PI Winter Style & Winter “ VISION ”

パールイズミFALL/WINTER 2019が発表となった。

パールイズミは、日本のサイクルウエアブランドだ。昨今、海外の競合ブランドが犇めく中、ジャパンブランドとして、高い機能でリーズナブルなウエアを開発している。日本のブランドというと、「質実剛健」堅いクウォリティの反面、デザイン性などに好みが出る。そんな中で、ジャパンクウォリティと洗練されたデザインを融合させているのがパールイズミだ。逆に言えば、デザインは洗練されていて当たり前、本来の「モノ作り」として、いかにクウォリティを高められるかが重要となる。あくまでもアクティブなサイクルウエアとしての「快適性」が大前提であることは言うまでもない。今回のFALL/WINTERのテーマは、「着る人の個性を引き出すシンプルなデザイン。」「身体に五感に心地よくフィットするウエア。」としている。心地よくフィットするためには、どのような仕組みがあるのだろうか。

■TOPIC 1:ブランドの未来を指し示すコンセプトモデル冬の “ VISION ” 登場。

■TOPIC 2:トップスレースフィットのラインナップが大幅拡充。

■TOPIC 3:プレーンなデザインと合せやすいカラー。ウィンドブレーカーがリニューアル。

■TOPIC 4:コーディネートしやすく、ますます使いやすい。グローブラインナップが充実。

トピックスは上記の4つだ。中でもVISIONは、究極のコダワリを感じる逸品だった。今回の注目商品でもあり、主に、それらについてレポートしている。

まずは、生地を二重構造としていることが挙げられる。外側と中の内側素材は、独立しているのだ。これにより、動きに制限がなく、突っ張りのない自然な柔らかいフィット感となっている。突っ張りがないため、ウエアを大きく作る必要もなく、自然なタイトフィットを実現、今までにはなかった、着心地が出来上がった。見た目は「薄手」に見えるが、VISIONウィンターアンダーと組み合わせて「0℃」対応となっている。

素材はイタリア製を使用している。イタリア製は、色や柔らかさが特徴で、アイテムの性格に合わせ、国産と使い分けているのもパールスタイルだ。イタリア製の生地は、黒一つにしても何種類もある。黒一色のこのアイテムだが、色合いを変え、シンプルな黒の中に絶妙な切り返しが、高級感を醸し出している。

実際の試着感だが、やはり柔らかく、軽い感触だった。ストレッチ感が良い。とにかく、着用時の「モコモコ感」がなくスッキリタイトな感じがサマージャージ来ているようだった。

前身頃の裏側には、吸湿発熱素材「コンフォヒート」を配し、寒さを軽減している。

ジャケットの裏側。背広のスーツと同じように、縫い合わせを身体に当らないよう、内側にしている。

後部のポケット、裾周辺は、雨上がりなどの泥はねに対応し、簡易防水となっている。完全防水ではなく、逆に水抜き穴も配されている。撥水素材のため汚れも落ち易い。

手首がルーズフィットとなり、動かしやすく快適。

裾のシリコンテープを浮かせるようにし、ずり上がりにくくして、着た時の見た目をスッキリとさせてくれる。

背面内部の中央に配したメッシュで不要な伸びを抑え、バックポケットにモノを入れた時に伸び過ぎない。

パターンナーのコダワリを感じるカット。柔らかなフィット感と動き易すくなっている。

ペダリング時に抵抗を抑え、動き易さを考えたカット。

タイツにもコンフォヒートを腿、下腹部、腰などの風の当たる前面の内側に配している。

VISIONシリーズのサブアイテムだ。アンダーとグローブはニューリリースとなる。

とにかく良く伸びるのだ。そして、メッシュに凹凸があり、ドライ感と保温性を高めてくれる。

トップスのレースフィット、ベーシックフィットのラインナップが充実している。シンプルな配色、幾何学模様など、近くで見るイメージ、遠くからのイメージが違う面白さを感じる。

ウィンドブレーカーも刷新。生地のストレッチ性が高いためタイトフィットとなり、バタつきがない。一見ジャージにも見えるウィンドシェルを採用している。レースでの使用を想定したモデルだ。最後の写真は、調整用として携帯性のある便利なアイテムだろう。80gと超軽量には驚きだが、「大事なことは耐久性」とのことだった。それもクリアした優れモノだ。

トピックスの最後は、薄手で防風モデルをコーディネートし易くラインナップされている。冬場グローブは指先の感覚が重要、保温力を求めながらも操作性も両立させなければいけない。

レディスアイテムにも余念がないのがパールイズミ。シンプルなデザインはそのままにフィット、追加カラーなど充実。写真のブルー(ナイル)はとても上品で美しいカラーだった。

カジュアルラインのパンツは、「ランパン風」となっているのだが、「ランパン」を期待したい。

その他、サングラスが通せるウォームキャップ、スポットのデザインジャージ、そして、トライアスロンウエアが作れるオーダーシステムなど、様々なプロダクトが揃うパールイズミだった。

 

 

「ジャパンブランドの徹底したコダワリMONO!

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka