Team GERONIMO for SADO 2017 参戦記(Aタイプ 小林選手)

今年はどうしようかなぁ。女子はAなら当たりやすいかな?今までAなら落ちたことないし。今から練習積んでおけばどうにかなるかしら。 ってことで、前回完走時に『もう二度とAには出ない!』と固く決意したにも関わらず、そんなことすっかり忘れて佐渡Aタイプにエントリーしてしまいました。

とりあえず、どうしても無理な日以外は3種目のどれかは必ずやろう、と決めて、4月から手帳に記録を取り始めました。 スイムは4月1回、5月2回、6月3回。ずっと10㎞に満たず。さすがに溺れるかも… バイクは直前にも申し込みが可能なことが多かったマサさんのスピニングメイン。夏合宿までほぼ実走なし。 ランは帰宅のんびりランメイン。 1人で数ヶ月練習してきたのですが、やはり寂しくなってしまい、やっぱりチームのみんなと佐渡のレースに参加したい、と夏前に再びボスに頼み込み、なんとか出直し企画参加をさせてもらえることになりました。やはり仲間が周りにいるのっていいなぁ、ということが思い出せてありがたかったです。

しかし、7月8月と本番が近づくにつれて、不安がどんどん大きくなっていきました。2011の佐渡Aはランの19:30の関門で足切り、翌2012には練習を頑張りリベンジ。このときの方が練習していたのでは?また完走できなかったらどうしよう。そう思うと不安で不安で、FBにも『佐渡頑張ります』とか『佐渡に行ってきます』といった内容はアップできませんでした。完走できなかったらなかったことにしようと思ってました。そんなわけで、8月はほぼずっと挙動不審。終始ソワソワして、笑いはするけど心からは笑えない夏休みになってしまいました。

レース当日。 プレッシャーでウトウトしては目が覚めるの繰り返しでほとんど寝てない中3:20起床。なんでわたしAに申し込んじゃったんだろう。もう出ないって決意したはずなのに。と後悔の嵐が吹き荒れながらの起床。朝食食べながらもわたしは多分後ろ向きオーラ全開。 4:40出発。さすがに同室2人はこの時間に出る必要がないので、この時はお見送りでした。1人でとぼとぼバイクプールに向かい、増川さんたちの顔が見えてちょっとホッとしました。一緒に押しながら会場へ。しかしバイクラックは男女で離れているのでやはりまた1人。うーん。 ナンバリングとトイレを済ませてバイクエリアに戻ると、Bの選手が続々到着。なべさんに、『ランの2周目のどこかでこのウィンブレわたしにください』と防寒着を託しました。

首周りと肩周りにベタベタにワセリン塗ってウェット着てスイム会場へ。海は寒くない。見回してもチームの男性陣たちの姿が見えないけど、知った顔の女子選手何人かに会って喋って気を紛らせる。浜に上がって人見さんと池上さんをようやく見つけて泣き笑いみたいになる。固い握手をして、号砲。

スイム。以前は大きく1周だったのに今は2㎞2周。監視する側にはいいんだろうけど一回立ち上がるこのタイプがわたしは苦手。前回3.9㎞の時に1時間33分だったから、まぁ距離が伸びてるし1周45分くらいで泳げればいいかな?と、慌てずにスタート…結構蹴られました。左頬と、一番痛かったのは口の右端。かかとみたいに硬いのとそのあと爪で引っ掻かれるみたいな衝撃が飛んできました。そのあと血の味。サメが来たらどーしてくれる!噛んでやればよかった…1周終わって立ち上がったら41分くらい。お、あんだけもみくちゃにされたのにラッキー。

折り返しのとこにちえさんたちがいてくれた。嬉しい!『ブラッキー速い!』『いや、速くはない』『じゃあ、いいペース!がんばれ!』気を遣わせてすみません。ありがとうございました。2周目は最初ほどもみくちゃにはされなかったけど、左上腕の外側にビリビリッ!クラゲにやられました。まぁこれはロングジョンだから仕方ない。スイムアップして時計見たら、だいたい想定通りの時間でした。とにかく切れた口の端が海水に染みて痛かったです。

バイク。一番ウェイト大きいのに一番遅いバイク。とにかく8時間10分くらいはかけてもいいという計算のもと、スタート。いつも通り無数の選手に抜かされる。でもいつもだから気にしない(笑)。40㎞地点くらいで大粒の雨がバラバラッと来る。マサさんたちが上陸したのかな…降水確率ゼロでも雨雲連れて来るなんてやっぱすごいなーなんて感心しながら、とにかく漕ぐ。仲間たちが抜く時にかけてくれる声が集中力を持続させてくれる。Z坂のあたりでインナーからアウターに入らなくなり、仕方なく残りは全てアウター縛りで進むことになる。 両津港のあたりにクマさんがいるはず。いるかな?ジャージが見えた!クマさーん!『ブラッキー!』え、マサさん?『おいブラッキー練習の成果出せよ!』ごめんなさい出してます…。クマさんどこ行った?と思いながらも練習隊長マサさん登場はやはり嬉しく笑顔になれました。

何キロ地点だったか覚えてないけど一人旅のときわたしの横で車のエンジン音が並走。え、まさか回収車?それとも何か違反してる?と思ってたら『小林先生!小林先生!』右を見ると、助手席の窓から手を振るうちの男子生徒!!運転席では母上が笑顔で会釈!『えええーっ!!』びっくりしすぎて転ぶかと思いました。父上が選手で来てるとは聞いてたけど現地で会ってなかったのに息子には会うとは!しかもバイク必死で漕いでるとこなんて見られたくなかった、けど、登り区間じゃなかったからよかったぁ。

さて、小木の坂を目指します。『14時半を過ぎたら応援団は撤収するぞ』と言われており、わたしの計算上もそのちょっと前くらいの時間に小木港を通過できるはず。ん、小木港って、坂のこっち、向こう?どっち?向こうだったら応援団に会えないんじゃないの?標識だけ見て安心してた。何度か走っているからとコース図を熟読してしなかったのが悔やまれます。けど悔やんでもワープできるわけじゃないのでがんばる。登り始めて、14時半を過ぎる。わーまずい!でも急にはいなくならずに片付けとかするだろうからなんとか会えるかも!とアリのようなスピードで登る。いないなー。行っちゃったかー。と思ってたら、まさに車に乗ろうと脚突っ込んだくらいの姿勢からわたしを見つけてくれた応援団のみなさま。『ブラッキー来た!』来たよー。『ブラッキー忘れてたよ!』お待たせしすぎてすみません…見つけてくれてありがとうございます。

でもなんか声が3人分より多いような。余裕ないので『頑張ります!』とだけ声を張り上げてよろよろ進むと、車はちょっと進んで先回りしてからカメラを向けてくれた。するとなぜか車から降りてきた増川さん!え、なんで?『俺の分まで頑張れよー!』え?え?よくわからん。見た目は元気だった気がする。メカトラかな?何があるかわかんないもんだなぁ。

魚道場が見えてあと10㎞。よし、前回よりはちょっと速い。今回は粉飴ジェルが合っていたのか、歯も痛くない。でも首が痛くてDHだと頭が持ち上がらない。やはり実走の練習が足りなかったかー。心配してた寒さはまだ平気。街中に入り、ランナーとの交差をパスして商店街へ。Bタイプのフィニッシュへ向かうランナーたちを横目にバイク降車ラインへ。あー長かった!

ラン。鳥目のわたしは、暗くなると思うように前に進めません。でも確実に暗闇を走ることになります。従って、明るいうちにちょっとでも距離を稼いでおかねばなりません。いろんなとこが痛く辛くなってくる前に進んでおかなくては!とテクテク走り出す。11㎞折り返しを2周ってことは、ざっくり言えば10㎞4本。うん、わかりやすい。ちょっと足の甲が蹴り出しの時に痛い気もするけど、たぶん気のせいだから大丈夫。キロ6分くらいでとりあえず進んでおく。

公民館の前にメイストーム大西さんと大学同期のメカニック藤谷。『おぅ章子やっと来たか、お前ちょっとここ座れ!』と和ませてくれる。『そんな時間はありません!』と手を振ってスルー。商店街でまたマサさんの声援。『ブラッキーいいぞ!ここからはマイペース!』はい、マイペース得意です。手を上げて答えてさらに進むと、クマさんを引き連れたちえさんがやっと見えた!よかった元気に歩いてる。『ちえさんよく頑張ったねー!』と思わずでっかい声をかけてしまう。じーんとしながらわたしもやらねば!とまたテクテク走り出す。チームのたくさんの仲間とすれ違い、手を合わせたり声をかけ合ったりする。みんななぜか『がんばろう!』じゃなくて『がんばれ!』と声をかけてくれる。

いつもならエイドで水をガンガン頭からかけてもらうけど、今日は絶対夜は寒くなると思ってウェアと靴が濡れないように気をつける。田んぼエリアに入ると車を止めたおばちゃんの声援『行くしかないよぉ~』が飛んでくる。そーだ。ここまできたら、行くしかないのだ!まだ灯のはいってない灯籠。今年もお世話になります。これがないとわたしは確実に田んぼに落ちます。でもできればもっと数増やしてくんないかなー。

折り返し地点に近づき坂を登って行くと、でんでん太鼓みたいな音が響いてくる。かんべちゃんだ!ボスたちがでっかい檄を飛ばしてくれる。ここら辺はわりと気分良く折り返し、一周目を18時過ぎに終える。これくらいで寒くなるかな?となべさんにウィンブレを預けておいたのだけど、走ってるぶんには寒くない。渡してくれたらせっかく預けたけどやっぱいーです!と断ろう。と思ったけど商店街になべさんいないじゃん!ま、逆よりいいか。と思い2周目へ。

ちょっとずつ暗くなってきて、エイドで反射帯を渡される。でもこの帯は車とかのライトは反射してくれるけど別に光を発してくれるわけじゃないのでランナーが段差の黒さと影の色の区別がつかないので、暗くなると一気にペースが落ちる。仕方ないな。電気が照らしてくれてるとこは走れるけど、道路のひび割れとかは難しい。走りと歩きが混じって一気にペースが崩れて疲れてくる。一周目で抜いた選手たちに追いつかれたり抜かれたりするけど、仕方ないのでここは我慢!とじわじわ進む。

2周目の折り返し地点手前でボスがふざけてくれるけど一周目と違って気の利いた返しをする余裕もなく『笑えないっす』とだけ言い残して進む。折り返しでは手をパン!と叩いて喝を入れてもらった。よしあと、10㎞で終わりだ!!真っ暗の灯籠エリアはやっぱり歩いたけど、ここさえ抜ければ!の執念で早歩き。ちえさんに競歩のやり方ちゃんと教わっとけばよかった…もう遅い。田んぼを抜けると会場のアナウンスと賑やかさが聞こえる。え、もうゴール近い?と思ったら近所の家から聞こえてきたテレビの音だった。レースの中継見てくれてるんだなー。ありがたいなー。ぬか喜びを振り切って進む。商店街の明かりが見えてきた。

こんどこそ賑やかな本物の会場の大歓声だ!!!と思ったらそこになべさん登場。『ブラッキーごめん!ウィンブレ!』と並走しながら渡してくれたけど、あと1㎞ないし、もういらない…『ごめんなさい、もういいです。ありがとうございます』で、一緒に走り出す。ゆうじさんも来てくれて、3人で商店街の歓声の中を走る。帰ってきたんだなー。そこにいるみんながおかえり!と迎えてくれる。ありがとうございます!と答えながらハイタッチに応えていく。

どうしよう嬉しい!眼に入る風景全て写真におさめたいかんじ。心にしっかり焼き付けながら最後の角を曲がり、競技場入り口で反射帯を返す。同伴待機場所に仲間たちが待ってくれていた。寒い中こんな時間まで待っててくれてありがとうございます!ちえさんが両手広げてハグしてくれる。ウェア汗まみれだよ、とか言いながらもぎゅっと抱擁させていただく。大集団でフィニッシュテープへ。1人選手が前にいたけど譲ってくれたので、両手を突き上げてフィニッシュ!!前回よりも9分速い。予告時間もちゃんと上回った。前回は泣き顔でフィニッシュだったけど、今回は堂々と笑顔。

何ヶ月ぶりかの、心からの笑顔。春からずっと続けてきた佐渡最優先の生活が終わった。レースにかかった時間は15時間04分だけど、それだけじゃない長い長いトンネルをやっと抜け出て、朝日を浴びた気分だった。

カウントダウンのあとの花火、曲はなんとHERO。この選曲はズルい。君だけのためのヒーロー。今回わたしは誰のために頑張れたんだろう。 大会スタッフ、ボランティアの皆さま、何ヶ月も前から、そして当日も朝早く夜遅くまでありがとうございます。あったかい大会運営に支えられて選手は島を気持ちよく走り抜けられました。 地元の皆さま、道端で声援を送ってくれた皆さま、あたたかく見守ってくださっている気持ちが選手を前へ前へと後押ししてくれました。

わざわざ応援のために佐渡まで来てくれたCタイプの皆さんありがとうございます。ロング応援のしんどさはironman洞爺湖で身に染みているのでよくわかるつもりです。本当にありがとうございます。 一緒にレースに出たチームの選手の皆さま。お互い疲れているのに、常に『頑張れ』と声かけてくれてありがとうございました。 ボス、いつもおちょくって和ませてくださってありがとうございます。前回はボスは佐渡にいなかったので、今年はちゃんとボスの前でフィニッシュの姿をお見せしたかったです。その願いは叶わなかったけれど、メダルをお見せできてよかったです。

いろんな思いがぐるぐる巡って涙。花火の終わりと同時に夏が終わりました。全ての人と環境に感謝しかありません。お世話になりました。ありがとうございました。

小林章子

 

 

 

「ブラッキー、長かったプレッシャーお疲れ!」

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka