Race Report

4/14(日)沖縄県宮古島市で「第35回全日本トライアスロン宮古島大会」(宮古島市・琉球新報社主催)が開催された。【気象(12:00時点):天候 曇り / 気温 26.0℃ / 湿度 81% / 風速   3.8m南東 / 水温24℃)】

長い一日が始まる。

いよいよ宮古島大会が始まる。ベテラン選手で1年前、初宮古の選手であれば2年前、いや3年前から目標にしていたかもしれない。そんな晴れの日の舞台がついにやって来た。それぞれの目標、想いはあると思うが、まずは絶対完走だ。天候、メカトラブル、そして、体調など、ベテラン選手でも完走は約束されていない。運も引き寄せ、持てる力を出し切った時にそれぞれのゴールがある。ショートもロングも同じトライアスロンだが、スイム、バイク、ランの3種目、良く言われる第4のトランジット、そして、第5は素早いパンク修理などのメカ対応、第6の種目として補給が重要となる。そして、前述の天候なども長い1日の中で、大きく変化する場合もある。まさにロングはアドベンチャーレースでもあるだろう。暑い時も寒い時も積み重ねて来たトレーニングの成果を発揮する時が来た。

当日の朝は雨。時折強く降ることもあった。やはり晴れを期待したが、宮古島では珍しいことではない。選手たちはすでに割り切っている。受付、ナンバリングを終えて、バイクトランジットで最終調整に入っている。多くの選手が行き来しているが、無言で足早に、着々と準備を終えている。

多くのスタッフ、ボランティアに支えられ成り立っていることを忘れてはいけない。

東急リゾートの前に見える大きな「砂山」は異様な光景。今年は、ビーチが浸食され、その対応で施している最中だった。地元の漁師も初めて見るとのこと。通常では、選手後方から観戦者が応援をしているが、ビーチが狭くなっているため、観戦者の入場は左右の脇に振られていた。

海上でスタートを待っているが、雨が更に強くなってきた。そして、7:00スタートを15分遅らせことになった。但し、制限時間も15分伸ばし、20:45となり、13時間半は変わらない。

7:15宮古島大会が始まった。

昨年からスイムは一度上陸し、折り返す2周回となっている。

雨はより強くなり、撮影機材にも悪影響が出始めている。

宮古島の醍醐味は、やはりバイクだろう。美しい海が見える大きな橋や岬を走り抜けるコースは宮古島を象徴するロケーションとなっている。

スイム会場の東急リゾートを出て、伊良部島から右回りに島を巡るコースだ。池間島、東平安名崎、来間島など、最高のロケーションの中を走る、バイクを楽しむ大会だ。バイクは概ねDHポジションが基本となるコースだが、「風」が走りに大きく影響してくる。橋や岬は、一方向が追い風、その逆は向かい風だ。また池間島から東平安名崎まで、ほぼ向かい風となることが多い。約100kmとなる東平安名崎までの走りが、後の走りを占う。バイク157kmの距離のイメージより、実際の走りのハードさは、この風から来ているだろう。

トップがバイクに入っても雨は降り続いていた。スリップによる落車やパンクなどに注意しなければいけない。最初の島、伊良部島にトップで姿を見せたのはダントツの戸原選手だった。快調に飛ばしている。9:00前になると雨が降っているものの陽射しが出始める。青空見えてきた。やはり、南国宮古島には青空が気分を上げてくれる。このまま晴れ続けてほしい、路面も早く乾いてほしい、そんな思いで走っているのではないだろうか。晴れると同時に雨上がりの蒸し暑さが気になって来たが、雨よりはいい。選手もバイクの間はさほど気にならなかったようだ。

しばらくは天気も持ってくれていたのだが、昼前には、今まで最も強い集中豪雨となった。島の北側半分だけの集中豪雨となり、上位で走っていた選手は降られたようだ。晴れたり降ったり、宮古島では普通とのことだが、選手はより慎重な走りが求められていた。

ペースのキープと集中力が極めて重要となった。

晴れて、路面も乾いてきた。このまま行きたいところだ。

伊良部大橋はまだ序盤だけに各選手も元気に走っている。

次のチェックポイントは来間大橋だったが、やはり戸原選手が2位に10分以上の差を付けて快走している。後の記者会見でも「自身最高の走りだった」と言っている。

レジェンド谷新吾、51歳にしてトップ10入り。

鷲津選手、バイクではペースを抑え、ランで勝負を決めた。

シャオユーリー選手、2015年アイアンマンジャパンのウィナーだ。

印象的だった太田選手のDHポジション。コナでも話題となっているフォームだ。走る姿は、見た感じと違い、安定感があり、窮屈さも感じない。相当な走り込みをしたのだろう。

ランは暑かった。

宮古島のランは単調だが、アップダウンも少なくない。また日陰も少なく、陽射しは厳しい。シーズンインの皮切りの大会としては、「脱水」が最も気になる時期なのだ。ベテラン選手でも脱水に陥り易い。感覚的な水分補給では間に合わないため、慎重な補給が必要となる。

ランでは、基本的には晴れていたのだが、時折雨となる。その雨上がりが暑い。これを何度となく繰り返している。ペースを乱される天候に選手も苦しめられた。

戸原選手のラン18km付近。「最低でも優勝」であり、あとは自身との闘いとなる走りをしていた。

鷲津選手、13km付近。やはり、快調に飛ばしていた。

後半ペースが落ちたが、確実にトップをキープしていた。

一般選手の正念場はこれからだ。

暗くなったり。。。

晴れたり。。。

選手からのサービスは嬉しい。いっぱいなはずなのに。

長い一日が終わった。

やはり、宮古島は、最高の大会だ。ただ、気になるのが完走率だ。フラット系コースで17時間制アイアンマンの完走はできても、宮古島では完走できない。完走出来なかった原因は何だろうか。時間が長くなれば完走できる?それもきりがない。佐渡と比較され、バイク距離が短く、フラットコースのイメージがある宮古島は、「ロングデビュー」に向いていると言われるが、風が吹けば、佐渡よりきついという声も聞く。宮古島はアイアンマンや佐渡に比べ、距離は短いが、制限時間も短い。決められたルールの中で完走するためには、それ相応のトレーニングが必要になる。

そう、今すぐ来年の宮古島に向け、始動する必要があるということだ。

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【Result】

総参加者数 1502名(男子1275名 / 女子227名)

完走率 80.2%(男子81.9% / 女子70.9%)

優勝 男子:戸原開人 / 女子:鷲津奈緒美

最高齢完走 男子:原田雄二(65) / 女子:佐藤みよ子(62)

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その他のレポート:http://triathlon-geronimo.com/?p=29669

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka