛加工で高い保温性となる複合素材となっている。

サーモジャージに採用されているデザインは、首や手首にアクセントを入れたものだ。デザインがシンプルでアウターでもインナーでもいける。ウィンドブレーカーとの組み合わせにより、重宝する一枚だ。プリントジャージと同じく15℃仕様で、裏起毛など肌触りの良い仕上りとなっている。10cmあきファスナーや裾のシリコン加工、バックポケットの再帰反射を備えている。

 

***************************  【TOPIC 2】  ****************************

レースフィットは、2ウェイストレッチ素材で柔らかいフィット性により、動き易さと着心地を高めている。単に「細身」ということではなく、より一体感を高めていると言えるだろう。細部にもこだわり、バックポケットのセンターの形状を下が広がった「台形」にすることで、収納量と安定性を高めている。また「マチ」もより大きくとることで、その機能を高めている。

これもニューモデルとなるウィンドブレークスウィッシュジャケットで、5℃仕様のアクティブモデル。VISIONの「テイスト」がふんだんに盛り込まれ、デザイン的には、首や袖口の「ライン」がポイントでありながら、全体を引き締め「精悍さ」に繋がっている。裾は、幅広でボディシルエットがきれいに見える作りは、レースフィットだけに重要なポイントと言えるだろう。

同じくニューモデルのウィンドブレークライトジャージは、シンプルなデザインで軽量、見た目以上にストレッチ性が高く、動きやすい作りとなっている。薄手の防風素材を採用し10℃仕様。背中にも特徴があり、汗の吸収、発散させる素材を採用。また、バックポケットの再帰反射、裾のシリコン加工も施されている。そして、使いやすい「台形」のバックポケットを採用。

 

***************************  【TOPIC 3】  ****************************

真冬のライドに必須アイテムのシューズカバー。気温設定に合わせた、保温力と透湿性能を備えている。また、伸縮性も高く、履きやすくなっている。さらに、ファスナーがフルオープンとなり、各段に使いやすくなっている。

0℃、5℃仕様のウィンドブレークもフルオープンになった。ファスナーのずり下がり防止や傷みやすいつま先のラバープロテクション、視認性を高める再帰反射、踵のずれを抑える滑り止めグリッパーなど細部の作りも十分だ。

シューズカバーとソックスを合わせたようなアイテムとなる。トレンドとなるニット素材の収縮性と保温性が特徴。トレンドとなるだけにいち早く使ってみたいアイテムと言えるだろう。クリート位置はカットして使用する。

 

***************************  【OTHER】  ****************************

VISIONにニューカラーが追加となっている。裾やラインのカラーがグレー系となり、コントラストがよりはっきりしたカラーとなる。

ロングライド用の極厚パッド3D MEGAを採用したタイツ。5℃、10℃対応がある。

吸湿発熱素材のヒートテックセンサーを使用した、暖かいソックスで、ドライな履き心地となる。デザインは、トレンドとなるハイカットだ。

 

***************************  【LADIES】  ****************************

洗練されたレディスのデザイン。レースフィットで、5℃の本格仕様は、VISION系の精悍さとレディスならではの色使いが絶妙。

ベーシックフィットとなる15℃対応のプリントジャージは、ネイチャーモチーフのデザイン。

 

************************  【2021 Triathlon】  *************************

2020 SS でも紹介したが、スピードセンサー2を使用したオーダーはすでに始まっている。スピードを追求する素材として、今年の「大舞台」で活躍が期待される。

そして、同素材を使用したトライアスロンウエアへの展開も時間の問題か。

 

 

 

「レースフィットは美しく、着やすい!?一度着て見ると必ず発見があるはず。」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka